1.台風のたまごとは?生まれる条件や発達の流れも解説
台風のたまごに関する基本情報について、以下3つの観点からそれぞれ解説します。
・台風のたまごとは何か
・台風のたまごが生まれる条件
・台風のたまごが台風になるまでの流れ
台風による被害が不安な方、本格的な対策を講じたいと考えている方は、台風のたまごに関する基礎知識をつけましょう。
●台風のたまごは「台風になりそうな熱帯低気圧」
台風のたまごを一言で表すと「大きくなると台風になりそうな低気圧の塊」です。正式には台風ではないものの、今後台風へ成長する可能性が高い熱帯低気圧や雲の塊を指します。
気象庁や各国の気象機関が注視するエリアに現れる低気圧の塊は、台風のたまごとしてニュースやSNSでも取り上げられることが多いです。台風のたまごの発生は、早めに対策するうえでの指標として注目されています。
●台風のたまごが生まれる条件
台風のたまごが発生するには、主に下記3つの自然条件がそろう必要があります。
・海面水温が26.5℃以上であること
・大気の状態が不安定で上昇気流が強まっていること
・地球の自転によるコリオリの力が働く緯度帯にあること
海面水温が26.5℃以上になると、海面に大量の水蒸気が蒸発し、上昇気流の影響を受けて積乱雲が発生します。発生した積乱雲は、台風のたまごが成長するうえでのエネルギー源となる要素です。
またコリオリとは、地球の自転によって生じる見かけの力を指します。空気の流れを渦状に曲げる働きをすることで熱帯低気圧に回転が加わり、渦を形成するきっかけとなります。
3つの条件が重なった場所では、積乱雲が発達しやすくなり、熱帯低気圧が形成されます。特に夏から秋にかけての時期は条件がそろいやすく、台風のたまごが多く発生する季節となります。
●台風のたまごが台風になるまでの流れ
台風のたまごが台風へと成長する流れは、下記のとおりです。
1.熱帯地域の海上で台風のたまご(積乱雲の塊)が発生する
2.積乱雲の塊が海面からの水蒸気によって成長する
3.台風のたまご中心付近の気圧が低下して「熱帯低気圧」となる
4.熱帯低気圧の風速が基準値(最大風速17.2m/s以上)になる
熱帯低気圧の最大風速が17.2m/sを超えると、気象庁により「台風」として正式に分類されます。台風のたまごが台風になるまでには数日を要するため、下記段落で紹介するツールを使うと、進路や規模を予測できます。
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2.最新の台風のたまごをリアルタイムでチェックする方法

台風のたまごに関する最新情報をリアルタイムでチェックする方法は、主に下記3つです。
・気象庁の台風情報ページを確認する
・気象アプリ「Windy」を活用する
・米軍(JTWC)の熱帯低気圧監視サイトをチェックする
それぞれのページにおける特徴や具体的な使い方も解説します。台風のたまごは「いつどこで生まれているのか」をチェックする方法を押さえておきましょう。
●気象庁の台風情報ページを確認する
台風のたまごの発生や危険性を調べるには、気象庁の公式サイトにある台風情報ページがおすすめです。
参考:気象庁|全般台風情報
台風情報ページでは、発生中の台風だけでなく熱帯低気圧の情報もリアルタイムで確認できます。台風のたまごが台風に変わる直前の段階では「熱帯低気圧」として表示されるため、こまめなチェックが大切です。
サイト内で台風の進路予測図や気象衛星の画像も閲覧できるため、利便性を求める方にもおすすめです。
●気象アプリ「Windy」を活用する
「Windy」は、GPSに基づいて取得した位置の風・雨・雲の動きを視覚的に確認できる無料の気象アプリです。
参考:Windy
熱帯低気圧や台風のたまごが発生している地域では、渦を巻くような風の動きが見えるため、台風のたまごを目視で簡単に発見できます。
詳細設定で「風速」「気圧」「雨量」などの項目を選択すると、台風の発達具合も推測しやすくなります。台風の大きさや進路によって想定被害が変わる場合、Windyを活用して早め早めの対策を行うことが大切です。
●米軍(JTWC)の熱帯低気圧監視サイトをチェックする
台風のたまごの発生をチェックするには、米軍(JTWC)の熱帯低気圧監視サイトもおすすめです。
参考:JOINT TYPHOON WARNING CENTER
JTWC(Joint Typhoon Warning Center)は、アジア太平洋地域の熱帯低気圧監視に強みを持っています。台風についてもたまごの段階から発達リスクを下記3つに分類でき、危険な熱帯低気圧の場所をリアルタイムでチェックできます。
・LOW(可能性小)
・MEDIUM(可能性中)
・HIGH(可能性高)
英文表記のサイトではあるものの、表示される地図情報と数値を使って内容を直感的に把握できます。台風のたまごをチェックして危険性を確かめたい方におすすめのサイトです。
3.台風のたまごが発生したら「台風」になるかも!備えて行うべき施策

台風のたまごの発生に備えるためには、以下の施策がおすすめです。
・最新の気象情報を日常的にチェックする
・台風によって想定される被害を明確にしておく
・避難経路や場所を事前に把握する
・非常時に必要な道具を揃えておく
・ポータブル電源などの非常用電源を用意する
台風のたまごをいち早く発見し、対策のヒントを見つけましょう。
●最新の気象情報を日常的にチェックする
台風のたまごは、ある日突然発達して台風になる可能性があります。日頃から気象情報をこまめに確認する習慣をつけ、早い段階での発見や対策に努めることが大切です。
・気象庁の台風情報ページ
・Windy
・米軍(JTWC)の熱帯低気圧監視サイト
記事で紹介した3つから、便利だと感じるサービスを選んで日常的に活用しましょう。ブラウザのブックマーク機能を使うと、チェックしたいタイミングでサービスを開けます。
確認できた熱帯低気圧の中でも「発達中」「今後台風になる可能性がある」といった情報が出ている場合は要注意です。台風のたまごが台風になってから慌てるのではなく、発生や成長にいち早く気づけるよう工夫しましょう。
●台風によって想定される被害を明確にしておく
台風そのものに対する対策だけでなく、想定される被害(二次災害)も明確にしておきましょう。台風によって想定される被害は、住んでいる地域の地形や環境によって異なります。
海沿いや河川近くでは津波や浸水、山間部の場合は土砂崩れによる交通インフラへのダメージが考えられます。被害の想定ができていれば、事前の具体的な対策が可能です。
●避難経路や場所を事前に把握する
台風発生時も慌てず冷静に行動するためには、避難経路と避難場所の確認が欠かせません。
浸水による通行止めの被害も想定しつつ、避難場所へ向けた徒歩・車それぞれの避難ルートを把握しておきましょう。
避難経路や場所の特徴を把握するには、実際にシミュレーションするのがおすすめです。台風による被害を想定し、避難ルートを経由して避難所まで向かってみましょう。
避難ルートを決めるときは、管轄自治体のホームページやハザードマップを活用するのがおすすめです。小さい子どもやペットがいる家族の場合、誰がどうやって安全を確保するか決めておきましょう。
●非常時に必要な道具を揃えておく
事前や当日の台風対策は、必要な道具を揃えてこそスムーズに行えます。台風や地震を含む自然災害の発生に備えて、下記の道具を揃えておきましょう。
・水(1人1日3リットル×3日分が理想)
・非常食(レトルト食品など)
・懐中電灯
・ポータブル電源
・救急箱など
また台風の接近がニュースで報道されると、コンビニやスーパーで食料や電池が一時的な品薄状態になるリスクがあります。台風の発生直前ではなく、普段から非常時に備えて必要な道具を揃えましょう。
●ポータブル電源などの非常用電源を用意する
台風発生時は、下記の理由により停電が発生しやすくなります。
・強風や飛来物による電線や電柱の破損
・落雷や浸水による変電設備の故障
・電線の短絡(ショート)
停電の時に便利なのが、持ち運んで場所を問わず電子機器へ給電できる「ポータブル電源」。コンセントがない場所でもスマホやドライヤーなどの道具を使えるため、台風による停電時も安心です。ポータブル電源があれば、停電中でも必要最低限の電力を確保でき、情報収集や通信手段も保てます。
またポータブル電源は、停電中のほか、キャンプやアウトドアなどにも活用可能です。活用の幅を広げることで、生活の質をより一層向上させましょう。
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4.台風による停電対策にJackeryのポータブル電源を活用しよう
台風による停電対策には、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源が便利です。コンセントがない場所でも電化製品を動かせるため、下記を含む様々な災害時に役立ちます。
・台風時の避難経路の把握
・地震発生時のスマホ・PCへの給電
・停電時のコンセント替わりなど
Jackery(ジャクリ)は、2012年にアメリカで創業したポータブル電源とソーラーパネルに強みを持つ企業です。全世界500万台以上の販売実績を誇り、国内の正規販売も行われています。
購入後は最大5年の無料保証をつけられるため、初期不良の心配もありません。防災対策だけでなく普段使いもできるため、電気代を抑えることもできます。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、コンパクトで持ち運びしやすいのが特徴です。災害時の備えのほかアウトドアにも使えるので、便利グッズのひとつとして活用してください。
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5.台風のたまごに関してよくある質問
最後に、台風のたまごに関してよくある下記の質問に回答します。
・台風のたまごは必ず台風になる?
・成長した台風がたまごの状態に戻ることはある?
・台風の仕組みは何歳のときに学習する?
・台風のたまごが台風にならなくても注意したほうがいいですか?
記事で触れていない内容についても、情報収集の一環として目を通しておきましょう。
●台風のたまごは必ず台風になる?
台風のたまごは、必ずしも台風になるとは限りません。海上に発生した熱帯低気圧の塊は、発達せずに消滅するケースも多いです。
しかし、発生したばかりの熱帯低気圧の塊は急速に台風へと発達する場合もあります。特に海面水温が高い夏場は、いつ台風が来ても行動できるよう事前準備を整えましょう。
●成長した台風がたまごの状態に戻ることはある?
一度台風として認定された気象現象が再び「たまご」に戻ることはありません。しかし、台風が衰えて熱帯低気圧になった後、再び勢力を強めて新たな台風として再発生するケースはあり得ます。
再発生した場合、台風番号(例:台風〇〇号)は使いまわされず新たに振られ、まったく別の台風として扱われます。一度台風が消滅したあとも、油断せず定期的に最新の気象情報をチェックしましょう。
●台風の仕組みは何歳のときに学習する?
日本の小学校で台風の仕組みを学習する時期は、小学5年生の理科の授業です。「天気の変化」の単元で、気圧や台風の進路に関する理解を深めます。
小学生が台風についての内容を学習する時期を年齢換算すると10〜11歳です。そのため、さらに小さな子どもがいる場合は事前に「台風とは何か」を教えておく必要があります。
子どもに台風について教えるときは、特徴だけでなく「何が恐ろしいのか」を具体的に伝えましょう。事前に行える対策方法も教えてあげられるとバッチリです。
●台風のたまごが台風にならなくても注意したほうがいいですか?
たとえ台風のたまごが台風にならなくても、熱帯低気圧による下記の影響に注意が必要です。
・局地的な大雨や強風による被害
・落雷による停電
・波の高さの上昇によるアウトドアスポーツへの影響
大雨や落雷の影響により、普段通学や通勤に使っている道路が閉鎖される可能性もあります。深刻な場合は交通インフラにとどまらず、電気や水道が止まるケースもあるため十分な警戒が必要です。
Jackeryのポータブル電源バッテリーがあれば、コンセントが使えなくなった場合も安心して家電を使えます。スマホやPCも充電できるため、避難中の情報収集にも活用可能です。
まとめ
台風のたまごとは、発達途中の熱帯低気圧や雲のかたまりを指します。条件がそろえば台風へと発達するため、対策には早めの「気付き」が欠かせません。
記事で紹介したサイトを活用し、台風のたまごの動向をチェックする習慣をつけましょう。日ごろからの意識と行動が、緊急時の安心・安全な生活を守るカギになります。
台風の被害を最小限に抑えるためには、事前の備えも大切です。避難経路や場所を把握し、食料やポータブル電源など必要な道具を揃えておきましょう。