北海道に台風が来ない理由|上陸回数や旅行のベストシーズン・リスクも解説

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北海道には台風が来ないともいわれていますが、果たして本当でしょうか。北海道旅行を計画している方には、気になるポイントに違いありません。

 

実際に北海道は台風の影響が少なく、旅行先として人気です。ただし、過去には被害をもたらした台風も存在します。本記事では、北海道に台風が上陸した回数や北海道旅行のベストシーズン・リスクについて解説します。

目次

1.北海道には台風が来ないといわれるのはなぜ?

 

北海道旅行を検討している方のなかには、なぜ北海道には台風が来ないのか気になる方もいるでしょう。以下では、北海道には台風が来ないといわれる理由を「進路の影響」と「勢力の変化」の観点から解説します。

偏西風の影響で北海道が台風の進路から外れるから

台風が日本に近づく際、偏西風の影響を受けて北海道が台風の進路から外れやすくなります。 

偏西風とは、地球の北緯30~60度付近の上空を西から東へ吹く強い風のことです。台風が北上する際に偏西風に流されやすくなります。 

とくに台風の多い8月〜9月頃は、偏西風の影響で台風の多くは本州に接近・上陸します。そののちに東へと進路を変え、北海道を避ける形になるのが通例です。 

このように北海道は偏西風の影響を受けて台風の進路から外れるため、台風が来ないといわれています。

北海道周辺の冷たい海水で台風が弱まり、上陸前に台風ではなくなるから

北海道周辺の冷たい海水で台風が弱まり、上陸前に台風ではなくなることが多いのも理由のひとつです。

一般的に台風は、海水の温度が26~27℃の海域で発生するといわれています。しかし、北海道周辺の海は「親潮」と呼ばれる冷たい海流が流れています。そのため台風は北海道に近づく過程で勢力を弱め、温帯低気圧に変化しやすいのが特徴です。 

温帯低気圧になると台風特有の強風域や豪雨の広がりが抑えられ、災害リスクも低下します。こうした海水温の特性も、北海道が台風の被害を受けにくい理由のひとつと考えてよいでしょう。

関連人気記事:なぜ台風は日本に多く来るの?理由と備えるべき時期をわかりやすく解説

2.実は北海道に台風が上陸したこともある?過去の上陸回数と被害状況

 

北海道には台風が来ないといっても、実際には過去に上陸や接近した例があります。以下では、過去北海道に台風が上陸した回数と被害状況を解説します。

2011年〜現在まで22回北海道に接近

下図は、2011年〜現在まで北海道に台風が接近した数を示したものです。合計すると、22回北海道に接近しています。

気象庁「北海道地方への台風接近数」

引用:気象庁「北海道地方への台風接近数」 

ちなみに北海道地方に接近した台風とは、台風の中心が北海道のいずれかの気象官署(※)などから300 km以内に入った場合を指します。 

※気象官署:気象庁が設置した機関で、気象観測や天気予報などの業務がある

上陸数は1951年から現在まで6回

北海道に台風が上陸した回数は、1951年〜現在まで6回あります。ちなみに北海道地方に上陸した台風とは、台風の中心が北海道の海岸線に達した場合を指します。

参考:気象庁「台風の上陸数」

北海道に上陸・接近して大きな被害を与えた台風は、過去3回

北海道に上陸・接近して大きな被害を与えた台風は、以下の3つです。

洞爺丸台風(1954年・昭和29年)

1954年9月に北海道を襲った洞爺丸台風は日本海を北上しながら発達し、道南・道央で猛烈な暴風をもたらしました。 

とくに函館では、高波と吹き返しの風により青函連絡船「洞爺丸」が沈没してしまっています。乗客乗員あわせて1,139人が死亡する大惨事となりました。 

洞爺丸台風による農林業被害も甚大で、道内に災害救助法が適用されています。北海道史上、最悪クラスの被害をもたらした台風として今も語り継がれています。

参考:気象庁「洞爺丸台風」

ポプラ台風(2004年・平成16年)

2004年9月北海道に接近したポプラ台風(平成16年台風18号)は、札幌市を含む広範囲に強風被害をもたらしました。最大瞬間風速は札幌で50.2m/sを記録し、観測史上1位を更新しています。街路樹の倒木や停電が相次ぎ、札幌の北海道大学構内にあるポプラ並木が多数倒れたことから「ポプラ台風」と呼ばれるようになりました。 

ポプラ台風では北海道内で9人が死亡、473人の負傷者が出たとされています。建物や交通機関への影響も甚大で、市民生活に大きな混乱をもたらしました。

参考:気象庁「台風18号」

平成28年台風10号(2016年・平成28年)

2016年8月北海道に甚大な被害をもたらしたのが、台風10号です。 

台風10号は、岩手県に上陸後に日本海を通って北海道南西部に接近しました。すでに8月中に3つの台風が北海道に上陸していた影響もあり、地盤の緩んだ状態での接近となった経緯があります。 

とくに十勝・上川地方では堤防決壊・河川氾濫・土砂災害が発生し、住宅の浸水や交通網の寸断が相次いだといわれています。改めて道内でも災害対策の必要性が認識されるきっかけとなりました。

参考:内閣府防災情報「2016年(平成28年)台風第10号」

3.北海道旅行のベストシーズンはいつ?台風リスクが少ない時期も解説

 

北海道旅行のベストシーズンはいつ?台風リスクが少ない時期も解説

北海道は本州と比べて台風の影響が少なく、気候も穏やかな時期が多いのが特徴です。ただし、季節によって旅行の楽しみ方や注意点は変わります。 

以下では北海道旅行のベストシーズンはいつなのか、台風リスクが少ない時期もあわせて解説します。

晴れの日が多く過ごしやすい6〜7月がもっともおすすめ

北海道旅行には、晴れの日が多く梅雨の影響を受けにくい6〜7月がもっともおすすめです。北海道ならではの、さわやかな初夏が楽しめます。 

本州のように梅雨前線が毎年安定してかかるわけではなく曇りや雨の日が続く年もありますが、一般的には晴天の割合が高い傾向にあります。 

平均気温は札幌で20℃前後と快適です。台風の接近数も少なく、急な悪天候による旅程変更のリスクが本州に比べて低いことも見逃せません。

8月も台風は少ないが、暑さと混雑に注意が必要

8月の北海道は、台風の接近が比較的少ないため天候リスクは低めです。しかし、暑さと混雑には注意が必要です。夏休みやお盆時期が重なるため、観光地や交通機関は1年でも混雑する時期にあたります。 

気温は、地域によって差があります。北海道は涼しいイメージがあるかもしれませんが、札幌や旭川などの内陸部では30℃を超える日もあり、熱中症対策が欠かせません。過去には39.5°Cの猛暑日を記録したこともあります。

参考:気象庁「道内歴代1位の高温 

一方で道東の釧路などは比較的涼しく、過ごしやすいエリアもあります。海辺や高原リゾートでは、避暑を目的としたアウトドアや自然体験に適した時期です。混雑を避けるとしたら、早朝出発や平日の旅程調整などをおすすめします。

9月は紅葉や涼しい気候を活かしたアクティビティを楽しみたい方におすすめ

北海道では本州よりも早く、9月中旬から一部の高地で紅葉が始まります。阿寒湖や大雪山など、自然豊かなエリアでは紅葉狩りやトレッキングが楽しめる絶好のシーズンです。 

「小樽~札幌~旭川~美瑛~富良野」といった定番スポットをめぐる観光モデルコースを組んで、各地の魅力を満喫できる旅行も楽しめます。 

気温は一気に涼しくなり、下旬になるにつれ15°C前後と肌寒くなってきます。軽めの上着や防寒具など、体温調整しやすい服装を意識しましょう。

関連人気記事:台風が夏に多い理由とは?夏・秋台風の特徴や接近前に行うべき対策も紹介

4.北海道旅行をもっと安心に!万が一の台風や天候トラブルへの備え方

 

北海道は本州に比べて台風の影響が少ないとはいえ、100%安心とは言い切れません。とくに、航空機の欠航や列車の運休など天候による交通トラブルは旅程に大きく影響します。 

以下では、北海道旅行をもっと安心にするための、万が一の台風や天候トラブルへの備え方を紹介します。

天候による交通トラブルに備えて「遅延・欠航情報」を事前に確認する

天候による交通トラブルに備えて「遅延・欠航情報」を事前に確認しておきましょう。旅行前後のフライト・鉄道の運行状況は、天候次第で変化する可能性があります。 

とくに空の便では、風速や視界不良の影響で欠航になることもあります。遅延・欠航情報は各交通機関の公式サイトやアプリなどで確認してください。

航空券やホテルのキャンセル時の対応を知っておく

天候トラブルが生じた場合、航空券やホテルのキャンセルはどうすればよいかを事前に知っておきましょう。 

天候起因の欠航・遅延の場合、多くの航空会社では払い戻し手数料が免除されるケースがあります。ただし対象となる便やタイミングには条件があるため、公式案内を確認するようにしてください。 

また宿泊施設も自然災害によるキャンセルについては、柔軟に対応してくれることがあります。とはいえ、予約時にキャンセルポリシーを確認しておくとなお安心です。 

キャンセル料のトラブルを避けるためには、予約時点でキャンセル時の対応を確認しておくことが大切です。

雨天時でも楽しめる代替プランを準備する

北海道は広大で、エリアによって天候が大きく異なります。屋内施設を活用した代替プランを考えておくことで、天候に左右されず旅行を満喫できます。 

エリア別のおすすめの屋内施設は、下表のとおりです。 

エリア

おすすめの屋内施設例

道央(札幌・小樽エリア)

・札幌市青少年科学館

・白い恋人パーク

・サッポロビール博物館

・北一硝子

・オルゴール堂

道南(函館・登別エリア)

・登別温泉街

・のぼりべつクマ牧場

・函館市熱帯植物園

・五稜郭タワー

・市立函館博物館

道東(釧路・網走エリア)

・釧路市動物園

・釧路市湿原展望台

・釧路市立博物館

・網走監獄博物館

・オホーツク流氷館

道北(旭川・富良野エリア)

・旭山動物園

・富良野チーズ工房

・ふらのワイン工場

・美瑛選果

・旭川市博物館

雨天時でも楽しめる代替プランをあらかじめ用意しておくと、家族や友人とも安心して旅行が楽しめます。

5.家庭での台風・停電対策に!「Jackery(ジャクリ)ポータブル電源」で安心を手に入れよう

 

台風や大雨による停電に備えて、家庭でも電源を確保しておくことが重要です。そんなときに活躍するのが、ポータブル電源です。 

ポータブル電源とは、コンセントを使える持ち運び式蓄電池のことです。スマホや照明はもちろん、冷蔵庫や電気ケトルも動かせるため万が一の停電時も家族の生活を守れます。 

なかでもJackery(ジャクリ)のポータブル電源」は世界累計500万台以上の販売実績を持ち、最大5年の無料保証も完備しています。ソーラーパネルと組み合わせれば、停電時でも自宅で太陽光から電気を確保できるのも安心ポイントです。 

防災だけでなく、キャンプや車中泊など日常でもJackery(ジャクリ)のポータブル電源は活用できます。またJackery  Explorer 100 Plus」であれば機内持ち込み可能で、北海道旅行中のアウトドアでも利用可能です。 

万が一のときの備えとして、今こそご家庭に一台Jackery(ジャクリ)のポータブル電源を加えてみてください。

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6.北海道の台風に関するよくある質問

 

北海道の台風に関するよくある質問は、以下の3つです。

北海道に梅雨がない理由と台風は関係ありますか?

北海道に梅雨がないことと台風は、直接の関係はありません。ただ、どちらも「気圧の流れ」が関係しています。

梅雨は、太平洋高気圧とオホーツク海高気圧の間にできる前線が本州付近にとどまることで起こります。北海道はその前線より北にあるため、梅雨の影響をあまり受けません。

参考:気象庁「梅雨(つゆ)はなんで毎年夏ごろにくるの?」

一方台風も太平洋高気圧や偏西風の影響で本州方面へ進みやすく、北海道まで来ることが少なくなっています。

梅雨と台風は別の現象ですが、北海道が本州とは違う気圧の位置にあることでどちらも影響を受けにくくなっている共通点があります。

北海道に上陸した過去最大の台風と被害は?

北海道に上陸した過去最大の台風は、洞爺丸台風(1954年・昭和29年)です。洞爺丸台風は日本海で急速に発達し、道南・道央エリアに猛烈な暴風をもたらしました。

具体的な被害は、以下のとおりです。

死者:1,361名

行方不明者:400名

負傷者:1,601名

住家全壊:8,396棟

住家半壊:21,771棟

床上浸水:17,569棟

床下浸水:85,964棟

参考:気象庁「洞爺丸台風」

洞爺丸台風は、北海道の台風災害として史上最悪レベルとされています。

北海道は日本一台風が少ない都道府県ですか?

北海道は、日本一台風が少ない都道府県といえます。

気象庁のデータによれば、2021年〜2024年の4年間で北海道に接近した台風は4個です。ただし、その他の地域は少なくとも4年間で5回以上台風が接近しています。

参考:気象庁「台風の接近数」

そのため、北海道が日本一台風が少ない都道府県と考えても差し支えないでしょう。

まとめ

 

北海道は台風の影響を受けにくい地域ですが、まったく来ないわけではありません。過去には甚大な被害をもたらした事例もあるため、旅行の際は最新の天気情報や交通状況の確認が大切です。

北海道旅行中の天候トラブルで停電があった場合だけではなく、アウトドアをより楽しむためには機内持ち込み可能なJackery(ジャクリ)のポータブル電源がおすすめです。安心・安全な毎日を送るために家庭の停電対策としても、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源をチェックしてみてください。

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