1.お盆の定番は精進料理?おもてなし料理?
お盆は先祖を自宅でおもてなしする仏事です。本来、お盆は家族や親戚が一堂に集まり、ご先祖様へお供えした精進料理を食べるのが正しいとされています。後ほど詳しく解説しますが、精進料理は肉や魚を使わない料理のことです。
とはいえ、最近ではお盆に精進料理を食べる文化もあまり見られなくなってきました。もちろんまだ続けている家庭もありますが、普通の食事をしてダメということはありません。お仏壇にお供えする1人前だけ精進料理を用意して、あとはおもてなし料理を作るのも良いでしょう。
2.お盆にお供えする定番精進料理で押さえておきたい3つのルール
もしお盆に精進料理を作るなら、押さえておきたい3つのルールがあります。
・動物性の食品はNG
・辛味や香りが強いものはNG
・野菜・穀物を中心に作る
それぞれ理由を見ていきましょう。
①動物性の食品はNG!
仏教の「五戒」と呼ばれる教えには、動物の殺生を禁じる内容が含まれた「不殺生戒」という考え方があります。仏事の一種であるお盆でも、この教えを守り肉や魚を食べてはいけないことになっているのです。また、チーズや牛乳などの乳製品や卵類もNGとなっているので注意しましょう。ちなみに肉・魚を摂らないとたんぱく質が不足しますが、精進料理では大豆に置き換えて補っています。
②辛味や香りが強いものはNG!
辛味や香りが強い食べ物は、仏教では「食べると煩悩を刺激する」といわれる「五葷(ごくん)」に該当します。代表例は下記のとおりです。
●にんにく
●たまねぎ
●ねぎ
●にら
●らっきょう
上記はいずれも野菜で「五戒」には含まれませんが、精進料理ではNG品目です。精進料理を用意するなら押さえておきましょう。
③野菜・穀物を中心に作ろう
精進料理はここまで説明した「五戒」「五葷」に該当する食材を避けつつ、野菜や穀物を中心に作ります。よく使われる食材は下記のとおりです。
●大豆・小豆
●野菜類全般
●しいたけ
●昆布
●玄米
大豆や野菜を中心に構成するのが一般的。また汁物の「だし」に鰹節や煮干しが使えないので、昆布やしいたけを活用するケースが多いです。このあとお盆の定番精進料理を紹介するので、参考に用意してみてください。
3.お盆の定番精進料理レシピ9選
お盆の定番精進料理を9種類ピックアップしました。
●赤飯
●野菜の煮物
●野菜の天ぷら
●けんちん汁
●がんもどき
●豆腐ハンバーグ
●きんぴらごぼう
●五目豆
●おはぎ
上記を押さえておけば、もうお盆の精進料理の品目に困ることはありません。毎年お盆のメニューに困っている人は、ぜひ読んでみてください。
①赤飯
精進料理の主食の定番といえば赤飯。特に東北地方では、お盆にはほとんどの家庭で赤飯を作って食べます。炊飯器で非常に簡単に作れるレシピがあるので見ていきましょう。
- 1.米ともち米を混ぜて30分水に浸す
- 2.小豆も30分水に浸す(※1とは別)
- 3.2の小豆を弱火で30分間煮込む
4.3を少し冷ましてからゆで汁ごと1と混ぜ炊飯器で炊く
時間はかかりますが、工程は非常に単純。そのまま食べても良いですが、ごま・塩をふりかけて食べるのもおすすめです。
②野菜の煮物
「精進料理といえば煮物料理」というほど煮物は定番。中でも野菜・根菜の煮物は基本中の基本です。具材は野菜・根菜ならなんでもOK。昆布だしを使って、根菜→野菜の順で煮込んでいきましょう。味が薄いと感じたら、醤油も使って味付けしてみてください。
③野菜の天ぷら
精進料理における定番で重要なおかずになるのが野菜の天ぷら。卵が使えないので、薄力粉と小麦粉を水で溶いて衣を作りましょう。天つゆは市販のものでも、砂糖・醤油・みりん・酒と昆布だしで作ってもOK。お好きな野菜で作ってみましょう。
➃けんちん汁
けんちん汁は野菜・根菜メインの汁物。お肉などを入れないのが基本で、精進料理のひとつとしても有名です。基本レシピは下記のとおり。
- 1.大根・人参・れんこんなど好みの野菜を切る
- 2.豆腐とごぼうをごま油で炒める
- 3.他の具材を入れて炒める
- 4.なんとなく火が通ったらだしを入れて煮込む
- 5.醤油・長ネギを加えて味を調節して完成
基本のけんちん汁はごま油と醤油ベースで作りますが、味噌を入れても美味しいので試してみてください。
⑤がんもどき
がんもどきは豆腐を潰し、にんじん・ごぼうなどの野菜と混ぜて揚げたもの。「もどき」と名前についているように、肉もどき(=肉の代わり)として精進料理で用いられています。作り方は簡単で、にんじん・れんこん・豆腐などの具材と、小麦粉・砂糖・塩を混ぜて揚げるだけ。ほとんどのスーパーで売っているので、揚げるのが面倒なら既製品で済ませるのもいいでしょう。
⑥豆腐ハンバーグ
「普通の精進料理だけでは味気ない」という方におすすめなのが豆腐ハンバーグです。豆腐ハンバーグは肉類を一切使用しないので、精進料理としても問題はありません。簡単な作り方は下記のとおりです。
- 1.木綿豆腐をキッチンペーパーに包み、電子レンジ500~600Wで2~3分加熱する
2.れんこんと1の豆腐をすり鉢でする
3.片栗粉と塩を2に入れて混ぜる
4.3をハンバーグの形に成形しながら強火で焼く
5.焼き色がついたら醤油・みりん・酒で味を整えるて完成
付け合わせに大根おろしを用意するのもおすすめです。精進料理だと調味料のバリエーションが狭いので、濃い目に味付けしましょう。
⑦きんぴらごぼう
きんぴらごぼうはお盆の定番メニューのひとつ。作り方も下記のように、非常に簡単です。
1.ごぼうをささがきにして水にさらす
2.にんじんを千切りにする
3.ごま油で一緒に炒める
4.やわらかくなったら酒・醤油・みりん・砂糖で味を整えて完成
にんじんのオレンジ色が精進料理ではアクセントになるのもポイント。シャキシャキ食感が子供にも大人気です。量を作るのもカンタンなので、ぜひお盆の食卓に並べましょう。
⑧五目豆
煮物の中でも精進料理の定番とされているのが五目豆。肉・魚を食べない精進料理では、貴重なたんぱく質原として活躍します。作り方は下記のとおりです。
1.あらかじめ鍋に昆布だしを取っておく
2.にんじん・こんにゃく・しめじ・れんこんなどを細かく切る
3.1で使った昆布を細かく刻み、2と豆を煮込む
4.醤油・みりん・砂糖で味を整え、少し煮込んだら完成
面倒なのは2の切る工程だけ。ぜひお盆のお供え料理にプラスしてみてください。
⑨おはぎ
おはぎは主に小豆を使って作られる、お盆の精進料理の定番おやつメニュー。小豆には魔よけの効果があると信じられていたため、お盆を含む仏事でよく食べられています。非常に痛むのが早いので、お供えし終わったら下げて家族で食べましょう。こだわるとかなり作るのが面倒ですが、非常に簡単な作り方があるので紹介します。
1.米ともち米を3:7で混ぜて炊飯器に入れる
2.水を炊飯器の「すし飯」のラインまで入れる
3.30分浸してから普通に炊く
4.炊けたら塩を少々混ぜ、麺棒でつぶす
5.水で少し濡らしながらもち状に丸めて小分けにする
6.ぬらして固く絞ったさらし布をにあんこを広げ、5を包んで完成
上記の作り方ならあまり手間がかかりません。やけどにだけ気をつけて、お子さんと一緒に作ってみるのも良いでしょう。
4.お盆料理にはこれ!定番レシピ5選
お盆に食べる料理は、地域や家庭によってさまざまですが、先祖を供養する意味を持つ定番料理が中心です。
ここでは、お盆に欠かせない5つの定番料理を紹介します。
①団子
お盆に欠かせない「団子」は、先祖を供養するためのお供え物として用いられる伝統的な一品です。地域によっては白玉団子やおはぎなど、さまざまな団子が作られます。
お供え用に作ったあとは、家族で分け合って食べるのが習わしです。きな粉やあんこを用意すれば、おやつとしても味えます。
②いなり寿司
いなり寿司は、醤油・みりん・砂糖で甘辛く煮た油揚げに酢飯を詰めた定番料理です。お盆の集まりでは、手軽につまめることから人気があります。
昔から稲荷神の使いであるキツネの好物として知られ、五穀豊穣や家族の繁栄を願う意味が込められています。
③ずんだ餅
ずんだ餅は、枝豆をすりつぶして作るずんだあんを餅に絡めて作る東北地方の郷土料理です。お盆の時期になると、夏の味覚として親しまれています。
ほんのり塩気のある甘さが暑い夏でも食べやすく、お供え用や来客のお茶請けにも最適の一品です。
④かいのこ汁
かいのこ汁は、主に鹿児島県などの地域で親しまれている郷土料理です。お盆の時期に作られることが多く、油揚げやこんにゃくなど具がたくさん入っています。
栄養バランスがよく冷房で冷えた体を温めてくれる、家族が集まるお盆の食卓をほっと癒してくれる存在です。
⑤酢の物
酢の物は、さっぱりとした味わいが夏のお盆料理にぴったりの一品です。きゅうりやわかめ、みょうがなどの旬の食材を酢で和えるだけと調理も簡単。
さっぱりとした味わいが暑い時期に食欲をそそるので、箸休めとしても重宝されています。
関連記事:【2025】北海道お盆イベントを120%楽しむ!日程・穴場完全ガイド
5.来客・親戚も喜ぶ!お盆の華やかおもてなし料理5選
お盆や親戚や来客など、たくさんの人が集まる機会でもあります。普段よりちょっと豪華なおもてなし料理を振る舞えば、喜ばれること間違いなしです。
ここでは、見た目も華やかでお盆にぴったりのおもてなし料理を5つ紹介します。
①彩り野菜のピンチョス風盛り
旬の夏野菜を串に刺して、ピンチョス風に仕上げたおしゃれな一品です。作り方はミニトマト、きゅうり、オクラなど、好きな野菜を一口サイズに切ってピックや竹串に刺して盛り付けるだけ。
見た目もカラフルで、食卓を一気に華やかにしてくれます。お好みで、ドレッシングや塩で味を整えて食べてみてください。
②彩り手まり寿司
ひとくちサイズの手まり寿司は、お盆の集まりに華やかさをプラスしてくれる一品です。新鮮な魚や野菜を使い、丸めた酢飯を包めばコロンとかわいい手まり寿司の出来上がり。
サーモンやきゅうりなど彩り豊かな具材にすれば、華やかで喜ばれること間違いなしです。家族や親戚と一緒に作るのも、楽しい思い出になります。
③夏野菜の揚げ浸し
夏野菜の旨味を引き立てる揚げ浸しは、冷やして食べるとさらに美味しくなる一品です。
作り方も簡単でなすやピーマン、パプリカなど好きな野菜を素揚げして、だし汁やめんつゆに漬け込むだけ。冷蔵庫で冷やしておくことで、暑い夏のお盆料理にぴったりの爽やかな副菜になります。
④冷やし茶碗蒸し
冷やし茶碗蒸しは、蒸し料理の定番である茶碗蒸しを夏仕様にアレンジした一品です。作り方も簡単で、卵液にだし・塩・みりんを混ぜて蒸してから冷蔵庫で冷やすだけ。
具材には枝豆や海老など彩りのよいものを使うと、見た目も楽しく来客にも喜ばれます。
⑤トマトの出汁漬け
完熟トマトを出汁に漬け込むだけのシンプルな料理ですが、驚くほどおいしくなるのがトマトの出汁漬けです。作り方も簡単で、湯むきしたトマトを出汁・みりん・醤油で味付けした漬け汁に30分ほどつけるだけ。
トマトを丸々1つ使用するので、見た目のインパクトも抜群です。口に入れた瞬間にだしの旨味がじゅわっと広がり、暑いお盆の食卓に爽やかさをプラスしてくれます。
関連記事:お盆に帰省しない・帰らないのは非常識?親不孝にならない家族円満のコツ
6.お盆の定番おもてなし料理3選
お盆に親戚がたくさん集まり、精進料理にこだわらないならぜひおもてなし料理を作りましょう。ここでは、お盆で大人数で楽しめるボリューム満点・ラクラクな3つのおもてなし料理を紹介します。
●鶏手羽元のから揚げ
●海鮮ちらし寿司
●のせるだけお寿司
それぞれ見ていきましょう。
①鶏手羽元のから揚げ
簡単に食卓のボリュームアップができるおすすめのメニューは、鶏手羽元のから揚げです。鶏手羽元は鶏むね・もも肉よりリーズナブルなのがポイント。小分けにする必要もなく調理もカンタンです。下記のレシピでサクッと作りましょう。
1.保存袋に手羽元と醤油・塩こしょう・料理酒・しょうがをまぜて30分漬け込む
2.汁気を切り、片栗粉をまぶす
3.180℃の油で衣がカリッとするまで(約6分)揚げて完成
カンタンなのに美味しくて大人気です。ぜひお盆に親戚が集まるなら活用してみてください。
②海鮮ちらし寿司
「お盆はお刺身かお寿司!」というご家庭におすすめなのが海鮮ちらし寿司。いれるタネは、スーパーによくある「手巻き寿司セット」などを買って細かく切ればまとめて揃います。もちろん、ちょっとお高いお刺身を別で調達してきてもいいでしょう。作り方は非常に簡単です。椎茸やれんこんなどを入れた炊き込みご飯を作り、酢飯にしてタネをのせるだけでOK。簡単・ボリューム満点で、作る人も食べる人も満足のおすすめメニューです。
③のせるだけお寿司
「海鮮ちらし寿司すら面倒だけどお寿司は食べたい!」そんなあなたにおすすめなのが「のせるだけお寿司」。
のせるだけお寿司では具なしの海苔巻きだけ作って、具材は各自で乗せて食べます。のせるだけお寿司なら、ちらし寿司で起きがちな「マグロは嫌い!」「椎茸は入れないで!」といった好き嫌いの揉め事ないのもポイントです。
手抜きのようで、実は理にかなったスタイルなのかもしれません。創作大好きな子どもがいっぱい集まるご家庭にもおすすめします。
7.お盆に大人数で集まるならお庭などでバーベキューや家族パーテイーもおすすめ!
お盆に大人数で集まるなら、庭でバーベキューをするのも良いでしょう。バーベキューがおすすめな理由や、子どもが集まる環境でも安全にバーベキューができる人気のアイテムを紹介します。
①バーベキューなら手間いらず!食べたい分だけ食べられてラクラク!
バーベキューなら料理の手間はほとんど必要ありません。必要な道具を揃えて、火さえ起こしてしまえばあとは焼くだけ。ちょっとエコではないですが、お皿やコップも紙製品を使えば後片付けもバーベキューコンロ程度で済むでしょう。
さらにバーベキューのもうひとつのメリットが、食べたい人が食べたい分だけ自由に食べられる点です。「〇人分料理を作らないと…」と考えるわずらわしさもないでしょう。欲しい人が勝手に取っていくスタイルにすれば、料理を取り分けるような気遣いも必要ありません。余ったお肉や野菜は次の日に炒めてしまえばOKです。
関連人気記事:バーベキューにはどのような道具や用品が必要?電気製品やポータブル電源を使うメリットもご紹介
②子どもが多いならポータブル電源を使って安全な火を使わないBBQも!
子どもがたくさん集まる家庭の場合、心配なのが火の危険。そこでおすすめなのが「ポータブル電源」を使って、火を使わないバーベキューをする方法です。ポータブル電源とは、AC電源のない場所でも家電にAC電源を給電できる持ち運び型バッテリーのこと。
IHクッキングヒーターやホットプレートをポータブル電源につなげば、火を使わなくても庭でバーベキューが可能です。炭火焼きができないので若干の味気無さを感じるかもしれませんが、代わりに電気圧力鍋を使った煮込み料理などのレパートリーも増やせます。一番面倒な炭の準備と火おこしが不要なのもポイント。
Jackeryのポータブル電源は、全世界で500万点以上売れている人気の製品で、防災時にお役たつ安全で高性能製品として防災推奨製品として認められています。停電時の非常用電源、家族パーテイーや庭のDIYでACコンセントが届かない場所の電源確保、ソーラー発電により節電もできるので、幅広く活躍しています。
8.お盆のお供え料理に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、お盆のお供え料理に関するよくある質問にお答えします。
①お盆のお供え料理は14日から?いつからはじめたらいいの?
お盆のお供え料理は、一般的に8月13日の迎え盆からはじめます。13日は「迎え火」で先祖の霊を迎える日とされており、14日から本格的に料理をお供えする家庭が多いです。
ただし、12日から用意をはじめるところもあるなど、地域によってさまざまです。住んでいる地域や家庭の風習を尊重しながら、心を込めて準備しましょう。
②新潟・鹿児島・沖縄など地域特有のお盆の料理は何がある?
地域によってお盆料理の特色はさまざまで、新潟県・鹿児島県・沖縄県では以下のような料理が食べられています。
【新潟県】
・かいのこ汁
・ 笹団子
【鹿児島県】
・がね(さつまいも入りのかき揚げ)
・そうめん流し
【沖縄県】
・ソーキ汁
・ジューシー
地域ごとの特色を活かした料理を取り入れることで、さらに心温まるお盆になるでしょう。
まとめ
本来のルールでは「お盆=精進料理」で、肉や魚を使わず、野菜や穀物で作られた料理を食べます。ただし、最近では「お盆に精進料理を食べなければいけない」という厳格なルールはなくなってきています。大人数集まるけど面倒な料理をしたくない人にはバーベキューもおすすめ。ポータブル電源があれば火を使わずに外で安全なバーベキューが可能。炭の準備もいりません。ぜひ1台用意して、お盆はお庭でバーベキューをしましょう。