【導入事例】一般社団法人やちよ未来エネルギー様

ポータブル電源とソーラーパネルで桜のエコライトアップを実現

ポータブル電源とソーラーパネルで桜のエコライトアップを実現

千葉県八千代市の「八千代新川千本桜まつり2023」で、Jackeryのソーラーパネルとポータブル電源を使ったエコライトアップが行われた。この試みを行ったのは一般社団法人やちよ未来エネルギーだ。なぜ自然エネルギーを使ってライトアップを行ったのか。その背景となる、同団体の歩みとライトアップで使用したJackery製品について、代表の高山敏朗さん、スタッフの原田光一さんと小林光子さんにお話を伺った。

一般社団法人やちよ未来エネルギー
団体概要

業種:一般社団法人

活動内容:市民発電プロジェクト等イベントの実施、太陽光発電事業等の企画・開発・設計 等

職員数:11名(2023年4月現在)

ホームページ:http://yachiyomirai.com/

課題

・ライトアップ費用が年々増加していた
・地球温暖化対策を行いたい

解決策

・ソーラーパネルの活用で電気代を削減
・エコライトアップ採用で来場者にPR

自然エネルギーを広めるために立ち上げ

2023年3月、千葉県の八千代市で「八千代新川千本桜まつり2023」が開催された。この日の目玉は、川沿いに咲いた河津桜を照らす「エコライトアップ」。このライトは太陽が出ている昼間にJackeryのソーラーパネルで電気を作り、それをポータブル電源に溜めた電力を使って照らされたものだった。

自然エネルギーを広めるために立ち上げ

この「エコライトアップ」を実施したのが、「市民の輪から自然エネルギー100%の社会の実現を」というメッセージを掲げて、活動を行っている一般社団法人やちよ未来エネルギーだ。

同団体が生まれたきっかけは、2011年の東日本大震災だった。

「あの時、原子力発電所の事故が起き、多くの人が子供の健康や食、環境について不安を感じました。そこでまずは正しい知識を得るための勉強会をやろう、ということになりました。その時の会がベースとなって、やちよ未来エネルギーは誕生しました」(高山さん)

高山さん

同団体が安全で安心できるエネルギーとして、注目したのが自然エネルギーだった。

「かつて自然エネルギーや環境問題に取り組むのは、専門的な人あるいは環境に対してすごく意識が高い人という見られ方をしていました。我々はそうではなく、自然エネルギーをもっと身近に感じて、市民の皆さんが自分ごとになるようにと『コドモミライプロジェクト』を立ち上げました」(高山さん)

そのプロジェクトでは、子供向けの工作講座などを通して、子供たちと同時に保護者の方々に自然エネルギーや持続可能な取り組みの必要性を認識してもらえるような活動を行っているという。

自然エネルギーを探していたらJackeryに出合った

一般社団法人やちよ未来エネルギーの活動の一つが、電力会社から供給される電気だけでなく、自分たちで電気を作る「市民発電所プロジェクト」がある。

その取り組みのために、最初に導入したのが「ソーラーパネル工作キット」だったという。大きな100Wのパネルとインバータ、バッテリーがキットになって販売されているものだ。

「自分の手で作ったもので、太陽光発電ができるのはいいなと思ったんです。そんな時、私たちの街の駅前でイルミネーションをつけたいけれど、『電源が無いので、なんとかならないか』という相談を受けました。早速、そのキットを使ってやってみたのですが、継続的に電気をつけることができなくて、これだと難しいねということになりました」(原田さん)

自然エネルギーを探していたらJackeryに出合った

そこで改めて、持ち運びもしやすく拡張性のある自然エネルギーを探していた時に、出合ったのがJackery製品だった。

2019年、試しに「Jackery ポータブル電源 240」と「Jackery SolarSaga 60」を購入し、実際に使ってみたところ、驚きの結果が出たという。

「最大出力が60Wのソーラーパネルを使った時に70W以上の発電をしたんです。規格以上に出たことを体感して、素晴らしい製品だと驚きました。またパッケージも含めて製品の品質が高いと感じています。例えば、ソーラーパネルの電源ケーブルを収納するポケットがすべての製品についている。その後、他社の製品も使いましたが、ケーブルの収納で困ることもあったので、収納ポケットなど細かい点にも配慮できている点に品質の高さを感じました」

さらに気に入ったのが、電源のハンドル部分とケーブルだという。

「Jackery製品は上面がフラットになりながら、ちゃんとハンドル部分が起きる構造になっている。またケーブルの品質も高く耐久性もありますよね。他社製品のソーラーパネルも使っていますが、パネルは問題なくてもケーブルが故障して使えなくなったこともあるので、その点でもJackery製品の品質の高さを感じますね。そうした使い勝手の良さに加えて、発電効率という基本性能の部分がしっかりしているところが魅力です」(高山さん)

Jackeryは発電効率という基本性能の部分がしっかりしているところが魅力

桜のエコライトアップに取り組む

桜のエコライトアップに取り組む

 

やちよ未来エネルギーで作り出した、自然エネルギーを活用したイベントが八千代市の「新川千本桜まつり」だ。新川沿いに植栽された、およそ1000本も続く河津桜の一部をライトアップするというもので、2017年より地域活性化の一環として例年2月に催されていた。

当初この祭りでは、電気工事を行ってライトアップしており、毎年かなりの金額の経費が発生していた。それでも祭りへの期待に応えるため、年を追うごとにライトアップの規模は拡大。実行委員会に経費の圧迫がのしかかっていた。

2019年の開催の折、かねてよりエコエネルギーでの実施を提案していた「やちよ未来エネルギー」に実行委員会から声がかけられた。高山さんたちはJackeryのポータブル電源を1台持っていき、デモンストレーションとしてライトアップに参加したという。

だが、経費が削減できるのは歓迎する一方で、その実現性について不安の声は多かったという。

「実行委員会に行ったところ、『本当にそんなことができるの?』と反対意見が多く、電力会社からは『難しい』とも言われました。我々は電気のプロではありませんが、Jackeryのポータブル電源の電力量からすれば、それを賄えるだけの電気は自然エネルギーで作れます。反対意見を言われ、悔しい思いをしながらも、できないはずがない、実現したい、という思いを強く持ちました」(高山さん)

契機となったのは、2019年9月に千葉県を直撃した巨大台風15号による被害だ。新川沿いの桜も100本以上が倒木した。否が応でも地球温暖化の影響へ目を向けざるを得ない状況となった。

「日本の電力不足も大きな話題になりニュースなどでも取り上げられ、毎年異常気象が起こるなど、環境面の変化は明らかに自覚できるレベルです。そういった中で桜を守っていくためにも、自然エネルギーを活用した取り組みが必要だということを訴えて、徐々に理解が進みました」(小林さん)

桜を守っていくためにも、自然エネルギーを活用した取り組みが必要

「新川千本桜まつり」は、2020年と21年はコロナ禍により中止に。22年はライトアップのみが復活したが、その際のすべての電力を自然エネルギーで賄えるよう、高山さんたちは着々と準備を進めていた。

クラウドファンディングで支援の輪を広げる

クラウドファンディングで支援の輪を広げる

「やちよ未来エネルギー」がライトアップの電力を賄うために取り組んだのが、クラウドファンディング(以下、クラファン)の活用だった。

「実行委員会の中から、クラファンをやってみたらどうかという提案がありました。当時、僕自身は全くやったこともなかったのですが、クラファンをやることで、多くの方々の関心を得られるのではと思ったのです」(原田さん)

クラファンは、22年の「新川千本桜まつり」に向けて実施。リターンの中にJackeryのポータブル電源とソーラーパネルを入れ、お祭りの時には、賛同してくださった方からお借りして祭り後に返却する、というものだった。

2022年に加えて、2023年にもクラファンを実施。その結果、23年の祭りで使用したポータブル電源の数は合計21台にのぼった。『やちよ未来エネルギー』のメンバーたちが所有しているのは9台なので、賛同者の輪が広がっていることを実感できるだろう。

ライトアップの電力を賄うJackeryポータブル電源
Jackeryポータブル電源の使い方

さらに、ほとんどの購入者の方が、このエコライトアップを見に来てくれたと言う。祭りを盛り上げるために自分自身もひと役買っているという実感を得られたことだろう。それもエコエネルギーによってというのは、高い充足感を生んでいるはずだ。

いずれは市民の力で自然エネルギーの広がりを

いずれは市民の力で自然エネルギーの広がりを

最後に皆さんに今後の目標や展望を聞いた。

「エコライトアップと言っても、どういうものなのかがよくわからないという方がほとんどです。『新川千本桜ライトアップ』の時にチラシを作ってお配りするようにしたんです。チラシを見せながらご説明すると、皆さんから笑顔をいただけます。それが本当によかったなと思いますし、広まりを実感しています」(小林さん)

「『新川千本桜ライトアップ』でライトアップした桜は最初20本だったそうです。それが自然エネルギーを使いながら22年は40本、23年は45本と増えていっています。すべてを自然エネルギーで行っていると胸を張って言えますし、感慨深い部分もあります。ただし現在、エコライトアップとしてできているのは、桜のライトアップのみ。今後は屋台なども含めた、イベントそのもののエコ電源化を目指したいと思っています」(原田さん)

「試行錯誤しながらも、自然エネルギーでさまざまな取り組みをやってきたという自負はあります。反省点も吸収しながら実現できるという思いで、いろいろなハードルは乗り越えることができたのかなと感じています。それでも大事なのは継続することです。『やちよ未来エネルギー』としては市民の力で自然エネルギーを広めるという大目標があります」(高山さん)

なお同法人では、2021年よりクリスマスシーズンに、京成大和田駅の駅前でJackeryのポータブル電源とソーラーパネルを使い、自然エネルギー100%でのイルミネーションを行っている。

実際に自分たちが自然エネルギーを使用するだけでなく、市民たちが触れる機会も創出している。子供たちの未来が持続可能な世界となるようにと取り組む同法人の活動はさまざまなメディアなどでも紹介され、注目を集めている。


コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。


new-customer-close
送信