1.コンセントにアースがないとどうなる?
ここでは、コンセントにアースが接続されていなかった場合に、どのようなリスクが生じるのかを見ていきましょう。
●感電の危険がある
アースがない状態で電化製品を使うと、万が一の漏電時に感電するリスクが高まるため注意が必要です。
通常、家電の内部で電気が漏れても、アース線があれば電流は地面へ安全に逃げます。しかし、アースがないと漏電が本体に残り、使用者が触れたときに電気が流れてしまいます。
とくにリスクが高いのは、洗面所やキッチンなど水を使う場所です。濡れた手で触れると、わずかな電流でも人体に深刻な影響を与えるケースがあります。アース線が設けられているのは、電気が逃げる道を作り、感電を防ぐのが目的です。
●トラッキング現象で火災になる
アースがないと、火災が起こるリスクが高まります。コンセントとプラグの間に湿気やほこりが溜まると、微弱な電流が流れ続ける「トラッキング現象」が起こることがありますが、徐々に発熱して最終的に火花や炎を発生させるケースがあるのです。
アースがつながっていれば、余分な電流も安全に逃がせます。一方、アースがないと電流の逃げ道がふさがれて、気づかないうちに出火する可能性がある点に注意が必要です。
トラッキング現象は目に見えにくく、気づいた時には焦げ跡や発煙が起こっているケースも少なくありません。住宅火災の原因のひとつとなっているので注意しましょう。
●電磁ノイズが発生する
アース線は感電や火災防止だけでなく電磁的なノイズの逃げ場としても機能しています。家電製品が発するノイズが空間に拡散してテレビやラジオの音が乱れたり、Wi-Fiが不安定になったりするのをアース線が防いでいるのです。
また、ノイズは精密機器の誤作動や制御エラーの原因にもなります。たとえば、電子レンジが止まったり、スマートスピーカーが誤反応するなど、身近なトラブルとして表れるケースも。情報機器が増えている現代では、ノイズ対策としてもアースの有無が重要になってきています。
2.コンセントにアースが必要な家電製品

水まわりや湿気のある場所で使う家電製品は、漏電時の感電を防ぐためにアースが必要です。とくに、以下のような機器では、安全のためアース線を接続しましょう。
・洗濯機
・冷蔵庫
・電子レンジ
・食器洗い乾燥機
・温水洗浄便座
たとえば、洗濯機は洗濯槽や背面部に触れたとき、万が一内部で電気が漏れていると感電する恐れがあります。また、電子レンジや冷蔵庫など金属の筐体を持つ機器も、感電やトラッキング火災のリスクがあるため、アース接続が欠かせません。
日常生活に欠かせない身近な家電ほど、設置時にはアースの有無を確認し、確実に接続する意識が大切です。とくに、賃貸住宅や古い建物では壁にアース端子が設けられていない場合もあるため、しっかりチェックしておきましょう。
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3.コンセントにアースがない場合はどうする?対処・代用方法
築年数の古い住宅やアパート、あるいは賃貸物件ではそもそもアース端子がない、コンセントにアース線をつなぐ場所がないといったケースも珍しくありません。
ここでは、アースが取れない場合の対処法や代用方法を具体的にご紹介します。
●つける場所がなければアース端子を増設する
アース線の接続先がない場合、安全な対処法のひとつがアース端子の増設です。たとえば、金属製のアース棒を地面にしっかりと埋めて、その先にアース線を接続する方法があります。
地中に電気をしっかり逃がせるため安全性は高く、洗濯機や冷蔵庫のようにアース接続が義務づけられている機器にも安心して使用できます。ただし、電気工事士でないと増設できないため、専門業者に依頼するのが基本です。
また、賃貸住宅では建物の構造や管理規約により制限される場合があるため、先に大家や管理会社と相談してください。
●プラグ型漏電遮断器を代用する
どうしてもアース線が取れない状況では、「プラグ型漏電遮断器」を使うという方法もあります。プラグ型漏電遮断器はコンセントと家電の間に挟むアダプターで、漏電が発生した瞬間に電気を自動で遮断してくれるのが特徴です。
たとえば、洗濯機の電源プラグにプラグ型漏電遮断器を取り付けておけば、アースがない環境でも感電や火災のリスクを大幅に軽減できます。取り付けも簡単で専門工事を必要とせず、数千円程度で購入できる手軽さも魅力です。
ただし、漏電を止めることはできても、漏電を逃がすアース線本来の機能とは異なるため、使用機器や場所によっては代替策として十分でないケースもあります。あくまで応急処置的な対策として捉え、できればアースを増設しましょう。
●アース線をつける場所がなければ延長する
アース端子が近くにない場合でも、延長することで対処できる場合があります。アース線は金属線の一種であり、比較的簡単に延長可能です。既存のアース線に中継端子を使って別の銅線をつなげると、遠くのアース端子やアース棒に届くようになります。
ただし、延長する際は接触不良に要注意です。接触が甘いと漏電の際に電流が正しく流れず、逆に危険を高めてしまいます。また、延長部分をビニールチューブなどで覆う絶縁処理を忘れないようにしましょう。
市販の延長キットも販売されていますが、扱いに不安がある場合は無理せず、専門業者に相談するのが安全です。
●1カ所の差し込み口に複数のアース線を取り付ける
複数の家電にアース線を接続したいときにアース端子が1口しかないなら、「分岐用ターミナル」などを用いる方法があります。1つの端子から、複数のアース線を分岐させることが可能です。
ただし、接続する家電の台数が増えると、それぞれのアース線にかかる電流負荷やノイズの影響も無視できません。許容値を超えてつないでしまうと、逆に安全性が低下する可能性もあるため注意が必要です。
できれば、漏電リスクの高い機器は単独でアースを取るか、使用する時間帯をずらすなどの対策をしましょう。
●ビニールテープで絶縁する
アース線がどうしても接続できないケースで、使用する機器の構造上、金属部分が露出して感電リスクがある場合は、一時的な措置としてビニールテープで絶縁する方法もあります。
たとえば、洗濯機の背面や冷蔵庫の金属部分に不用意に触れないように絶縁テープでカバーしておけば、感電のリスクを一時的に抑えられます。ただし、あくまで応急措置で、根本的な解決にはならない点に留意しておきましょう。
●アース線不要の「ポータブル電源」を活用する
アース線がない場合は、内蔵バッテリーに蓄えた電力を機器へ供給できる「ポータブル電源」を活用するのも選択肢のひとつです。家庭用コンセントからの電力とは異なり、アース線不要で機器を接続できます。
特に、壁にアース端子がない場所や、賃貸で工事ができない環境におすすめです。過電圧や漏電に対する保護回路を内蔵しているため、安全性にも優れています。
4.安全なコンセントの確保や停電対策には「Jackeryポータブル電源」

アースが取れない場所でも安全な電源を確保したいなら、世界中で支持されているポータブル電源のパイオニアメーカー「Jackery(ジャクリ)」のモデルがおすすめです。過充電・過放電・過熱などを自動で制御する「バッテリーマネジメントシステム」を搭載しており、安全に電源を確保できます。
災害時の非常用電源として官公庁や自治体でも導入実績がある、信頼性の高さも魅力です。容量の異なるさまざまなモデルをラインナップし、用途や使用シーンに合ったぴったりな1台を選べます。
安全なコンセントの確保や停電対策はもちろん、アウトドアレジャーも活躍するので、ご活用ください。
5.コンセントにアースがないに関するよくある質問
ここでは、コンセントにアースがない場合の疑問をまとめました。同様の疑問があれば解決しておきましょう。
●なぜ賃貸住宅のコンセントにアースがないの?
賃貸住宅でアース線が設置されていないのは、建築当時の設計基準やコスト面が関係しています。アース付きコンセントの設置が義務化されていない時代に建てられている古い住宅の場合、標準装備されていないのが一般的です。
とはいえ、コンセントにアースがないままにしておくのは危険なので、アース端子の増設やアース不要で電気を供給できるポータブル電源を活用しましょう。
●「コンセントにアースがないけどつけない」と知恵袋で見たけど大丈夫ですか?
「アースがなくても大丈夫」とする意見もありますが、安全とは断定できません。アースは漏電時に電流を地面に逃がす役割があり、ないと感電や火災のリスクがあります。
また、ノイズによる機器の誤動作が起きる可能性も見逃せません。コンセントにアースがなければ、早急に増設や延長などの対策をおすすめします。
●アース線を取り付けできない場所はある?
鉄筋コンクリート造や壁内にスペースがないなど、建物の構造や既存の配線状態によってはアース線を取り付けできない場所があります。
取り付けの可否は現場の状況で異なるため、専門業者に相談しましょう。
●PCやモニターのコンセントにはアースをつけたほうが良いですか?
精密機器であるPCやモニターには、アースを接続するのがおすすめです。静電気やノイズを逃がすことで、機器の安定動作につながります。
アースの接続が難しい場合は、ノイズフィルター付きの電源タップで代替する方法もあるのでチェックしてみてください。
●普通のコンセントをアース付きにできる?
既存のコンセントをアース付きに交換することは可能です。ただし、アース線が配線されており、かつ機器と大地を電気的に接続する目的で地中に埋設された銅製の棒や板などの電極「接地極」が設置されている必要があります。
アースが配線されているかは、分電盤内のラベルや端子台の「接地」や「アース」などの表示で確認できますが、確実に判断するにはプロの計測が必要です。
●トイレのコンセントにアースがない場合は?
トイレのような水まわりにアースがないと漏電リスクが高まるため、アースの設置が望ましいです。
増設するのが理想ですが、難しい場合はプラグ型漏電遮断器で代用しましょう。
●アース線の正しいつけ方を教えてください。
アース線の種類ごとの正しい取り付け方を以下にまとめました。
・ネジタイプ:銅線を曲げて、ネジに引っかけて固定する
・ワンタッチタイプ:工具不要で差し込むだけで取り付けできる
・つまみタイプ:指でつまみを緩め、アース線を差し込んだら締める
いずれも、感電防止で必ず機器のプラグをコンセントから抜いておきましょう。
●アース付きのコンセントに交換するにはどうすればいいですか?
アース付きのコンセントに交換したい場合、まず現状の配線状況を確認することが必要です。アース線が存在するか、接地極があるかを確認した上でコンセント本体を対応タイプに交換します。
配線がない場合は新たにアース線を引き込む必要があり、電気工事士でなければ行えません。
●DIYでアース線を追加することは可能ですか?
DIYでアース線を追加することは、法的にも技術的にも推奨されません。電気工事士法では、無資格での電気配線の施工は違法になります。
仮に施工できたとしても、誤配線による事故や火災のリスクがあり大変危険です。
●アースがない古い建物でのリフォーム時の注意点は?
建物の構造によっては配線の追加が難しい場合もあるため、事前に現場調査を行い、対応可否を確認する必要があります。
また、見た目がきれいでも内部が劣化しているケースもあるため、古い建物ほど配線の安全性を総点検することが重要です。
●アースがない場合に雷サージ対策はどうすればいいですか?
アースがない状態でも、過電圧を吸収して機器へのダメージを防ぐ仕組みになっている「雷ガード付き電源タップ」や「SPD(サージ保護デバイス)」の使用で機器を守れます。
また、落雷が予想されるときは、電源プラグを抜いておくのも有効な方法になります。
まとめ
コンセントのアースは安全性を高めるために必要ですが、古い住宅や賃貸では対応が難しい場合もあります。そのようなケースでは、アース不要で使えるポータブル電源を利用するのがおすすめです。
なかでも、国内外の厳格な安全基準をクリアしているJackery(ジャクリ)のポータブル電源に注目です。過充電・過放電・過熱などのリスクを自動制御するBMS(バッテリーマネジメントシステム)によって、万が一のトラブルを未然に防げます。
ソーラーパネル対応で防災対策やアウトドアでも活躍するので、ご活用ください。
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