1.乾電池やボタン電池の安全な保管方法
乾電池もボタン電池も「小さいから安全」というわけではありません。短絡(ショート)や液漏れ(※)が起こると、家具や家電を傷めるだけでなく、人への火傷・化学熱傷、最悪の場合は発火に至るリスクがあります。
※ 液漏れ(えきもれ):乾電池やボタン電池などの内部に封入されている電解液やガスが、電池の外へしみ出してくる現象。電解液は乾燥すると、白い結晶のような見た目になる。さわると火傷するリスクが高い
ここでは基本となる、安全な電池の保管方法5つのポイントを押さえておきましょう。
●向きをそろえてプラス極とマイナス極が触れないようにする
プラス極とマイナス極が接触するとショートして発熱・発火の原因になります。次のような方法を組み合わせて、同じ極が触れあわないようにしましょう。
1.専用電池ケースを活用する:100円ショップや家電量販店で手に入るプラスチック製ケースは、仕切り付きで電池を1つずつ固定できる
2.ブリスターパック(プラスチック包装)がついたまま保管する:未開封の新品電池は、購入時のプラスチック包装を剥がさず冷暗所に置く
3.チャック付き袋+仕切り紙で簡易セパレートを作る:同じ向きにそろえた電池を厚紙で区切り、チャック付き袋に入れる
これらの方法を実践すれば、プラス極とマイナス極が触れ合う危険を減らし、安全にストックできます。
●新品と使用済み(開封後)は分けて保管する
新品の電池と使いかけの電池を同じ箱や袋に一緒に入れておくのは避けましょう。見た目がほとんど変わらないため、どれが新品でどれが使用済みか分からなくなりやすく、誤って混在使用してしまう危険性があります。
残量が大きく異なる電池を同時に使用すると、内部抵抗の差から電池に過度な負荷がかかり、液漏れや破裂などのトラブルが起こる原因となります。複数本の電池を使う機器では、必ず同じ残量・同じ種類の電池を揃えて使うことが基本です。
ちなみに、もし「この電池、どのくらい使ったか分からない……」と悩んだときは、市販の電池チェッカーを使えば簡単に残量を確認できます。ボタン電池に対応したタイプもあるので、ひとつ備えておくと安心です。
●直射日光や高温・多湿を避けて保管する
電池は以下のような、風通しが良く直射日光が当たらない「冷暗所」での保管がおすすめです。
・クローゼットの中の引き出し
・押し入れの上段や奥まった収納棚
・温度変化の少ない廊下の収納スペース
温度の変化が激しい場所では、電池内部の化学反応が進みやすくなり、発熱や液漏れのリスクが高まります。また、湿度の高い環境では端子が錆びるおそれがあり、いざ使おうとしたときに接触不良などのトラブルにつながることもあります。
たとえば、洗面所の下や窓際などは湿気や熱がこもりやすいため、電池は置かないようにしましょう。
●使用期限を過ぎたら捨てる
乾電池やボタン電池には、それぞれ「使用推奨期限」が印刷されています。この期限を大きく過ぎてしまうと、内部のガス圧が高まり、液漏れや破裂などの事故につながるリスクが高くなります。
「まだ電気が残っているから……」とそのまま保管するのは危険です。安全に使える期間は種類によって異なりますので、以下を参考にしてください。
電池の種類 |
使用推奨期限の目安 (未使用時) |
アルカリ乾電池 |
約5年〜10年 |
マンガン乾電池 |
約3年〜5年 |
ボタン電池(酸化銀) |
約3年〜5年 |
ボタン電池(アルカリ) |
約2年〜3年 |
リチウム電池(コイン型) |
約10年 |
期限切れに近い電池は早めに使い切るか、自治体のルールに従って処分しましょう。電池チェッカーを活用して残量を確認するのも、安全な管理のためにおすすめです。
●絶縁して蓋つきの金属缶に入れて保管する
電池を保管する際は、+極と−極をテープで絶縁し、蓋つきの金属缶に収納すると安心です。万が一ショートや発火が起きても、金属缶が炎を閉じ込めてくれるため、被害を最小限に抑えられます。ただし、絶縁に使うテープの種類にも注意が必要です。
〇絶縁におすすめのテープ
・ビニールテープ(絶縁テープ):電気を通さず、長期保管にも最適
・セロハンテープ:一時的には使えますが、粘着力が弱まりやすいため短期向き
×あまり推奨されないテープ
・マスキングテープやガムテープ:紙や布製で湿気を吸いやすく、長期保管には不向き
なお、紙箱や布袋は燃えやすく、プラスチック容器は溶ける恐れがあるため避けましょう。金属缶+絶縁が、もっとも安全な組み合わせです。
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2.使用済み電池の保管方法のよくある勘違い|危険です!

「使用済み 電池 保管方法」や「ボタン電池 保管方法」といったキーワードでネット検索すると、「ラップ」や「ジップロック」などを使ったさまざまな保管方法が見つかります。しかし、誤った情報もいくつか混在しているため注意が必要です。以下で代表的な勘違いとリスクを確認しましょう。
●「ラップで包む」のは空気に触れさせないため!完全密閉しないと危ない
ラップで包む目的は、空気や水分から電池を守ることです。しかし、巻き方が不十分だと湿気が入り込み、サビや液漏れの原因になります。また、ラップの静電気により、細かい金属粉が付着してショートを引き起こすリスクもあります。
ラップを使う場合は、次のポイントを意識しましょう。
・電池1本ずつを個別に包む
・ピッタリと密着させて空気を入れないように巻く
・端子部分(+極・−極)はビニールテープなどでしっかり絶縁してから包む
とはいえ、長期保管にはあまり適していません。一時的な保管や持ち運び用として活用するのが無難です。
●「ジップロック」を使うならラップやテープで絶縁するのを忘れずに
ジップロックに電池をそのまま入れて保管するのは、一見便利に思えますが、安全性の面では注意が必要です。袋の中で電池が動くと、プラス極とマイナス極が接触したり、同じ極同士でも金属部分がこすれ合うことで摩耗や静電気が発生し、ショート(短絡)につながる危険性があります。ショートが起きると電池内部で急激な発熱が生じ、液漏れや発火のリスクが高まります。
このような事故を防ぐためには、ジップロックを使う場合でも事前にラップや絶縁テープで電池の端子をしっかり覆うことが大切です。さらに、袋の中に乾燥剤を入れて湿気を抑えるなど、いくつかの対策を組み合わせなければ、安全な保管とは言えません。手軽さだけで選ぶのではなく、万が一のリスクを想定して丁寧に保管することが重要です。
●「冷蔵庫」に入れるのは結露の危険あり
一部のネット情報や古い生活の知恵として「電池は冷蔵庫で保管すると長持ちする」といった情報を見かけることがあります。これは、かつて主流だったマンガン電池などが高温に弱く、温度が低いほうが劣化しにくい特性を持っていたため「冷蔵庫=低温で良い保管場所」と考えられていた背景があるようです。
しかし、現在主流のアルカリ乾電池やボタン電池などは、すでに品質や密封性が格段に向上しており、常温での保管が前提になっています。現代の電池を冷蔵庫で保管するメリットはほとんどなく、むしろ結露によるショートのリスクのほうが大きいです。風通しがよく、温度・湿度が安定した常温の冷暗所に保管してください
●「セロハンテープ」は粘着面が電池に張り付いてしまうことも
セロハンテープは経年劣化により硬化・変色しやすく、はがす際にフィルムが破れてしまうことがあります。このとき、電池の外装ラベルまで一緒にはがれてしまうと、内部の金属部分が露出する場合があり、金属製のケースや他の電池と触れることでショート(短絡)を引き起こすリスクが高まります。
また、セロハンテープの粘着剤が電池の端子に残ると、機器にセットしたときに電気の流れを妨げ、接触不良を起こすことも。「電池を交換したのに動かない」といったトラブルにつながる可能性もあるため、絶縁にはセロハンテープではなく、ビニールテープや絶縁専用のテープを使うのが安心です。
3.電池は保管方法だけでなく「処分(廃棄)方法」にも注意

電池は種類によって分別方法が大きく異なるため、必ず自治体やメーカーの指示を確認しましょう。以下で、種類ごとの処分(廃棄)方法を解説します。
●乾電池やボタン電池|絶縁してから自治体の指示する方法で処分する
乾電池やボタン電池を捨てる際は、+極と−極をテープで絶縁し、自治体のルールに従って処分しましょう。乾電池は地域によって「資源ごみ」「不燃ごみ」などの分類が異なるため、お住まいの自治体の案内を必ず確認してください。
一方で、ボタン電池は自治体では回収していないケースが多く、電池工業会が設置している「ボタン電池回収缶」に入れる方法もあります。回収缶は家電量販店や時計店、スーパーなどに設置されていることが多く、無料で利用できます。
スーパーや家電量販店のサービスカウンターに回収缶が置かれていることが多いので活用しましょう。
●モバイルバッテリーなどリチウムイオン電池|家電量販店やリサイクルセンターへ持ち込む
充電式電池(小型二次電池)を処分する場合は、JBRC協力店または自治体のリサイクル施設に持ち込むのが基本です。JBRCとは「一般社団法人JBRC(小型充電式電池リサイクル推進センター)」のことで、同団体が運営するリサイクルプログラムに参加している店舗が「協力店」と呼ばれます。
具体的には、家電量販店やホームセンター、ドラッグストアなどが該当し、店頭に「小型充電式電池リサイクルBOX」が設置されています。お近くの協力店は、JBRC公式サイトの店舗検索ページから簡単に調べることが可能です。
また、地域によっては市区町村の施設が「資源ごみ集積所」「リサイクルプラザ」などの名称で回収拠点を設けているケースもあります。名称が異なっても基本的な役割は同じなので、お住まいの自治体のHPで確認してみるのがおすすめです。
●ポータブル電源など大きなバッテリー類|メーカー回収か産廃業者の不用品回収を利用する
ポータブル電源は、ほとんどの自治体で「一般ごみや資源ごみとしては回収できない」とされています。そのため、不要になった場合はメーカーによる回収サービスや不用品回収業者への依頼が必要です。不用品回収業者を利用する場合、処分費用が10,000円以上かかるケースがほとんど。想像以上に出費がかさみます。
この点、Jackery(ジャクリ)ではポータブル電源の無料回収サービスを提供しており、費用をかけずに処分できるのが大きなメリットです。
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4.メーカー無料回収あり|処分に困らない大容量バッテリーの紹介
ここからは「処分しやすさ」という観点で、Jackery(ジャクリ)製の大容量バッテリー「ポータブル電源」をご紹介します。ポータブル電源とは、バッテリーとインバーターを内蔵し、AC・USB・シガーソケットから家電に給電できる持ち運び型の電源装置です。キャンプや車中泊、非常時の備えとして人気を集めていますが「最後の処分はどうするの?」と不安に感じる人も少なくありません。
Jackery(ジャクリ)では資源有効利用促進法に基づき、不要になった自社製ポータブル電源を無料で回収・リサイクルするサービスを提供しています。申し込み後に返送キットが届き、指定の宅配業者に渡すだけでOKです。専門業者が適切に解体し、リチウムイオン電池や金属部品を再資源化します。
処分先を探す手間が省けるうえ、環境負荷の低減にも貢献できる点がメリットです。アウトドア用や防災用の「電池の備蓄」を考えている方は、将来の処分にも不安がない「Jackery(ジャクリ)ポータブル電源」を選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
電池は日常生活に欠かせない便利なエネルギー源ですが、保管方法を誤ると発熱・発火・液漏れといった事故につながる恐れがあります。以下のポイントを押さえて、日頃から安全な取り扱いを心がけましょう。
・向きをそろえ、端子同士の接触を防ぐ
・新品と使用済みを混在させない
・高温・多湿・直射日光を避け、冷暗所で保管する
・使用期限を過ぎた電池は早めに処分する
・必要に応じて絶縁し、金属缶で保管する
また、処分時には電池の種類に応じたルールを守ることも大切です。乾電池やボタン電池は自治体や回収缶へ、モバイルバッテリーはリサイクル協力店へ、大容量のポータブル電源はメーカーの回収サービスを利用しましょう。なお、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は無料回収が可能です。
関連:Jackery(ジャクリ)公式「ポータブル電源無料回収・リサイクルサービス」
大切な家族や住まいを思わぬ事故から守り、資源リサイクルにも貢献できます。家庭内に眠る電池を今一度チェックし、安全な保管と適切な廃棄を徹底しましょう。
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