1.3mの津波は「ビルの1階分」に該当する高さ
3mの津波の高さは、一般的に「ビルの1階分」に相当します。建築現場において階高(床から上階の床までの高さ)は約3mが目安とされており、内訳は下記のとおりです。
・床面から天井まで:約2.5m
・天井内の空間:約30cm
・床の厚み:約15cm
木造家屋の場合、2.5m以上の津波で全壊する可能性が高いとされています。
3mの津波による影響は、今後住む場所や避難計画を考える上で目安となる指標のひとつです。想定被害については、下記段落で詳しく解説します。
2.3mの津波はどれくらいやばい?想定被害を解説

「3mの津波は何がどれくらいやばい?」と気になる方に向けて、下記のとおり具体的な想定被害を解説します。
・多くの木造家屋が倒壊する
・車や鉄道車両が流される
・土砂崩れや地盤の沈下が発生する
・停電や断水などの二次災害が起こる
・避難が遅れると命を落とすリスクが高まる
大津波の発生により、私たちの生活環境にどのような影響が及ぶかチェックしましょう。
●多くの木造家屋が倒壊する
高さ3mの津波の威力は絶大で、多くの木造家屋を倒壊させる可能性があります。特に1〜2階建ての木造住宅では、壁や柱が水圧に耐えきれず崩れてしまう危険性が高いです。
また津波は流木や瓦礫を巻き込み、衝撃力をさらに増大させながら押し寄せてきます。自宅が耐震・耐水構造であっても、3m級の津波では安全とは限らないため、家にとどまらず一刻も早い段階で高台へ避難しましょう。
●車や鉄道車両が流される
3mの津波は、重さ1.5トンを超える自動車や鉄道車両を押し流す力を持っています。私たちが普段使用している乗用車も、津波が勢いよく押し寄せると数秒で浮き上がるでしょう。
また重さ30トンを超える鉄道車両や大型バスでも、津波の流速が秒速3mを超えると流されるリスクがあります。2011年の東日本大震災では、津波によって多数の車両が流されたというデータもあります。
参考:総務省消防庁「東日本大震災の被害状況及び消防の活動状況等について」
●土砂崩れや地盤の沈下が発生する
3m級の津波は、沿岸部の地形や地盤に大きなダメージを与える可能性があります。大量の海水が一気に陸地へ押し寄せると、河川周辺や崖地で土砂崩れが発生しやすくなります。
津波が引く際には地盤から細かい砂や土壌が大量に流出し、地盤沈下や地形の変形を引き起こす可能性が高いです。特に埋立地や人工島(お台場や豊洲など)は液状化現象が起きやすく、建物の傾きや道路の陥没など長期的な被害が残るリスクもあります。
●停電や断水などの二次災害が起こる
3mの津波は電力や水道関連の施設にも深刻な被害を与え、停電や断水などの二次災害を引き起こします。津波によって発電所や変電所が浸水し、広範囲における電力の供給が困難になると、復旧まで時間を要する可能性が高まるでしょう。
水道設備が被害を受けた場合、飲料水や生活用水が確保できず、避難所において不自由な生活を強いられる危険性もあります。防災バッグに非常用水を用意しておき、二次災害への備えを強化しましょう。
●避難が遅れると命を落とすリスクが高まる
3m級の津波は到達までの時間が短いため、避難の遅れが命の危険に直結します。海岸付近では津波が地震発生から数分で押し寄せることも多く、迷っている間に逃げ遅れるケースも少なくありません。
津波の力は非常に強大で、成人男性でも50cm程度の水深で立っていられなくなります。3m級の津波の場合、確実に流されるといっても過言ではありません。
参考:海上保安庁公式サイト
揺れを感じたらすぐに高台や避難ビルへ移動する「即時避難」の意識を持っておきましょう。
3.過去に日本で3m以上の津波が発生した事例とその被害
過去日本で地震と同時に3m以上の大津波が発生した事例を3つ紹介します。
地震名 |
発生年 |
発生エリア |
最大津波高 |
明治三陸地震 |
1896年 |
岩手県・宮城県沿岸部 |
約38.2m |
昭和三陸地震 |
1933年 |
岩手県・青森県沿岸部 |
約28.7m |
東日本大震災 |
2011年 |
東北地方太平洋沿岸 |
約40.5m |
参考:釜石市公式サイト
今後30年以内の発生が見込まれる南海トラフ地震では、さらに大きい津波が押し寄せる可能性も否定できません。次の章では、実際に大きな津波が来た時の避難方法を解説します。
関連人気記事:東日本大震災の津波高さは最大どれくらい?今後の地震対策のポイントも解説
4.3m以上の津波が来たらどうする?避難方法を紹介

3m以上の津波が来た場合、迷わず下記の行動を取ってください。
・揺れを感じたらすぐ10m以上の高台へ避難する
・車に乗らず徒歩で安全な場所へ移動する
・警報解除まで避難場所にとどまる
それぞれ具体的な行動のポイントも紹介します。大きな津波が発生したときに「やるべきこと・やってはいけないこと」を頭に入れておきましょう。
●揺れを感じたらすぐ10m以上の高台へ避難する
3m以上の津波は家屋や車を押し流すほど強力で、逃げ遅れると命を落とすリスクがあります。
揺れを感じたらすぐに、標高10m以上の高台へ避難してください。津波は地震発生から数分で到達する場合もあるため「様子を見る」「荷物をまとめる」といった行動は極めて危険です。
標高10mの避難場所を探すには、国土地理院のウェブ地図「地理院地図」が便利です。自治体のハザードマップと併用して避難場所を事前に確認し、家族や同居人とも共有しておきましょう。
●車に乗らず徒歩で安全な場所へ移動する
大津波警報が出た場合、車を使わず徒歩で避難するのが鉄則です。津波発生時には多くの人が同時に避難するため、道路の混雑や渋滞を招きやすくなります。
また津波は想像以上に速く押し寄せることもあるため、車ごと流される危険性も否定できません。徒歩であれば、狭い通路や階段を使って効率よく高台へ避難できます。
避難時は足に倒壊物や瓦礫が刺さってケガをするリスクを考慮しつつ、スニーカーや防災用シューズなど歩きやすい靴を履きましょう。
●警報解除まで避難場所にとどまる
津波は一度だけではなく、何度も繰り返し押し寄せる可能性があります。警報が解除されるまでは、避難場所から離れないでください。
自治体からの避難指示や警報解除情報を確認し、安全が完全に確保されるまで高台や避難ビルにとどまりましょう。避難中はラジオやスマホアプリで最新情報を収集しつつ、落ち着いて行動する意識が必要です。
関連人気記事:津波注意報発令!命を守るために取るべき行動と防災対策を徹底解説
5.3m以上の大きな津波への対策ポイント
3m以上の大きな津波への対策ポイントは、主に下記4つです。
・ハザードマップで想定される浸水エリアを事前に確認する
・スマホに津波の最新情報を受け取れるアプリを入れておく
・家の中にいても助かる場所へ引っ越す
・すぐ避難できるよう防災グッズを揃えておく
おすすめサイトやアプリにも目を通し、事前の備えを万全にしましょう。
●ハザードマップで想定される浸水エリアを事前に確認する
3m以上の津波が想定される地域に住んでいる場合、ハザードマップの確認は必須といっても過言ではありません。各自治体が公開している津波ハザードマップでは、下記の情報を一目で確認できます。
・想定される浸水エリア
・エリアごとの水深(何mか)
・避難場所までの経路
地震や津波は夜間や悪天候時に発生する可能性もあるため、複数の避難ルートを事前に決めておくのが重要です。家族と一緒に避難経路を実際に歩いてシミュレーションしておくと、緊急時にも迷わず足を進められます。
●スマホに津波の最新情報を受け取れるアプリを入れておく
3m以上にのぼる津波発生の恐れがある場合、いち早く最新情報を得る必要があります。下記いずれかのアプリをスマホにインストールしておき、津波警報や避難情報をリアルタイムで受け取れる環境を整えましょう。
事前に最新情報を受け取れる体制を整え、迅速な避難行動へと繋げてください。
●家の中にいても助かる場所へ引っ越す
居住地が津波の浸水想定区域に含まれる場合は、津波リスクの低いエリアへの引っ越しも視野に入れましょう。標高が10m以上(3階以上)の高台や、津波避難ビル・避難タワーが近いエリアであれば、津波発生時の避難に必要な時間を短縮可能です。
参考:大分市公式サイト
近年は、耐震性と耐水性を兼ね備えた津波対策住宅も増えています。津波対策住宅には、下記の特徴があります。
・高基礎・高床構造により1階部分が高く設計されている
・外壁や基礎部分にコンクリートや防水パネルなど防水性能の高い素材が使用されている
・太陽光発電や蓄電池など防災用品を備蓄できるスペースがある
災害リスクを大幅に軽減できる環境を求めるなら、津波対策住宅を新たな拠点に選びましょう。
●すぐ避難できるよう防災グッズを揃えておく
大きな津波からの避難でや、防災グッズの準備が生死を分けるケースもあります。防災バッグには、下記のアイテムを必ず揃えておきましょう。
・飲料水・非常食(人数×3日分)
・懐中電灯
・ポータブル電源・モバイルバッテリー
・常備薬
・救急箱
・防雨グッズ
・簡易トイレなど
津波からの避難を想定し、玄関のすぐ取り出しやすい場所に歩きやすい靴を準備しておくのもおすすめです。家族全員分の防災バッグを分けて準備し、避難所生活のシミュレーションもしておきましょう。
6.津波による停電に備えてJackery(ジャクリ)のポータブル電源を準備しよう

津波発生時は、沿岸部を中心に大規模な停電が発生するリスクがあります。そんなときに役立つのが、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源です。
ポータブル電源は「移動型コンセント」のため、停電時でもスマホやラジオなどの機器を充電可能です。小型コンロや冷暖房設備も使えるため、避難所生活においても家族に温かいご飯を食べさせたり、暑さや寒さから守ったりできます。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は自然放電が少なく、長期間保管しても電池残量が維持されやすい設計になっています。防災製品等推奨品マークも取得しているため、津波や地震などの災害対策として備えておくと心強いアイテムです。
7.3mの津波に関してよくある質問
最後に、3mの津波に関してよくある質問へ回答します。
●津波は何mから危ない?
津波は50cm程度の高さでも非常に危険で、人が立っていられなくなるほどの強い力を持っています。水深50cmでも成人男性は歩行困難になり、1mを超えると車や家具が流される危険性が高まるでしょう。
参考:海上保安庁公式サイト
特に3m以上の津波になると、木造住宅の1階部分は完全に浸水し、倒壊や流出のリスクが大幅に上昇します。「3mなら低いから大丈夫」と過信せず、危機感を持って対策に臨んでください。
●日本で津波が起きやすい場所はどこ?
日本で津波が発生しやすいのは、太平洋沿岸部の広い範囲にわたるエリアです。特に南海トラフ地震の震源域に近い下記のエリアでは、最大30m超の津波が想定されています。
・高知県
・和歌山県
・三重県
・静岡県など
参考:朝日新聞「南海トラフ地震の新想定、津波の高さ「全国最大」黒潮町のタワーでは」
また岩手県や福島県など三陸沖を中心としたエリアでも、過去に繰り返し大きな津波被害が発生しています。根室や釧路など北海道の太平洋側エリアも、津波リスクが高い地域です。
日本は4つのプレートが交わる地震多発地帯に位置しているため、全国的に津波の危険性があると考えておきましょう。
●津波が起きやすい場所の特徴は?
津波が発生しやすい場所には、下記3つの特徴があります。
・海溝やプレート境界に近い場所
・湾や入り江の奥まった地形となっている場所
・河川流域や埋立地
津波が起きやすい場所の特徴を把握したら、自分や家族が住んでいる地域の地形や危険度を把握しましょう。まずは現状を知ることが、津波対策の第一歩です。
●マンションの何階なら3mの津波が来ても助かる?
3mの津波から身を守るには、原則として建物の3階以上への避難が推奨されます。木造住宅の場合は1階が完全に浸水し、2階部分にも波が到達する危険性があります。
対して鉄筋コンクリート造のマンションであれば、3階以上に避難すると被害を回避できる可能性が高いです。ただし3階以上であれば必ず助かる保証はないため、自宅や避難先候補となる建物の耐震性や防潮対策の有無を事前に確認しましょう。
まとめ
3mの津波は、成人男性を軽々と押し流す力を持っています。津波の威力によっては、重さ1トンを超える車や鉄道車両すらも流されてしまうでしょう。
逃げ遅れてしまうと、波に飲み込まれて命を落とすリスクが一気に高まります。揺れを感じたら、迷わずすぐに徒歩で10m以上の高台へ避難してください。
また大きな地震や津波が発生すると、停電や断水などの二次災害が起こる可能性が高まります。暑い夏や寒い冬の場合、避難所生活で体調を崩すリスクも否定できません。
体調を崩すリスクを軽減するためには、防災アイテムの準備が必要です。防災バッグにJackery(ジャクリ)のポータブル電源を用意しておき、停電時も調理器具や冷暖房器具を使える環境を整えましょう。