東日本大震災の津波高さは最大どれくらい?今後の地震対策のポイントも解説

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2011年3月11日に発生した東日本大震災では、マグニチュード最大9.0の揺れが広範囲において観測されました。同時に最大40m以上の津波が発生し、多くの建物や道路に莫大な被害をもたらしたのです。

 

この記事では、東日本大震災による津波の影響やもたらした被害について解説します。今後発生が予想される地震への対策方法も紹介しますので、命を守るための準備に役立ててください。

目次
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1.東日本大震災の津波の高さは最大40m超でビルの13〜14階相当に

東日本大震災では、地震発生から数分後に津波が発生しました。特に岩手県宮古市では、最大40.5mもの津波が観測されたのです。下記にて日本各地で発生した津波の高さについて解説します。

岩手県宮古市の津波最大高(遡上高)は40.5m

東日本大震災の津波の遡上高(そじょうこう)は、岩手県宮古市で最大40.5mを記録しました。遡上高とは「陸地を駆け上がった津波の高さ」のことです。 

遡上高は津波が海岸から離れた谷間や斜面を津波が流れ上った最高地点の標高を指し、海面からの高さで測定されます。40.5mという高さは、ビルの13〜14階に相当する数値です。 

参考:内閣府 防災情報のページ

【都道府県別】各地で発生した津波高さ・到達時間一覧

東日本大震災の影響により、各地で発生した津波の高さや到達時間をエリアごとにまとめました。 

都道府県名

エリア名

最大高さ

到達時間(3月11日)

福島県

相馬市

9.3m以上

14時

岩手県

宮古市

8.5m以上

15時01分

岩手県

大船渡市

8.0m以上

14時

宮城県

石巻市

8.6m以上

14時

青森県

八戸市

4.2m以上

15時21分

※東日本大震災が発生した時間は2011年3月11日午後2時46分 

参考:ニッポンドットコム 【東日本大震災】津波の被害

参考:宮古市 地震の状況 (気象庁発表) 

福島の相馬市では、最大推定9.3m以上を超える高さの津波が観測されました。その他多くのエリアでも高さ4m以上の津波が観測されており、東日本大震災の恐ろしさを物語る結果となっています。

2.東日本大震災の主な津波被害

東日本大震災の主な津波被害

東日本大震災では、大きな津波の影響により下記の被害が発生しました。 

15,900人もの死者・2,520人もの行方不明者を記録

合計約368,800戸における建物の全壊・半壊

最大450万戸以上の停電

約561km²におけるエリアの浸水 

上記の被害についてそれぞれ解説します。津波によって発生した災害の深刻さを今一度確かめましょう。 

参考:災害時の避難に関する専門調査会 津波防災に関するワーキンググループ「東日本大震災の被害の概要

15,900人もの死者・2,520人もの行方不明者を記録

東日本大震災による地震や津波により多くの尊い命が奪われ、行方不明者も多数記録されました。警察庁の発表によると、地震や津波による死者数は15,900人以上、行方不明者は約2,520人にのぼっています。 

特に津波が直撃した岩手・宮城・福島の3県では、住民が避難する間もなく津波に飲まれるケースが多数発生しました。その結果、高齢者や小さな子どもを含め多くの命が失われる結果となったのです。

地震・津波で合計約399,808戸もの建物全壊・半壊被害が発生

東日本大震災による津波は広範囲にわたる建物を押し流し、結果的に合計約39万9千戸もの建物が全壊・半壊しました。中でも海岸沿いの住宅地や商業エリアでは、建物が丸ごと流される被害も発生したのです。 

参考:資料編 東日本大震災の記録 

津波による自宅や施設の倒壊により、多くの住民は帰る家を失い、長期間にわたる避難所生活を余儀なくされました。2025年になった今でも、依然として多くの方が復興後の生活に戻れていない状況です。

広範囲に断水・ガス停止・停電が発生|停電は最大855万戸にも

東日本大震災の津波により、東北電力および東京電力管内で合計最大約855万戸における停電が発生。 

参考: JR 東日本旅客鉄道株式会社ホームページ 東日本大震災による地上設備の被害と復旧状況について 

一部のエリアでは発電所への浸水や電柱の倒壊の影響により、電力供給の体制が機能しなくなりました。その結果、数日〜1週間以上にわたって電気が使えない状況が続いたのです。 

参考:東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会 被害に関するデータ等 

停電によって避難中の方々は電子機器への給電を行えず、携帯電話の充電やテレビやラジオによる情報収集が困難になりました。照明や暖房器具も機能せず、寒さや不安の中で長い時間を過ごした方々も多く存在します。

津波の浸水範囲(被害範囲)は約561km²で比較的内陸の地域にも影響

東日本大震災の津波により、約561平方キロメートルにもおよぶエリアが浸水しました。約561平方キロメートルは、東京都23区の面積に迫る広さです。 

参考:Wikipedia 東京都区部 

マグニチュード最大9.0の大地震によって引き起こされた津波により、沿岸部だけでなく内陸にある住宅地や農地にまで水が押し寄せました。広範囲にわたるエリアの浸水は物流やインフラにも大打撃を与え、被災地の復興を長期化させる要因となったのです。

3.東日本大震災級?30年以内の発生が予想される「南海トラフ地震」とは

東日本大震災によって大きな被害を受けた日本では、今後30年以内に「南海トラフ地震」の発生が予想されています。南海トラフ地震は、静岡県の駿河湾から九州沖の南海トラフ沿いで発生の可能性があるマグニチュード8〜9クラスの巨大地震です。 

南海トラフ地震が発生した場合、下記の被害が想定されています。 

最大約29万8000人にのぼる死者の発生

最大約235万棟にのぼる建物の全壊

最大270兆円の経済損失の発生

参考:NHK防災 「南海トラフ巨大地震 新被害想定 ライフラインは」

参考:JAPAN FORWARD「南海トラフ地震の死者29万人、経済被害は270兆円 中央防災会議の被害想定」 

南海トラフ地震の発生に備えて、内閣府や気象庁では「南海トラフ地震臨時情報」や防災ガイドラインの整備が進められています。

関連人気記事:南海トラフ地震が怖い人必見|死者数は30万人!?絶対やるべき対策とは

4.東日本大震災から学ぶ、津波対策に欠かせないポイント

東日本大震災のような大きな地震による津波対策には、下記の備えが欠かせません。 

危険な場所と安全な場所を知っておくこと

津波が発生したら安全な場所にすぐ逃げること

徒歩で避難すること

長時間すぐに情報が得られる体制を整えておくこと 

それぞれ「何に備えてどのアイテムを準備しておくか」も解説します。今後の地震・津波による被害が心配な方は、上記の内容を一つずつ形にしていきましょう。 

参考:東日本大震災から学ぶ津波防災・減災

参考:気象庁「津波から身を守るために」解説ページ

危険な場所と安全な場所を事前に確認しておく

津波から命を守るためには、事前に自宅や職場・学校周辺の地形やハザードマップを確認することが大切です。ハザードマップをもとに「どこが危険でどこが高台(比較的安全な場所)か」を把握しておきましょう。 

海岸近くや川沿いの低地など津波浸水想定区域での活動が多い方の場合、事前に「どのルートで逃げるか」「どこまでなら安全か」を考えておく必要があります。 

危険な場所・安全な場所の確認には、Yahoo!防災速報アプリがおすすめです。現在地と国内3地点を設定し、地震や津波の速報やライフラインの供給状況をリアルタイムでチェックできます。 

オフライン時でも事前に保存した情報を閲覧できるため、通信障害が発生したときも重宝されるアプリです。

予想津波高さ・到達時間にかかわらず、すぐ逃げる

津波は地震発生から数分〜十数分で押し寄せてくるため、揺れを感じたらすぐ避難する必要があります。過去の津波による被害の中には「避難の遅れ」が命取りになったケースも少なくありません。 

万が一津波が発生しても冷静に対処できるよう、避難経路や安全な場所を事前に調べておくことが大切です。特に夜間に海の近くへ出向くときは、懐中電灯や防災リュックを持っておくと良いでしょう。 

津波情報をリアルタイムで把握するには、気象庁のホームページウェザーニュースがおすすめです。まずは安全な場所へ急いで避難し、地震や津波に関するニュースを確認しましょう。

原則、車は使わず徒歩で避難する

津波が発生したときは、車ではなく徒歩で避難するのが鉄則です。津波発生時における車の移動が危険な理由として、下記などが挙げられます。 

混雑による避難の遅れ

道路の倒壊

津波による道路の浸水

土砂崩れによる道路への影響

停電による交通インフラの乱れなど 

車に乗った状態では、強い揺れや天候の変化が発生したときに臨機応変な対応ができません。非常用バッグを携帯し、避難経路をもとに徒歩で安全な場所へ移動しましょう。

すぐに情報が得られるよう、テレビやラジオに使う電源を備えておく

地震や津波の発生後は、電波の乱れにより通信障害が発生しやすくなります。たとえスマホを持っていても、インターネットが使えず情報が取得できない可能性も否定できません。 

地震や津波から避難するときは、スマホ以外に小型テレビやラジオなど情報を得るための端末を複数持っておく必要があります。停電による被害も想定し、乾電池式の道具や携帯用のバッテリーを持っておくとよいでしょう。 

避難中におけるテレビやラジオへの給電には、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源が便利です。約4kgの軽量モデルから容量1000Wh超の大容量モデルなど、目的や家族構成に応じて選べる様々な製品が揃っています。

関連人気記事:津波注意報発令!命を守るために取るべき行動と防災対策を徹底解説

5.地震や津波発生時の非常用バッグに入れておくべきグッズ

地震や津波発生時の非常用バッグには、下記8つのアイテムを必ず入れておきましょう。 

アイテム名

入れておくべき理由

備考

水・食料

最低限の栄養と水分を確保しながら避難するため

人数×2日分ほど持っておくとよい

救急箱

予期せぬ怪我や体調不良へ備えるため

常備薬や絆創膏、包帯などを常備しておく

衛生用品

感染症を予防し、身体の清潔な状態を保つため

ウェットティッシュやマスクなどを人数×3日分持っておく

雨具

急な大雨や天候変化に対応するため

携帯できる折りたたみ式ポンチョがおすすめ

地図

スマホが使えないときの避難ルート確認や周辺状況の確認のため

紙の地図を用意しておく

懐中電灯

夜間の避難におけるライトや停電時の明かりとなるため

乾電池式がおすすめ

ポータブル電源バッテリー

停電時におけるスマホや家電への給電のため

家電の専用ケーブルも忘れずに携帯する

スマホ充電コード

ポータブル電源からスマホを充電するため

破損に備えて予備も持っておくとよい

まだ手元にないアイテムがある方は、非常事態に備えて早めの調達を心がけてください。

関連人気記事:非常用持ち出し袋はいらない?本当に必要な防災グッズ7つを紹介

6.大地震発生に備えてJackery(ジャクリ)のポータブル電源を用意しておこう

大地震発生に備えてJackery(ジャクリ)のポータブル電源を用意しておこう

今後の東日本大震災級の大地震へ向けた対策には、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源が役に立ちます。ポータブル電源があると、場所や時間を問わずスマホやモバイルバッテリーを充電できます。 

またポータブル電源は、震災による停電中やコンセントのない避難所でも重宝されるアイテムです。過酷な避難所生活の中でも小型ヒーターや電気コンロを動かせるため、寒さを凌いだり、温かいご飯を食べたりできます。 

Jackery(ジャクリ)では、地震や停電などの災害対策にも使えるポータブル電源を多数取り扱っています。アウトドア向けに設計された軽量モデルもあるため、持ち運びにも便利です。

地震への備えに必須!ポータブル電源はこちら

7.東日本大震災津波に関してよくある質問

最後に、東日本大震災津波に関してよくある下記の質問へ回答します。 

福島県の津波範囲はどこまででしたか?

宮城県および仙台市の津波範囲はどこまででしたか?

千葉県の津波範囲はどこまででしたか?

東日本大震災により、海外でも津波が発生しましたか? 

広範囲における被害が発生した東日本大震災の影響を確認し、今後の大地震へ備えて知識を蓄えましょう。

福島県の津波範囲はどこまででしたか?

福島県では、東日本大震災による津波で沿岸市町村のおよそ5%にあたる約112平方キロメートルが浸水しました。浸水被害が特に深刻だったのは、主に下記の沿岸エリアです。 

相馬市

南相馬市

浪江町

双葉町など 

津波は海岸から最大でおよそ3〜4km内陸へも達したとされており、河川沿いの地域では内陸部分の浸水も確認されているようです。 

参考:東日本大震災による被災状況の分析

宮城県および仙台市の津波範囲はどこまででしたか?

東日本大震災による津波は、宮城県全体で約327平方キロメートルにわたる浸水被害をもたらしました。仙台市や石巻市など多くの沿岸地域が浸水の影響を受け、住宅地や道路に壊滅的な被害が発生したのです。 

仙台市では、沿岸部を中心に約52平方キロメートルが津波により浸水。仙台平野では、津波が海岸から最大約5km内陸まで到達したとされています。津波は沿岸部にとどまらず、内陸深くまで達したため、多くの住民の生活を脅かす結果となりました。 

参考:内閣府 防災情報のページ

参考:宮城県  東日本大震災の被災概要

千葉県の津波範囲はどこまででしたか?

東日本大震災により、千葉県では九十九里・外房および内房地域に津波が到達。各地点で観測された津波高は、それぞれ下記のとおりです。 

銚子エリア:約2.5m

館山エリア:約1.7m

千葉市付近:約0.9m 

浸水は主に沿岸部に限られたものの、市原市や山武市旭地域では津波が川を遡上して発生しました。結果として、内陸市街地まで被害が拡大した地域もあります。 

参考:千葉県ホームページ 「千葉県における東日本大震災の様子を知ろう」

東日本大震災により、海外でも津波が発生しましたか?

東日本大震災の影響により、日本国内だけでなく太平洋を越えて下記の地域でも津波が発生しました。 

ハワイ

北・南アメリカ沿岸

インドネシアなど 

中には米国や南米の遠隔地で観測された津波もあり、交通インフラの乱れや浸水被害も報告されています。東日本大震災による津波は地震発生からおよそ1日かけて世界の至る所で発生し、外国にも被害を及ぼす歴史的災害となりました。 

参考:National Geographic News「東日本巨大地震の津波、米西海岸にも」

まとめ

東日本大震災では、遡上高が40mを超える高さの津波が観測されました。同時に東北地方をはじめ多くの地域において大規模な浸水・停電が発生し、住民の生活に大打撃を与えたのです。 

今後30年以内に発生が予想される南海トラフ地震に備えるためには、避難に備えた事前の準備が欠かせません。地震や津波が発生した際に持ち出しやすい場所に非常用バッグを用意し、足りていないグッズを補充しておきましょう。

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