1.世界最大の津波の高さは524m!|1958年アラスカ・リツヤ湾で発生
2025年9月時点において、世界で発生した最大の津波は高さ524mの「アメリカ・アラスカ州リツヤ湾大津波」です。

引用:Wikipedia
1958年7月9日、アメリカ・アラスカ州のリツヤ湾でマグニチュード7.7の地震が発生しました。湾奥の斜面が大規模に崩落し、大量の土砂や氷塊が海中に滑り込んで巨大な津波が起きたのです。
巨大津波が対岸の森林を押し倒した跡から、波高は524メートルに達したという記録が残されています。当時湾内には漁船が3隻停泊しており、そのうち1隻が沈没して2人が犠牲となりました。
リツヤ湾では過去120年間で100mを超える巨大津波が5回発生しており、局地的な山体崩落による津波研究の重要な事例となっています。
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2.世界最大の津波高さランキングまとめ
2025年9月時点までに世界で発生した津波を高さ順にまとめました。
地震名 |
発生年 |
高さ |
原因 |
アメリカ・アラスカ州リツヤ湾大津波 |
1958年7月9日 |
524m |
地震による山体崩落(斜面崩壊) |
セント・ヘレンズ山噴火による火山津波 |
1980年5月18日 |
260m |
火山の山体崩壊による岩屑の湖への流入 |
イタリア・バイオントダム災害 |
1963年10月9日 |
250m |
豪雨による山体崩壊 によりダム湖に大規模津波が発生 |
アメリカ・アラスカ地震による津波 |
1964年3月27日 |
67m |
大地震による津波 |
参考:防災新聞「世界・日本の津波の歴史!最大の津波と今後の対策は」
それぞれ背景や発生した被害を解説します。外国では今までにどのような大地震が来たか見てみましょう。
●1位:アメリカ・アラスカ州リツヤ湾大津波(524m)
世界最大の津波は、1958年7月9日にアメリカ・アラスカ州南東部のリツヤ湾で発生した大津波です。マグニチュード最大7.7の地震によって地震湾奥の急斜面が大規模に崩落し、大量の岩石や氷塊が海中へ滑り込みました。
参考:Wikipedia
推定波高は524メートルに達し、観測史上最大とされています。リツヤ湾大津波の事例は、局地的な山体崩落によるメガ津波研究においての重要な資料となっています。
●2位:セント・ヘレンズ山噴火による火山津波(260m)
世界で2番目に大きい津波事例は、1980年5月18日にアメリカ・ワシントン州のセント・ヘレンズ山で発生した大規模噴火に伴う津波です。山体の一部が突然崩壊し、大量の岩屑がスピリット湖へと一気に流れ込みました。
湖水が押し出される形で発生した巨大な津波は、高さ推定260メートルに達したと記録されています。
参考:一般財団法人 砂防フロンティア整備推進機構(Sabo Frontier Foundation)公式サイト
火山噴火そのものでは57人が犠牲となり、周辺のインフラや生態系にも甚大な影響を与えました。
参考:コトバンク
●3位:イタリア・バイオントダム災害(250m)
1963年10月9日、イタリア北部のピアーヴェ川上流にあるバイオントダムでは連日の豪雨により地盤の緩みが発生。ダム湖に面したモンテ・トック山の斜面が崩落し、おおよそ2億6,000万立方メートルもの岩盤が一気に湖へ流れ込みました。
その衝撃で高さ約250メートルの巨大津波が発生し、ダムを越えた下流エリアに甚大な被害をもたらしたのです。ヴァイオント渓谷周辺の町は壊滅し、2,000人以上が犠牲となる大惨事となりました。
参考:Yahoo!天気・災害「イタリア・バイオントダム災害」
「自然現象」だけでなく、ダム建設時の地質調査不足や安全対策の不備など、人為的要因が被害を拡大させた災害として知られる事例です。
●4位:アメリカ・アラスカ地震による津波(67m)
1964年3月27日、アメリカ・アラスカ州南部でマグニチュード9.2の大地震が発生。北米プレートと太平洋プレートの境界で起きた巨大な海溝型地震により、大規模な地殻変動により津波が発生しました。
最大波高は67メートルに達し、アラスカ沿岸部における港湾の施設や住宅地に壊滅的な被害を及ぼしました。津波はハワイや日本にまで到達し、太平洋全域に影響を及ぼしたのです。
死者はアラスカ州内外で合わせて131名にのぼり、莫大な経済損失も発生しています。
3.日本最大の津波の高さは約40m|東日本大震災による過去最大の被害とは
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、最大40mの津波発生のほか、下記の被害をもたらしました。
・東北沿岸部中心に広範囲で壊滅的被害が発生
・約2万人にわたる死者・行方不明者を記録
・16兆円以上の経済損失が発生
・原発事故により大規模な放射性物質が漏洩
東日本大震災により日本で何が起きたのか今一度学び、今後の教訓にしましょう。
●東北沿岸部中心に広範囲で壊滅的被害が発生
東日本大震災では、マグニチュード9.0の地震により最大40.5mの津波が東北沿岸部へ押し寄せました。
福島県や宮城県など三陸地方を中心に「多くの集落が地図から消えるレベル」の壊滅的被害が発生。道路や鉄道などの交通インフラも広範囲にわたって寸断され、救援活動にも大幅な遅れが生じたのです。
参考:朝日新聞デジタル
●約2万人にわたる死者・行方不明者を記録
東日本大震災による津波は一瞬で多くの街を飲み込み、下記の被害をもたらしました。
・死者:1万5,000人以上
・行方不明者:約2,500人
・関連死を含めた犠牲者:約2万人
参考:警視庁公式ページ
参考:復興庁公式ページ「東日本大震災における震災関連死の死者数」
避難勧告や津波警報が発令されたものの、避難が間に合わなかったケースが多発。高齢者や障がい者など避難困難者への支援体制も課題として浮き彫りとなりました。
●16兆円以上の経済損失が発生
東日本大震災の被害額は政府推計で16兆円以上にのぼり、広範囲における経済損失が発生しました。
参考:内閣府公式ページ
同時にサプライチェーンの分断により、自動車や電子部品など様々な産業における国内外の経済活動にも影響が出ています。復興費用は当時23兆円を超えると予想され、日本の財政にも大きな負担を与えました。
参考:愛知大学 名誉教授 宮入興一『東日本大震災からの復興と財政』
●原発事故により大規模な放射性物質が漏洩
東日本大震災による津波は福島第一原子力発電所を直撃。非常用電源が破壊された結果、原子炉の冷却が不可能になりました。結果として原発の炉心溶融(メルトダウン)と爆発事故が発生し、大量の放射性物質が広範囲に拡散したのです。
原発事故により、周辺住民は長期にわたる避難生活を余儀なくされました。被災から14年が経過した今でも、昔の生活へ戻れていない方々は2万人以上にのぼります。
参考:ニッポンドットコム
関連人気記事:東日本大震災の津波高さは最大どれくらい?今後の地震対策のポイントも解説
4.南海トラフ地震で発生が予想される津波の高さは最大34m
今後30年以内に起こりうるとされる南海トラフ地震では、最大で34メートルに達する津波の発生が予想されています。特に下記エリアを含む太平洋沿岸部では、広範囲にわたる市街地や住宅地が浸水する可能性が高いです。
・高知県
・静岡県
・和歌山県
・三重県など
参考:朝日新聞「南海トラフ地震の新想定、津波の高さ「全国最大」黒潮町のタワーでは」
津波の到達時間は、地震発生から数分〜十数分と非常に短いケースもあります。揺れを感じたら直ちに避難行動を取りましょう。
津波から身を守るための行動のポイントについては、下記段落にて詳しく解説します。
5.大津波から身を守るため知っておくべき備えと避難行動
大津波から身を守るためにも、下記4つの対策を早めに講じておきましょう。
・地域のハザードマップを確認しておく
・非常用バッグに防犯グッズを揃える
・津波発生を想定した避難をシミュレーションしておく
・津波対策が徹底されている住居への引越しを検討する
避難行動に欠かせないハザードマップの確認方法や、揃えておくべき防犯グッズも紹介します。
●地域のハザードマップを確認しておく
津波から命を守るためには、まず自分の住む地域のハザードマップを確認しておくのが重要です。ハザードマップには、避難に欠かせない下記の情報が掲載されています。
・津波浸水予想区域
・避難経路
・避難所の位置など
自治体の公式サイトを使うと、地域別のハザードマップを確認できます。自宅や職場、学校など、家族全員がそれぞれ日常生活の拠点ごとに安全な避難経路を知っておくのが大事です。
●非常用バッグに防犯グッズを揃える
津波や地震などの災害時は、停電や断水に加えて治安が一時的に悪化するリスクもあります。非常用バッグには「避難」と「防犯」ふたつの目的を考慮し、下記のアイテムを備えておきましょう。
・食料・水(人数×3日分)
・懐中電灯
・常備薬
・簡易トイレ
・ポータブル電源・モバイルバッテリー
・防雨グッズ
・ホイッスル
・防犯ブザー
・簡易的な施錠具など
避難所生活では最低限の日常生活だけでなく、プライバシーや安全を守るための防犯対策も欠かせません。盗難や不審者によるトラブルを防ぐためにも、自分や家族の身を守るグッズを用意しておきましょう。
●津波発生を想定した避難をシミュレーションしておく
津波から命を守るためには、事前の避難シミュレーションが欠かせません。家族や同居人と一緒に「揺れを感じたら何を持ってどこへ避難するか」を具体的に話し合いましょう。
津波は、地震発生からわずか数分で陸地まで到達するケースもあります。昼間や夜間、雨の日など複数の状況下で「実際に歩いて何分かかるか」を確認しておくのが重要です。
自治体ごとに公開されているハザードマップをもとに、避難ルートを複数考えておきましょう。停電や電波障害によりスマホが使えなくなる状況も考慮し、避難時における家族間で集合場所や安否確認方法を決めておくのもおすすめです。
●津波対策が徹底されている住居への引越しを検討する
津波リスクが高い地域に住んでいる場合は、津波対策が十分な住居への引越しも考える必要があります。下記の条件に当てはまる住居は、津波発生時の様々なリスクを低減できます。
・標高が10m以上の高台に位置する住居
・耐震・耐水性能が高く防潮対策が施されている建物
・避難ビルや避難経路へすぐに避難できる環境
被災リスクの低いエリアへ移住し、自身や家族の安全を災害から守れる確率を高めましょう。
関連人気記事:津波注意報発令!命を守るために取るべき行動と防災対策を徹底解説
6.津波の襲来に備えてJackery(ジャクリ)のポータブル電源を用意しておこう
津波による急な停電や避難対策には、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源がおすすめ。持ち運び可能なコンセントとしての役割を果たすため、停電時や避難所でも冷暖房器具や調理器具を動かせます。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、防災製品等推奨品マークを取得しています。自己放電率も365日で5%と非常に低いため、1年間放置しても95%の電池残量をキープ。いつ起こるかわからない地震や津波に備えて長期間保存可能です。
またJackery(ジャクリ)では、防災バッグにも入れやすいコンパクトなモデルも多数取り揃えています。地震や津波から家族の安全を守るためのグッズが欲しい方におすすめです。
7.世界最大の津波に関してよくある質問
最後に、世界最大の津波に関してよくある質問へ回答します。
●南海トラフ地震で生き残る地域は?
南海トラフ地震で生き残る可能性が高い地域は、下記などがあります。
・長野県
・栃木県
・岐阜県
・群馬県
・山梨県
・滋賀県など
長野県や岐阜県などの内陸部や太平洋から離れた山間部は津波が到達しない(もしくは影響が小さい)可能性があります。対して太平洋に面する高知県や和歌山県では最大30m超の津波が予測されており、被害リスクが極めて高いです。
南海トラフ地震では、震源域が静岡県から四国沖にかけて広がるため、太平洋沿岸の広範囲で大津波が想定されます。南海トラフ地震の被災リスクを軽減したい方は、ハザードマップを参考に生き残りやすい地域を知っておきましょう。
●過去日本で発生した津波高さランキングは?
過去日本で発生した津波高さランキングは下記のとおりです。
地震名 |
発生年 |
最大遡上高 |
東日本大震災 |
2011年 |
40.5m |
明治三陸地震 |
1896年 |
38.2m |
昭和三陸地震 |
1933年 |
28.7m |
参考:内閣府 防災情報のページ
上位3つの地震は、いずれも三陸沿岸のリアス式海岸で発生しています。地形が津波を増幅させた結果、28mを超える非常に高い遡上高が記録されたのです。
●世界で最も多くの犠牲者を出した津波は?
世界で最も多くの犠牲者を出した津波は、2004年12月26日に発生したインド洋大津波です。インドネシア・スマトラ島沖で発生したマグニチュード9.1〜9.3の巨大地震に伴う津波で、約22〜23万人が犠牲となりました。
最大津波高は30m以上に達した地域もあり、沿岸部の集落や観光地が一瞬で壊滅状態に。被害はインドネシアを中心に、タイやインドなど14か国以上に及んだと報じられています。
参考:テレ朝NEWS
参考:棚田俊収(神奈川県温泉地学研究所)「写真やビデオ、現地での見聞から考えるインド洋大津波」
まとめ
2025年9月時点における世界最大の津波は、高さ524mのリツヤ湾大津波です。他にもアメリカやイギリスでは、高さ100mを超える津波が3度発生しています。
過去日本では、東日本大震災において40mを超える最大の津波が発生しました。同時に広範囲にわたる壊滅的な被害や経済損失が発生し、歴史に残る大災害となっています。
今後30年以内に発生する可能性が高い海トラフ地震でも、一部のエリアでは最大30m以上の津波が予想されています。地震や津波から身を守るためには、避難方法の確認と防災グッズの準備が欠かせません。
長時間の停電や過酷な避難所生活も考慮し、Jackeryのポータブル電源を防災グッズに常備しておきましょう。