1.停電中にガスコンロやガス給湯器は使える?
停電が発生しても基本的にガスの供給は続き、電気を必要としないガス機器は使えます。しかし、電気を使うガス機器は作動しません。ガス機器の種類によって使えるか異なるため、機器ごとの違いを解説します。
なお、大規模災害などでガスの供給も止まる場合は、日本ガス協会やガス会社の各社公式サイトで公表されます。
参考:総務省「災害時におけるライフライン情報提供の現状について」
●停電中も使えるガス機器|ガスコンロやガスストーブ
停電中でも使えるガス機器は、基本的に電気を使わずに点火や運転ができる以下のような機器です。
・手動点火式のガスコンロ(マッチやライターで点火できるもの)
・乾電池式の点火装置を持つガスコンロ
・乾電池で動作するガスストーブ
・ガス炊飯器
・瞬間湯沸器
これらは手動で点火できたり乾電池で動作したりするため、停電の影響を受けにくいのが特徴です。ただし、電気がなくても動くガス機器も、点火にマッチやライターが必要な場合があります。停電時に使いたい場合は、点火装置となるマッチなどを準備しておきましょう。
最新のガス機器は電気で制御されて稼働するものが多く、停電中は使えない場合が増えており注意が必要です。
●停電中に使えないガス機器|ガス給湯器やファンヒーター
停電中に使えないガス機器は、電気を使って制御や点火を行う以下のような機器です。
・電気点火式のガス給湯器(エコキュートなど)
・ガスファンヒーター
・ガス床暖房
・温水式浴室乾燥機
・ガスボイラー
これらの機器は電力がなければ安全装置が作動せず、停電時は使えません。特に、給湯器は熱いお湯を出した直後に停電になってしまうと冷却用のファンが止まってしまい、故障のリスクがあります。計画停電などで停電することが事前にわかっている場合は、直前に使わないよう注意が必要です。
また、電気が復旧した際に機器が突然動き出すことによるトラブルを防ぐために、停電中は使用しないガス機器の主電源を切っておきましょう。
ちなみにポータブル電源があれば、100Vで動くガスファンヒーターやガスボイラーのような一部のガス機器は使えます。ポータブル電源は持ち運び可能な蓄電池です。停電時にも使いたいガス機器がある場合は、ポータブル電源の出力で家電の消費電力がまかなえるか事前に確認しましょう。
関連人気記事:停電中に使えるガスコンロの種類を徹底解説!使用時の注意点や備えも伝授
2.停電中にガス機器を使うときの注意点4つ

停電中にガス機器を使うには、通常時以上に安全に配慮する必要があります。電気で動作する安全装置が作動しない状態でガスを使うため、以下の注意点を必ず守りましょう。
①換気設備やガス警報器が止まるので必ず手動で換気する
停電時には電気で動く換気扇やガス警報器が作動せず、ガスが室内に充満するリスクが高まります。ガス中毒や火災を防ぐには、窓や扉を開けて定期的に手動で換気しなくてはいけません。
特にガスコンロを使うときは、常に窓を開けて新鮮な空気を取り入れましょう。ガスストーブなどの暖房機器を使うなら、1時間に1〜2回(約1〜2分)の頻繁な換気が必要です。換気するには対角線上の窓や戸を開けると空気の流れができ、効率よく換気できます。
停電中にガス機器を安全に使うには、必ず定期的な換気を行いましょう。
②夜間は暗いため操作を誤らないように注意する
停電時は照明が使えず、特に夜間はガス機器の操作を誤る可能性が高まります。暗い中での操作ミスによるガス漏れや火災のリスクを避けるには、懐中電灯やランタンなどの灯りを準備しておくことが大切です。
スマートフォンのライト機能も活用できますが、バッテリーを温存するために懐中電灯やランタンを備えておきましょう。
暗闇の中でガス機器を使うときは十分な明るさを確保し、各つまみやスイッチを確認してから操作します。不安がある場合は無理にガス機器を使用せず、ポータブル電源を使った電気調理など別の手段を検討してみてください。
③ガス給湯器の凍結に注意する
冬季の停電では、ガス給湯器の凍結リスクもあります。通常、ガス給湯器には凍結防止ヒーターが内蔵されていますが、停電時にはこの機能が働きません。
凍結防止には、水抜き栓を開けて給湯器内の水を抜く必要があります。特に気温が氷点下になる夜間に停電が発生した場合は、早めに水抜き作業を行いましょう。水抜きの方法は機種によって異なるため、取扱説明書で確認しておくことをおすすめします。
また、凍結したガス給湯器は復旧後に破損や水漏れを起こす可能性があります。停電が解消されて使い始めたときに水漏れなどがある場合は、電源を切り、ガスの元栓を閉めてガス会社に修理を依頼しましょう。
④ガス機器を使わないときは元栓を閉める
停電中、ガス機器を使わないときや就寝前は必ずガスの元栓を閉めましょう。停電時には安全装置が作動しない状態でガスを使うため、使用していない時間帯は元栓を閉めることで事故のリスクを減らせます。
ガスの元栓は通常、ガスメーター付近や各ガス機器の近くに設置されています。元栓の場所や閉め方は、停電が起こる前に確認しておきましょう。普段から元栓の位置と操作方法を確認しておけば、いざというときに慌てずに行動できます。
参考:社団法人日本ガス協会「停電時のガス機器の使用に関する注意事項について 」
3.停電中もJackeryのポータブル電源があれば安全に家電が使える
停電中でも一部のガス機器は使えますが、電気で動く家電の方が安全に使えます。
ポータブル電源があればIHクッキングヒーターや電気ケトル、電子レンジなどの調理家電を使うことが可能です。これらの電化製品はガスが出ないので換気の心配がなく操作も簡単で、停電時でも安全に使えます。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、騒音レベルを30dB~55dB(静かな図書館レベル)に抑えられます。そのため、マンションの室内や避難所などでも周囲を気にせず使うことが可能です。
長期間の停電に備えるなら、ソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator」シリーズがおすすめです。太陽光発電で繰り返し充電でき、電気の供給がなくても家電を使い続けられます。
Jackery(ジャクリ)のソーラーパネルは業界最高レベルの最大25%の高い太陽光発電効率を実現しており、停電中もスピーディーにポータブル電源の充電が可能です。「Jackery Solar Generator」を活用して、停電時も安全に家電を使って快適に過ごしましょう。
▶ ポータブル電源ソーラーパネル製品一覧|Jackery Solar Generator
もっと多くの商品を見る
4.停電から復旧してガス機器を使う前のチェックポイント3つ

停電が復旧した後もすぐにガス機器を使うのではなく、使用前の安全確認が必要です。電気が復旧しても機器が正常に動作しない可能性があるため、以下のチェックポイントを必ず確認しましょう。
①機器が正常に作動しているか
停電復旧後は、ガス機器が正常に作動するか確認します。特に電気を使うガス給湯器やガスファンヒーターなどは、停電時に機器が中途半端な状態で電源が切れると、エラー履歴が残り復旧後も動作しないことがあります。以下のポイントをチェックしてから使用を開始しましょう。
・ガス機器本体に変形や破損がないか
・正常に点火するか
・火力調整は正常か
・異音や異臭はないか
・操作パネルのランプが正常に点灯するか
・エラーメッセージが表示されていないか
異常を感じた場合は使用を中止して、ガス会社や機器メーカーに点検を依頼してください。特に古いガス機器は停電による影響を受けやすく、慎重な確認が必要です。
②ガス臭など異常を感じないか
使用開始時は、ガス臭などの異常がないかを確認しながら使いましょう。停電中や復旧時の電圧変動により、ガス機器の接続部分に緩みが生じてガスが漏れる可能性があります。
少しでもガス臭を感じたら窓や戸を開けて換気し、ガスの元栓を閉めてからガス会社への連絡が必要です。その際、電気の火花がガスに引火する危険性があるため、電気のスイッチやコンセントには触れないようにしてください。
ガス漏れを防ぐには、普段からガス機器を点検することも大切です。ガス会社が実施する定期点検を必ず受けましょう。
③各種設定がリセットされていないか
停電によって設定がリセットされることがあります。特に以下の点は確認が必要です。
・ガス給湯器のタイマー設定や温度設定
・ガスファンヒーターの予約設定
設定がリセットされている場合は、取扱説明書を参照して再設定を行いましょう。
お湯の温度設定が変わっているとやけどのリスクがあるため、必ず使用前に温度設定を確認してください。
5.停電時のガス機器の動作に関するよくある質問
停電時のガス機器の使用について、よくある質問とその回答をまとめました。
●都市ガスは停電のときに使えない?
都市ガスの供給は電力とは別のシステムで行われており、停電してもガスの供給は継続されるため使えます。ただし、使用できるのは電気を必要としないガス機器に限ります。
都市ガスを使用するガスコンロでも、点火に電気を使わないタイプ(マッチやライターで点火できるもの)や乾電池式の点火装置を持つものは使用可能です。一方、電気点火式の給湯器など、制御に電気が必要な機器は停電中は使えません。
また、震度5以上の地震が発生した際などにマイコンメーター(ガスの安全装置付きメーター)が自動的にガスを遮断する場合があります。地震で停電したときにガス機器が使えない場合は、マイコンメーターを確認しましょう。
参考:一般社団法人日本ガス協会「ガスが止まったら」
●マンションでは停電中ガス機器を使える?
マンションでも基本的には、一戸建てと同様に電気を必要としないガス機器は使用可能です。
ただし、マンションによっては、給湯や暖房などのガス機器に集中管理システムを採用している場合があります。この場合、停電するとポンプやコントロールシステムが動作しなくなり、ガス機器が使えません。
マンションにお住まいの方は、管理組合や管理会社に停電時にガス機器が使えるか確認しておきましょう。
●プロパンガスは停電のときに使える?
プロパンガス(LPガス)はボンベ内に高圧で蓄えられており、供給に電気を必要としないため、停電時も使えます。しかし、都市ガスと同様に電気を使う機器は停電時に使えません。
ガス機器が使えなくて困る場合は、ポータブル電源などで停電時も代わりの調理家電や暖房器具を使えるように準備しておきましょう。
●停電中、ガスメーターは動いているの?
多くのガスメーター(マイコンメーター)は内蔵電池で動作するため、停電中でもガスメーターは正常に動き続けます。停電中にガス機器を使用した場合も、ガスの使用量は正確に計測される仕組みです。
なお、ガスメーターには安全装置がついており、以下のような状況でガスの供給を停止します。
・震度5以上の地震が発生したとき
・長時間ガスを使用したとき
・ガス圧の異常が検知されたとき
・警報器が作動したとき
安全装置が働いてガスの供給が停止された場合は、手動で復旧操作が必要です。マイコンメーターの復旧方法は以下のとおりです。
1.全てのガス機器を止めて、ガス栓も閉める
2.復帰ボタンのキャップを左に回し、キャップを外す
3.復帰ボタンを押して表示ランプが点灯したら手を離す
4.キャップを閉めて3分間待つ
5.ガス漏れがなく、赤ランプの点滅が消えているか確認する
ガス臭い時はガス漏れの可能性があるため、復帰の操作をしないでガス会社へ連絡してください。
●ガス給湯器が停電後つかないときはどうすればいい?
停電復旧後にガス給湯器が作動しない場合は、以下の項目を確認しましょう。
・ブレーカーが落ちていないか確認する
・ガスの元栓が開いているか確認する
・ガス給湯器のリセットボタンを押す
・エラーコードが表示されている場合は、取扱説明書を確認して対処法を行う
・マイコンメーターの安全装置が作動していないか確認し、必要に応じて復旧させる
上記の対応を行っても給湯器が作動しない場合は、機器の故障や内部基板の損傷が考えられます。ガス会社やメーカーのサービスセンターに連絡し、チェックしてもらいましょう。
まとめ
停電時、電気を必要としないガスコンロやガスストーブは使えますが、ガス給湯器など電気で制御する機器は使えません。
また、停電中は換気扇や警報器が動かず、ガスコンロなどを使う場合は換気の徹底など安全対策が必須。ガス中毒のリスクが不安な方は、ポータブル電源を使って電気ケトルでお湯を沸かしたり、電子レンジで食事を温めたりするのがおすすめです。
Jackery(ジャクリ)の高出力ポータブル電源なら、家の中にあるほとんどの家電が使えます。ポータブル電源を使って、停電中も安全に過ごしましょう。