1.UPSバッテリーとは停電時に電力供給をストップさせないための装置

UPSバッテリー(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)とは、停電時に家電への電力供給をストップさせないための装置です。まずはUPSバッテリーの基本的な仕組みから必要性、他の非常用電源との違いを解説します。
●UPSバッテリーの仕組み
UPSバッテリーは、コンセントと動かしたい家電の間に設置します。通常時はコンセントから接続された家電に電力を供給しながら、自身の内蔵バッテリーを充電。雷や災害などによる突然の停電が発生した際には、数ミリ秒という短い時間で内蔵バッテリーからの給電に切り替わる仕組みです。
●UPSバッテリーの必要性
停電により突然電源供給がストップする「瞬断」の現象が起きると、テレビや冷蔵庫のような家電の内部基盤が壊れてしまうリスクがあります。特に雷を伴う突然の停電は、過電圧による基盤の損傷リスクも高まり、修理や買い替えが必要な故障につながるケースも少なくありません。
UPSバッテリーを家電とコンセントの間につないでおけば、突然の停電が起きても過電圧で家電が故障するリスクを大幅に軽減できます。もちろん、UPSの充電が切れるまでは、その家電の動作を継続させることが可能です。停電による機器の故障リスクと、停電中に家電が使えなくなる不安を解消するためには、UPSバッテリーの導入が不可欠といえます。
●EPSや非常用発電機との違い
UPSバッテリーは停電発生時に電源が瞬断されるのを防止する機器です。EPS(Emergency Power Supply:非常電源装置)は、停電時に瞬時に切り替わる点ではUPSと同様。しかし、どちらかといえば一般家電用ではなく、非常灯など人命にかかわる防災設備用として使われることが多いです。
とはいえ、UPSとEPSは同じ使い方をするので、あえて区別をしていないこともあります。ポータブル電源も、UPSとEPSはほぼ同列のものとして扱っています。
一方でガスやガソリンを使って発電する非常用発電機とは明確に目的が異なります。非常用発電機は、起動から電力供給がはじまるまで数分程度の時間がかかり、電源の瞬断防止の目的では使えません。停電による家電の故障を防ぐなら、UPSやEPSが適しています。
2.UPSバッテリーの選び方のポイント5つ
UPSバッテリーを選ぶポイントは下記の5つです。
・容量|持続可能時間を確認する
・出力ポート|つなぎたい機器の数に合わせる
・バッテリーの種類|寿命が長いリチウムイオン電池がおすすめ
・安全性|BMS(バッテリーマネジメントシステム)など発熱防止があるか確認する
・交換・廃棄のしやすさ|回収サービスがあるメーカーがおすすめ
ポイントを押さえて、あなたの用途にピッタリ合ったUPSバッテリーを選びましょう。
容量|持続可能時間を確認する
UPSバッテリーの容量選びは、接続する家電の消費電力と必要な稼働時間がポイントです。容量と消費電力から稼働時間を算出するには、下記の計算式を使います。
● 容量(Wh)÷消費電力(W)×0.8(電力ロス)=稼働時間(h)
例えば、100Wの冷蔵庫と60Wの照明を同時に1時間持続させたい場合、合計200Whの容量が必要になります。仮に8時間の持続を目指すなら、1,600~2,000Wh程度の容量をもつものを選ぶと良いでしょう。
UPSやEPS機能搭載のJackeryポータブル電源は、99Whから3,024Whまで豊富なラインナップがあります。モデルによっては、バッテリー拡張で10,000Whを超える大容量にすることも可能です。
関連記事:UPS(無停電電源装置)搭載のポータブル電源おすすめ5選!UPS機能のメリットや使用時の注意点も解説
出力ポート|つなぎたい機器の数に合わせる
出力ポートは、同時に使用したい家電の数に応じて選びます。例えばテレビと冷蔵庫を同時に動かしたいなら、最低でもAC100V電源(コンセント)が2つ必要です。
またUSBポートがついたUPSなら、瞬断防止として機能しつつスマホやタブレットの充電にも使用可能。停電が長期化すれば、スマホは情報を得たり外部と連絡を取ったりするための重要なアイテムになります。家族の人数分、USBポートがあるUPSがおすすめです。
UPS機能搭載のJackeryポータブルバッテリーは、AC電源が最大5口。USBが4ポート以上使えるモデルもあります。繋ぎたい機器の個数に合った、最適なモデルを選びましょう。
バッテリーの種類|寿命が長いリチウムイオン電池がおすすめ
UPSバッテリーには、主に下記の2種類が採用されています。
・鉛蓄電池:2~3年程度の寿命。購入価格が安いが頻繁に買い替えが必要
・リチウムイオン電池:5年以上の寿命。価格は高いが軽量・コンパクトなうえ買い替えのスパンが長い
購入価格は上がる傾向があるものの、寿命が長くあまり買い替えせずに済み、結果的にコストを押さえられるリチウムイオン電池のUPSがおすすめです。
また、最新の「リン酸鉄リチウムイオン電池」を搭載したUPSなら、10年以上の長寿命を実現しています。
安全性|BMS(バッテリーマネジメントシステム)など発熱防止があるか確認する
過充電や過放電、発熱を防ぐBMS(バッテリーマネジメントシステム)を搭載し、安全性が高いか確認しましょう。停電時の瞬断防止に使うUPSバッテリーは、本体に耐久性がないと発火や爆発のリスクがあり危険なためです。
JackeryのUPS搭載のポータブル電源は全機種がBMSを搭載しているため、通常使用はもちろん急な停電でも安全性バツグン。安心してお使いいただけます。
交換・廃棄のしやすさ|回収サービスがあるメーカーがおすすめ
バッテリーを内蔵するUPSは産業廃棄物の扱いになり、専門の業者に廃棄を依頼しなければいけません。かといって長期間放置すると、衝撃や圧力による発火のリスクがあります。
参考:東京都産業資源循環協会
しかし、専門の業者を呼ぶということは廃棄に費用と手間がかかります。そこで回収サービスがあるUPSバッテリーを選んでおけば、将来使えなくなってしまったときの処分に困ることはありません。
JackeryのUPS搭載のポータブルバッテリーは、使わなくなったタイミングで無料回収が可能です。当社は上場しており、全世界に500万台以上のユーザーがいますので、メーカーの廃業・倒産で回収サービスが使えなくなる心配もありません。
3.UPS(EPS)機能付きバッテリーのおすすめ3選

UPSまたはEPSの機能がついたバッテリーなら、Jackery(ジャクリ)の「ポータブル電源」がおすすめです。ポータブル電源は持ち運びを想定した大容量バッテリーのこと。災害時はもちろん、キャンプや車中泊のようなアウトドアに持って行って、電源のないところでも家電や電子機器に給電できます。
UPSとパススルー充電機能を併用することで、突然の停電でも中断のない電力を供給できます。Jackery(ジャクリ)は全世界500万台以上の販売台数を誇るポータブル電源メーカーです。世界レベルの耐久試験に合格した製品のみを販売しており、高い安全性で安心して使えます。UPSバッテリーをお探しの方に、UPSやEPS機能搭載したポータブル電源のすすめをご紹介します。
※Jackeryのポータブル電源は、パソコンやサーバーのような精密機器のUPSとしては推奨しません。一般家電への使用を想定しています。
4.UPSバッテリーの交換・廃棄方法

UPSバッテリーの適切な交換時期や、使い終わった後の廃棄方法について解説します。前提として、産業廃棄物として扱われるUPSバッテリーは、一般ごみとして処分をしてはいけません。しっかりと確認しておきましょう。
●UPSのバッテリーのみ交換はできないことが多い|新しいものを購入しよう
UPSバッテリーは製品の安全性や性能を維持するために、多くの製品で内蔵バッテリーの単体交換に対応していません。カタログやマニュアルに記載のUPSの寿命を過ぎた場合や、充電持続時間が購入時の半分程度まで低下したりした場合は、製品ごと交換を検討しましょう。
バッテリーの容量が大幅に減ってしまったUPSは、いざというときに活躍しません。数年に1度は容量を確認し、あまりに減っているようなら交換を検討してみてください。
●使い終わったUPSバッテリーは産業廃棄物として処分する|一般ゴミとしての処分は違法なので注意
UPSバッテリーは、一般ごみとして処分することが法律で禁止されています。使える処分方法は、主に下記の3つです。
・メーカーの無料回収サービス利用
・家電量販店のリサイクル窓口への持ち込み
・産業廃棄物処理業者への回収・廃棄依頼
メーカーの回収サービスが使える場合は、最初に検討することをおすすめします。たとえば、JackeryのUPS搭載のポータブルバッテリーは無料回収が可能です。
メーカー回収が使えないなら、家電量販店のリサイクル窓口で回収できないか確認してみてください。
産業廃棄物処理業者に頼むと5,000円から数万円ほどかかる一方、家電量販店なら5,000円以下で済むことが多いためです。ただし、UPSのサイズによっては家電量販店で回収していません。この場合は、産業廃棄物処理業者に依頼しましょう。
関連記事:リチウムイオン電池の廃棄方法は?電池種類別の捨て方と注意点を解説
5.UPSバッテリーの寿命を延ばす4つのコツ

以下4つのコツを押さえて使えば、UPSバッテリーの寿命が延びて交換や廃棄のタイミングを遅らせられるかもしれません。
・適切な室温を保つ|リチウムイオン電池なら25℃前後
・部屋の湿度を下げる|湿気はバッテリー腐食の原因に
・放電のし過ぎを防ぐ|過放電は劣化のリスクを高める
・なるべくつなぎっぱなしにしておく|頻繁な充放電の繰り返しは劣化を早める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①適切な室温を保つ|リチウムイオン電池なら25℃前後
リチウムイオン電池の性能を最大限に引き出すには、適切な室温を保ちましょう。国立研究開発法人科学技術振興機構低炭素社会戦略センターの調査によれば、もっとも劣化が少ない推奨される室温は25℃前後です。
参考:国立研究開発法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター「リチウムイオン電池の劣化挙動調査(4ページ)
劣化を早めてしまうため、極端な高温や低温は避けてください。なるべくエアコンの効いた室内での使用をおすすめします。
②部屋の湿度を下げる|湿気はバッテリー腐食の原因に
湿度が高いと、UPSバッテリーの端子部分の腐食を引き起こしてしまうリスクがあります。「何%以上はNG」といった明確な基準はありませんが、一般的には「40~60%以下」がリチウムイオン電池の保管に適しているといわれています。なるべく風通しの良いところに置いたり、梅雨の時期は部屋に除湿器を置いたりすると良いでしょう。
③放電のし過ぎを防ぐ|過放電は劣化のリスクを高める
UPSに内蔵されるリチウムイオン電池は、残量0の状態が続く「過放電」がバッテリーの劣化を早める要因のひとつです。もし長期間使わない場合は、目安として残量が20%以下になったら継ぎ足し充電をしましょう。
④なるべくつなぎっぱなしにしておく|頻繁な充放電の繰り返しは劣化を早める
多くのUPSバッテリーはコンセントに接続したまま使用する設計となっています。電源の抜き差しを頻繁に行い、ムダな充放電が繰り返されると、バッテリーに負担がかかり劣化を早める原因となります。
また、長期間未使用のまま放置すると、バッテリーの自然放電により性能が低下する可能性があるため、定期的なバッテリー残量の確認も大切です。電源に繋がず保管する場合、60%程度まで充電しておくのが良いでしょう。
6.まとめ
地震や台風などが頻繁に起こる災害大国の日本では、いつ起こるか分からない停電への備えが不可欠です。
パソコンやサーバーのような精密機器以外に使用するUPSなら、容量や出力ポートのラインナップが豊富で、あなたのニーズに合ったものが見つかる当社Jackeryのポータブル電源がおすすめです。UPSを導入し、家電の故障を防げる安心の生活を手に入れましょう。
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