1.キャンピングカーの運転に必要な免許の種類
キャンピングカーといえば、車体の大きさが一番の特徴です。そのため、普通免許では運転できないと考える方も多いでしょう。実は、キャンピングカーの大半が、普通免許でも運転できます。キャンピングカーの運転に必要な免許の種類は、以下のとおりです。
●自走式(定員11人未満)|普通免許
自走式のキャンピングカーは日常生活でも使用でき、目的地の変更もしやすいのが特徴です。普通免許で運転できる自走式キャンピングカーには、軽自動車をベースとした軽キャンピングカーや、ハイエースを改造したバンコンタイプがあります。
自走式のキャンピングカーを普通免許で運転するための条件は、以下の3点です。
・乗車定員が11人未満
・車両総重量3.5t未満
・最大積載量2t未満
普通免許を取得する方法は、指定自動車教習所に通う方法と合宿免許を利用する方法、一発試験を受ける方法の3つあります。それぞれの特徴は、以下のとおりです(※1、2、3)。
|
指定自動車教習所 |
合宿免許 |
一発試験 |
期間 |
2〜3ヶ月 |
約2週間 |
1日 |
費用 |
約30万円 |
約23万円〜約32万円 |
約1万円〜約2万円 |
合格率 |
70%以上 |
70%〜80% |
10% |
※2参考:技能(飛び入り試験)
※3参考:普通免許試験
●自走式(定員11人以上)|中型免許
乗車定員が11人以上の場合、自走式のキャンピングカーでも、運転する際には中型免許が必要です。中型免許を取得すれば、マイクロバスをベースにしたバスコンや、海外メーカーの大型キャンピングカーも運転できます。
中型免許を取得するための条件は、以下のとおりです。
・満年齢が20性以上であること
・普通免許、準中型免許、大型特殊免許のいずれかを取得している
・取得後2年以上の運転経歴がある
中型免許は大型の自動車を運転するため、一定以上の技能が求められます。免許取得までの過程は多いですが、中型免許を取得すれば、運転できるキャンピングカーの種類が増えます。免許を取得するには、指定自動車教習所に通うか運転免許試験場での受験が必要です。
|
指定自動車教習所 |
運転免許試験場 |
費用 |
約20万円〜約25万円 |
約1万円〜約3万円 |
合格率 |
90%以上 |
30%〜50% |
●牽引式(750kg以下)|普通免許
普通免許で運転可能な牽引式のキャンピングカーは、車両総重量が750kg以下であることが条件です。キャンピングトレーラーは自走するための装備がついていないため、移動する際には他の車両での牽引が必要です。
ただし、小型モデルであれば牽引免許は必要ありません。普通免許で動かせるため、対応可能なヘッド車を用意できれば、すぐにキャンピングカーを楽しめます。
●牽引式(750kg以上)|普通・牽引免許
牽引するキャンピングトレーラーの車両総重量が750kg以上の場合、普通免許に加えて牽引免許が必要です。牽引免許を取得するための条件は以下のとおりです。
・18歳以上
・普通免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許のいずれかを取得している
牽引免許の種類と特徴、免許取得にかかる費用を紹介します。
牽引免許の種類 |
運転可能な車両 |
免許取得にかかる費用 |
牽引第一種免許 |
750kg超のトレーラーや大型タンクローリーなど |
教習所:約10万円 運転免許試験場: 約6,000円 |
牽引第二種免許 |
旅客を有料で運ぶ牽引車両 (例)観光用のトレーラーバス |
教習所:約10万円 運転免許試験場: 約6,000円 |
牽引小型トレーラー限定免許 (ライトトレーラー免許) |
750kg超〜2,000kg未満のトレーラー |
教習所:約10万円 運転免許試験場: 約6,000円 |
牽引小型トレーラー限定免許を取得すれば、750kg以上のキャンピングトレーラーを牽引できます。牽引免許の取得方法は、指定自動車教習所に通う方法と合宿免許を利用する方法、一発試験を受ける方法の3つです。
合格率は、牽引第一種免許で約80%、牽引第二種免許で約20%と言われています。牽引第一種免許の合格率が高く見えますが、受験者の約9割が指定自動車教習所や合宿免許の卒業生であるためです。試験自体の難易度は高いため、しっかり対策した上で、受験しましょう。
2.【普通免許の取得時期別】運転できるキャンピングカー

普通免許の取得時期によって運転できるキャンピングカーの種類が異なります。取得している免許で運転可能なキャンピングカー以外を運転すると、道路交通法に違反してしまいます。あなたの免許はどのキャンピングカーを運転できるのか、確認しておきましょう。
普通免許の取得時期別、運転できるキャンピングカーは以下のとおりです。
●2007年6月1日以前
2007年6月1日以前に普通免許を取得した方の、運転可能なキャンピングカーの条件は以下のとおりです。
・車両総重量8t未満
・最大積載量5t未満
・乗車定員11人未満
上記の条件を満たすキャンピングカーは多いため、この時期に普通免許を取得した方は、ほとんどのキャンピングカーを運転できます。
●2007年6月2日~2017年3月11日
2007年6月2日〜2017年3月11日の間に普通免許を取得した方が、運転可能なキャンピングカーの条件は以下のとおりです。
・車両総重量5t未満
・最大積載量3t未満
・乗車定員11人未満
2007年6月2日〜2017年3月11日の間に普通免許を取得した方も、ほとんどのキャンピングカーを運転可能です。
●2017年3月12日以降
2017年3月12日以降に普通免許を取得した方が、運転可能なキャンピングカーの条件は以下のとおりです。
・車両総重量3.5t未満
・最大積載量2t未満
・乗車定員11人未満
以上3つの条件全てに最大積載量が挙げられていますが、キャンピングカーの車検証には最大積載量の記載がありません。車両総重量と乗車定員が条件に当てはまるかどうか、必ず確認しておきましょう。
3.【免許別】運転可能なキャンピングカーの車種
運転したいキャンピングカーが、取得している免許で運転可能かどうか、確認が必要です。自分が所有している免許の種類と車両総重量など、車検証と照らし合わせて確認しましょう。免許別、運転可能なキャンピングカーの車種を紹介します。
●普通免許で運転できるキャンピングカー一覧

出典:N-VAN コンボ
普通免許で運転できるキャンピングカーは、以下のとおりです。
・GT NV350 CARAVAN
・コルドバンクス
・ピッコロキャンパープラス
・エース565シリーズ
・FOCS Sienta Litera
・ラクーン
・K580
・N-VAN コンボ
N-VAN コンボのような軽キャンパーであれば、車両総重量も3.5t以下であることが多く、普通免許で運転できます。
●中型免許で運転できるキャンピングカー一覧
出典:Kヨットテクノライン89
中型免許で運転できるキャンピングカーは、以下のとおりです。
・コースタービーグルラゲージスーパーグランデ
・ランドホームコースター
・デュカトデスノフエヴァン l560D スポーツ
・Kヨットテクノライン89
中型免許を取得することで、運転できるキャンピングカーの種類が豊富になります。マイクロバスをベース車としたバスコンも運転できます。
●準中型免許で運転できるキャンピングカー一覧
出典:トヨタ・カムロード
準中型免許で運転できるキャンピングカーは、以下のとおりです。
・SHINOBI
・トヨタ・カムロード
・バスコンの一部
準中型免許を取得していれば、2tトラックがベース車のキャブコンを運転できます。トヨタのカムロードは、キャンピングカー専用ベース車です。
4.キャンピングカーの種類で迷ったらレンタルもおすすめ!
購入するキャンピングカーの種類で迷ったら、レンタルを利用するのがおすすめです。保有している免許で運転可能なキャンピングカーがあっても、いきなり購入し、運転するのは不安に感じる方も多いでしょう。
レンタルをしてお試しで運転してみれば、普段運転している車とどのくらい違うのか、どんな機能があるのかが分かります。キャンピングカーをレンタルする際には、キャンプ用品も一緒にレンタルできることが多いので、キャンピングカーでのアウトドアも経験できます。
キャンピングカーを運転する感覚と、本当にアウトドアを楽しめるのかを事前に知るためにも、キャンピングカーのレンタルはおすすめです。
5.普通免許で運転できるキャンピングカーの選び方5選
普通免許で運転できるキャンピングカーを購入する際には、使用する目的や機能など、以下のポイントを確認しておくことが大切です。
①用途
普通免許で運転できるキャンピングカーは、外見が普通の乗用車と変わらないため、普段使いにも適しています。キャンプや旅行など、アウトドア以外にも日常生活でも使いたいという場合には、軽ワゴンやライトバンをベース車としたキャンピングカーが使いやすいです。
反対に、キャンプによく行く場合や車中泊にも使いたいという場合には、商用バンが使いやすいでしょう。
②タイプ
普通免許で運転できるキャンピングカーは、大きく分けて以下の5種類に分類されます。
・バンコン
・キャブコン
・軽キャンパー
・フルコン
・トレーラー
キャンピングカーは、室内の広さや移動のしやすさなど、タイプによってメリットデメリットがあります。使用する目的に合ったキャンピングカーを選ぶことが大切です。
③維持費・燃費
キャンピングカーの維持費は、車種によって大きく異なります。普通免許で運転できるキャンピングカーの維持費の目安は、1年間で約33万円〜約100万円です。
維持費の内訳は以下のとおりです。
・自動車税
・車検費用(2年に1度)
・保険料
・駐車場代(所有している敷地内であれば無料)
・メンテナンス費用
・ガソリン代
キャンピングカーは、乗用車と比べて複雑なシステムを備えています。タイヤ交換やオイル交換に加えて、電気や水道、冷蔵庫などを整備するメンテナンスが必要です。
キャンピングカーの燃費は、車両重量や形状、走行スタイルによって大きく異なります。バスコンやキャブコンの燃費は、リッター5〜10kmと一般的な数字ですが、バスコンはリッター3〜5kmと厳しい数値です。
なお、ガソリン車よりもディーゼル車の方が、燃費が良いとされています。
④就寝定員
就寝定員は、乗車定員の3分の1以上と定められています。普通免許で運転できるキャンピングカーの一般的な乗車人数は5〜8人程度、就寝人数は3〜6人程度です。
ベッドは常設タイプとソファベッドタイプがあります。アウトドアへ行く目的や、人数を確認した上で、快適な睡眠環境を整えることが大切です。
⑤設備とレイアウト
キャンピングカーのレイアウトは、車種やメーカーによって異なります。ベッドスペースや冷蔵庫、シンクや収納スペースが備え付けられているのが一般的です。
キャンピングカーの中には、座席を倒してベッドにするタイプや、バンクベッドといった車両の上部にベッドが装備されているものもあります。設備やレイアウトは、車種やメーカーによって大きく異なるため、カタログを参考に検討すると良いでしょう。
6.普通免許可!キャンピングカーに装備したいポータブル電源
キャンピングカーで電源を確保するにはインバータが別途必要であったり、利用できる場所が限られていたりするため、ポータブル電源を装備しておくと安心です。ポータブル電源とは、内蔵バッテリーに電気を貯め込み、どこでも家電製品に給電できる機器を指します。
キャンピングカーにポータブル充電を装備するメリットは、以下のとおりです。
・ポータブルエアコンや電気ストーブを稼働し、車内の気温対策が行える
・電子レンジや電気ケトルを使用し、簡単に料理が作れる
・ポータブル冷蔵庫に食材や飲み物を冷蔵・冷凍保存できる
・車内でLEDランタンを点灯させ、夜の暗闇を照らせる
・携帯やパソコンなどのモバイル機器を常に満充電にしておける
ポータブル電源には家庭用のコンセントと同じAC出力ポートを搭載しているため、自宅で使用している家電のほとんどが車内でも動かせます。別売のソーラーパネルを繋げば、電気を自給自足できるので、旅の途中で充電切れになる心配はありません。
キャンピングカーに備えるポータブル電源は、創業から13年間で世界販売台数500万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。100%の電池残量で保管した場合、1年経過しても自然放電はわずか5%なので、使いたい時にすぐ使えます。
業界トップクラスの軽量コンパクト設計を誇るので、車内外問わず移動の邪魔になりません。リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載により、10年以上もアウトドアで使用できます。
関連人気記事:キャンピングカーでのポータブル電源の役割は?サブバッテリーとして必要な要素
7.キャンピングカーに必要な免許に関するよくある質問
普通免許でも、ほとんどのキャンピングカーを運転できます。キャンピングカーに必要な免許に関するよくある質問は、以下のとおりです。
●AT(オートマ)限定免許でキャンピングカーは運転できる?
AT限定免許の場合、乗用車を運転する時と同様にAT仕様のキャンピングカーであれば、運転できます。多くのキャンピングカーがAT仕様になっていますが、古い車種や海外のキャンピングカーにはMT仕様もあるため、注意が必要です。
キャンピングカーを運転する際は、所有している免許の種類を確認しておきましょう。
●キャンピングカーの運転時に免許証が必要になる場面は?
キャンピングカーをレンタルする際には、運転する可能性がある方全員の運転免許証の提示が必要です。運転する方の申請がない場合、事故を起こしても保険の対象とならない可能性があります。
キャンピングカーをレンタルする際は、もしもの時に備えて運転する可能性がある方全員で、運転免許証を提示しましょう。
●普通免許で乗れる最大のキャンピングカーは?
普通免許で運転できる最大のキャンピングカーの条件は、以下のとおりです。
・車両総重量3.5t未満
・乗車定員11人未満
ハイエースを改造したバンコンタイプでも、上記の条件を満たしていれば、普通免許で運転可能です。普通免許で運転可能かどうか、キャンピングカーの車検証と照らし合わせて確認しておきましょう。
関連人気記事:ハイエースをDIYでキャンピングカーに快適化!おすすめ内装パーツも紹介
●バスコンのキャンピングカーは普通免許で運転できる?
マイクロバスをベースにしたバスコンタイプであっても、乗車定員が11人未満であれば普通免許で運転可能です。普通免許で運転できるかどうかの判断基準は車種ではなく、乗車定員や車両総重量です。
興味のあるキャンピングカーが、普通免許で運転可能かどうか、車検証やカタログなどで確認しておきましょう。
まとめ
キャンピングカーのほとんどは、普通免許で運転が可能です。キャンピングカーを運転できると快適に長距離移動できるので、お出かけの幅が広がるでしょう。車を購入する際は、運転可能なキャンピングカーの条件や免許の取得時期などを確認しておくことが大切です。
この記事で紹介したキャンピングカーの選び方を参考にして、自由で快適なキャンピングカーライフを楽しんでください。