1.100均の電池が安い理由は「製造コストや材料費を削減している」から
なぜ100均の電池はこんなに安いのでしょうか?主な理由は、製造コストや材料費の削減です。
● 大量仕入れで材料コストを抑えている
● 少し安価な材料を使っている
● 大量生産で製造コストを抑えている
● 簡素な包装でパッケージコストを抑えている
● 広告宣伝費をほとんどかけていない
コストを抑えているとはいえ、基本的な機能はしっかりとキープ。性能や寿命に多少の違いが生じることはありますが、一般的なメーカー品と遜色なく使えます。
2.100均の電池と普通の電池の違い
結論からいうと、「100均の電池は普通の電池と大差ないが、少しだけ性能が劣り」ます。以下に主な違いをまとめました。
①100均の電池は寿命が短い傾向あり
100均 電池と一般的なメーカー品とのもっとも大きな違いは、寿命です。たとえば単3アルカリ乾電池の場合、ダイソーの保存期限は約7年とされていますが、パナソニックなどの大手メーカー品の多くは約10年となっています。
使用時の持続時間も、メーカー品のほうが長い傾向です。とくに消費電力の大きい機器(デジタルカメラのフラッシュや電動おもちゃなど)を長時間使用する際には、光り方や動き方に差を感じることもあります。
とはいえ、リモコンや壁掛け時計などの消費電力が少ない機器であれば、100均の電池でも十分な性能を発揮することが多いです。用途に応じて使い分けましょう。
②100均の電池は基本的に中国製
100均で販売されている電池の多くは中国製です。この点をデメリットと感じる方もいるでしょう。とはいえ、実は東芝や三菱電機などの大手メーカーも、電池の生産拠点を中国などに移しています。
そのため「中国製だから品質が劣る」というわけではありません。どこで作られたかよりも、どのような品質管理体制の下で製造されているかがポイントです。大手メーカーの場合、自社の基準に基づいた品質管理を行っているため安心感があります。
当然100均の電池も一定の品質基準を満たしていますが、メーカーによる厳格な品質管理と比べると若干劣る可能性はあるでしょう。
③100均の電池は「液漏れ防止」が施されていない可能性が高い
電池の液漏れは、機器の故障や腐食の原因となる厄介な問題です。大手メーカーの電池は、パッケージに「液漏れ防止設計」などと明記されていることが多いですが、100均の電池にはそうした表記がないケースがほとんどです。
液漏れ防止技術はメーカーのノウハウのひとつで、取り入れるためにはコストがかかります。100均の電池ではコスト削減のため、この部分が簡略化されているのかもしれません。
ただし、最近の100均電池は品質が向上しており、以前ほど液漏れの心配はないとも言われています。それでも、高価な機器や長期間使用しない機器に入れておく場合は、メーカー品を使用したほうが安心でしょう。
関連記事:二次電池はどんな電池?特徴や用途、上手な使い方をわかりやすく解説
3.結論:100均の電池は使っても大丈夫!ただし液漏れには注意
結論として、100均の電池は日常使いには十分に使用可能です。特に以下のような用途なら安心して使えるでしょう。
● リモコン(テレビ、エアコン、照明など)
● 壁掛け時計
● 体重計
● 単純な子供のおもちゃ
● 非常用でない懐中電灯
● マウスやキーボード
一方で、以下のような場合は100均電池ではなく。普通の電池(メーカー品)を使ったほうが良いかもしれません。
● カメラなど高価な機器
● 長期間使用しない機器
● 消費電力の大きい機器
● 災害用の備蓄電池
● 医療機器など重要な用途
とくに液漏れのリスクを考慮すると、高価な機器に使う場合や長期保存する場合はメーカー品を選んだほうが無難です。
また災害用の備蓄としては、より信頼性の高いメーカー品や、後述するポータブル電源などの選択肢をおすすめします。
関連記事:電池が液漏れしたらどうすればいい?発生する原因や対処法を詳しく解説
4.100均にはどの種類の電池が売っている?
100均にはさまざまな種類の電池が販売されています。どの店舗でどんな電池が買えるのか、詳しく見ていきましょう。
●単1:ダイソー・セリアなら確実、キャンドゥも〇
単1電池は大型の懐中電灯や業務用機器などに使われる大きめの電池です。ダイソーでは1本入りで100円(税抜)で販売されています。また、セリアでも同様に1本パックで取り扱いがあります。キャンドゥも数は多くないものの、ほとんどの店舗で取り扱っているようです。
ただし、単1電池は使用頻度が低いため、常に在庫があるわけではありません。訪問時に品切れになっていることもあるので、確実に必要な場合は事前に在庫確認するのがおすすめです。ダイソーなら、公式サイトから店舗ごとの在庫を確認できます。
●単2:ダイソー・キャンドゥで取り扱っている可能性大
単2電池も懐中電灯や一部の音響機器に使われますが、現在ではあまり使用頻度の高い電池ではありません。ダイソーでは2本入りで100円(税抜)、キャンドゥでも同様の価格帯で販売されています。単2電池は、単1電池同様に常時在庫があるとは限らないため、必要な際は事前に確認するのが確実です。
なおセリアはネット上に情報がなく、筆者の最寄り店舗にも単2電池が並んでいませんでした。2025年5月現在は単2電池を取り扱っていない可能性が高いです。ただし、セリアではサイズの違う電池に変換する「電池スペーサー」を販売しているので、単3電池とスペーサーを買って代用することはできます。
●単3:ダイソー・セリア・キャンドゥどこでも確実に入手可能
リモコンやおもちゃ、小型家電など幅広い用途に使われる単3電池は、ほぼすべての100均で取り扱いがあります。いずれの店舗でも1パックあたり3~6本/110円で購入可能です。なお、アルカリよりもマンガンの本数が多くなっています。
単3電池はもっとも多く使われている100均電池のため、在庫切れの心配はほぼないでしょう。
●単4:ダイソー・セリア・キャンドゥどこでも確実に入手可能
単4電池も単3電池と同様に使用頻度が高く、小型のリモコンや体温計、LEDライトなどに使われている電池。ダイソー、セリア、キャンドゥといった主要な100均すべてで取り扱いがあります。単3電池と同じく、いずれの店舗でも1パックあたり3~6本/110円で購入可能です。
●ボタン電池:ダイソー・セリア・キャンドゥどこでも取り扱い
以下の型番の主要なボタン電池(コイン電池)は、いずれの100均でも取り扱いがありました。
・LR41
・ LR43
・LR44
・LR1130
・CR1616
・CR1620
・CR1632
・CR2016
・CR2025
・CR2032
確認出来た限りで、1パックあたりの数はダイソーがもっとも多いです。たとえばCR2032では、キャンドゥが2個/110円が最大なのに対し、ダイソーには3個/110円のラインナップがあります。
なお、最近では使われていることが減ってきた「CR2450」のボタン電池は、残念ながらすべての100均で取り扱っていません。欲しい場合はヨドバシカメラなどの家電量販店を探してみてください。
関連記事:電池の捨て方はコレ!種類別の処分方法と電池のゴミを減らす4つの方法
5.防災備蓄におすすめの大容量電池(バッテリー)を紹介

災害時の電源確保には、乾電池だけでなく「ポータブル電源」の備えもおすすめです。ポータブル電源とは、大容量バッテリーを内蔵してスマホや冷蔵庫等の家電に給電できる持ち運び可能な電源装置のこと。コンセントから事前に充電しておくことで、災害時の非常用電源として活用できます。
乾電池と一緒にポータブル電源を備えておくべき理由は、使える家電の幅が大きく広がるからです。乾電池では対応できない以下のような家電製品も使えるようになり、より不安のない避難生活を送ることができます。
● スマホやタブレットを何度も繰り返し充電できる
● 情報収集に欠かせないラジオやテレビを使える
● LEDライトや懐中電灯を長時間点灯して部屋を照らせる
● 冷蔵庫で飲み物や食べ物を冷やせる
● 炊飯器でご飯が炊ける
● 電気ケトルでお湯を沸かしてカップラーメンが食べられる
● 電気毛布や扇風機などの冷暖房で真冬・真夏も安心して過ごせる
● 充電式の防災グッズをいつでも使用できる状態に維持できる
Jackeryポータブル電源は13年の販売実績があり、これまでに500万台超がユーザーの手に渡っています。軽量でコンパクトなのに大容量、さらにソーラーパネルでの充電にも対応し大災害でも安心です。いざというときのために、乾電池とあわせてJackeryポータブル電源を備えておきましょう。
6.100均の電池に関するよくある質問(Q&A)
100均の電池に関するよくある質問と、その回答をまとめました。
①ダイソーの単1電池はおすすめ?

引用:ダイソー
ダイソーの単1電池は、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。消費電力の少ない機器や使用頻度の低い機器には十分な性能を発揮します。
ただし単1電池はサイズが大きいため、万が一液漏れが起きると被害も大きくなりやすいです。高価な機器に使う場合は、液漏れ防止機能が明記されているメーカー品を選んだほうが安心でしょう。
また、単1電池は入荷頻度が単3・単4より低い傾向です。必要な際に品切れの可能性もあるため、余裕を持って購入しておくことをおすすめします。
②100均で単4電池を買うならどこがおすすめ?
100均で単4電池を購入する場合、品揃えと在庫の安定性からダイソーをおすすめします。ダイソーは店舗ごとの在庫状況がみられるので、最寄りの店舗にあるかチェックしてみましょう。
とはいえ大差はないので、もっとも行きやすい100均で購入すれば問題ありません。あえて選ぶならダイソーをおすすめします。
③ダイソーの乾電池は「白」がいいって本当?

引用:ダイソー
某サイトの検証結果によれば、ダイソーの白い単3・単4乾電池は大手メーカーに劣らないほど長持ちするとのことです。ただし、青や赤などほかの種類が「5本/110円」で販売されている一方で、白のみ「4本/110円」となっています。本数をとるか、一本あたりの寿命をとるか。用途によって使い分けると良いでしょう。
④23a-12V電池は100均で売っている?
車のキーレスエントリーや一部のドアベル、小型LEDライトなどに使われる特殊な電池「23a-12V電池」は2025年5月現在、100均では購入できないようです。ダイソーなど一部店舗では2022年ごろまで取り扱いがあり、現在も在庫が残っている可能性は0ではありませんが、ほぼ期待はできないでしょう。
ホームセンターや家電量販店、オンラインショップなら現在も購入できます。100円では買えませんが、確実に入手することが可能です。
⑤LR44電池は100均で売っている?

引用:ダイソー
小型の電卓や体温計、子供のおもちゃなどに使われるボタン電池「LR44電池」はダイソーやセリアの多くの100均店舗で取り扱いがあります。ダイソーの場合、1パック4個入りで110円で販売されています。
コストパフォーマンスが良く人気のため、在庫切れのケースも少なくありません。ダイソーなら店舗ごとの在庫状況がみられるので、行く前に確認すると良いでしょう。
⑤ガム電池やガム電池の充電器は100均に売っている?
ガム電池(充電式の単3・単4形ニッケル水素電池)や充電器は、現在100均ショップでは販売されていません。以前は一部のダイソーで取り扱いがあったという情報もありましたが、2025年5月年現在は確認できず、主要な100均チェーン(ダイソー、セリア、キャンドゥ)のいずれも販売終了となったようです。
ガム電池は現在、家電量販店(ヨドバシカメラなど)やAmazon、楽天市場、モノタロウなどのオンラインショップで購入可能です。主に古いウォークマンやポータブルプレーヤー用に使われる電池ですが、今でも一定の需要があり、さまざまな販売店で取り扱われています。
7.まとめ
100均の電池は、製造コストや材料費の削減により低価格を実現しています。一般的なメーカー品と比べると寿命が短かったり、液漏れ防止機能が施されていない可能性がありますが、日常使いのリモコンや時計などには十分な性能です。
100均では単1から単4までの乾電池や、さまざまな種類のボタン電池が取り揃えられています。とくに単3・単4電池は品揃えが豊富で、ダイソー、セリア、キャンドゥなどほぼすべての100均ショップで購入可能です。最寄りの100均に行けば手に入るでしょう。
なお、防災目的で電池を備蓄するなら、あわせて「Jackeryポータブル電源」の用意がおすすめです。ポータブル電源があれば、電池では動かせないコンセントが必要な家電も使えます。災害時の安心感が段違いに上がるので、1台備えて家族を守りましょう。
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