1.【事前にチェック】キッチンのコンセントを増設するときの注意点
コンセント不足を解消する前に、まずはいくつか確認すべきポイントがあります。無駄なくコンセントを増やして、事故を防止するために必要なことです。しっかり確認しておきましょう。
●「差しっぱなしの家電」と「たまに使う家電」の数をそれぞれチェックする
まずは、キッチンで使う家電の数を確認してみてください。常に差しっぱなしの家電と、料理のときだけ使う家電に分けて考えるとわかりやすいです。
常に差しっぱなしの家電の例 |
・冷蔵庫 ・食洗機 ・浄水器 |
料理のときだけ使う家電の例 |
・炊飯器 ・電子レンジ ・トースター ・電気ケトル ・コーヒーメーカー ・ホットプレート ・ブレンダー ・フードプロセッサー |
差しっぱなしの家電の分は必ず確保するとして、プラスでいくつあれば足りるか考えてみましょう。先ほどの表の「常に差しっぱなしの家電」を3つすべて使い、料理のときだけ使う家電のうち「炊飯器」「電子レンジ」「トースター」を同時に使う可能性があるなら、最低6口あれば足りることが分かります。
●一般的なコンセントの上限「1,500W」を超えてはいけない
コンセントには使用できる電力の上限があります。詳しく解説します。
一般的な家庭用コンセント1箇所(2口)で安全に使える電力は、最大でも約1,500Wまでです。たとえば、こんな組み合わせは上限の1,500Wを超えてしまいます。
・電子レンジ(800W)+トースター(1,000W)=1,800W
・電気ケトル(1,300W)+ホットプレート(1,200W)=2,500W
上限を超えると、ブレーカーが落ちたり、最悪の場合は火災の原因になったりします。同時に使う家電の合計消費電力は必ず1,500W以下に収めましょう。
キッチンは専用の回路(子ブレーカー)で割り振られていることが多いです。そして、この子ブレーカーは1つにつき通常2,000Wまでの制限があります。そのため、仮にキッチン内のコンセントが2つ(4口)あったとしても、全体で使える電力が2,000Wまで、という点も押さえておきましょう。
●延長コードや電源タップによる「タコ足配線」は危ない
コンセント不足を解消するために、電源タップをさらに電源タップに接続する「タコ足配線」をしている家庭も多いでしょう。しかし、タコ足配線は以下の理由で非常に危険です。
・コードが発熱して火災の原因になる
・許容電流を超えて漏電する可能性がある
・コードが複雑に絡まり、断線や漏電の原因になる
一時的な使用ならまだしも、常時このような状態で使用するのは避けましょう。
●「動線」を意識して配線する
延長コードなどを使う場合、コンセント周りの配線は、いわゆる「動線」を意識することも大切です。動線とは、人や物が通る経路のこと。適当な配線だと、キッチンでの作業中に引っかかって転んだり、コードを引っ張って家電を落としたりする危険があります。コードは以下のようにまとめましょう。
・壁沿いに配線する
・コードクリップなどでまとめる
・床を這わせない
・通路をまたがない
とくに小さな子どもやペットがいる家庭では、コードを口に入れたり、引っ張ったりする危険があります。可能であれば、天井側の壁沿いに配線するのがおすすめです。
●無資格でコンセントの増設DIYをするのは違法にあたる
「自分でコンセントを増やせばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし電気工事の資格がない人が勝手にコンセントを増設するのは、電気工事士法第3条への違反です。無資格者が電気工事を行うと、3万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役が科せられます。
また、素人による工事は火災や感電のリスクが高いです。万が一事故が起きた場合でも、多くのケースで火災保険が適用されません。
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2.「キッチンのコンセント足りない問題」の解決方法4選

ここでは賃貸でも実践できる方法から、持ち家向けの本格的な解決策まで4つの方法を紹介します。自分の環境や予算に合った方法で、「キッチンのコンセント足りない問題」を解決しましょう。
①「電源タップ」で単純にコンセント数を増やす
もっとも手軽な方法は、電源タップを使ってコンセント数を増やすことです。とくに賃貸住まい・一人暮らしの方や、2〜3口程度の追加で足りる場合におすすめです。
メリット |
・工事不要で簡単に増設できる ・費用が安い(1,000円〜5,000円程度) ・賃貸でも問題なく使える ・引っ越しの際に持っていける |
デメリット・注意点 |
・電源タップ1つあたりの上限は1,500Wまで ・火災防止のため、安全性の高い製品を選ぶ必要がある ・コードを踏まないよう、配置に気をつけなければならない |
選ぶ際のポイントは、「雷サージ防護機能」や「過熱防止機能」など安全機能が充実していること。また、コンセント間の間隔が広く、大きめのアダプターでも差しやすいタイプがおすすめです。ただし、コンセント1つあたり1,500Wの上限は変わらないので、「電子レンジ+ケトル」のような消費電力が大きい家電の組み合わせはできません。
②「延長コード+電源タップ」で、ほかのコンセントから電源を引く
キッチンのコンセントが2個しかない状態で足りない場合は、別の部屋のコンセントから延長コードを引く方法もあります。延長コードでキッチンまで電源を引いてきて、その延長コードに電源タップをつなげればOKです。
メリット |
・キッチン専用回路の上限(約2,000W)を超えて使える ・工事不要で簡単に実施できる ・賃貸でも問題なく使える ・多少距離があってもOK |
デメリット・注意点 |
・延長コードを通路に這わせると転倒の危険がある ・あまりに長い延長コードは抵抗によるロスが発生する ・見た目があまりよくない |
この方法の最大のネックは、配線が長くなってしまうこと。引っかかって転んだり、コードが抜けて一緒に家電が落ちたりするリスクがあります。延長コードをできるだけ壁沿いに這わせたり、カバーで保護したりして安全に配慮しましょう。
③「ポータブル電源」で移動可能なコンセントを作る
近年人気が高まっているのが「ポータブル電源」です。家庭のコンセントと同じAC100V出力を備えた充電式のバッテリーで、コンセントがなくても家電を使えるようにするものです。
メリット |
・配線が不要で、使いたい場所に持ち運べる ・賃貸でも問題なく使える ・機種によっては2,000~3,000Wの出力に対応する ・停電時の非常用電源としても使える ・ソーラーパネルと組み合わせれば電気代の節約にもなる |
デメリット・注意点 |
・初期費用が高め(3万円〜程度) ・容量に上限がある ・使う前に充電が必要 |
ポータブル電源は、機種によっては2,000~3,000Wの出力に対応。当社の「Jackery ポータブル電源 3000 New」のように3,000Wの出力があれば、「電子レンジ+ケトル+炊飯器」のような組み合わせにも耐えられます。
ネックは容量に上限があることですが、キッチンの家電を数時間使い続けるようなシーンはめったにないでしょう。そのため、使わないときは充電しておけばOKです。ソーラーパネルを使って充電すれば、なんとキッチン周りの電気代を0円にすることもできます。
④専門業者にコンセントの増設工事を依頼する
持ち家の場合は、専門業者に依頼してコンセントを増設する方法があります。もっとも根本的な解決策といえるでしょう。
メリット |
・見た目がすっきりする ・安全性が高い ・家の資産価値が上がる可能性がある |
デメリット・注意点 |
・費用がかかる(1か所あたり5,000円〜50,000円程度) ・賃貸物件では基本的にできない ・工事に時間がかかる |
コンセント増設工事には主に2つの方法があるので、それぞれ解説します。
分電盤(ブレーカーボックス)から新たに専用の回路を引き、コンセントを増設する方法です。キッチン専用回路の電力上限(約2,000W)とは別に、新たに2,000W程度の電力を使えるようになります。
費用は15,000万円〜50,000円程度かかりますが、消費電力が大きい電子レンジやケトル、トースターなどをガンガン使いたい方はこちらがおすすめです。
既存のコンセントを取り外し、4口や6口といった複数口のコンセントに交換する方法です。見た目はスッキリとしたまま、コンセントの口数を増やせます。ただし、電力の上限は1,500Wで変わらないのがデメリット。家電の繋ぎすぎには注意が必要です。
費用は5,000円〜10,000円程度で済むため、予算を抑えたい場合におすすめします。
3.【賃貸でもOK】「Jackeryポータブル電源」でキッチンのコンセント足りない問題を解決!
賃貸物件では工事ができず、電源タップだけでは電力が足りない……そんな悩みを解決してくれるのが「Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」です。Jackery(ジャクリ)は世界中で500万台以上の販売実績があるポータブル電源メーカー。多くの人が「賃貸のコンセント増設」にも活用しています。
必要な口数やシーンに合わせたおすすめモデルを紹介しているので、詳しく見ていきましょう。
●+2口で足りる賃貸一人暮らしなら「Jackery ポータブル電源 600 Plus」
賃貸一人暮らしで、炊飯器とミキサーなど消費電力が小さめの家電を2台ほど同時に使えれば十分な方には、「Jackery ポータブル電源 600 Plus」がおすすめです。
コンセントは2口で、出力は合計800Wまで。632Whの容量があるので、500Wの炊飯器で1回ご飯を炊く程度の使い方なら余裕です。小型で使い勝手がよく、キッチン以外でも「ちょっとコンセントがほしい」シーンで活躍します。
ただし、電子レンジやトースターなど、消費電力が大きな家電を使いたい場合は、このあと紹介する「Jackery ポータブル電源 1000 New」なども検討しましょう。
●3口増設したいなら「Jackery ポータブル電源 1000 New」or「Jackery ポータブル電源 2000 New」
より多くの家電を同時に使いたい方には、「Jackery ポータブル電源 1000 New」または「Jackery ポータブル電源 2000 New」がおすすめです。
この2機種は3口のコンセントを備えているのが特徴。「1000 New」は出力1,500Wで、1,000Wの電子レンジも問題なく動きます。「2000 New」は出力がさらに大きな2,200Wになり、1,000Wの電子レンジ+800Wのケトルを同時に使ってもOKです。
家族で頻繁にキッチンを使う方、料理好きで複数の調理家電をガンガン使いたい方は、このクラスのポータブル電源を選ぶと良いでしょう。
●追加で4口必要or家族の防災対策を兼ねるなら「Jackery ポータブル電源 3000 New」
より大容量・高出力と多くのコンセントが必要な方には、「Jackery ポータブル電源 3000 New」がおすすめです。
Jackery最強の3,000W出力を備えており、「電子レンジ(1,000W)+ケトル(800W)+炊飯器(500W)」のような組み合わせも余裕でこなせるのがポイント。スマホを200回近く充電できる3,072Whの容量があるため、停電対策も兼ねられます。
ただし、重量が約27kgあり、頻繁に移動させるにはやや重いのがデメリット。とはいえ、他社の3,000Wクラス製品は40㎏を超えるものも多いです。Jackeryは最新の「セル・トゥ・ボディ技術」で大幅に軽量化したため、3,000Wクラスのポータブル電源の中では圧倒的な使いやすさを実現しています。
●ついでに電気代も節約したいならソーラーパネルセットもおすすめ
Jackeryのポータブル電源では、ソーラーパネルのセット「Jackery Solar Generator」シリーズもリリースしています。ソーラーパネルでポータブル電源を充電すれば、キッチンを便利にするついでに電気代を節約することが可能です。停電への対策にもなるでしょう。
Jackery(ジャクリ)のソーラーパネルは折りたたみ式で収納ラクラク。マンションのベランダや、庭のちょっとしたスペースでもサッと広げて使えます。「キッチンのコンセント増設」と「電気代の節約」「停電対策」の3つがまとめて手に入る、「Jackery Solar Generator」をこの機会に揃えてみてはいかがでしょうか。
関連人気記事:ポータブル電源のコンセントは便利!商品を上手に選ぶ 9つのポイント
4.「キッチンのコンセントが足りない」に関連するよくある質問
キッチンのコンセントが足りないことに関連する、よくある質問とその回答をまとめています。
●システムキッチンにコンセントを後付けする方法には何がありますか?
システムキッチンにコンセントを後付けする方法には以下があります。
・電源タップを設置する:見た目が悪い&位置によっては危ない
・ポータブル電源を活用する:足元・台の上など好きな位置にコンセントを増やせる
・専門業者に依頼する:安全な位置にコンセントを増やせる
電源タップが一番簡単な方法ではあるものの、水や油がはねるような位置には置けません。安全にコンセントを増やすには、ポータブル電源の導入か専門業者への増設依頼のどちらかが良いでしょう。
●キッチンのシンク側にコンセントがほしいです。おすすめの増設方法は?
シンク側にどうしてもコンセントが必要なら、ポータブル電源がおすすめです。水濡れのリスクが高いため、コンセントそのものを増設したり、電源タップを置いたりする方法はおすすめしません。水がはねない位置にポータブル電源を置いて使いましょう。
●安全性の高いおすすめの電源タップを教えてください

安全性の高い電源タップなら、以下の特徴があるパナソニックの「ザ・タップX」シリーズがおすすめです。
・感電防止プラグ採用
・コードと根元部が補強されていて頑丈
・スイッチで一括または個別のオン・オフが可能
・コンセント差込口に防水パッキン採用
・3~6個口・長さ1~5mの豊富なラインナップ
キッチン周りでの使用も想定した安全な電源タップです。口数・長さのラインナップも豊富なので、自宅のキッチンに合ったものを選んでみてください。
まとめ
この記事で紹介した「キッチンのコンセント足りない問題」の解決策をおさらいしましょう。
・電源タップを使う:もっとも手軽で安価な解決策。ただし、全部で1,500Wの上限アリ
・延長コード+電源タップ:別の部屋のコンセントから電源を持ってくる。上限を超えて使えるが、配線方法に注意
・ポータブル電源を活用:Jackeryなどのポータブル電源を使えば、配線不要で電源を確保可能&上限を超えて使用可能。賃貸でも◎
・専門業者に工事依頼:持ち家なら、コンセント増設工事が根本的な解決に
とくに賃貸住宅にお住まいの方には、Jackeryのポータブル電源がおすすめです。工事不要で設置でき、引っ越しの際にも持ち運べるため無駄になりません。電気代の節約や、災害時の非常用電源としても活用できるのがメリットです。
Jackeryのポータブル電源でキッチンのコンセント足りない問題を解決しながら、電気代も節約して、さらに停電対策まで済ませてしまいましょう。
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