1.コンセント交換は自分でできる?
コンセントの交換など電気に関する作業には法律で定められたルールがあり、安易に手を出すと危険です。ここでは、どこまでなら自分で交換できるのか、どんな作業が資格の対象になるのかを解説します。
●資格がないと壁コンセントは交換できない
結論からいえば、壁コンセントの修理や交換は、電気工事士の資格がなければ行えません。壁の中の電線や端子に触れる作業は「電気工事」に該当し、国家資格が必要です。法律で定められており、違反すると罰則の対象になります。
壁コンセントの修理・交換が電気工事士でなければ従事できない旨は、電気工事士法第3条に規定されています。
壁コンセントの内部には高電圧が流れており、知識のないまま作業すると感電や火災などの重大事故につながる恐れがあるのが理由です。電気が通る部分に手を加えるのはNGであり、壁コンセントの交換は必ず専門業者に依頼しましょう。
●コンセントプラグと古いカバーの交換は自分でできる|やり方を解説
延長コードや家電製品の電源コードについているコンセントプラグの交換や、古くなったコンセントのカバーのみを取り替える作業であれば、特別な資格は必要ありません。
コンセントカバーの交換は、ブレーカーを落としてからカバーを外し、新しいものをネジで固定するだけと簡単です。また、プラグ交換もドライバーで分解してコードを繋ぎ直すだけで完了します。ただし、少しでも不安があるなら無理は禁物です。不適切な処理は漏電や火災の原因にもなるため、安全第一で作業しましょう。
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2.コンセント交換はどこに頼むべき?業者と費用相場

コンセントの交換は資格を有する業者に頼むしかありません。ここでは、コンセント交換を依頼できる代表的な依頼先と相場について詳しくご紹介します。
●電気工事業者|3,500円~10,000円
コンセントの交換で最も一般的なのは、電気工事業者に依頼する方法です。電気工事士の国家資格を持つプロが作業するため、法令違反の心配がなく、仕上がりも安全で確実です。
特に、内部配線に触れる必要がある「差し込み口」や「スイッチ」は、電気工事士でなければ交換できません。コンセント交換のほか、主な作業の費用相場の目安は以下の通りです。
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作業内容 |
費用の目安 |
備考 |
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コンセントカバーの交換 |
約3,500円〜 |
既存のカバーを外して新しいものを取り付けるだけの簡単な作業で料金も安め。 |
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コンセントプラグの交換 |
約4,000円〜 |
延長コードや家電用のコンセントプラグの交換はDIY可能な範囲だが、確実性を求めて業者に頼む方も多い。 |
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コンセント差し込み口の交換 |
5,000円〜8,000円程度 |
内部配線を扱う作業であるため、電気工事士による施工が必須。追加費用が発生する場合もあり。 |
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コンセントスイッチの交換 |
6,000円〜10,000円程度 |
照明や換気扇などに接続されているスイッチ付きコンセントの交換は、複雑な配線を伴うためやや高め。 |
電気工事業者に依頼するメリットは、見積もりから施工までスムーズに対応してもらえる点です。また、見た目もきれいに仕上がるといった安心感もあります。安全性と確実性を重視する方におすすめの選択肢です。
●ホームセンター|8,000円~
「とりあえず近所のホームセンターに頼んでみよう」と考える方も多いかもしれません。
ただし、実際には多くのホームセンターではコンセント交換の「施工」は行っておらず、受付のみのケースがほとんどです。
一部の大手ホームセンターではコンセント交換の相談を受け付けていますが、作業自体は提携する電気工事業者が担当することになります。店頭で直接相談できるのがホームセンターのメリットですが、あくまで仲介するのみと考えておいたほうが無難です。
コンセント交換の費用は、8,000円程度が目安となります。仲介手数料が含まれている可能性があるため、やや高めになる点に留意しておきましょう。
●家電量販店|5,000円~10,000円
家電量販店でも、コンセント交換を依頼できる場合があります。ただし、家電製品を購入した場合のオプションサービスとして提供されるケースが多く、単体での交換は受け付けていないケースがほとんどです。
たとえば、新しいエアコンを購入する際など、電源コンセントの形状変更や交換が必要な場合に限り、対応できる電気工事業者を手配する流れになります。費用は作業の内容によって異なりますが、おおよそ5,000円〜10,000円が目安です。
●電力会社|保守点検サービスの範囲内で対応
電力会社では、契約者向けの「保守点検サービス」の中で、必要に応じてコンセントが交換される場合があります。契約している家庭の電気設備に不具合が見られた場合に、修理または交換の対応をするという流れです。
ただし、あくまで点検の結果として必要があればという条件付きであり、最初からコンセント交換だけでは受け付けてもらえません。また、実際の交換費用についても、公式に明示されていない点に留意しましょう。
●近隣にある個人経営の電気屋さん|8,000円~12,000円
地域に密着した個人経営の電気屋さんも、コンセント交換の依頼先として選択肢のひとつです。地元に根差しているため柔軟な対応が期待でき、大手では対応が難しい作業も内容によっては快く引き受けてもらえる場合があります。
ただし、コンセント交換は8,000円〜12,000円程度が目安とやや高めの傾向があり、作業の難易度に応じて変動します。
●リフォーム会社|内装工事と同時に対応可能
壁紙の貼り替えや間取り変更など、内装工事と同時にコンセントを交換したい場合はリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。工事の一環として電気工事士を手配するため、コンセントの位置変更や複数箇所の同時交換なども柔軟に対応できます。
ただし、コンセント交換単体では受け付けてもらえない可能性が高く、あくまで電気工事と内装工事をまとめて施工する場合に限る点に留意しておきましょう。
●パナソニックなどメーカーのサポートセンター
パナソニックなどの家電メーカーでは、原則として現場での交換作業には対応していません。ただし、コンセント機器の保証期間中に製品不良などの重大な不具合が見つかった場合に限り、サポートを受けられる可能性があるので問い合わせてみましょう。
家電メーカーはあくまで機器のみの不具合に対応すると考え、コンセント交換は電気工事業者に相談するのが現実的です。
3.コンセントを交換すべきタイミング
普段何気なく使っているコンセントですが、「最近調子が悪い」「ちょっと焦げてる?」といった異変を放置すると、火災や感電といった重大な事故につながる恐れもあります。ここでは、コンセントを交換すべき具体的なタイミングについて見ていきましょう。
●寿命で劣化している
コンセントには寿命があり、目安として約10年〜15年とされています。寿命が過ぎると内部の金属部品が酸化したり、接触不良が起きやすくなったりするため注意が必要です。
長年使い続けたコンセントは、たとえ見た目がきれいでも内部で劣化が進んでいる可能性があります。特に築年数の古い住宅では、定期的な点検や交換が重要です。
●破損している
カバーが割れている、差し込み口がグラついているなど、物理的な破損が見られる場合も交換のサインです。破損したまま使用を続けると、電線が露出して感電のリスクが高まります。
また、ホコリや湿気が入り込みやすくなり、トラッキング現象と呼ばれる発火事故を引き起こす原因にもなるため危険です。見た目に違和感を覚えたら、早めに業者に点検を依頼しましょう。
●熱をもっている
使用中にコンセントが「なんだか熱い」と感じたら、内部で接触不良や異常な電流が発生している可能性があります。何もしていないのに熱を帯びているようであれば、すぐに使用を中止すべきです。
熱をもった状態を放置すると火災につながるリスクがあるため、熱いと感じた時点で専門業者に相談してください。
●焦げている
もっとも危険なサインのひとつが、コンセントに焦げ跡や変色が見られるケースです。すでに発火しかけた、あるいは軽微な火花が飛んだ可能性があります。焦げの原因は、下記のようにさまざまです。
・過電流
・トラッキング現象
・プラグのゆるみ
いずれも放置は厳禁です。焦げ跡があれば直ちにプラグを抜き、電気工事士に交換を依頼しましょう。
4.ポータブル電源はコンセントが使えないときの備えとしておすすめ

コンセントに突然不具合が発生して困っている状況なら、ポータブル電源が活躍します。ポータブル電源とは、内蔵バッテリーに蓄えた電気を機器へ供給できるアイテムです。あらかじめ充電しておけば、場所を問わずさまざまなシーンで役立ちます。
また、災害や停電、アウトドアなどでコンセントが使えない状況に備えたい場合にもポータブル電源が便利です。スマホの充電はもちろん、電気毛布やケトルなどの家電製品にも使用できます。
さらに、ソーラーパネルに対応しているモデルなら太陽光を利用して充電でき、しばらくコンセントが使えない状況でも重宝します。設置工事が不要で持ち運びも簡単なので、非常用の電源として一家に一台備えておくと安心です。
業界をリードしているJackery(ジャクリ)のポータブル電源は、独自のバッテリーマネジメントシステムを搭載しており、安全性に優れています。過充電や過熱を防ぐ構造でアウトドアから防災まで安心して使えるので、ご活用ください。
5.コンセント交換に関するよくある質問
ここでは、コンセント交換に関してよく寄せられる質問にわかりやすく回答します。同様の疑問があれば、ぜひ解決しておきましょう。
●賃貸の場合の費用負担は?
賃貸住宅におけるコンセントの故障や劣化は、原則として貸主(大家)の負担で修理・交換するのが一般的とされています。コンセントは設備として扱われるため、通常使用の範囲内での不具合は借主の責任ではないわけです。
ただし、入居者自身の過失による破損や焦げ付きがあった場合は、修理費を請求される可能性があります。たとえば、焦げ跡や焼けなどが発生している場合には、放置せずすぐに管理会社へ連絡しましょう。
●コンセントの寿命はどのくらい?
コンセントは消耗品であり、一般的には10〜15年が寿命の目安とされています。年数が経過して内部の金属部分が酸化したり、差し込み口が緩くなったりすると、接触不良や発熱、最悪の場合には発火のリスクが高まるため注意が必要です。
とくに、築年数が古い住宅では、目立った異常がなくても内部劣化が進んでいるケースがあります。壁の中に隠れている部分は見落としがちなので、定期的に業者に点検してもらいましょう。
●コンセントの位置を移動する工事は可能ですか?
壁内の配線を延長・変更により、コンセントの位置を移動すること自体は技術的に問題ありません。ただし、工事は「電気工事士」の国家資格を持つ専門業者が行う必要があります。
また、壁を開口する必要があるため、壁紙の補修や仕上げ作業も別途必要になるケースがあります。費用は内容や距離、移設にかかる作業時間などによって異なるため、コストを抑えたい場合は複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
●DIYでコンセントを交換した場合のリスクや注意点は?
コンセント交換は「電気工事士」の資格がなければ行えません。無資格でのコンセント交換は「電気工事士法違反」に該当し、感電・火災といった重大事故の原因にもなります。
仮に自分で作業し、後に事故やトラブルが発生した場合、保険が適用されない可能性もあります。自分で交換できると感じても、交換作業は必ず専門業者に依頼してください。
●壁の中の配線も交換が必要になる場合はありますか?
コンセントの不調が差し込み口ではなく、配線の劣化や損傷に起因している場合、壁の中の電線そのものを交換する必要があります。
たとえば、古い家屋ではビニール被覆の経年劣化や、ねじ止め端子のゆるみが原因で接触不良が起こるケースも少なくありません。そのような状況では、コンセントだけを交換しても根本的な解決にはならないのです。
安全のためにも、異常を感じたら早めに電気工事士による点検を受け、必要であれば配線ごと更新するようにしましょう。
まとめ
コンセントの不調は見逃すと大きな事故につながるため、異変に気づいたら早めの交換がおすすめです。ただし、電気工事士の資格がないと交換できないため、必要に応じて専門業者へ依頼しましょう。
また、万が一の停電やコンセントが使えない非常時に備えて、電気を蓄えられるポータブル電源を用意しておくと安心です。
世界中で支持されているポータブル電源のパイオニアメーカー「Jackery(ジャクリ)」では、さまざまなシーンで活躍するモデルを豊富に揃えています。災害時やアウトドアでも役立つので、ご活用ください。
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