1.炊飯器に延長コードを使うのは危険!想定リスクを解説
炊飯器に延長コードを使うのが危険な理由として、下記4つが挙げられます。
・消費電力が大きく故障の原因となる
・延長コードが発熱・発火する危険性がある
・電圧降下により炊きムラや動作不良が発生する
・コードの劣化により感電リスクが高まる
延長コードの使い方により想定されるリスクに目を通しましょう。
●消費電力が大きく故障の原因となる
家庭用コンセント1箇所(2口)で安全に使える電力は、最大でも約1,500Wです。また、延長コードも1,500Wまでしか耐えられない設計となっています。
参考:関西電気保安協会
炊飯器は家庭用家電の中でも特に消費電力が高く、1,000Wを超えるモデルも多いです。延長コードを介して使用すると、回路の許容量を超える電力が発生し、故障のリスクを高めてしまいます。
※消費電力:家電製品などの機器が稼働する際に使用する電力で、単位はW(ワット)で表す
延長コードのスペック次第では、使うだけで炊飯器本体が壊れる危険性があることを覚えておきましょう。
●延長コードが発熱・発火する危険性がある
炊飯器は大きな電流を長時間流すため、許容電力の低い延長コードを使用すると発熱しやすくなります。許容電力1,000W以下の延長コードで炊飯器を使用すると、内部で熱がこもり、断線や被膜の劣化を招きやすくなります。
延長コードに劣化が生じた状態で使用すると、火災リスクが一気に高まるため注意が必要です。
●電圧降下により炊きムラや動作不良が発生する
炊飯器に延長コードを使うと、ケーブルの長さや太さによって電圧降下が起こりやすくなります。電圧降下は、電流がケーブルを流れる際に内部抵抗により電力が失われ、コンセントから供給される電圧よりも低くなる現象です。
※内部抵抗:家具の電源や内部機器に搭載されている電気抵抗
電圧が下がると炊飯器に十分な電力が供給されず、炊きムラが発生してご飯が硬くなる可能性が高まります。
※炊きムラ:ご飯を炊くときに全体に熱が均等に伝わらず、部分的に硬さや水分量に差が出る現象
また電圧が安定しないと炊飯器の動作が不安定になり、途中で加熱が止まったりエラー表示が出たりする場合もあります。IH炊飯器など高機能を有するモデルは、電力を安定して供給できる前提で設計されているケースも少なくありません。
ご飯の炊きあがりや食感を劣化させないためにも、延長コード経由での使用は避けた方がよいでしょう。
●コードの劣化により感電リスクが高まる
延長コードは長期間使用するうちに、内部の導線や外側の被膜が劣化していきます。特に炊飯器は高い電力を必要とするため、劣化したコードを使うと内部で発熱しやすいです。
延長コードの内部に熱が生じると、被膜が溶けて導線がむき出しになる危険があります。導線が見えている状態で使用を続けると、感電やショートの原因となるため注意が必要です。
また延長コードは、折り曲げたり家具の下に挟んだまま使用したりすると劣化が早まります。「コードの硬化」「変色」といった症状が見られたときは劣化のサインです。
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2.炊飯器に延長コードを使うときの注意点|数値の目安もチェック
炊飯器に延長コードを使うときは、下記3つのポイントに注意してください。
・1500W対応の延長コードを単独で使用する
・タコ足配線を避ける
・アース付き・熱に強い延長コードを選ぶ
延長コードの発熱や火災リスクに目を通し、安全に炊飯器を使えるよう準備を整えましょう。
●1500W対応の延長コードを単独で使用する
炊飯器のように1,000Wを超える家電を使う場合は、1,500W対応の延長コードを選ぶ必要があります。炊飯器の消費電力は、500W〜1,200W程度が一般的です。
炊飯器本体よりも許容量の低い延長コードを使うと、内部で過剰な熱が発生し、コードの被膜が溶けて故障のリスクが高まります。また延長コード経由で他の家電を同時に使用すると、過負荷により火災の原因になるため注意が必要です。
延長コードと炊飯器両方の許容電力を確認し、1,500W対応の延長コードを炊飯器専用として使いましょう。
●タコ足配線を避ける
延長コードをタコ足配線で使うと、複数の接続対象に電力が分散され、コードに過剰な負荷がかかります。タコ足配線とは、1つのコンセントや延長コードに対して複数の電化製品が同時接続されている状態を指します。

特に延長コードの許容電力が1,500W未満の場合、炊飯器単体でも限界に近いといっても過言ではありません。この状態で他の家電と同時に使用すると、感電や火災などの二次災害を起こすリスクが高まります。
他のコンセントの抜き忘れを防ぐためにも、炊飯器専用の延長コードを用意しておくのがおすすめです。
●アース付き・熱に強い延長コードを選ぶ
炊飯器は水や蒸気を扱う家電のため、延長コードにはアース付きの製品を選ぶのがおすすめです。アースとは、家電やコンセントから電気が漏れた電流を地面へ逃がすための安全装置を指します。
アース付きコードは万が一家電の内部で漏電が発生した際、電気を地面に逃がして感電や火災リスクを下げる役割を持ちます。万が一の事故を防ぐためにも、炊飯器用の延長コードはアース付きコンセント対応のモデルを選びましょう。
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3.炊飯器におすすめな延長コード3選
炊飯器の使用におすすめな延長コードを3つ厳選してご紹介します。
①SEIWA『15A 延長コード 20 m ソフトタイプ』
引用:楽天モール
SEIWAの「15A 延長コード 20 m ソフトタイプ」は、最大1,500W対応の延長コードです。長さ20mながら柔軟性に優れるソフトタイプケーブルが採用されており、取り回ししやすいよう設計されています。
ケーブルにはVCTが使用されているため屈曲性が高く、長時間使用にともなうコードの硬化も抑制できます。工事現場や作業場でもよく使われる信頼性の高いモデルです。
※VCT:ビニルキャブタイヤケーブルの略称で、絶縁体とシース(外皮)の両方にビニル素材が使用されているコードのこと
製品名 |
SEIWA『15A 延長コード 20 m ソフトタイプ』 |
最大許容電力 |
1,500W(15A/125V) |
ケーブルの太さ |
1.25 (mm²) |
コンセント数 |
1口 |
コードの長さ |
20m |
②山善『10 m 3口 1500 W 極太ソフトケーブル』
引用:ASKUL公式サイト
山善の「10 m 3口 1500 W 極太ソフトケーブル」は、コード長10 mかつ最大出力1500W対応の延長コードです。1.25mm²の太いケーブルにより電圧降下を防ぎ、炊飯器など高出力家電にも安定して電力を供給できます。
ソフトケーブル仕様で寒い環境下でも硬くならず扱いやすく、楽に取り回しできます。キッチンで高出力家電を安全に利用したい方におすすめなモデルです。
製品名 |
延長コード 10 m 3口 15A 125V 1500W ソフトケーブル(EC-T1510) |
最大許容電力 |
1,500W(15A/125V) |
ケーブルの太さ |
1.25 (mm²) |
コンセント数 |
3口 |
コードの長さ |
10m |
③STYLED『ワットメーター付き延長コード 2 m』
引用:Amazon公式サイト
STYLEDの「ワットメーター付き延長コード 2 m」は、接続機器の消費電力をリアルタイムで表示可能なモデルです。炊飯器など高出力家電を使用する際に、過負荷やブレーカー落ちを未然に防ぎやすくなります。
内蔵ブレーカーも搭載しており、合計消費電力が1,500Wを超えると自動で電源がオフになります。6口のコンセントと接続機器ごとにON/OFF可能なスイッチを個別に備えているため、複数の家電を同時に使用したい方にもおすすめです。
製品名 |
ワットメーター付き延長コード 2 m |
最大許容電力 |
1,500W(15A/125V) |
ケーブルの太さ |
記載なし |
コンセント数 |
6口 |
コードの長さ |
2m |
4.炊飯器にコードが届かない場合の対処法
「炊飯器にコードが届かなくて不便...」と悩む方には、下記の方法がおすすめです。
・炊飯器の場所を移動する
・家庭用コンセントを増設する
・ポータブル電源を使う
家事の不便さと家電の故障・停電のリスク両方を解決できる方法を見つけましょう。
●炊飯器の場所を移動する
炊飯器のコードが届かないときの最も簡単な対処法は、炊飯器の設置場所移動です。炊飯器をコンセントに近い場所へ移動できれば、延長コードを使う必要がなくなります。
炊飯器は蒸気を出す家電なので、壁際や棚の下など換気が不十分な場所への設置は避けましょう。配線をシンプルにすると見た目もスッキリし、タコ足配線によるコードの劣化も防げます。
●家庭用コンセントを増設する
どうしても炊飯器を動かせない場合は、家庭用コンセントの増設も検討しましょう。コンセントを新たに設置すれば、炊飯器を置く場所を増やせます。
しかし、コンセントの増設は電気工事士の資格を有している方でないと従事できません。DIY感覚で市販の増設タップを使わず、プロの業者へ作業を依頼しましょう。
●ポータブル電源を使う
炊飯器の移動と家庭用コンセントの増設両方が困難な場合は、ポータブル電源がおすすめです。ポータブル電源は、持ち運び可能な蓄電池を内蔵した電源バッテリーを指します。
1,500W以上の高出力対応モデルなら、炊飯器や電子レンジなど消費電力が大きい家電でも問題なく使えます。場所を問わずコンセントの役割を担えるため、炊飯器を置く場所を自由に決められるのも大きなメリットです。
またポータブル電源は、停電時やキャンプなどのアウトドアシーンでも重宝されます。日々の料理や休日のお出かけに活用できる便利アイテムとして、電源バッテリーの活用を検討しましょう。
5.Jackery(ジャクリ)のポータブル電源なら延長コードなしで炊飯器を使える
「炊飯器にコードが届かないけど場所移動は難しい」と考える方には、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源がおすすめ。全世界で500万台以上の販売実績があり、最大5年の無料保証や日本語サポートも充実しています。独自の最先端BMS(バッテリーマネージメントシステム)をはじめとした保護・制御機能により、発熱・発火などのリスクを極限まで抑え高い安全性を実現しているのもポイントです。
Jackery(ジャクリ)では、合計10種類を超えるポータブル電源のラインナップを揃えています。1,500W以上の出力に対応しているハイクラスモデルなら、問題なく炊飯器も使用可能です。他の家電も同時に使えます。
また固定設置が必要ないJackery(ジャクリ)のポータブル電源は、持ち出せば緊急時やアウトドアシーンでも大活躍。日常生活はもちろん、キャンプや災害時の避難など「非日常」でも重宝されるアイテムです。
6.炊飯器への延長コード使用に関してよくある質問
最後に、炊飯器への延長コード使用に関してよくある質問へ回答します。
●延長コードを使えない家電はある?
延長コードを使用できない(推奨されていない)家電は、炊飯器の他に下記などがあります。
・電子レンジ
・電気ポット
・トースター
・IHコンロ
・ドライヤー
・ヒーターなど
どれも1,000W以上の消費電力を要する家電であり、単体でも延長コードの許容電力を上回るリスクがあります。
やむを得ず延長コードを使う場合は、1,500W以上対応でケーブルが太めのモデルを選びましょう。発火や漏電対策も考慮するなら、アース付きのモデルがおすすめです。
●キッチンのコンセントに延長コードをつけるのは危ない?
結論、キッチンのコンセントに延長コードをつけるのは危ないです。炊飯器やトースターなどの家電は消費電力が大きく、誤って複数同時に稼働してしまうと故障やブレーカー落ちが発生します。
またキッチンでは、油や料理酒など発火しやすい調味料が飛び散りやすい場所でもあります。万が一延長コードの隙間に入ってしまうと、感電や発火に繋がるため大変危険です。
キッチンのコンセントには極力延長コードを使わず、届かない場所にはポータブル電源を使うなどの工夫をしましょう。
●炊飯器と電子レンジを同時に動かせる延長コードはある?
炊飯器と電子レンジを同時に動かしたいなら、許容電力が両者の合計W数を上回る延長コードが必要です。選び方は家電のスペックや仕様によって異なるため、まずは両者のW数を足し合わせましょう。
例として炊飯器の消費電力が1,000W、電子レンジが1,200Wなら合計は2,200Wになるため、2,500W以上対応の延長コードを選ぶ必要があります。
Jackery(ジャクリ)では、複数の家電を同時に動かせる高出力モデルの機種を取り扱っています。家電の同時使用で作業を効率化したい方は、キッチンへの導入を検討しましょう。
まとめ
炊飯器を延長コード経由で使用する際は、適切なモデル選びが欠かせません。電力不足によるブレーカー落ちや故障を防ぐためにも、許容量1,500W以上のモデルを選ぶ必要があります。
また延長コードは、使用方法や時間によっても劣化します。ケーブルの状態次第では、感電や発火の原因になるため注意が必要です。
炊飯器に延長コードを使うときは、単独での接続を心がけてください。延長コードを使いたくない場合には、ポータブル電源の活用も視野に入れましょう。
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