1.災害時にLINEで安否確認をするデメリット3選
災害時の連絡手段としてLINEを選ぶ人は多いですが、実はいくつかの問題点があります。ここでは、災害時にLINEを使う3つのデメリットを解説します。
①インターネット接続がないと使えない
災害時にLINEを使えない最大の理由は 、インターネット接続が必要なことです。
2011年の東日本大震災では、東北地方を中心に約19,000もの通信回線が停止し、多くの地域でインターネット接続ができなくなりました。このような状況では、いくらLINEアプリを開いても、メッセージの送受信ができません。
参考:内閣府防災情報のページ「東日本大震災における通信の被災状況、復旧等に関する取組状況」
インターネット接続に依存するLINEは、災害時の通信手段としては不安定な面があります。
②アクセスが集中すると繋がりにくい
災害が発生すると、多くの人が一斉に安否確認のためにLINEを使おうとします。アクセス集中でサーバーに大きな負荷がかかり、繋がりにくくなってしまうことが多いです。たとえインターネット接続ができたとしても、メッセージが送れなかったり、送受信に時間がかかったりする可能性があります。
③スマホのバッテリーが切れるリスクがある
災害時は停電が長引くことが多く、スマホの充電ができなくなる可能性が高いです。当然、充電がなくなればLINEは使えません。
2019年の台風15号では、千葉県を中心に約934,000戸が停電し、一部地域では復旧まで2週間以上かかりました。このような長期停電では、スマートフォンのバッテリーを維持することが難しくなります。
参考:内閣府防災情報のページ「令和元年台風第15号・第19号をはじめとした 一連の災害に係る検証レポート」
また、災害時はLINEに限らず、ニュースの確認や避難所の情報検索など、普段よりもスマートフォンを使う機会が増えます。そのため、バッテリーの消費も早くなりがちです。
バッテリーが切れてしまうと、家族との連絡が取れなくなるだけでなく、災害情報の入手もできなくなってしまうでしょう。
関連人気記事:災害時の連絡手段5選を徹底解説!携帯以外の安否確認方法も紹介
2.災害時にLINEで安否確認をするメリット4選
ここまでデメリットを見てきましたが、LINEには災害時に役立つメリットも多くあります。4つのメリットを詳しく見ていきましょう。
①連絡手段として誰でも使いやすい
LINEは日本で最もよく使われているコミュニケーションアプリです。総務省の情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査によると、LINEの利用率は全年代平均が94%となっています。ほとんどの人がLINEを日常的に使っているのです。

引用:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
日頃から使い慣れているツールなので、災害時の混乱した状況でも操作に迷うことが少ないでしょう。また、電話番号やメールアドレスを知らなくても、LINEの友だち登録さえしていれば連絡が取れます。普段からLINEで連絡を取り合っている家族や友人とは、災害時もスムーズにやり取りできるでしょう。
②電話回線が混んでもやり取りができる
災害発生直後は、多くの人が一斉に電話をかけるため、電話回線が非常に混雑します。一方、LINEなどのインターネット通信は、電話回線とは別の経路で通信するのがポイント。電話がつながらない状況でも、インターネット回線さえ生きていればLINEでのやり取りが可能な場合があります。
また、LINEはテキストベースでやり取りできるため、一度に多くの情報をまとめて送れます。通話と違って相手の応答を待つ必要がなく、相手が都合の良いタイミングで確認できるのも、混乱した災害時には便利です。
③グループ内で一斉に安否確認ができる
災害時には役立つのが、LINEの「グループチャット」機能です。あらかじめ家族や職場のグループを作っておけば、災害時に一度のメッセージで複数の人に同時に安否を知らせられます。
また、グループ内の誰かが情報を共有すれば、全員がその情報を得られるのもメリットです。みんなで一斉に調べて、スマホのバッテリーを無駄にせずに済むでしょう。
④位置情報で相手の居場所がわかる
LINEには位置情報を共有する機能があります。使い方は以下のとおり簡単です。
1.トーク画面で「+」ボタンをタップ
2.「位置情報」をタップ
3.送りたい位置情報を地図上で選び「送信」をタップ
言葉で説明しにくい場所にいる場合や、避難所の正確な位置を伝えたい場合に便利です。たとえば「〇〇小学校の体育館にいます」と伝えるよりも、より正確に自分の居場所を知らせられるでしょう。
3.災害時にLINEはしないほうが良い?安否確認のポイント

災害時にLINEを使う際は、より確実に連絡を取るためのコツがあります。ここでは、災害時のLINE活用のポイント見ていきましょう。
●「LINE安否確認」で安否を知らせる
LINEには「災害時の安否確認」機能があり、震度6弱以上の地震や大津波警報などが発生した時に自動的に有効になります。通知を受け取ったら「無事」または「被害あり」ボタンを押すだけで、友だちリストにいる全員に自分の状況を一斉に知らせられます。
個別にメッセージを送る必要がなく、LINEのサーバーにも負荷がかかりません。緊急を要する場合を除き、安否確認機能を活用して安否を確認するのがおすすめです。
●なるべくテキストで連絡する
災害時のLINE通信でもっとも確実なのは、シンプルなテキストメッセージです。テキストメッセージのメリットは以下のとおり。
・データ量が少なく、通信速度が遅くても送信しやすい
・バッテリー消費が少ない
・送信側も受信側も、LINEのサーバーにも負担が少ない
データ量の多い画像やスタンプ、動画はお互いのスマホや通信環境、さらにはLINEのサーバーにも負荷をかけてしまいます。可能な限りテキストだけで連絡を取り合いましょう。
また、災害時は相手も混乱している可能性があり、すぐに返信できないことが多いです。相手に「既読」がついたら返信を求めず、その時点で「無事を確認できた」と考えてみてください。
●写真や位置情報をうまく活用する
どうしてもテキストだけでは伝わりにくい状況もあります。以下のようなケースでは、データ量の多い写真や位置情報も状況に応じて活用しましょう。
・自分がいる避難所の場所や様子を伝えたい
・道路の損壊状況を伝えたい
・ケガの状況を伝えたい
ただし、位置情報の送信はバッテリー消費が激しいため、必要最小限にとどめるのがおすすめです。あくまで「どうしても必要な場合」にのみ、写真や位置情報を活用しましょう。
●ステータスメッセージで自分の状況を伝える
LINEのステータスメッセージは、プロフィール画面で確認できるため、一対一のトークやグループトークを開かなくても情報を共有できます。以下のようなメッセージを書いておくと良いでしょう。
・3/15 10:00現在、◯◯避難所で無事に過ごしています
・自宅で問題なく過ごしています。電話は繋がりにくいですが、LINEは確認しています
ステータスメッセージは24時間表示されるため、トークが埋もれてしまう心配がありません。あなたの友だち全員が確認できるので、個別に連絡する手間も省けます。定期的に更新すれば、時系列で自分の状況を伝えることもできるので、安否確認の補助手段として活用してみましょう。
4.災害時の連絡手段・安否確認に使える主なアプリ一覧

災害時に使える連絡手段はLINE以外にもあります。ここでは、主なツールとそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
●災害用伝言板(Web171)
災害用伝言板(Web171)は大規模災害時に自動的に開設される、NTT東日本提供の安否確認サービスです。電話番号をキーとして伝言のテキストを登録しておけば、その電話番号を知っている人が伝言を確認できます。
メリット |
デメリット |
電話番号があれば誰でも安否確認ができる 通話回線が繋がりにくくても使える |
100文字の字数制限がある 登録できる伝言数・保存期間に制限がある |
ただしWeb171はLINEと同じく、インターネット回線に依存します。つまり、LINEが使えるならWeb171を使う必要は基本的にありません。「周りにLINEを使っていない人が多い」のでなければ、LINEを利用したほうが確実です。
参考:NTT東日本「災害用伝言板(web171)概要とご提供のしくみ」
●東京都防災アプリ
東京都防災アプリは、東京都が提供している防災アプリです。災害時に役立つさまざまな機能が搭載されています。
メリット |
デメリット |
安否情報の横断検索ができる リアルタイムの災害情報が得られる 防災マップで避難所情報などが確認できる日本語以外の言語にも対応している |
東京都に特化した情報が中心 バッテリー消費が気になる インターネット接続が必須 |
「安否確認の横断検索」機能により、さまざまなサービスに登録された安否情報をまとめて検索できるのがポイントです。また、避難所の混雑状況や開設状況をリアルタイムで確認できるため、スムーズな避難をサポートしてくれます。
参考:東京都防災アプリ
●ドコモの災害用キット
NTTドコモが提供している「災害用キット」アプリは、災害時に役立つ複数の機能をまとめたアプリです。
メリット |
デメリット |
災害用伝言版が使える 災害情報を自動通知してくれる |
ドコモユーザーしか安否情報を登録できない |
あくまで「ドコモユーザー間」での安否確認で使えます。家族内でキャリアが違う場合や、ドコモユーザーでない友人や知人の安否を確認するには、LINEなど別の手段が必要です。
参考:ドコモの災害用キット
●auの災害用伝言板
auの災害用伝言板は、KDDI(au)が提供している安否確認サービスです。災害時に安否情報を登録・確認できます。
メリット |
デメリット |
電話番号があれば誰でも安否確認ができる 通話回線が繋がりにくくても使える あらかじめ登録しておけば安否情報をEメール通知できる au以外の災害用伝言版に安否情報が登録されている場合はリンクを表示してくれる |
100文字の字数制限がある 登録できる伝言数・保存期間に制限がある |
事前に設定しておけば、災害時に安否情報を登録した際に、あらかじめ登録しておいた家族や友人に自動的にメールを送信することもできます。また、au意外の災害用伝言版の情報も拾ってくれるのがメリットです。ただし、NTTの災害用伝言版と同じく、インターネット回線に依存します。基本的にはLINEで事足りるでしょう。
●ココダヨ
ココダヨは、災害時に自分の位置情報や安否を、家族や大切な人に自動で通知するアプリです。最近は津波警報の通知機能やハザードマップ確認機能も追加されています。
メリット |
デメリット |
自分の居場所を自動で通知できる |
インターネット接続が必要 |
津波警報などの災害情報も表示 |
バッテリー消費がやや多い |
ハザードマップと連携して危険を確認できる |
相手もアプリのインストールが必要 |
位置情報の共有が簡単 |
位置情報をONにする必要がある |
とくに離れて暮らす家族の安否確認に便利です。高齢者や子どもの「見守りアプリ」としても使えるので、普段から使っておけば、いざというときにスムーズに位置情報を共有できます。
参考:ココダヨ
●LINE
LINEは日本でもっとも普及しているメッセージアプリ。災害時の安否確認にも使われます。
メリット |
デメリット |
日常から使い慣れている グループでの一斉連絡が可能 位置情報の共有ができる 専用の安否確認機能がある |
インターネット接続が必要 アクセス集中で遅延する可能性がある |
LINEは普段から使っているアプリで、災害時も直感的に操作できるのがメリット。インターネット接続に依存するのは他のアプリと同じですが、多くの人が利用するLINEは、アクセス集中で遅延するリスクが少し高めです。
●SMS
SMSは、携帯電話番号あてにメッセージを送れるサービス。通話回線を利用するので、インターネット接続がなくても使える場合があります。
メリット |
デメリット |
インターネット接続がなくても使える場合がある 写真や動画を送らないのでデータ量が少ない 相手のスマホにアプリがなくても送れる |
文字数制限がある グループ機能がない 既読機能がない 携帯キャリアによって仕様が異なる場合がある |
SMSはグループに送信できない・既読機能で安否を確認できないなどのデメリットがあります。あくまで「インターネット回線がつながらないときの代替手段」として覚えておくと良いでしょう。
関連人気記事:おすすめの安否確認システム7選|機能やメリット・無料のシステムも紹介
5.災害時はLINEがつながらないことも!連絡・安否確認の手段は複数持っておこう
LINEだけに頼るのではなく、「災害用伝言板」や「SMS」など、複数の連絡手段を知っておくことが大切です。もしかすると、たまたま災害のタイミングでLINEの不具合が発生し、使えないケースが起きるかもしれません。たとえば、次のような組み合わせがおすすめです。
・まずLINEに安否情報を登録したうえで、連絡を試みる
・LINEがつながらない場合はSMSを送る(SMSはインターネット接続がなくても使える)
・それでも連絡がつかない場合は災害用伝言板に安否を登録しておく
また、子どもがいる家庭では、紙に書いた緊急連絡先リストを子どもの持ち物に入れておくとよいでしょう。もしスマホのバッテリーが切れても、周囲の大人に助けを求められます。
災害はいつ起こるかわかりません。連絡手段を複数確保し、家族間で対応を話し合っておくことで、いざというときの不安を少しでも減らしましょう。
6.災害時のバッテリー切れ対策に◎持ち運び用の「Jackeryポータブル電源」を備えよう
「インターネットは生きているのに、スマホのバッテリーがなくてLINEが使えない……」こんな事態を回避するために「Jackery(ジャクリ)ポータブル電源」を備えておくと良いでしょう。
ポータブル電源は、モバイルバッテリーよりもはるかに大容量で、スマホを何度も充電できるバッテリーです。コンセントと同じAC電源を搭載しており、スマホの充電以外にテレビや電気毛布、電子レンジなど、普段使いの家電も使用可能。しかも、持ち運びが前提の設計のため、自宅はもちろん社内や避難所でも使えます。
Jackery(ジャクリ)はポータブル電源専門のブランドとして、世界で500万台以上の販売実績があります。当社Jackery(ジャクリ)のポータブル電源の強みは以下のとおりです。
・リュックに入る小型モデルから、設置型の蓄電池に負けない大容量モデルまで幅広いラインナップ
・「セル・トゥ・ボディ」技術を採用し、他社より30%以上の軽量化・コンパクト化(※Newシリーズのみ)
・防災安全協会「防災製品等推奨品認証」取得済みの安心感
・おトクにソーラーパネルがそろうセットモデル「Jackery Solar Generator」も用意
・独自技術により、1年間放置しても5%程度しかバッテリー残量が減らない自然放電率の低さ
いつ起こるかわからない大災害。Jackery(ジャクリ)ポータブル電源を用意して、いざというときの「安心」を手に入れませんか。
7.災害時のLINEのデメリットについてよくある質問
●LINEの安否確認を押したらどうなる?
LINEの安否確認機能で「無事」または「被害あり」ボタンを押すと、あなたのLINEプロフィールの以下の箇所に安否情報が表示され、友達リストにいる全員が確認できるようになります。
・アイコン
・プロフィールページ
誤って安否情報を登録してしまった場合は、ホーム画面上部の「安否確認」のバナーをタップし、「ステータスを編集」から修正または削除が可能です。
●LINEで特定の人の安否確認をする方法は?
LINEで特定の人の安否を確認するには、以下の方法があります。
・安否確認機能の状態を確認する
・プロフィールのステータスメッセージを確認する
・タイムラインを確認する
・直接メッセージを送る
まずは安否確認機能の状態やステータスメッセージを確認して、変化がなければメッセージを送ってみるのがおすすめです。災害時はネットワークが混雑するため、必要以上の連絡はしないようにしましょう。
●LINEの安否確認は公開範囲を指定できる?
LINEの安否確認機能では、安否情報の公開範囲を指定できません。必ず「友達リストにいる全員」に安否情報が公開されます。どうしても知らせたくない相手がいるなら、友達リストから削除するか、安否情報の登録を控えましょう。
まとめ
災害時の連絡・安否確認の手段にLINEを使う、メリットとデメリットをまとめました。
メリット |
デメリット |
連絡手段として誰でも使いやすい 電話回線が混んでもやり取りができる グループ内で一斉に安否確認ができる 位置情報で相手の居場所がわかる |
インターネット接続がないと使えない アクセスが集中すると繋がりにくい スマホのバッテリーが切れるリスクがある |
スマホのバッテリーが切れてしまうとLINEは使えません。家族との連絡だけでなく、避難情報の入手も困難になってしまうため、モバイルバッテリーやポータブル電源は必須の防災グッズといえるでしょう。
なかでもポータブル電源は、スマホだけでなく電気毛布などの冷暖房や炊飯器などの調理家電も使えるため、長い避難生活でも安心感が段違いです。あなたの大切な人との「つながり」を守るために、今日からJackeryポータブル電源で防災対策を始めてみてください。