保育園のBCP義務化はいつから?作成手順や成功のポイントを解説

更新日:
シェア

保育園におけるBCPの策定は、自然災害や感染症の影響により今や欠かせない取り組みとなっています。ここで「保育園のBCPは義務化されている?」「どのように作ればいい?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、保育園のBCPが義務化された背景や対策の実施手順を解説します。保育園のBCPを成功させるポイントも解説しますので、シナリオや施策を考えるうえでのヒントを見つけてみましょう。

目次
もっと見る

1.保育園のBCP(事業継続計画)努力義務化は2023年4月から!

 

2023年4月1日より、保育園を含む児童福祉施設におけるBCP(事業継続計画)の策定が努力義務化されました。 

保育園におけるBCPの目的は、自然災害や感染症の発生時にも保育サービスを継続し、園児の安全を確保することです。BCPの策定により災害時の対応力が向上すると、保護者からの信頼を得やすくなります。 

また保育園のBCPを決めるときは、園児だけでなく従業員の安全配慮義務を果たすことも大切です。地域社会におけるインフラの役割を担う保育園のBCPを策定し、関係者全体の安全確保に努めましょう。

2.保育園のBCP対策を進める手順

 

保育園のBCP対策を進める手順

保育園のBCP対策を進める手順は、主に下記のとおりです。 

想定される災害や緊急事態を洗い出す

業務の優先度と必要なリソースを整理する

目標復旧時間を設定する

関係者・保護者への連絡体制・手段を決める

BCP計画書を策定して関係者に周知する 

それぞれのステップで行うべき施策も紹介します。保育園の安全性・信頼性を上げるうえでのポイントをチェックしましょう。

想定される災害や緊急事態を洗い出す

保育園のBCP対策を進めるにあたり、まず想定される災害や緊急事態を洗い出す必要があります。以下の流れで進めてみてください。 

1.地域のハザードマップを確認し、自園周辺で発生しそうな災害を洗い出す

2.地震なら「沿岸エリアの津波」「高台の土砂崩れ」など、起こりうる非常事態を具体的にイメージする

3.園児や従業員への影響や被害をイメージする

4.交通や電気・水道といったインフラへの影響も考慮して全体的なリスク分析を行う 

BCP対策におけるリスク分析は、それぞれのシナリオに応じた業務の優先順位づけにもつながる大切なステップです。

業務の優先度と必要なリソースを整理する

保育園のBCP対策を進めるうえでは、業務の優先度付けやリソース整理が必要不可欠です。災害発生時はすべての業務を通常通り行うのが困難なため「どの業務を優先的に維持するか」を明確にしておく必要があります。 

特に下記の対応は園児の命に関わるため、児童福祉施設では最低限明確にしておくべき項目と言っても過言ではありません。 

園児の安全を守るための避難誘導

保護者への連絡体制・手段の明確化

医療的なケアが必要な園児へ向けた個別対応方針の整備 

災害時は一刻を争うアクションが求められます。対応手順をあらかじめルール化し、全従業員に共有しておきましょう。

目標復旧時間を設定する

保育園のBCPを定めるときは、目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)を定めることが大切です。緊急事態発生時に必要な業務それぞれに時間のリソースを割り当て、対応手順を決める必要があります。下記の例を参考に、具体的な数字を踏まえた目標を立てましょう。 

地震発生から1時間以内に園児の安否確認を終える

停電発生から3時間以内に電源供給体制の確保を完了する

24時間以内に臨時保育の体制を整える 

想定されるシナリオごとに複数のRTOを定めておくと、状況に応じて臨機応変に対応できます。特に緊急発生時の連絡フローや作業手順をマニュアル化していれば、入社間もない従業員でも手順に沿って行動しやすい仕組みを整えられるでしょう。

関係者・保護者への連絡体制・手段を決める

保育園のBCPを定めるにあたり、関係者や保護者への連絡体制や手段を決めておきましょう。子どもを預かる保育園では、保護者への情報伝達が遅れると不安や混乱を招くため、複数の連絡手段を事前に用意しておくことが大切です。 

地震や停電によって電話がつながらないケースも想定し、LINEや災害用伝言板を使って保護者へ連絡できる体制を整えましょう。職員間の連絡体制も決めておき「誰がどの手順で何を使って連絡するか」を明確にしておく必要があります。 

緊急時の連絡先リストを定期的に更新し、変更があった場合はすぐに担当者へ連絡するよう促すことも大切です。

BCP計画書を策定して関係者に周知する

上記の手順が完了したら、最後にBCPの内容を計画書として文書化します。内容には下記の要素を盛り込み、実際の対応にフォーカスした内容に仕上げましょう。 

起こりうる災害と想定される被害

それぞれの災害が発生した時の業務フロー

各自の役割分担

保護者との連絡体制・手段

業務ごとの目標復旧時間(RTO)

準備しておくアイテム など 

BCP計画書の書式はできる限りシンプルにしつつ、緊急時にもすぐに確認できるよう工夫することが大切です。作成完了後は全従業員に配布し、新入社員が入社した際には必ず研修の一環として内容を伝える必要があります。 

また保護者にも概要を共有しておくことで、園全体の防災意識を高められます。BCP計画書は一度作成して終わりではなく、定期的な見直しや訓練を通して対策の形骸化を防ぎましょう。

関連人気記事:保育園での避難訓練のやり方【5ステップ】子どもへ地震を伝える3つの方法

3.保育園のBCP対策を成功させるポイント

 

保育園のBCP対策を成功させるポイントは、主に下記のとおりです。 

厚生労働省のガイドラインや自治体のひな形に沿ってBCPを作成する

園児の安全確保を最優先に考える

地域や医療機関との連携を測る

当日に備えて必要な道具を揃えておく 

それぞれのポイントに目を通し、保育園のBCPを計画的に進めましょう。

厚生労働省のガイドラインや自治体のひな形に沿ってBCPを作成する

保育園のBCPを作成するときは、まず厚生労働省が公表している「業務継続ガイドライン」の内容を確認しましょう。多くの自治体が配布しているテンプレートやマニュアルにも、BCP対策におけるヒントが隠れています。 

厚生労働省より公開されている「業務継続ガイドライン」には、下記の内容が詳しく記載されています。 

非常事態における保育の継続方針

優先すべき業務と実施体制を整理するコツ

職員間および保護者との連絡手段の定め方

必要な備蓄品および設備の揃え方など 

保育園の業務や災害時の注意点も網羅されているため、必要な項目や観点を漏れなく反映するためのベースとして活用できます。BCP対策に不安を感じる方は、まず公的機関や自治体の資料を参考にしつつ、実効性の高い内容を盛り込みましょう。 

参考:厚生労働省「業務継続ガイドライン」

園児の安全確保を最優先に考える

保育園におけるBCP対策の内容は、園児の安全確保を最優先に考える必要があります。幼い園児には状況判断が難しいため、大人である従業員が状況に応じて的確な保護・誘導を行うことが大切です。 

避難経路や場所の確保はもちろん、日々のシフトごとに応じた従業員一人ひとりの役割を週ごとに明確化しましょう。特別な医療ケアが必要な園児がいる場合、必要な処置や避難時の対応手順を文書化しておくことも大切です。 

BCPの策定段階では「この対応で園児の命を守れるか」を常に意識しながら内容を精査することで、現場で本当に役立つ内容に仕上げられます。

地域や医療機関との連携を測る

災害発生時における保育園のBCP対策を定めるうえで「園内での対応以外の選択肢」も考える必要があります。下記機関との連携体制を強化し、もしもの時に助け合える関係を構築しておくことが大切です。 

地域の防災ネットワーク

近隣の医療機関

自治体の行政機関など 

近隣の保育施設との協力が可能な場合、緊急事態発生時に施設の一部を相互に避難場所として活用できる体制を構築するのがおすすめです。医療機関との連携が可能なら、緊急時における園児の安全確保に必要な支援を受けられる体制を整えると良いでしょう。保育園内だけにとどまらず、地域に根ざしたBCP対策を考えることが大切です。

当日に備えて必要な道具を揃えておく

保育園のBCP対策を進めるにあたり、必要最低限の道具を揃えておく必要があります。中でも下記を含む備品はもれなくリスト化し、定期的な補充を行うことが大切です。 

避難用具

食料・水

簡易トイレ

乳幼児向けアイテム

衛生用品

医薬品

ポータブル電源などの非常用電源 

特に保育園では、乳幼児の健康維持に欠かせないミルクやおやつも常備しておく必要があります。BCP対策で使用するアイテムは「置いておくだけ」で終わらせず、使い方や保管場所を全従業員に周知しておきましょう。必要な道具リストを作成したら、内容を定期的に見直し、状況に応じて内容をアップデートすることが大切です。

関連人気記事:【保護者向け】引き渡し訓練のねらい・流れや防災の備えを徹底解説

4.保育園のBCP対策で欠かせない備蓄品

 

バッテリー残量の定期チェックと適切な保管

保育園のBCP対策では、下記の備蓄品が欠かせません。 

園児・職員の人数に応じた水・食料

園児の安全確保に必要な防災頭巾やヘルメット

ケガの応急手当に必要な救急セット

最低限の事業継続に必要な非常用電源

それぞれ必要な備蓄量も紹介します。保育園のBCPで「何がどれくらいあれば良いのか」を知っておきましょう。

園児・職員の人数に応じた水・食料

保育園では、災害時に帰宅困難になる子どもや保育士へ向けて水や食料を備蓄する必要があります。園児・職員全員分の水・食料を最低3日分(可能なら5日分程度)常備しておきましょう。 

水は1人あたり1日約1.5〜3L、食品は「主食・副菜・おやつ」で1日1.5食を目安に選ぶ必要があります。缶詰・レトルト食品など、加熱不要かつ個包装の食品がおすすめです。

園児の安全確保に必要な防災頭巾やヘルメット

園児が地震や避難時に頭を守るため、防災頭巾や軽量ヘルメットを用意しましょう。全員が常備できるよう、サイズや機能性を確かめて調達することがポイントです。 

また防災頭巾やヘルメットは、購入だけでなく使用方法を覚えないと意味がありません。定期的に訓練を実施し、着用方法だけでなく「使用方法の伝え方」を押さえておくことが大切です。

ケガの応急手当に必要な救急セット

保育園のBCPでは、ケガをした園児や従業員への応急手当て用救急セットが欠かせません。切り傷や擦り傷にすぐ対応できるよう、下記のアイテムを完備しておきましょう。 

絆創膏

包帯

消毒液

軟膏

三角巾など 

救急セットを普段の保育活動でも使用する場合、定期的に足りないものはないかチェックすることが大切です。心配な方は、普段使い用とは別に緊急用の救急セットを常備しておきましょう。 

最低限の事業継続に必要な非常用電源

保育園のBCP対策には、非常用電源も欠かせません。停電時にも照明やスマホ・PCの充電手段を確保するため、ポータブル電源を用意しておくのがおすすめです。 

ポータブル電源があると、非常時の避難中などコンセントがない場所でも安心して電子機器への給電ができます。大きな災害を想定し、最低でも3日間(72時間)必要な電源を共有できるバッテリーを選ぶと良いでしょう。

5.保育園のBCP対策にはJackery(ジャクリ)のポータブル電源を活用しよう

 

保育園のBCP対策を進めるうえで、非常用電源の確保は欠かせません。そこで注目したいのが、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源です。ポータブル電源は、持ち運び可能なバッテリー式の電源装置を指します。 

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、停電発生時における以下の状況で役立ちます。 

連絡用のスマートフォンやタブレットの充電

LED照明の確保

冷蔵庫への給電など 

避難先や仮設保育の場へ携帯することで、電気の問題を気にせず保育サービスを維持できるのが大きな魅力です。スマホやモバイルバッテリーが欠かせない現代だからこそ、いかなる状況下でも電気の問題を解決できる体制の構築が求められます。 

Jackery(ジャクリ)は、2012年にアメリカ・カリフォルニアで設立されたポータブル電源とソーラーパネルのリーディングブランドです。アウトドアから災害対策まで幅広いシーンで活躍するポータブル電源ブランドとして、国内外で高い信頼を得ています。 

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、保育現場における非常事態への備えとして非常に心強い存在となるでしょう。


もっと多くの商品を見る

 

6.保育園のBCP対策に関してよくある質問

 

最後に、保育園のBCP対策に関してよくある下記の質問へ回答します。 

保育園でBCPが必要な理由は?

BCP対策を強化するにはどうすればいい?

BCP対策を進めるうえで知っておくべき指標は?

幼稚園のBCP対策は義務化されている? 

記事で触れていない内容についても、参考情報として目を通しておきましょう。

保育園でBCPが必要な理由は?

保育園のBCPが必要な最大の理由は、まさに「園児の命・安全を守るため」です。日中忙しい親の皆様から子どもを預かる保育園は、非常事態発生時も責任持って保育体制を継続する責任があります。 

いかなる状況下でも園児や従業員の安全を確保するためには、緊急時の業務フローや役割分担、連絡体制を明確にしておくことが大切です。保育園のBCPを策定することで、保護者や地域社会からの信頼を高めると同時に、一団体としての社会的責任を果たせるようになります。

BCP対策を進めるうえで知っておくべき指標は?

BCP対策を計画的に進めるには、下記2つの指標を知っておく必要があります。 

RTO(目標復旧時間)

RPO(目標復旧時点) 

RTO(Recovery Time Objective)は「災害後にどの業務をいつまでに再開すべきか」という指標です。すべての業務を一度に再開するのは困難なため、どの業務を優先するかを明確に定める必要があります。 

RPOは(Recovery Point Objective)は「どの状態を復旧の基準とするか」を示す指標です。情報のバックアップ頻度やデータ損失の許容範囲を決める際に重宝されます。

幼稚園のBCP対策は義務化されている?

2025年6月時点では、幼稚園のBCP対策は義務化されていません。しかし、災害リスクは園の種別に関係なく存在するため、幼稚園でもBCP対策を自主的に進めておくことが大切です。 

地震や停電といった自然災害は、幼稚園の開園時間にも十分に起こりうる非常事態です。非常事態発生時も園児の安全を守り、保護者から信頼される施設を目指すための取り組みが求められます。

まとめ

 

保育園のBCP策定は、厚生労働省によって2023年4月より努力義務化されています。自然災害や感染症などの緊急事態にも、園児や従業員の安全確保へ向けて迅速かつ適切な対応を行う体制を整えることが主な目的です。 

BCP対策を成功させるポイントは「災害時の対応における最適解を探し続けること」です。計画を一度作って終わりにせず、季節や時代の変化に沿って訓練や内容の見直しを繰り返し行いましょう。 

緊急時の対応に必要な道具を揃えておくことも、保育園のBCP対策に欠かせない要素です。本記事で紹介したJackery(ジャクリ)のポータブル電源を含む便利なグッズを調べておき、想定される非常事態への対応をスムーズにする方法を考えましょう。

関連人気記事
#article-new .table-content .artcile-h2:before{ display: none !important; }