1.保育園・小学校の引き渡し訓練とは?重要性と内容を解説
保育園や小学校で実施される「引き渡し訓練」とは、自然災害や事件などの緊急事態を想定して子どもを保護者に引き渡す訓練です。主に子どもの安全を守ることを目的としており、学校や保育園と保護者が連携してスムーズに引き渡しを行うための準備として実施します。
ここからは重要性や内容、工夫など引き渡し訓練について解説するので、基本を理解して引き渡し訓練に臨みましょう。
●災害や事件を想定した引き渡し訓練の重要性
災害や事件が発生した際、子どもたちの安全を守るには迅速かつ確実な引き渡しが求められます。引き渡し訓練は実際の緊急事態を想定して行うことで、混乱を最小限に抑えて安全な引き渡しを実現するための取り組みです。
訓練を通じて課題を洗い出し改善を図ることで、災害や事件が起きたときのリスクを軽減する目的があります。さらに実際に災害や事件が発生した際に子どもたちが落ち着いて行動できるように、防災意識を育む機会でもあります。
引き渡し訓練に参加すれば子どもに防災の重要性を伝えつつ、実際の災害時にはスムーズな引き渡しが実現できるでしょう。
●学校や保育園ごとに異なる引き渡し訓練の内容と工夫
引き渡し訓練の内容は、学校や保育園の環境や地域の特性に応じて工夫されています。地震や火災、事件など想定する緊急事態によって、避難経路や集合場所、引き渡し手順が調整されるのが一般的です。
さらに名簿やカードを用いた本人確認の徹底や、混雑を緩和するための出口の分散など、安全性を確保するための学校・保育園独自の対策が実施される場合もあります。
●引き渡し訓練に参加するには事前登録が必須な場合もある
学校や保育園によっては、引き渡し訓練に参加するために保護者の事前登録が必要となる場合があります。事前登録では、保護者や代理人の情報・連絡先・引き渡し時に必要な本人確認書類などを提出するのが一般的です。
また登録された保護者のみが参加可能としているケースも多く、より安全性の高い引き渡しが行えるように工夫されています。
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2.引き渡し訓練の5つのねらい

引き渡し訓練には、下記の5つの狙いがあります。
・引き渡し場所・方法の確認
・防災意識・避難意識の向上
・保護者の災害対応力の向上
・安全性・危険要素の確認
・学校・地域の連携強化
ここからは、引き渡し訓練の5つのねらいについて詳しく解説します。
①引き渡し場所・方法の確認
引き渡し訓練では、引き渡し場所と方法を確認することが目的の1つです。
災害やその他の緊急時には混乱や時間のロスを避けるため、集合場所や引き渡し手順が明確になっている必要があります。安全な引き渡しを行うためにも学校や保育園ごとに指定された引き渡し場所や、保護者確認の流れを把握しておきましょう。
代理人(※)による引き渡しが認められる場合には、事前の手続きや必要書類を確認しておくことも大切です。
※代理人:保護者が引き渡し訓練に参加できないときに代理で訓練に参加する人
②防災意識・避難意識の向上
引き渡し訓練には、防災意識や避難意識を向上させるねらいがあります。訓練を通じて子どもたちは災害時にどのように行動すべきかを学び、避難の流れや安全な場所への避難方法を身につけていくのです。
また訓練を重ねることで災害時に冷静に行動できるようになり、命を守るための力を育むこともできます。引き渡し訓練は保護者参加型の訓練となっているため、家庭で防災を考えるきっかけにもなるでしょう。
③保護者の災害対応力の向上
引き渡し訓練は保護者参加型の訓練となっているため、保護者自身が緊急時にどのように行動すべきかを理解することができます。また保護者同士での情報交換や連携の重要性も実感でき、災害発生時に必要な知識を得ることも可能です。
引き渡し訓練を実施することで家庭内の防災意識が向上し、防災グッズや緊急時の連絡手段などを見直すいい機会となるでしょう。
④安全性・危険要素の確認や共有
引き渡し訓練は、安全性や危険要素を確認して共有することも目的としています。緊急時に安全に子どもたちを非難させるために、訓練を通じて学校や保育園内外の安全な引き渡し場所や避難経路を確認しているのです。
また学校内や保育園内の危険箇所や避難中に注意すべき点を共有し、安全対策の改善点を話し合うことで、より安全に子どもたちを引き渡せるように工夫しています。
⑤学校・地域の連携強化
引き渡し訓練は、子どもたちを守るためのネットワークを強化する機会でもあります。訓練を通じて情報を共有することで、学校・保護者地域の連携を強化していくのです。
また、地域ごとの特性に応じた避難経路や集合場所を確認することで、緊急時の円滑な対応が可能になります。学校や保育園と地域が密に連携することで、災害発生時の混乱も最小限に抑えることができるでしょう。
3.引き渡し訓練の流れ

引き渡し訓練の流れは、緊急事態を想定して迅速で安全な引き渡しができるように考えられています。ここでは、一般的な引き渡し訓練の流れを紹介します。
●緊急事態の想定と保護者への連絡
学校や保育園は、下記のようなシナリオに基づいて引き渡し訓練を実施しています。
・大規模な自然災害が発生し、大きな被害が出たとき
・不審者が侵入し、実被害が出たとき
・近隣地域で凶悪事件が発生し、犯人が逃走中で子どもに危害が加わる可能性があるとき
・弾道ミサイルが発射され、近隣地域への着弾の可能性があるとき
このとき、保護者にはメールや電話、専用アプリなどを通じて、避難場所や引き渡し手順についての情報がすぐに提供されます。
●子どもの避難と安全の確保
緊急事態が発生したと想定する引き渡し訓練が始まると、学校や保育園側では事前に定められた避難場所へ迅速に子どもたちを移動させます。
避難場所に到着した後は、保護者への引き渡し準備が整うまで子どもたちは待機。待機の間は安全を監視しているので、子どもたちに危険が及ぶことはありません。
また引き渡し訓練を通じて避難経路や集合場所の確認が行われ、実際の災害時に混乱が生じないように対策が行われます。
●保護者の到着確認
引き渡し訓練で、保護者が指定された集合場所に到着すると行われるのが身元確認です。事前に提出した登録情報や身分証明書をもとに確認を行いながら、確実な保護者への子どもたちの引き渡しに移っていきます。
●子どもの引き渡し作業
保護者到着の確認が取れると、事前に決められた手順にしたがって子どもの引き渡しが行われます。引き渡し後に子どもが無事に保護者と一緒に帰宅していることを確認するため、引き渡し記録を取るのが一般的です。
また訓練を通じて保護者が急いでいる場合や、代理人による引き渡しがある場合の対応方法も確認され、実際の緊急時にも混乱なく引き渡しが行えるように準備をします。
●訓練の振り返り
引き渡し訓練の最後には、以下のような点の振り返りが行われます。
・引き渡しのスムーズさ
・避難経路の安全性
・連絡方法の迅速さ
引き渡し訓練の進行状況や手順の適切さを参加者全員で振り返り、改善点や課題を明確にするのが目的です。振り返りであぶり出された改善点をもとに、実際の緊急時に備えて引き渡し体制を強化していきます。
4.引き渡し訓練に保護者が行けないときはどうする?
仕事の都合などで引き渡し訓練に行けない場合はどうすればいいか、と悩む保護者も多いです。
ここでは、引き渡し訓練に保護者が参加できない場合の対処方法を解説します。
●お迎えリストに記載した中から代理で参加できる人を探す
引き渡し訓練では保護者が参加できない場合に備えて、「お迎えリスト」に記載した代理人が訓練に参加できる仕組みになっています。
お迎えリストに記載がないと代理人として参加できない場合があるため、代理として参加する可能性がある人の名前や連絡先をしっかりと記載しておきましょう。
●子どもの友人の保護者の方に代理を頼む方法でも可
お迎えリストに記載された保護者や代理人が参加できない場合、子どもの友人の保護者に代理を頼んでも問題ありません。ただし、この場合には訓練前にお互いの同意を得て、緊急時に子どもを引き取れることを確認しておく必要があります。
また、友人の保護者が代理として訓練に参加する際には、事前に学校や保育園にも伝えておいてください。
●どうしても引き取りが難しい場合は集団下校で帰宅する
小学校の引き渡し訓練では、どうしても引き取りが難しいときに集団下校が可能な場合もあります。集団下校を行う場合は、事前に定めた集合場所や帰宅ルートを確認して子どもたちが混乱せずに帰れるよう工夫されています。
基本的には教師が引率して集団下校が行われるため、安全面も心配はいりません。ただし、学校によっては集団下校をせず別の方法で対応する場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
5.引き渡し訓練の日に取り組みたいこと5選
実際に緊急事態が発生したときに子どもたちの安全を守るためには、引き渡し訓練とあわせて以下5つの取り組みを行いましょう。
・より安全な避難先を考える
・避難ルートの危険箇所・安全地帯を確認する
・子どもと緊急時の行動をシミュレーションする
・緊急時の連絡手段の確認と共有
・自宅の防災グッズを確認する
それぞれ解説していきます。
①より安全な避難先を考える
災害時は、安全だと思っていた避難先が危険な状態になっている可能性があります。子どもたちがより安全に避難できるように避難場所を見直しましょう。
避難場所の安全性評価は、以下の3つをもとに行うのがポイントです。
・周囲の環境
・施設の耐震性
・火災時の避難経路
また、避難場所が混雑していた場合に備えて複数の選択肢を設けておくと安心です。子どもと安心して避難できる、より安全な避難先を確保しましょう。
②避難ルートの危険箇所・安全地帯を確認する
より安全に避難を行うために、避難ルートの危険箇所や安全地帯を確認することが重要です。実際の避難経路を歩きながら道路の陥没や倒木、障害物などの危険箇所を探してみてください。たとえば地震で倒れそうな老朽化した木があるなら、その付近は避難ルートに含めないほうが良いかもしれません。
避けるべき危険な場所を確認し、緊急時に速やかに安全地帯へ移動できるようにしておきましょう。
③子どもと緊急時の行動をシミュレーションする
災害などの緊急時には、混乱を防ぐために落ち着いて行動する必要があります。子どもたちが落ち着いて行動できるように、引き渡し訓練では緊急時の行動をシミュレーションしましょう。
例えば避難指示が出た際に速やかに指定された場所へ移動する方法や、保護者と合流するための手順を確認しておくと安心です。
④緊急時の連絡手段の確認と共有
学校や保育園が緊急時に使用する連絡先と連絡手段を確認し、確実に連絡が取れる状態を整えましょう。もし電話番号やメールアドレス・住所などに変更があれば、学校や保育園に情報を共有してください。
もし、緊急時に連絡がつかず迎えに行けなければ、子どもは間違いなく不安な思いをします。確実に連絡が取れる連絡先と連絡手段を必ず共有しましょう。
⑤自宅の防災グッズを確認する
引き渡し訓練の日は、自宅の防災グッズを確認するとてもいい機会です。防災意識が高まっているときに、緊急時に必要な以下の物品が揃っているかを確認しましょう。
・飲料水
・非常食
・救急用品
・衛生用品
・懐中電灯
・電池
・ヘルメット
・衣類
・ポータブル電源(非常用電源)
また緊急時に家族全員が使用できるように防災グッズの保管場所や、使用方法を把握しているかも再度チェックしておきましょう。防災グッズの期限切れや劣化している物品がないかも確認し、仮にいますぐに災害が起きてもすぐに対応できるよう、備えておくと安心です。
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6.最強防災アイテム「Jackery Solar Generator」を備えて災害に備えよう

災害時にもっとも重要なのは、電力の確保です。とくに学校や保育園では緊急時に保護者への連絡手段が絶たれてしまうため、停電時にも電力が確保できる環境を整えておく必要があります。
そんなときに役立つのが、ポータブル電源とソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator」です。
【Jackery Solar Generatorがおすすめの理由】
・AC電源付きで停電時に冷蔵庫や電子レンジなどの家電が使えるようになる
・モバイルバッテリーより遥かに大容量、スマホやタブレットが長時間充電できるから通信手段が途切れない
・ホットプレートや電気ケトルが使用できるから停電時にも暖かいご飯が食べられる
・自然放電が非常に少ない設計だから長期保管してもいざという時にすぐ使える
・ソーラーパネルとセットでポータブル電源を繰り返し充電できるから停電が長期化しても安心
・防災安全協会の「防災製品等推奨品マーク」を取得した安全性の高さ
「Jackery Solar Generator」を非常用電源として導入すれば、長時間のスマホの充電の確保や、子どもたちの暑さ・寒さ対策などが行えます。また電子レンジなどの家電も使用できるため、家庭の防災対策として非常に心強いアイテムです。ソーラーパネルがあることで、停電が長引いても繰り返し充電して使えます。
ラインナップが豊富で、使用人数や予算に合わせて選択できるのも「Jackery Solar Generator」のメリット。自分にぴったりのを1台を導入して、緊急時の子どもたちの安全を守りましょう。
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まとめ
引き渡し訓練は、子どもたちの安全を守るために非常に大切な取り組みです。緊急事態が発生した際にスムーズな対応ができるように、事前にしっかりと備えておきましょう。
また、災害時には明かりや連絡手段を途絶えさせないために電力を確保する必要があります。ポータブル電源とソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator」を導入して、不安のない子供たちとの生活を送りましょう。