1.家庭の停電対策に使うバッテリーはポータブル電源がおすすめ
家庭の停電対策に使うバッテリーの種類は、主にモバイルバッテリー・蓄電池・ポータブル電源の3種類があります。それぞれの特徴を解説するので参考にしてみてください。
●モバイルバッテリーは安価だが容量が少ない&用途が限られる
家庭の停電でスマホの充電によく使われるモバイルバッテリーは、価格が安価で手軽に入手できるのが最大の魅力です。しかし蓄電池やポータブル電源に比べ容量が小さく、スマートフォンやタブレットなどの小型デバイスを充電する以外には適しません。
また、モバイルバッテリーはUSB出力タイプのモデルが多く用途が限られるため、停電時にコンセントを使う家電を使えないのもデメリットといえるでしょう。
●蓄電池は容量が大きいが費用が高い&設置工事が必要
蓄電池は大容量で長時間の電力供給が可能ですが、導入には高額な初期投資が必要です。さらに設置工事が必須なので、家庭に取り入れる際のハードルが高くなります。工事にかかる手間や費用を考えると、すぐに使用できるわけではない点もデメリットです。
また蓄電池は主に太陽光発電システムと組み合わせて使用されることが多く、すぐにでも導入したい方にも向いていません。
●ポータブル電源は持ち運び可能・容量十分・設置工事も不要
家庭の停電対策に使うバッテリーには、ポータブル電源がおすすめです。持ち運び可能なため、必要な場所に簡単に移動できます。容量も十分で家庭用の冷蔵庫やエアコンなど、停電時に使いたい電化製品を動かせます。
また特別な設置工事は不要で購入後すぐに使用できるため、家庭の停電対策として非常に便利です。さらにソーラーパネルから充電できるモデルを選べば、長期の停電にも対応できます。
以下では家庭の停電対策で使われる3種類のバッテリーの特徴を比較したので、参考にしてみてください。
特徴 |
モバイルバッテリー |
蓄電池 |
ポータブル電源 |
価格 |
安価 |
高価 |
中程度 |
容量 |
小(数千mAhほど) |
大(数kWhほど) |
中〜大(数百Wh〜数kWh) |
出力方式 |
・USB出力 |
・AC出力(コンセント) ・DC出力 |
・AC出力 ・USB出力 ・DC出力 |
設置工事 |
不要 |
必要 |
不要 |
充電方法 |
USB充電 |
太陽光発電 |
・AC電源(コンセント) ・太陽光発電 |
2.家庭での停電対策に発電機よりポータブル電源がおすすめな理由

かつて家庭の停電対策で電気を使う方法といえば、「発電機」でガソリンを使って自家発電をする方法でした。しかし最近では、家庭での停電対策においては圧倒的にポータブル電源が注目されています。
ポータブル電源には家庭での使用において、明らかに発電機より優れた下記の3つの点があるのです。
●ポータブル電源の優位点①:室内で使える
ポータブル電源は室内で使える点が発電機より優れています。発電機はガソリンを燃焼して大量の一酸化炭素を出すため、室内利用すると一酸化炭素中毒を引き起こすリスクがあるのです。
ポータブル電源は燃料不要で、何かを燃やすといったことはしません。あくまで家庭のコンセントやソーラーパネルで充電するため、全く問題なく室内利用できます。持ち運びも容易なため、家の好きな場所で好きなように使えるのが強みと言えるでしょう。
●ポータブル電源の優位点②:騒音がない
ポータブル電源はほぼ無音で動作するため、騒音を気にする必要は一切ありません。対して発電機は70~75dB(デシベル)ほどの音を出して発電します。70dBがセミの鳴き声と同等なので、かなりの騒音となることが分かるでしょう。
これだけの騒音ともなると、周囲の家庭にも気を配る必要があります。まして災害時ともなれば車があまり走っておらず、エアコンの室外機なども動いていないので、発電機の音は非常にうるさく聞こえてしまうでしょう。
その点ポータブル電源であれば全く騒音がないため、周囲に気を配ることなく好きなように使えます。
●ポータブル電源の優位点③:燃料がいらない
ポータブル電源はコンセントやソーラーパネルで充電するので、燃料いらずで稼働できます。発電機は燃料のガソリンがなければ発電ができず、電力供給ができません。
ガソリンは取り扱いに注意する必要があり、まして災害時となれば何らかの原因で火災を発生させるリスクを高めてしまいます。防災対策のはずが、新たな災害を引き起こしてしまう可能性があるでしょう。
ちなみに「燃料さえあればほぼ無制限に発電できる」のは、確かに発電機の大きなメリットです。しかし最近では充電なしで数日使えるほど、容量の多いポータブル電源も出てきました。長期利用を想定した際に必ずしも発電機を選ぶ必要がなくなったため、停電対策としてポータブル電源が注目されています。
3.後悔しない家庭用の非常用電源「ポータブル電源」の選び方
ここでは、停電時に家庭用バッテリー「ポータブル電源」の後悔しない選び方を紹介します。これを参考に、あなたにぴったりの災害用バッテリーを選んでみてください。
①家族の人数に合わせて容量を選ぼう
災害時家庭停電対策のバッテリーとしてポータブル電源を購入する場合、家族の人数に応じて容量を選ぶのをおすすめします。以下は、家族構成別のバッテリー容量の目安:
家族構成 |
目安容量 |
1〜2人家族 |
200〜1,000Wh |
3人家族 |
1000〜1,500Wh |
4人家族以上 |
2,000Wh以上 |
少人数の家族では小型家電やスマホの充電が主なニーズとなるため、200〜1,000Whの容量があれば良いでしょう。
しかし家族の人数が増えるにつれて、使用する家電も増加します。そのため4人以上世帯の家庭停電用には、少なくとも2,000Wh以上の大容量バッテリーが必要です。
②できるだけ定格出力が大きいものを選ぼう
ポータブル電源の定格出力は、同時に使用できる電化製品の数や種類に影響します。大きな出力を持つモデルを選べば、エアコンや電子レンジなど消費電力が高い家電も使用可能です。一般的には1,500W以上の定格出力があれば、ほとんどの家電を稼働できるため、災害時の心強い味方となります。
③ソーラーパネルに対応しているか確認しよう
ソーラーパネル充電に対応しているポータブル電源を選びましょう。災害時に電力供給を持続させるためには、ソーラーパネルとの連携が欠かせません。特に長期間の停電が予想される場合、ソーラー充電は非常に心強い味方となります。
なお、ポータブル電源とソーラーパネルは、互換性の高い同じメーカーのものやセットモデルをおすすめします。接続や充電がスムーズに行えるだけでなく、メーカーのサポートも一元化され、トラブルが発生した際にも安心です。
関連記事:ポータブル電源×ソーラーパネルセットおすすめモデルと選び方徹底ガイド
④出力ポートの種類をチェックしよう
ポータブル電源には、AC出力(コンセント)・USB出力・DC出力など、さまざまな出力ポートがあります。使用する機器に合わせて、必要な出力ポートが揃っているか確認しましょう。
例えば、スマートフォンやタブレットを充電するためにはUSBポートが必須ですし、家庭用電化製品を使うためにはAC出力ポートが必要です。出力ポートの種類と数が充実しているモデルを選ぶことでさまざまなデバイスに対応でき、より快適に電力を確保できます。
⑤LEDライトやUPSなど便利機能の有無を確認しよう
ポータブル電源にはLEDライトや無停電電源装置(UPS)など、さまざまな機能を備えたモデルがあります。LEDライトは停電時に明かりを確保するのに役立ちますし、UPS機能があれば突然の停電でも0.2ms以内で電力供給が自動的にポータブル電源に切り替えることが可能です。防災時にどのような機能が必要か具体的に考え、便利機能の有無をチェックしてみましょう。
関連記事:3000W級のポータブル電源おすすめ6選!使える家電や選び方も解説
4.家庭用の停電対策におすすめのバッテリー「ポータブル電源」5選
ポータブル電源といっても、容量や出力など種類はさまざまです。当社「Jackery(ジャクリ)」がリリースするポータブル電源は、一般社団法人防災安全協会の「防災製品等推奨品認証」を取得しています。災害時に有効に活用でき、かつ安全な製品だと認められているため、停電時にしっかり活躍してくれるでしょう。
ここでは家庭用の停電対策におすすめのポータブルバッテリーを5つ厳選して紹介します。あなたに合ったモデルを見つけてみてください。
●Jackery ポータブル電源 3000 New セット|容量:3,072Wh 定格出力:3,000W
●Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット|容量:2,042Wh 定格出力:2,200W
●Jackery Solar Generator 1500 Ultra 200W ポータブル電源 ソーラーパネル|容量:1,536Wh 定格出力:1,800W
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル|容量:1,070Wh 定格出力:1,500W
●Jackery Solar Generator 500 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル|容量:512Wh 定格出力:500W
5.ポータブル電源とあわせて家庭用の停電対策に用意しておきたい家電
ポータブル電源はかなり多くの種類の家電を使えるため便利ですが、際限なく使っていれば電力不足を起こしてしまいます。そのため電気ポットやエアコンなどの長時間、高出力で動かす家電をメインに使うのはあまりおすすめしません。
そこでポータブル電源と相性のいい、電力切れのリスクを下げられる家電をいくつか紹介します。ぜひポータブル電源とあわせて用意してみてください。
●消費電力の小さい電気ケトル
消費電力が500~600Wと小さめの電気ケトルは、停電時にとても重宝します。一般的な電気ケトルは1,200W前後の電力が必要ですが、500~600Wなら出力が小さめのポータブル電源でも動作が可能です。
また電気ポットの保温機能は便利ではあるものの、30Wh前後の電力を常に消費するため、停電時には電力切れを起こす原因となります。停電したら電気ケトルに切り替えて、電力消費を抑えましょう。
●電気毛布
少ない電力消費で長時間の暖房効果が得られる電気毛布は停電対策におすすめです。電気毛布は50Whほどの電力で使えます。エアコンの消費電力が100~1500Whなので、圧倒的に暖房効率が良いことが分かるでしょう。
電気毛布とポータブル電源を持ち運べば、家のどこでも使えるのもポイントです。真冬の停電に備えて、ぜひ電気毛布を用意しておきましょう。
●卓上冷風機
真夏の停電に備えてぜひ用意しておきたいのが卓上冷風機です。扇風機とは違い、中に水や氷、専用の保冷剤などを入れてより冷たい風を送ります。そしてこの卓上冷風機、なんと少ないものだと電力消費が10Wh未満。圧倒的なパフォーマンスで、スポット的に効果を発揮します。
1台当たり3,000円前後で購入できるので、家族の人数分揃えておくのがおすすめです。電源タップをポータブル電源につないで、家族みんなで卓上冷風機を使って夏の停電を乗り切りましょう。
6.ポータブル電源が家庭の停電対策バッテリー以外に普段使いにもおすすめ

ポータブル電源が役に立つのは停電時だけではありません。日常的に便利に使えるのが、ポータブル電源のもうひとつのメリットです。普段使いにポータブル電源がおすすめな3つの理由を見ていきましょう。
●ソーラー充電で電気代の節約が可能
ポータブル電源はソーラーパネルを使った充電ができます。つまりソーラー充電なら、電気を使うのに1円もお金がかかりません。最近はロシア・ウクライナ問題などの背景もあり、ほとんどのエリアで電気料金が大幅に値上げする見込みです。多くの家庭で「電気代を下げたい」と思っているのではないでしょうか。
全員のスマホの充電やパソコンの動作など、消費電力の少ない機器をポータブル電源でまかなうだけでも、月に1,000円近い節約効果が見込めるでしょう。活用した分だけお得になります。ぜひ普段の生活にもポータブル電源を取り入れてみてください。
●家の好きな場所にコンセントが作れる
「ここで家電を使いたいのに、コンセントがない…」そう思ったことはありませんか?ポータブル電源なら、家のどこにでもコンセントが作れます。長い電源タップを繋ぐ必要もありません。驚くほど生活の利便性が上がるので、ぜひ1台用意して体感してみましょう。
●アウトドアや車中泊のお供にも
持ち運びができるポータブル電源が活躍するのは、家の中だけではありません。キャンプなどのアウトドアや、突然の車中泊にも大活躍します。小型の冷蔵庫を車に積んで、外で冷たい飲み物をたしなむことも可能。電気毛布があれば冬の車中泊も快適です。
出力の大きいポータブル電源なら、電子レンジなどの調理家電も使えます。ソーラーパネルのほか車のシガーソケットからも充電ができるので、電力不足の心配もほとんどありません。いつでもどこでもまるで自宅にいるかのような快適性は、ポータブル電源があってこそ得られるでしょう。
まとめ
ソーラーパネルで充電できるポータブル電源は、突然の停電時にも電力を供給できる家庭での停電対策にピッタリのアイテムです。
暖房・冷房器具を使った停電時の暑さ、寒さ対策や、調理器具が使えないことによる食べ物の問題はポータブル電源で解決。ガソリンを使う発電機と比較し、安全性や公共性もバツグンです。
さらには普段使いで電気代の節約をしたり、アウトドアや車中泊に活用することも可能。ぜひご家庭に1台用意して、停電対策とあわせて便利な日常をゲットしてみてください。