1.火山灰対策の重要性
日本は世界有数の火山大国で、いつどこで噴火が起きてもおかしくありません。火山から遠く離れた地域でも火山灰の影響を受ける可能性があるため、事前にしっかりと対策しておきましょう。
ここでは、火山灰対策がなぜ必要なのかその重要性を具体的に解説していきます。
●日本には111の活火山がある!四国以外は噴火に備える必要あり
日本には「111」の活火山があり、そのうち「50」の火山が常時監視対象となっています。
四国以外の地域には活火山が必ず1つ以上存在し、とくに北海道・本州・九州・沖縄では噴火の影響を受ける可能性が高いです。
また、火山灰は風に乗って遠方まで飛散します。例えば富士山の宝永噴火(1707年)では、江戸(現在の東京)にも大量の火山灰が降りました。
九州の火山灰が関西まで届くこともあるため、「自分の住む地域には火山がないから」と安心せず、日本のどこに住んでいても対策を行いましょう。
参考:気象庁
●火山灰はわたしたちの健康・ライフライン・交通に影響を及ぼす
火山の噴火によって降る火山灰は、以下のように私たちの生活に深刻な影響をもたらします。
健康への影響 |
● 咳、喉の痛み、喘息の悪化など呼吸器系へのトラブル ● 結膜炎・角膜炎、充血などの目のトラブル ● かゆみ、かぶれなどの皮膚トラブル |
ライフラインへの影響 |
● 火山灰が混ざることで水質が悪化し、ろ過装置が詰まる ● 停電が発生する ● 屋根に積もると重みで破損する可能性がある |
交通への影響 |
● 運転中に火山灰が舞うことで、視界不良を起こす ● 湿った火山灰は滑りやすいため、スリップによる交通事故が起こりやすくなる ● エンジンやエアフィルターに火山灰が詰まり、故障の原因となる |
火山灰が空気中に舞い上がると、健康やライフラインに大きな影響を与えます。掃除や復旧には非常に手間がかかるので、対策グッズを準備して被害を最小限に抑えましょう。
参考:防災科学技術研究所
参考:内閣府防災情報
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2.【健康編】おすすめ火山灰対策グッズ

火山灰は粒子が非常に細かく、呼吸器系や目のトラブルが発生しやすいです。ここでは火山灰から呼吸器や目、皮膚を守るおすすめ対策グッズを紹介していきます。
●防塵マスク:呼吸器系を守る
火山灰を吸い込むと気管支炎や喘息の悪化などの健康被害を引き起こすため、以下の条件に合う「防塵マスク」を選びましょう。
・N95またはDS2規格のもの
・顔にフィットする設計のもの
・排気弁付きのもの
火山灰は粒子が非常に細かいため、微細な物質を効果的に防いでくれる「N95マスク(※1)」や「DS2マスク(※2)」などの規格合格品がおすすめ。マスクの隙間から火山灰が入り込まないように、鼻や顎にぴったりと密着するものが理想的です。長時間使用する場合には、内部の湿気を逃して息苦しさを軽減してくれる排気弁付きのものを選びましょう。
※1 N95マスク:米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格をクリアしたもの
※2 DS2マスク:厚生労働省が管轄する国家規格をクリアしたもの
●ゴーグル・セーフティーグラス:目を守る
火山灰が目に入ると、結膜炎や角膜炎などのトラブルを引き起こす可能性があります。「ゴーグル」や「セーフティーグラス」を選ぶ際は、以下の条件に合うものがおすすめです。
・密閉性の高いもの
・曇り止め加工がされているもの
・UVカット機能がついたもの
火山灰から目を守るためには隙間の多いサングラスやメガネではなく、完全に密閉できるものを選びましょう。曇り止めがついたものなら、湿気がこもりにくく視界をクリアに保てます。
●衣類・帽子・傘など:肌を守る
火山灰が肌に直接触れると、かゆみ・かぶれ・アレルギー反応を引き起こすことがあります。衣類や帽子、傘を活用して肌を守りましょう。
火山灰対策を行う際の服装のポイントは、以下のとおりです。
・長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を抑える
・ポリエステルやナイロンなど、目の細かい生地の服を選ぶ
・髪や首元に火山灰が付着しないようにフード付きのものを活用する
・つばが広い帽子を着用する
火山灰は濡れると泥状になって落としにくくなるため、撥水加工されたアイテムがおすすめ。また火山灰を家の中に持ち込まないよう、室外でしっかりと払い落としてから室内に入るのもポイントです。
3.【室内編】おすすめ火山灰対策グッズ
火山灰が室内に入ると掃除が大変なだけでなく、エアコンや家電の故障、健康被害の原因にもなります。ここでは、火山灰から家を守るためのおすすめグッズを紹介します。
●玄関マット・エアカーテン:家の中に火山灰を持ち込まない
火山灰は靴や衣類に付着し、気づかないうちに家の中に入り込んできます。 以下のグッズと使い方のポイントを押さえ、室内への侵入を最小限に抑えましょう。
・玄関マットは室内用と室外用を用意する
・エアカーテンで火山灰の侵入を防ぐ
・家の中に入る前に靴カバーを着用することで、靴についた火山灰を防ぐ
玄関マットは靴底の火山灰を落とす室外用と、さらに拭き取る室内用を準備するのが効果的です。火山灰はドアを開けた際にどうしても舞い込んでしまうので、玄関にエアカーテンをつけて室内への侵入を防ぎましょう。
●ほうき・掃除機:効率よく火山灰を掃除する
火山灰が室内に入り込んでしまった場合、適切な方法で掃除しないと部屋中に広がってしまいます。以下のポイントを押さえ、水拭きや専用掃除機で掃除しましょう。
・静電気で吸着しやすいほうきで乾いた火山灰を丁寧に掃く
・HEPAフィルター付き掃除機を使用する
・湿らせた雑巾やモップで仕上げ拭きして、細かい火山灰を取り除く
乾いた雑巾で拭き掃除を行うと火山灰が舞い上がってしまうので、湿らせてから行うのがポイントです。通常の掃除機では火山灰が排気で舞い上がるため、必ずHEPAフィルター付きのものを使用しましょう。
●フィルター・ラップ:電化製品を火山灰から守る
火山灰はとても細かく、エアコン・換気扇・パソコンなどの電化製品に入り込むと故障の原因になります。とくにモーターやファンがある電化製品は、動作不良を起こしやすいので以下の対策を行いましょう。
・エアコン・換気扇にはフィルターを設置する
・パソコン・テレビ・ゲーム機などの使わない電化製品は、ラップで覆って灰の侵入を防ぐ
・加湿器で湿度を上げ、火山灰が舞い上がるのを防ぐ
火山灰は水分が付着するとこびりついてしまうため、加湿器を使用する場合は湿度を50〜60%に保つようにしましょう。キーボードやリモコンにもラップを巻いておくと、掃除が楽になるのでおすすめです。
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4.【室外編】おすすめ火山灰対策グッズ
車や庭、屋外設備に付着した火山灰を放置すると、汚れや故障の原因となります。火山灰は乾燥すると舞い上がり、雨に濡れると固まって除去が難しくなるため早めの対策が必要です。
ここでは、屋外で使える火山灰対策グッズを紹介します。
●保護カバー:車を火山灰から守る
火山灰が車に付着するとボディの塗装を傷つけたり、エンジン内部に入り込んだりする可能性があります。故障の原因になるため、「保護カバー」を活用して火山灰から車を守りましょう。
保護カバーは、撥水加工のものを選ぶと汚れが落ちやすいのでおすすめです。フロントガラス専用カバーでガラス部分だけでも保護しておくと、降灰後すぐに運転が必要な場合でも視界の確保がしやすくなります。
●防塵ネット:庭の植物を火山灰から守る
火山灰が植物に降り積もると、光合成を妨げて葉が枯れてしまいます。また、雨が降ると火山灰が固まり、土壌の水はけが悪くなることもあるので「防塵ネット」を活用して植物を保護しましょう。
火山灰が積もったらシートごと丸めて簡単に処理できるため、農業用のビニールシートを活用するのもおすすめです。
●屋外用掃除機・高圧洗浄機:積もった火山灰の掃除
屋外に積もった火山灰は、放置すると乾燥して舞い上がりさらに被害が広がります。「屋外用掃除機」を活用して、できるだけ早く積もった火山灰を掃除していきましょう。
通常の掃除機ではフィルターが詰まりやすいため、HEPAフィルター搭載のモデルがおすすめです。家の外壁や車に火山灰がこびりついてしまった場合は「高圧洗浄機」を使うと効果的に取り除けます。
5.【避難編】火山灰対応の防災グッズ

火山が噴火すると大量の火山灰が降り積もり、視界不良・交通機関の麻痺・停電・断水などの影響が出る可能性があります。ここでは、火山灰の影響で避難が必要になった際に役立つ防災グッズを紹介します。
●ヘルメット・防水シューズ:火山灰環境下での移動に便利
火山灰が降ると道路が滑りやすくなるため、以下のアイテムを用意しておきましょう。
・防塵シールド付ヘルメット
・防水シューズ
火山が噴火すると火山灰だけでなく、噴石などの落下物も多くなります。防塵シールド付のヘルメットなら火山灰から顔や目を保護しながら、頭を落下物から守ることもできるのでおすすめです。
スニーカーやサンダルでは火山灰が靴の中に入りやすく滑りやすいため、長靴やブーツなどの防水シューズを活用しましょう。
●水・非常食・簡易トイレなど:避難用持ち出しバッグに入れる
火山噴火後は、停電・断水・交通マヒなどの影響で、ライフラインが途絶える可能性があります。避難が必要な場合に備え、最低でも3日分の飲食物や衛生用品を避難用持ち出しバッグに入れておきましょう。
【避難用持ち出しバッグに入れておきたいアイテム】
・非常食(最低3日分)
・飲料水(1人1日3Lを目安に最低3日分)
・簡易トイレ
・防塵マスクやゴーグル
・ゴム手袋や軍手
・懐中電灯
避難用持ち出しバッグは、家族分の荷物を分けて準備しておくと安心です。高齢者や小さい子どもがいる家庭では、おむつや常備薬なども備えておきましょう。
●ポータブル電源:停電対策に
火山灰が降ると送電設備が故障し、広範囲で停電が発生する可能性があります。とくに避難生活では、スマホの充電や照明の確保が必要となるので非常用電源としてポータブル電源を準備してきましょう。
ポータブル電源とは、持ち運び可能な大容量バッテリーのことです。スマホのようなUSB機器の充電だけでなく、コンセントが必要な家電への給電もできるので、災害時に電気ケトルやホットプレートで温かい料理を食べられるようになります。
電気毛布や扇風機などの冷暖房機を使用すれば、避難先での暑さ・寒さ対策もバッチリ。さらにソーラーパネルに対応したモデルなら、太陽光で繰り返し充電ができるので停電が長期化しても安心です。
6.停電しても安心!火山灰対策に役立つJackeryのポータブル電源
火山灰による停電に備えるなら、大容量・高出力で災害時にも頼りになる「Jackery」のポータブル電源がおすすめです。「Jackery」のポータブル電源のおすすめポイントは、以下のとおりです。
・全世界で500万台以上の累計販売実績を誇るポータブル電源メーカー
・防災製品等推奨品認証を取得していて安全性が高いから災害時にも安心して使える
・1年間放置してもわずか5%しかバッテリー容量が減らないから、非常用電源にピッタリ
・高い変換効率を誇るソーラーパネルに対応しているから、停電が長期化しても安心
火山灰による停電が起きても、「Jackery」のポータブル電源があれば電力の確保が可能になります。アウトドアや庭の手入れなど普段使いもできて、コスパ抜群の「Jackery」のポータブル電源で災害に備えましょう。
7.火山灰対策に関するよくある質問
ここでは、火山灰対策に関するよくある質問にお答えしていきます。
●火山灰対策マスクの選び方は?
火山灰対策には、「N95」や「DS2」の防塵性能の高いマスクがおすすめです。以下に選び方のポイントをまとめたので、参考にしてみてください。
・火山灰レベルの微粒子を95%カットできる「N95」または「DS2」を選ぶ
・顔にフィットし、鼻や顎に隙間ができないマスクを選ぶ
・長時間着用する場合は排気弁付きのもを選ぶ
一般的な布マスクや不織布マスクでは、火山灰を防ぐことはできません。火山灰対策のマスクには、呼吸器をしっかりと守ってくれる防塵マスクを選びましょう。
●ワークマンの火山灰対策ゴーグルの評判はどう?
ワークマンの防塵ゴーグルは、手頃な価格で入手できるとコスパを重視する方々から注目されています。曇り止め加工がされているものもあり、視界が悪くなることなく使用できるようです。
またメガネの上からの装着も可能できるタイプもあるので、視力が悪い方でも安心して使えます。できるだけ費用を抑えて防災対策を行いたい方は、防塵マスクと合わせてチェックしてみてください。
●火山灰対策マスクがないときは何で代用すればいい?
火山灰対策用の防塵マスクがない場合には、濡らしたハンカチを代用品として使うのがおすすめです。また、布マスクや不織布マスクを重ね付けする方法も一時的な対策としては有効です。
ただし、こうした代用品はあくまでも一時的な対応であるため、防塵マスクのように完全な保護は期待できません。火山灰から自分を守るためにも、防塵マスクを事前に準備しておきましょう。
●子どもが火山灰を吸い込んだら、どうすればいい?
火山灰には有害な物質が含まれている可能性があるため、吸入量が多い場合や咳き込むなどの症状がある場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。
小さな子どもほど火山灰の影響を受けやすいので、吸い込んでしまわないように防塵マスクなどの対策グッズを準備しておくと安心です。
●鹿児島県で火山灰対策を行う場合に役立つ情報源は?
鹿児島県は桜島など活火山が多い地域なので、以下のような情報源から最新の情報を入手して対策を行いましょう。
・気象庁
・防災アプリ
鹿児島県で火山灰対策を行うなら気象庁や県・市の情報源をチェックするのがおすすめです。火山ハザードマップには避難手順や噴火警戒レベルなどが確認できるので、活用しながら対策を行うといいでしょう。
まとめ
火山灰は健康被害やライフラインの停止など、さまざまな影響を及ぼします。活火山が多い日本だからこそ、防塵マスクやゴーグルなど対策グッズを事前に準備しておきましょう。
また火山灰の影響で停電になったときのために、「Jackery」のポータブル電源を備えておくのもおすすめです。備えあれば憂いなしを合言葉に、自然放電が少なく安全性も高い「Jackery」のポータブル電源でもしもに備えましょう。