1.スマホやポータブル電源のバッテリーの容量の見方
まずは基本となる「スマホやポータブル電源のバッテリー容量の見方」について見ていきましょう。
●mAh(ミリアンペアアワー)
スマホやモバイルバッテリーなどのバッテリー容量は、一般にmAh(ミリアンペアアワー)という単位を使います。mAhとは、1時間に1mAの電流を流した時に移動する電荷の量のことです。
機種によって異なりますが、一般的なスマホは「2,500~4,000mAh」の容量のことが多いです。モバイルバッテリーを選ぶ際は、「モバイルバッテリーの容量(mAh)÷スマホの容量(mAh)が充電できるおおよその回数となるので覚えておきましょう。
ちなみに似た単位に「Ah」というものも存在します。Ahは1,000mAhを表すので、たとえば4,000mAhの場合は「4Ah」です。あわせて覚えておきましょう。
●Wh(ワットアワー)
ポータブルバッテリー(ポータブル電源ともいう)など容量の大きいバッテリーの容量単位は、電力量を表すWh(ワットアワー)を使うのが一般的です。1Whは「1Wの電力を1時間使った時の電力量」を表します。たとえば容量1,000Whのポータブル電源なら「1,000Wの家電を約1時間」「500Wの家電を約2時間」使えるということです。Whの数値が大きいほど、より長い時間家電を動かせると覚えておきましょう。
ちなみに多くのポータブル電源のバッテリー容量はWhで表されますが、まれに「mAh」で表記している場合があります。この場合は下記の計算式で、mAhをWhに換算可能です。
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Wh=mAh×3.7÷1000
たとえば容量50,000mAhと表記されたポータブル電源の場合、上記計算式にあてはめてWhに直すと185Whとなります。Wh表記とmAh表記のポータブル電源の容量を比較したい場合の参考にしてください。
関連記事:Whとは?W/Ah/kWhとの違いや求め方・バッテリー容量の仕組みを解説
2.身の回りのもののバッテリー容量の目安と確認方法|持ち時間も計算
日常的に使うスマホから車、ポータブル電源まで、さまざまな製品にバッテリーが使われています。各機器のバッテリー容量の目安と、それぞれがどれくらい持つのかを確認していきましょう。
●スマホ(iPhone)のバッテリー容量の目安
iPhoneのバッテリー容量は、モデルごとに異なります。最新モデルほど容量が大きく、使用時間も長くなる傾向です。
iPhone モデル |
バッテリー容量 |
動画再生時間の目安 |
iPhone 16 Pro Max |
4,685mAh |
最大33時間 |
iPhone 16 Pro |
3,582mAh |
最大27時間 |
iPhone 16 |
3,561mAh |
最大22時間 |
iPhone 15 Pro Max |
4,422mAh |
最大29時間 |
iPhone 15 Pro |
3,274mAh |
最大23時間 |
iPhone 15 |
3,349mAh |
最大20時間 |
iPhone 14 Pro Max |
4,323mAh |
最大29時間 |
iPhone 14 |
3,279mAh |
最大20時間 |
iPhone 13 |
3,227mAh |
最大19時間 |
参考:Apple公式
Appleの公式サイトでは容量をmAhで直接表示しておらず、上記はブラジルの国家電信管理局Anatelの認証レポートに記載された値です。
iPhoneのバッテリー容量は「mAh(ミリアンペアアワー)」の単位で表示されます。自分のiPhoneのバッテリー容量を確認するには「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から確認できます。ここでは現在のバッテリー最大容量(新品時と比較した割合)も確認できるので、劣化具合も確認可能です。
関連記事:スマホの電池の減りが早い原因と対策|バッテリーを長持ちさせる9の方法
●車のバッテリー容量の目安
車のバッテリー容量は、一般的に「Ah(アンペアアワー)」という単位で表示されます。
車の種類 |
バッテリー容量 |
使用可能年数の目安 |
軽自動車 |
30〜50Ah |
2〜3年 |
小型乗用車 |
40〜60Ah |
2〜3年 |
中型乗用車 |
50〜80Ah |
2〜3年 |
大型乗用車・SUV |
60〜100Ah |
2〜5年 |
電気自動車 |
20〜100Ah |
4〜5年 |
ハイブリッド車 |
40〜80Ah |
4〜5年 |
※あくまで目安であり、車種により大きく異なる場合があります。
車のバッテリー容量「Ah(アンペアアワー)」は、通常であれば車のバッテリー本体に印字されています。走行中に勝手に充電されるため、車はバッテリーの残容量を心配する必要がありません。
ただし、バッテリーそのものが劣化すれば、エンジンをかけたりエアコンなどを動作したりするのに必要な容量を確保できなくなります。この「バッテリーの健康状態」は、カーショップやディーラーでチェックしてもらうか、専用のバッテリーテスターで測定可能です。
関連記事:車にサブバッテリーは積むべき!基礎知識から取り付け方・自作方法まで解説
●モバイルバッテリーのバッテリー容量の目安
一般的なモバイルバッテリーの容量は、5,000~30,000mAhの範囲です。容量ごとの持ち時間(スマホ充電回数)や使用例をまとめました。
モバイルバッテリーの容量 |
スマホ充電回数(4,000mAh想定) |
使用例 |
5,000mAh |
約1回 |
日帰り外出用 |
10,000mAh |
約2回 |
1泊2日の旅行 |
20,000mAh |
約4回 |
2〜3日の旅行、複数人での使用 |
30,000mAh |
約6回 |
長期旅行、家族での使用 |
モバイルバッテリーの容量は、製品パッケージやメーカーサイトで確認できます。なお、飛行機に持ち込む場合は100Wh(約27,000mAh)未満という制限があるため、「Wh」に変換したときの値も確認しましょう。mAhからWhへの変換は「容量(mAh)×3.7(V)÷1,000」で計算できます。
関連記事:モバイルバッテリーのワット数完全ガイド!計算方法・選び方・おすすめ製品まで徹底解説
●ポータブル電源のバッテリー容量の目安
ポータブル電源はモバイルバッテリーよりはるかに大きな容量をもち、さらにコンセントで動く家電も使えます。Jackeryの最新「Newシリーズ」を例に、ポータブル電源の容量とスマホの充電回数、その他の家電の使用例を見てみましょう。
ポータブル電源モデル |
容量 |
スマホ充電回数(4,000mAh想定) |
稼働可能な家電の例 |
256Wh |
約13回 |
・LEDライト(5W:44時間) ・扇風機(10W:22時間) |
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1070Wh |
約57回 |
・冷蔵庫(250W:3.2時間) ・電子レンジ(1,000W:48分) ・ノートPC(80W:7回) |
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2042Wh |
約102回 |
・エアコン(1,500W:1.1時間) ・車載冷蔵庫(30W:60時間) ・電気毛布(50W:32時間) |
ポータブル電源のバッテリー容量は通常「Wh(ワットアワー)」で表示されます。Jackery(ジャクリ)では、製品ページやパッケージで簡単に確認可能です。
Jackeryの最新Newシリーズは、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、最大6,000回(毎日使っても10年以上)の充放電に対応しています。長期間にわたり、長い持ち時間を維持することが可能です。3,000Whオーバーの超大容量モデルもあるので、気になる方はチェックしてみてください。
関連人気記事:ポータブル電源とモバイルバッテリーの違いとは
3.バッテリーの容量についての3つの注意点
ポータブル電源に限らずバッテリーの容量については下記3つの注意点があります。
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・容量が大きくても消費電力が多いとすぐ充電切れになる
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・バッテリーの容量は徐々に劣化していく
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・バッテリーが劣化すると不具合が起きることも
それぞれ見ていきましょう。
注意点①:容量が大きくても消費電力が多いとすぐ充電切れになる
バッテリーの容量が大きくても、消費電力が高いとすぐに充電切れになるケースがあるので注意。たとえば容量1,000Wのポータブル電源で消費電力1,200Wの電子レンジを動かす場合、最大でも40~50分ほどで充電が切れてしまいます。
実際には家電への供給時にわずかな電力のロスはありますが、おおよその稼働可能時間は「容量÷消費電力」で計算できます。「この家電を〇時間使いたい」と目的が決まっている場合は、その家電の消費電力に見合った容量のバッテリーを用意しましょう。
注意点②:バッテリーの容量は徐々に劣化していく
バッテリーの容量は徐々に劣化していくので注意しましょう。リチウムイオンの化学反応によって充電・放電を行うのがバッテリーの基本的な仕組みとなっていますが、使用を繰り返すたび電極にあるリチウムイオンの量が減ってしまいます。そのためバッテリーの容量減少が起きてしまうわけです。「劣化しないバッテリーはない」という点は念頭に置いておきましょう。
注意点③:バッテリーが劣化すると不具合が起きることも
バッテリーの劣化が進行すると、バッテリーを内蔵している機器に下記のような不具合が起きるケースがあります。
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・動作が重くなる
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・発熱する
これは容量の劣化とともに、処理能力が低下してしまうのが原因です。今までは問題のなかった操作でも過負荷となり、動作の重さや発熱などのトラブルを引き起こします。このような現象が起きた場合、なるべく早くバッテリーの交換を検討しましょう。
4.バッテリーの容量を長持ちさせる3つのコツ
ポータブル電源などのバッテリーの容量を長持ちさせるには、下記3つのコツを押さえておきましょう。
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・高温・低温環境で放置しない
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・「ながら充電」は避ける
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・40~80%の充電量で保管する
それぞれのコツについて詳しく解説します。
コツ①:高温・低温環境で放置しない
バッテリーを極端な高温・低温環境で放置しないようにしましょう。理想はバッテリーの保管に最適な「25℃前後」を保つことですが、最低でも「0℃〜40℃」の範囲で保管してください。
特に高温には非常に弱く、一般に45℃を超えると急激なバッテリーの劣化が進みます。夏の高温になる車内での保管などは絶対に避けましょう。
コツ②:「ながら充電」は避ける
バッテリーを充電しながら使う「ながら充電」は避けましょう。ながら充電は非常に強い負荷がかかってしまうため、バッテリーの劣化を早くする原因となります。どうしても難しい場合を除き、充電が完了してから使ってください。
ただし「パススルー充電」に対応する機器は「ながら充電」をしてもバッテリーは劣化しません。ながら充電の頻度が高くなりそうな場合は、寿命の長い「Jackery」のポータブル電源(NewシリーズとPlusシリーズ)のような製品を選んでみてください。
コツ③:60~80%の充電量で保管する
バッテリーは60~80%の充電量で保管するのがおすすめです。充電量が100%に近いとバッテリーにかかる負荷が大きくなり、劣化を早めてしまいます。また充電量が少なすぎると、放電のし過ぎによりバッテリーを劣化させてしまうリスクがあります。バッテリーは放置すると自然放電してしまう性質もあるため、多すぎず少なすぎない「60~80%の充電量」がベストというわけです。
5.持ち運べる大容量バッテリーならJackeryの「ポータブル電源」
ポータブル電源とは、コンセントがない場所でも家電製品を使える大容量バッテリー。モバイルバッテリーよりはるかに大きな容量と出力で、スマホの充電だけでなく、さまざまな家電を動かせるのが特徴です。ポータブル電源は以下のようなシーンで活躍します。
● キャンプなどのアウトドア活動(炊飯器やレンジを使った調理、電気毛布のような冷暖房の確保など)
● 車中泊での電源確保(バッテリー上がりの防止、車載冷蔵庫やケトルの使用など)
● 停電時の非常用電源(スマホ充電、テレビの視聴、冷暖房の確保など)
● 工事現場や屋外イベントでの電源供給(電動工具や大型照明の動作など)
● 電源のない場所での撮影やDIY作業(カメラの充電や電動工具の使用など)
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、世界累計販売台数500万台以上を誇る信頼のブランド。容量256Whの小型モデルから、5,000Whを超える大容量モデルまで様々なラインナップがあります。独自のノウハウで他社製品よりも軽量化に成功しており、持ち運びやすいのもポイントです。
モバイルバッテリーよりも容量が大きいバッテリーをお探しの方は、Jackeryのポータブル電源を選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
スマホやポータブル電源などのバッテリー容量は「mAh」「Wh」などの単位で表します。iPhoneなら3,000〜4,500mAh、車なら20〜100Ah、モバイルバッテリーなら5,000〜30,000mAh、ポータブル電源なら200〜3,000Whが容量の目安です。
バッテリーの容量を長持ちさせたいなら、高温・低温環境での放置は避け「ながら充電」もしないようにしましょう。また長期保管は「60~80%の充電量」がおすすめです。ぜひバッテリー容量について理解して、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源で便利な生活を始めましょう。
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