1.津波1mの威力はどのくらい?致死率が「ほぼ100%」の理由
津波が1mを超えると、致死率がほぼ100%といわれています。ここでは、実際の津波1mの威力がどのくらいなのかを解説します。
●1mの津波には木造家屋が半壊・流失する威力がある
津波は一般的な海の波とは異なり、巨大な水の塊が一気に押し寄せる現象です。気象庁の資料によると、津波の高さが1m程度でも地形や流速の条件次第では木造家屋が半壊・流失する被害が発生する可能性があります。
また、わずか数十センチの津波であっても、人を転倒・流失させるには十分なエネルギーを持っており、とくに引き波では一気に沖へ流される危険性があります。
●漂流した流木や車に衝突すると致命傷に至るリスクがある
津波が発生すると看板やフェンス、さらには木や車までもが水に浮いて強い流れに乗って移動します。こうした漂流物は非常に重く、津波の流速が加わることで凶器のような存在になります。人に衝突すれば骨折や内臓損傷などの重傷を負う恐れがあり、状況によっては致命傷に至ることもあるでしょう。
また漂流物に挟まれたり下敷きになったりする危険性も高く、身動きが取れなくなれば救助が遅れる要因にもなります。津波被害では溺水だけでなく、漂流物との衝突が命を奪う大きな要因になることを認識しておきましょう。
●実際には1m以上になることもあるため過信が命取りとなる
仮に想定される津波の高さが「1m」だったとしても、実際には1m以上になることもあるため過信が命取りとなります。
想定される津波の高さは特定の島の海岸を対象としたものではなく、予報区内での予想される津波の高さの最大値です。これに対し実際の津波は海岸線の地形の影響を受け、予測値の0.5倍から2倍程度の幅を持つものとされています。
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2.1m以下の津波注意報が出たらどのような避難行動をすればいい?

津波注意報は、津波による被害が発生するおそれがある場合に発表される情報です。想定される津波の高さは1m以下とされていますが、注意報だからといって油断は禁物です。津波はわずかな高さでも人や物を押し流す強い力を持っており、津波注意報が解除されるまでは安全な場所に待機しましょう。
ここでは、津波注意報が出た場合にはどのような避難行動をすればいいか解説します。
●海・港・川の近くにいる場合は迷わずその場から離れて高台へ移動する
海・港・川の近くにいるときに津波注意報が発表されたときはその場で状況を見守るのではなく、直ちに離れて高台へ移動することを最優先にしましょう。津波は地形の影響を強く受け、同じ地域でも局地的に高さや流速が大きく変わることがあります。「ここなら大丈夫」などと考えず、可能な限り高い場所を目指してください。
高台が近くにない場合は自治体が指定する建物を利用し、少しでも高い位置へ避難しましょう。注意報が解除されるまでは、元の場所に戻らず安全な場所で待機してください。
●車での移動は渋滞のリスクがあるため近くに停めて徒歩で移動する
津波注意報が発表された際に車で避難しようとすると、渋滞に巻き込まれて身動きが取れなくなるリスクがあるため徒歩で移動しましょう。とくに沿岸部や市街地では深刻な渋滞が発生しやすく、かえって逃げ遅れる危険性が高まります。
また津波や浸水が始まると車は簡単に動かなくなり、閉じ込められるケースも少なくありません。車を運転している場合は安全な場所に近づいた段階で車を路肩や空きスペースに停め、徒歩で高台へ向かうのが賢明です。車は津波が発生する可能性があるときの避難手段として万能ではなく、徒歩のほうが安全な場合が多いことを理解しておきましょう。
●自宅にいたら家族全員で2階以上または指定避難場所へ移動する
自宅にいるときに津波注意報が発表された場合は、家族全員で2階以上の高い場所または指定避難場所へ移動しましょう。「家の中にいれば安全」と安易に判断するのは危険です。
とくに木造住宅の1階は浸水や漂流物の侵入リスクが高く、安全とはいえません。夜間や悪天候時は足元が見えにくくなるため、懐中電灯やスマートフォンのライトを使い落ち着いて行動してください。
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3.津波1mで家やマンションはどうなる?住まいごとの被害イメージ
津波1mと聞くと「家が流されるほどではないのでは」と思われがちですが、実際には住まいの種類や立地条件によって深刻な被害が出る可能性があります。ここでは、津波1mで起こり得る被害を具体的に見ていきます。
●木造一戸建ての1階は床上浸水や生活機能の喪失が起こる可能性がある
津波が1m規模になると、立地や地形によっては木造一戸建ての1階部分が床上まで浸水する可能性があります。気象庁の資料でも、浸水深が1m程度から木造住宅に部分的な被害が発生し始めることが示されています。
床上浸水が起きると冷蔵庫や洗濯機など多くの家電が水に浸かり、安全確認が取れるまで使用できなくなるケースが一般的です。また壁の内部や床下に水分が残ることでカビや腐食が進行し、衛生面や構造面にも影響が出ることがあります。このような被害によって電気設備や生活機能が失われ、自宅での生活を継続することが難しくなることも少なくありません。
●マンションでは駐車場やエレベーターなど共用部分が使えなくなるおそれがある
マンションは構造上木造住宅よりも耐久性が高いケースが多いものの、共用部分は津波や浸水の影響を受けやすい点に注意が必要です。とくに地下や1階に設けられている駐車場が浸水すると、停めていた車が水没したり安全確認ができるまで出入りができなくなったりする可能性があります。
またエレベーター設備が浸水した場合は、点検や部品交換が完了するまで使用停止となることが一般的です。居住スペース自体に大きな被害がなくても、共用設備が使えなくなることで日常生活に支障が生じる場合があります。
●車が使えなくなって避難手段を失う可能性がある
津波による浸水が発生してしまうと、車が使えなくなる可能性が高くなります。浸水の深さによって以下のように車の機能は低下するといわれているので参考にしてみてください。
・浸水深10cm以上:自動車のブレーキ性能が低下する
・浸水深30cm以上:エンジンが停止することもある
・浸水深50cm以上:車とともに流され、 非常に危険な状態となる
参考:千葉県「千葉県津波避難計画策定指針(平成28年10月改訂)」
流された車は大きな漂流物となって周囲の人や建物に衝突し、被害を拡大させる要因にもなりかねません。そのため津波が想定される状況では車を避難手段の1つになると過信せず、早めに徒歩で安全な場所へ移動するようにしましょう。
●防波堤があっても津波による浸水が起こるおそれがある
防波堤は津波に対する被害を最小限に食い止めるために作られていて、国や各自治体は大地震による津波が発生した場合をシミュレーションしながら津波対策を構築しています。
ただし津波は自然災害である以上、絶対に安全とは言い切れません。防波堤がある地域でも早めに避難行動を取りましょう。
4.津波1mで起こる停電や断水にどう備える?ライフラインを守る防災対策

津波1m規模の被害では家屋の損傷だけでなく、停電や断水などライフラインの停止が同時に発生することが少なくありません。とくに沿岸部では配電設備や浄水施設が浸水することで、復旧までに数日から1週間以上かかるケースもあります。
ここでは津波1mで起こる停電や断水にどう備えるのか、ライフラインを守る防災対策を解説します。
●飲料水と生活用水・温めずに食べられる食品を最低3日分ストックする
飲料水は1人1日3リットルを目安に、最低3日分を用意しておきましょう。これに加えて手洗いや簡易的な洗浄に使える生活用水も確保しておくと、非常時でも衛生状態を保ちやすくなります。
また停電中は、電子レンジやIHクッキングヒーターなどの電子機器が使えません。レトルトのまま食べられる食品や缶詰めなど、温めずに食べられるものを中心にストックしておいてください。非常時は無理に普段どおりの食事を取ろうとせず、体力を維持できる内容を優先して備えておきましょう。
●簡易トイレを準備して非常時でも衛生環境を保つ
津波による断水が発生すると、自宅や避難先でトイレが使えなくなる状況が起こり得ます。水が流せない状態で無理にトイレを使用すると悪臭や衛生悪化の原因になり、体調を崩すリスクも高まります。
そのため、凝固剤付きの簡易トイレや非常用トイレ袋を事前に準備しておきましょう。簡易トイレがあれば断水中でも排泄物を安全に処理でき、一定の衛生環境を保てます。1人1日5回程度を目安に、数日分の枚数を用意しておくと安心できます。とくに高齢者や小さな子どもがいる家庭は、多めに準備しておきましょう。
●停電が長引くことを前提にポータブル電源を準備する
津波による停電被害が長引くことを前提に、コンパクトサイズの持ち運び式蓄電池「ポータブル電源」を一台準備しておきましょう。
停電が長引くと、以下のような不便さやリスクが生じます。
・スマートフォンの充電が切れ、災害情報や避難情報を確認できなくなる
・照明が使えず、夜間の移動やトイレ利用で転倒などの危険が高まる
・扇風機やエアコンが使えず、暑さや寒さによる体調悪化のリスクが高まる
・避難所では電源が不足し、充電に長時間待たされることがある
ただしある程度の容量を持つポータブル電源を持っていれば、電力が自前で確保できます。停電への備えとしては水や食料だけでなく、電力を自力で確保できる手段を用意しておきましょう。
5.「Jackery Solar Generator」があれば津波で長期停電が続いても電力を確保できる

「Jackery Solar Generator」はポータブル電源とソーラーパネルがセットになった太陽光発電製品で、設置工事や複雑なメンテナンスが不要な点が特徴です。日当たりがよい場所にソーラーパネルを広げ、ケーブルで接続するだけで発電と蓄電をすぐに始められます。
停電が長引く場合に「Jackery Solar Generator」があると、以下のようなメリットを受けられます。
・電力復旧を待たずに自宅で電気を確保できる
・スマホの充電ができるので、情報収集や通信が途絶えなくて済む
・夜間でも照明を確保でき、安全に行動できる
・冷蔵庫やエアコンなどの快適に過ごすための生活家電を使用できる
津波による停電は、いつ復旧するか分かりません。だからこそ、水や食料と同じように電力を自力で確保できる手段を用意しておくことが必要です。太陽光発電で蓄えた電力を使える 「Jackery Solar Generator」 なら、停電中でも普段と同じように生活家電を使用できます。
何もできなくなる不安を減らすための一つの選択肢として、「Jackery(ジャクリ)」をこの機会に一台導入してみてください。
6.津波1mに関するよくある質問
津波1mに関するよくある質問とその回答をまとめました。
●津波1mの高さは、どこから測ったものですか?
津波の高さは平常時の海面(通常の潮位)を基準として測ったもので、どれだけ水位が上昇するかを示したものです。「津波1m」とは、海岸付近で通常の海面より約1m水位が高くなる可能性があることを意味します。
ただしこの数値は特定の地点を示したものではなく、津波予報区内における代表的な高さとして発表されます。
●津波1mの高さの危険性が伝わる画像や動画はありますか?
津波1mの高さの危険性が伝わる画像や動画は、実際にあります。気象庁や国土交通省などは公式ページにて、図解を使って津波1mの高さの危険性を伝えています。
参考:国土交通省四国地方整備局 那賀川河川事務所「地震津波対策 津波について」
ただし映像はあくまで一例であり、地形や条件によって実際の被害は大きく異なります。画像や動画を見る際には「この程度なら大丈夫」と自己判断せず、津波注意報や警報が出た時点で避難する必要性を理解する材料として活用してみてください。
まとめ
「津波1m」は数字だけ見ると小さく感じられますが、実際には人を押し流すほどの強い力を持っています。また予想された高さはあくまで代表値であり、地形によって実際の被害は大きく変わります。そのため「1mだから大丈夫」と過信せず、注意報が出た時点で早めに避難行動を取って停電や断水に備えましょう。
そして日頃から現実的な防災対策として、「Jackery Solar Generator」を一家に一台備えておきましょう。いざという緊急時に、自分や家族の命を守ることにつながります。