1.地震雲は科学的に証明されていない
「地震雲」とは、地震の前に空に現れるという特殊な形の雲のこと。帯状やスジ状、はたまた渦を巻くような形など、普段は見られない奇妙な形をしているのが特徴とされています。
しかし気象庁によれば、地震と雲の形には科学的な関連性は認められていません。雲の形成には大気中の水蒸気や気圧、温度などの気象条件が関係しています。地下で起こる地震の前兆現象とは直接結びつかないのです。
つまり、「地震雲」と呼ばれる雲の多くは「誰かが勝手に考えた、勘違い」といえるでしょう。
2.地震雲と間違えられる雲の形6種類【画像あり】
地震雲として話題になる雲の多くは、実は既知の雲の種類であることが多いです。ここでは、地震雲とよく間違えられる6種類の雲を紹介します。
①縦に伸びる雲|飛行機雲や竜巻雲の可能性あり

縦に一直線に伸びる雲は、「地震雲だ!」と最も勘違いされやすい雲。しかし、これらは以下のような地震とは関係のない現象によるものがほとんどです。
・飛行機雲:航空機のエンジンから排出される水蒸気が凍結してできる
・積乱雲の発達初期:大気の不安定さによって形成される縦長の雲
・竜巻の形成過程:上昇気流によって生まれる筋状の雲
これらはすべて気象や光学現象によるもので、地震活動との関連性はありません。
②うろこ雲|波紋状の雲で悪天候の前触れ
うろこ雲は、高積雲(アルトクムルス)の一種で、魚のうろこや波紋のような規則的なパターンを持つ雲です。
・正式名称は「高積雲列(アルトクムルス・ウンドゥラトゥス)」
・形状は魚のうろこや波紋のような規則的なパターン
・発生するのは主に気圧の谷や寒冷前線が近づいているとき
うろこ雲が見られるのは気象の変化を示すサインであり、地震とは直接関係ありません。
③放射線雲|帯状の雲は地上から見ると放射状に見える
放射線雲は、平行に並んだ細長い帯状の雲が、遠近法の効果によって地上から見ると一点から放射状に広がっているように見える現象です。
「少し気味が悪い、幻想的な見た目」をしていることから、普通ではない雲と勘違いされがち。しかし、この雲は純粋に光学的な効果により特殊な見え方をしているものです。実は「巻雲」「積雲」など一般的な雲でもみられるもので、地震活動とは無関係とされています。
④波状雲|大気の流れによってできる
波状雲は、その名の通り波のような形をした雲で、大気の層が異なる速度で流れる際に生じる空気の波動によってできます。なんとなく不吉な印象を受ける見た目をしており、この雲も地震雲と誤解されることがあります。
しかし、波状雲は単に大気中の乱流や風の状態を反映しているだけであり、地震活動との関連性はありません。
⑤断層雲|雨雲などで頻繁に見られる
断層雲は、雲が特定のラインで急に切れたように見える現象です。まるで空に断層ができたように見えることから、「断層」を連想させる地震との関係を疑われた、とみられます。しかし、断層雲は科学的に以下のような説明がつくものです。
・正体:異なる気流のぶつかる境界線
・発生条件:気温や湿度が急変する大気の境界面
・見られる場所:前線の通過時や山岳地帯の風下側
この現象は単に大気の状態を反映しています。地震の前兆というよりは、局地的に気象条件が変わることによって生じるものです。とくに前線の通過に伴って見られることが多く、雨など天気の変化を予測するのに役立つこともあります。
⑥太陽柱|太陽の光が氷晶に反射してできる
太陽柱は雲ではなく、空気中の氷晶に太陽光が反射してできる光学現象です。しかし、その特異な見た目から「地震雲」と誤認されることがあります。
太陽柱は気温が低く、空気中に六角形の氷晶が漂っているときに現れるもの。とくに気温が低くなりやすい日の出や日の入りの時間にみられます。ちなみに、夜間は見づらいものの、月の光でも同様の現象が起こり得ます。
太陽柱は光の反射と屈折が生み出す現象で、地中の活動とは無関係です。寒冷な気候の地域や冬季に多く観察されることからも、地震よりも気象条件と関連しているとわかります。
3.地震雲以外にある?地震の予兆と考えられる4つの現象
地震雲には科学的根拠がなく、地震との関連性はほぼあり得ないものと結論付けられています。一方で解明されていない、地震の予兆と考えられる現象はいくつかあります。ここからは、地震との関連性があるかもしれない4つの現象を詳しく見ていきましょう。
①地鳴り
地鳴りは地震の前や地震時に、地下での岩盤の動きが音として伝わる現象です。地鳴りの特徴や、発生の仕組みは以下のとおり。
・音の特徴:低い轟音や遠くの雷のような音
・発生の仕組み:岩盤のずれや破壊に伴う振動が音波として伝わる
・予兆としての信頼性:科学的な検証はされていない(個人の体感によるもの)
あくまで「地震の前に地鳴りがあった」という人が多いだけで、科学的に解明されているわけではありません。しかし、東北大学東北アジア研究センターの石渡氏も「地震の直前(数秒~数十秒前)に聞こえる地鳴りは、本震の大きな揺れ(S波)が来る前に到着する初期微動(P波)による音だろう」と見解を述べており、可能性としてゼロではないことを示しています。
参考:東北大学東北アジア研究センター石渡明「地震の前兆の可能性がある自然現象」
②井戸水や温泉水の異常
地震の前に井戸水や温泉の水量、温度、色、匂いなどに変化が現れることがあります。地殻変動によって地下水脈に何らかの影響があり、それが井戸水や温泉に変化をもたらしているようです。
歴史的には1975年の海城地震(中国)の前にも井戸水の異常が報告されています。ただし、この現象は地域性が強いようで、すべての地震で起きているわけではありません。また、科学的な裏付けも、2025年現在では取れていない現象です。
③動植物の異常
地震の前に、動物が落ち着きをなくしたり、通常と異なる行動をとることがあるといわれています。動物は、人間には感知できない環境の変化を察知しているのかもしれません。動物に見られる主な異常行動の例は以下のとおりです。
・犬や猫が吠える、泣く、(室内飼いの場合)外に出ようとする
・鳥が通常と異なる時間帯で鳴き始る、群れでの異常飛行をはじめる
・魚が水面に浮上する、跳ねる、岸に打ち上げられる
・昆虫が集団で移動する、通常とは異なる時期に現れる
ただし「地震の前後でたまたま起きた可能性」を排除して検証するのが難しく、信頼性の高い地震予知の方法としては確立されていません。あくまで「地震と関連する可能性が高い」現象のひとつです。
④発光現象
地震の前や発生時に、空に光る現象が観察されることがあります。これは「地震光」と呼ばれ、大地震の際に目撃例が報告されています。地震の前後に観察される主な発光現象は以下のとおりです。
・光の柱:青や白の光が地上から空に向かって伸びる
・閃光:一瞬の強い光が空を照らす
・光球:球状の発光体が空中に浮かぶ
・オーロラ状の光:空全体が波打つように光る
これらの発光現象は岩石の圧縮・摩擦による「圧電現象(大きな電圧が発生する現象)」や、地中からのガス放出に伴う発光によるものと考えられています。1995年の阪神・淡路大震災や2007年のペルー地震の際にも報告がありますが、科学的な観測データが少なく、発生メカニズムは解明されていません。
参考:京都産業大学「誰も挑戦しなかった地中電磁波による地震予知—地上の電磁波研究から、地中の電磁波パルスの検出へ—」
4.地震はいつ起こるか分からない!今すぐできる対策5選
地震を予知する仕組みは残念ながら確立されておらず、いつ起きるか特定するのは難しいです。私たちにできるのは、「いつ地震が起きても良いように、しっかりと対策しておく」こと。ここでは今すぐできる、地震から命を守るための5つの対策を紹介します。
①家具の固定と配置を見直す
地震での人的被害の多くは、家具の転倒や落下によるものです。家の中の安全を確保するため、以下のポイントを押さえて家具を固定しつつ配置を見直しましょう。
・高さがある家具はL字金具や突っ張り棒で壁に固定する
・寝室や出入り口付近には倒れやすい家具を置かない
・ガラス製品には飛散防止フィルムを貼る
・重いものは低い位置に収納する
とくに配置の見直しにはコストがかかりません。さっそく試してみてください。
②生活必需品を備蓄しておく
大規模な地震の後は、電気・ガス・水道などのライフラインが止まることがあります。少なくとも3日分、できれば7日分の生活必需品を備蓄しておきましょう。備蓄しておくべき主なものは以下のとおり。
・水:1人1日3リットル×人数×日数
・食料:調理不要で長期保存可能なもの
・衛生用品:トイレットペーパー、ウェットティッシュ、マスク
・医薬品:常備薬、消毒液、絆創膏など
・生活用品:懐中電灯、電池、携帯ラジオ、充電器
備蓄品は定期的に点検し、賞味期限などをチェックしましょう。「ローリングストック法」と呼ばれる、普段の生活で少しずつ消費し、補充していく方法もおすすめです。
③非常用持出バッグを作る
先ほどの「生活必需品」は、なるべく多く備えておくのが安心のポイント。一方で、緊急避難時にすぐに持ち出せるよう最低限のものが入った「非常用持出バッグ」を用意しておくことも必要です。バッグには、以下のような「命をつなぐもの・生活に必須なもの」を優先して入れてみてください。
・必需品:水、食料(カロリーメイトなど)、懐中電灯、モバイルバッテリー
・貴重品:現金、健康保険証のコピー、身分証明書
・衛生用品:マスク、除菌ジェル、タオル、歯ブラシ
・情報収集:携帯ラジオ、予備電池
・その他:軍手、ホイッスル、簡易雨具
非常用持出バッグは玄関や寝室など、すぐに取り出せる場所に置いておきましょう。また、乳幼児がいる家庭は粉ミルクや紙おむつを入れるなど、家族構成に合わせて中身を調整するのもポイントです。
④停電に備えて電源を確保する
大地震の後は長期間の停電が予想されます。停電対策におすすめなのは以下のアイテムです。
・ポータブル電源:コンセント付き!大容量モデルならエアコンや電子レンジなども使用可能
・ソーラーパネル:太陽光で繰り返し充電できる
・手回し・電池式充電器:緊急時の小型機器充電に便利
・LED懐中電灯:省電力で長持ち
・乾電池:各種機器用に備蓄しておく
とくにポータブル電源の上位機種には2,000W以上の出力を持つモデルもあり、自宅で使っている機器がほとんど動きます。スマホの充電から冷蔵庫、エアコン、電子レンジまで幅広く対応し、長期間の停電でも安心です。ポータブル電源で、停電中もいつもの生活ができる安心を手に入れましょう。
⑤安否確認の方法と避難経路を確認しておく
災害時は電話回線が混雑して通じにくくなります。家族との連絡方法や避難場所を事前に決めておきましょう。SNSやLINEなど複数の連絡手段を用意しておけば、もし各サービスに障害が発生しても連絡を取り合えます。
避難経路については、自宅から最寄りの避難所までの複数のルートをあらかじめ確認しましょう。日頃から家族で話し合い、災害時の行動計画を共有しておけば、いざという時の混乱を最小限に抑えられるはずです。
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5.Jackeryポータブル電源があれば地震で停電しても安心して過ごせる
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6.地震雲に関するよくある質問
地震雲に関するよくある質問と、その回答をまとめました。
●地震は予兆が見られてから何日後に起こる?
地震雲や地鳴りなど地震の予兆とされる現象が起きても、何日後に起きるかは特定できません。ほとんどの予兆は、科学的に検証されていないためです。
地震はいつ起きるか分からないので、生活必需品やポータブル電源などを備蓄しておきましょう。
●世界一恐ろしい雲の名前は?
一般的に「世界一恐ろしい雲」と呼ばれるのは、巨大な積乱雲の一種である「スーパーセル」です。竜巻や雹、激しい雷雨をもたらすことで知られています。積乱雲(スーパーセル)の特徴は以下のとおりです。
・形状:主にきのこ状の巨大な雲
・高さ:最大で地上から15km以上に達する
・危険性:強い上昇気流と下降気流が共存し、激しい雷雨・風を引き起こす
スーパーセルは恐ろしい気象現象をもたらしますが、これも地震とは無関係です。雲の形状から天気の変化を予測することはできても、地震を予測することはできません。
まとめ
「地震雲」と呼ばれる現象は、現在の科学では地震との因果関係が証明されていません。地震雲として話題になる雲の多くは、気象学的に説明できる通常の雲や大気現象です。
ほかにも地鳴りや動物の異常行動など、地震の前兆として観察された事例はありますが、いずれも科学的な裏付けは不十分となっています。
地震はいつ発生するか予測困難なため、日頃からの備えが大切です。家具の固定、生活必需品の備蓄、非常用電源の確保など、今すぐできる対策を進めましょう。
とくに停電対策には、Jackeryのポータブル電源が役立ちます。スマホ充電から冷暖房、調理家電まで幅広く対応。ソーラーパネルを組み合わせれば長期の停電でも安心です。もしかしたら、大地震が来るのは明日かもしれません。いざというときに備え、今すぐポータブル電源を備えておきましょう。