1.南海トラフ地震の津波シミュレーションまとめ|高さや範囲を知っておこう
南海トラフ地震の津波シミュレーションの一環として、下記4つの観点からそれぞれ予想される状況を解説します。
・発生予想日
・津波の想定範囲
・津波の高さ
・津波の到達時間
南海トラフ地震により、津波は「いつ・どこまで・どれくらいの速さ(大きさ)」で来る危険性があるか把握しましょう。
●発生予想日|今後30年以内に70〜80%の確率で発生
政府の地震調査研究推進本部によると、南海トラフ地震は今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると予想されています。巨大地震は約100〜150年周期で発生する傾向があり、最後は1944〜1946年に発生しています。
※最後の南海トラフ型地震:昭和東南海地震と昭和南海地震
参考:気象庁ページ
具体的な発生予想日こそ予測困難であるものの、いつ発生してもおかしくない状況であることは間違いないでしょう。
さらに内閣府の被害想定資料では、地震発生直後に沿岸部へ津波が数分以内に到達する地域が多数存在するとされています。
参考:防災情報ポータル
津波がいつ起きてもおかしくない状況下では、命を守るための対策が欠かせません。
●津波の範囲|関東から九州まで広範囲にわたる
南海トラフ地震における地域別の津波予想を下記表にまとめました。
エリア |
予想津波高 |
東京 |
10〜20m |
大阪 |
10〜20m |
愛知 |
最大20m超 |
神奈川 |
10〜20m |
千葉 |
10〜20m |
兵庫 |
10〜20m |
静岡 |
最大20m超 |
京都 |
10〜20m |
広島 |
10〜20m |
宮崎 |
10〜20m |
内閣府中央防災会議の被害想定(令和7年3月公表)では「関東から九州まで広範囲な太平洋沿岸で10mを超える大津波が予想される」と明記されています。
愛知県や静岡県の一部エリアでは、20m以上の津波が発生するリスクがあります。日本中どのエリアにいても、南海トラフ地震による津波から逃れるのは難しいと考えておきましょう。
●津波の高さ|最大で30m以上になる地域もある
南海トラフ地震による津波の高さは、最大30mを超えると予想されています。内閣府のシミュレーションでは、高知県黒潮町で最大約34m、静岡県南伊豆町や三重県志摩市で20〜30m超の津波が予測されています。
参考:内閣府 防災情報のページ
20以上の津波が発生した場合、木造住宅はもちろん鉄筋コンクリートの建物にまで深刻な被害が及ぶリスクが高いです。また湾奥や河口部では押し寄せた水が反射・増幅するため、より高い水位に達する危険性も否定できません。
関連人気記事:津波の高さはどうやって決まる?種類や測り方・過去の高さランキングを解説
●津波の到達時間|地震発生から10分以内に発生する可能性も
南海トラフ地震発生後、わずか10分以内に津波が到達するリスクもあります。特に震源域に近い下記のエリアでは、揺れが収まる前に津波が押し寄せる危険が高いです。
・静岡県
・和歌山県
・高知県など
大阪湾や岡山県倉敷市周辺など震源域から離れたエリアでも、湾奥部や河口付近では津波が増幅し、到達時間が短くなるケースがあります。また津波は第一波より第二波、第三波のほうが高くなる場合も多いため、避難後も安全が確認されるまで避難場所にとどまる必要があります。
参考:内閣府 防災情報のページ
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2.南海トラフ地震の最新津波予想情報はどこで見れる?

南海トラフ地震の最新津波予想情報は、下記のサイトでチェックできます。
南海トラフ地震による浸水域・震度分布等のデータは、内閣府ページの「G空間情報センター」にてダウンロード可能です。ユーザー登録後、市区町村ごとに下記のデータを確認できます。
・浸水域
・震度分布
・津波到達時間
・最大津波高など
地震や津波対策へ向けた計画や避難シミュレーションの際に活用しましょう。
3.南海トラフ地震の津波で危ない県ランキング|生き残る地域はどこ?
南海トラフ地震の津波で危ないエリアは、下記などがあります。
危険エリア |
理由 |
袋井市(静岡県) |
市域の86%以上が震度7の強震に見舞われる可能性が高く、浸水・地震両面での被害リスクが高いため |
葉山町(神奈川県) |
三浦半島の付け根に位置し、相模湾沿岸であることから津波による甚大な浸水が想定されるため |
姫路市(兵庫県) |
阪神・播磨地域の沿岸部に位置し、太平洋沿岸からの津波浸水域に該当するため |
豊橋市(愛知県) |
三河湾の最奥部であり、津波が湾奥に入り込みやすく浸水リスクが高いため |
参考:気象庁公式サイト
参考:朝日新聞「南海トラフ地震臨時情報の対象の1都2府26県707市町村はこちら」
参考:豊橋市防災ガイドブック
関連人気記事:南海トラフが起きても安全な県ランキング|前兆・備え・危険な県も徹底解説
対して、下記など津波が届かない内陸のエリアは、南海トラフの地震から比較的生き残りやすいとされています。
・長野県
・岐阜県
・群馬県
・栃木県
・山梨県
・滋賀県など
南海トラフ地震は広範囲に影響を及ぼす可能性があるため、どこに住んでいても基本的な防災対策を怠らないことが重要です。
4.南海トラフ地震や津波に備えて今からできる対策

今後いつ発生するかわからない南海トラフ地震や津波に備えるためには、下記の対策が必要です。
・避難のシミュレーションをしておく
・ハザードマップを事前に確認する
・津波の最新情報を把握する体制を整える
・防災バッグを準備する
・家族間で連絡手段を決めておく
自分や大切な人の命を守るためにも、事前に準備しておくべきものを知っておきましょう。
●避難のシミュレーションをしておく
大きな地震による津波は発生から到達までの時間が非常に短く、沿岸部では最短で数分以内に津波が押し寄せるリスクがあります。事前に避難ルートを確認し、実際に歩いてシミュレーションしておきましょう。
昼間や夜間、雨天時など条件を変えて複数のパターンで避難経路を確認すると、状況に応じて臨機応変な対応ができます。高齢者や小さな子ども、ペットがいる家庭では、避難にかかる時間も考慮してルートを決めるのが重要です。
●ハザードマップを事前に確認する
南海トラフ地震では30m以上の津波が想定されている地域も多いため、ハザードマップの事前確認が欠かせません。自治体が公開している「津波ハザードマップ」を事前に確認しておくと、津波がどの範囲まで到達する可能性があるかを把握できます。
津波の到達時間や避難所の場所がエリアごとに一目でわかるので、家族や職場での防災対策にも役立ちます。ハザードマップの確認には、国土交通省のハザードマップポータルサイトがおすすめです。
●津波の最新情報を把握する体制を整える
急に地震や津波が発生しても慌てないよう、最新情報をすぐに得られる体制を整えておきましょう。下記のアプリをスマホに準備しておくと、リアルタイムで津波警報を受け取れます。
災害発生時にいち早く情報を受け取れるよう、アプリの通知をオンにしておきましょう。スマホの充電切れやインターネット障害も想定しつつ、ラジオやポータブル電源を備えておくのもおすすめです。
●防災バッグを準備する
南海トラフ地震や津波に備えるためには、すぐに持ち出せる防災バッグの用意が欠かせません。防災バッグの中には、下記のアイテムを常備しておきましょう。
・飲料水・非常食(人数×3日分以上)
・懐中電灯
・ポータブル電源
・常備薬
・簡易トイレ
・身分証明書
・防雨グッズ
・防寒具
・現金など
また防災バッグは、玄関や寝室などすぐ手に取れる場所に置くのがポイントです。年に1回ペースで中身を点検し、賞味期限や使用期限が切れていないか確認する習慣をつけましょう。
●家族間で連絡手段を決めておく
大規模地震や津波の際は、通信障害や回線混雑により電話やネットが使えなくなるリスクがあります。家族や友人と事前に「災害時の連絡手段」を決めておくのが大切です。
LINEやSMSに加え、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板サービスの使い方を家族全員で共有しておきましょう。いずれも使えない場合も想定し「〇〇公園に集合」など避難場所をあらかじめ決めておくのもおすすめです。
関連人気記事:南海トラフ地震に備える|地震に必要な防災装備と知っておきたい対策や行動
5.南海トラフ地震対策に「Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」で家族の安心を

南海トラフ地震が発生した場合、長期間の停電が広範囲で予想されます。特に沿岸部では、津波被害により電力供給が途絶えるリスクが高いです。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源があれば、コンセントが使えなくても電子機器への充電ができます。コンパクトなモデルを選べば、防災グッズの中に入れて持ち運びやすいです。
また大容量モデルの場合、電気毛布やIHコンロも稼働可能です。停電時も温かいご飯作りや寝床の維持ができるため、災害時の生活で自身や家族を支えるアイテムとなるでしょう。
Jackery(ジャクリ)は、13年間のポータブル電源販売実績を誇るアメリカ発のブランドです。最大5年の無料保証や日本語サポートも充実しており、目的や予算に応じて最適なモデルを選べます。
今後いつ起きるかわからない南海トラフ地震や津波対策の一環として、防災バッグの中に一台用意しておくと安心です。
6.南海トラフ地震の津波に関してよくある質問
最後に、南海トラフ地震の津波に関してよくある質問へ回答します。
●津波の予兆はありますか?
津波には明確な「予兆」がないケースが多いです。しかし沿岸部では、地震後に下記などの津波発生を示す現象が起きる場合があります。
・潮が急激に引く
・海鳴りが聞こえる
・海面が盛り上がるなど
不自然な海の動きが発生した場合、大きな津波の前兆である可能性があります。命を守るためにも、迷わずすぐに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難しましょう。
●津波警報が出たらどう行動すべきですか?
津波警報や大津波警報が発表されたら、レベルにかかわらず即座に避難するのが鉄則です。南海トラフの津波は発生から10分以内に到達する恐れがあるため、荷物をまとめる時間はありません。
車での避難は渋滞や津波に巻き込まれる危険があるため、徒歩で避難してください。沿岸部や川沿いにいた場合、海抜10m以上の高台や避難ビルなど安全な場所を目指しましょう。
警報解除までは海岸や川辺に近づかず、安全な場所で最新情報を確認するのが重要です。
●南海トラフ地震は東日本大震災よりも大きな津波被害が予想される?
南海トラフ地震では、東日本大震災(最大約40.5m)を超える規模の津波被害が発生するリスクがあります。具体的な高さ予想はないものの、静岡県や愛知県の一部エリアでは最大20m超の津波が発生する可能性が高いです。
さらに南海トラフ地震では震源域が広範囲に及ぶため、関東から九州までの太平洋沿岸全域で津波被害が見込まれます。東日本大震災の教訓をもとに、防災バッグの準備やハザードマップの確認など事前に対策しましょう。
●過去日本で起きた津波は最大何m?
日本で観測された最大の津波高は約40.5mで、2011年の東日本大震災時に岩手県宮古市綾里湾で記録されました。次いで1896年の明治三陸地震で約38.2m、1933年の昭和三陸地震で約28.7mの津波が観測されています。
参考:内閣府 防災情報のページ
南海トラフ地震では、広範囲において過去の地震を上回る規模の津波が発生する可能性があります。過去のデータにとらわれすぎず「もっと大きな津波がいずれ来るかもしれない」といった意識を大切にしましょう。
まとめ
南海トラフ地震は、今後30年以内に70〜80%の確率で発生する可能性が高いです。想定津波高も日本各地のエリアで10mを超えており、一部エリアでは30mを上回る危険性もあります。
広範囲にわたる被害が予想される南海トラフ地震に備えるには「情報収集」と「必要な道具」の準備が欠かせません。災害情報をいち早くキャッチできる体制を整えつつ、避難に備えて防災バッグの中身を用意しておきましょう。
Jackeryでは、防災バッグで持ち運びしやすいモデルのポータブル電源を多数取り扱っています。停電や避難を想定した対策の一環として、自身や家族に最適なモデルを選びましょう。