過去最強の台風をランキングで紹介!日本や世界で一番被害が大きかった台風は?

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日本は台風の通り道で、毎年多くの台風が接近・上陸します。過去には甚大な被害をもたらした台風が数多くあり、台風被害から得た教訓は、現在の防災対策に活かされています。

今回は、日本で過去大きな被害をもたらした台風ランキングを紹介します。日本と世界で一やばい台風とその被害状況から学ぶ必要な台風防災対策も紹介します。歴史的な台風から必要な防災対策を学び、今すぐ実践して今後の台風被害を抑えましょう。

目次
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1.日本での過去最強の台風ランキング【被害・死者数比較一覧】


日本での過去最強の台風ランキング【被害・死者数比較一覧】

日本で過去に起きた台風被害を、死者数や家屋被害などデータに基づいて解説します。

①【死者数】日本で死者・行方不明者が多かった台風ランキング5

過去に日本では、以下の台風が深刻な人的被害をもたらしました。

順位

台風名(発生年)

死者

行方不明者数

主な被災地域

1位

伊勢湾台風(1959年)

4,697人

401人

愛知県・三重県

2位

枕崎台風(1945年)

2,473人

1,283人

九州から東北

3位

室戸台風(1934年)

2,702人

334人

関西地方中心

4位

カスリーン台風(1947年)

1,077人

853人

関東〜東北地方

5位

洞爺丸台風(1954年)

1,361人

400人

北海道

参考:国土交通省 気象庁「台風による災害の例」

過去の台風ランキングから分かるように、昭和時代の台風災害が特に深刻な人的被害をもたらしています。

過去の台風は、現在の防災対策の基礎となる「災害対策基本法」の制定など、日本の防災体制の整備に大きな影響を与えました。その結果、近年では防災技術や避難体制の向上により、台風による死者数は大幅に減少しています。

②【家屋倒壊】住家被害が大きかった台風ランキング5

台風による被害は、インフラ設備の停止や住宅の浸水被害などさまざまです。以下の表では家屋の倒壊など住宅被害が大きかった台風ランキングを紹介します。

順位

台風名

住家被害(損壊)

被災地域

1位

伊勢湾台風

833,965棟

全国(九州を除く)

2位

第2室戸台風

499,444棟

 

全国(特に近畿)

3位

ルース台風

221,118棟

全国(特に山口)

4位

洞爺丸台風

207,542棟

全国(特に北海道)

5位

台風第19号(1991年)

170,447棟

全国

参考:デジタル台風:台風被害リスト

巨大台風による家屋被害の特徴は、高潮や洪水による浸水被害も大きかった点が挙げられます。特に伊勢湾台風では、名古屋市南部の工業地帯が高潮によって壊滅的な被害を受けています。

現代の住宅は耐風性能が向上していますが、それでも台風に対する備えは必要です。窓や屋根の補強、浸水対策など、事前の準備が被害軽減につながります。

関連記事:台風対策で家の被害を最小限に!9つの対策や用意すべき防災グッズも紹介

2.日本一やばい台風は?過去最強の台風を紹介


日本一やばい台風は?過去最強の台風を紹介

日本史上で深刻な被害をもたらした台風について、具体的な被害状況と特徴を解説します。

①伊勢湾台風|明治以降最大の被害者数

伊勢湾台風は台風災害では明治以降で最多の、死者・行方不明者数5,098人という記録を残しました。特徴は、観測史上最大である3.55mの高潮が発生したことです。

伊勢湾台風の被害が大きかった理由は、以下のような要因が重なった影響があります。

● 満潮時刻と台風の最接近時刻が重なった

● 被災地域は、高潮に対して脆弱な地形だった

● 避難体制が整っていなかった

台風の中心気圧は929.5hPaで、上陸時の気圧としては4番目でしたが、伊勢湾の地形的特徴により高潮が異常に発達しました。防潮堤の決壊で海水が一気に市街地に流入し、多くの住民が避難する間もなく被災。高齢者や子どもの犠牲者が多く、避難体制の不備が浮き彫りになりました。

伊勢湾台風を契機として、1961年に災害対策基本法が制定され、現在の高潮対策や避難計画立案の基礎が築かれています。
参考:気象庁 名古屋地方気象台「過去事例を引用した警戒の呼びかけ 伊勢湾台風」

②室戸台風|観測史上最強・最大の台風

室戸台風は、上陸時の中心気圧911.6hPaという日本の台風観測史上最低記録を保持しています。この記録は現在でも破られておらず、日本に上陸した台風として最強の勢力を誇った台風です。

室戸台風の特徴は、圧倒的な風の強さです。最大瞬間風速は60m/sを超え、大阪湾では4mを超える高潮が発生しています。

台風の影響により多くの建物が倒壊した中で、とくに甚大だったのは学校への被害です。建築物の倒壊により多くの児童・教職員が犠牲になりました。木造建築の脆弱性が明らかになり、その後の建築基準法改正のきっかけとなっています。

また室戸台風の経験により、気象庁では警報発表システムが見直され、現在の気象注意報に相当する「気象特報」が新設。台風情報の提供体制も大幅に改善され、現在の防災気象情報の基礎が確立されました。
参考:気象庁 大阪管区気象台「災害をもたらした気象事例 昭和9年(1934年)室戸台風(9月21日)」

③【近年の巨大台風】台風15号(2019)・台風19号(2019)

2019年の台風15号(ファクサイ)と19号(ハギビス)は、近年の代表的な巨大台風です。

● 台風15号:9月に千葉市付近へ上陸。最大瞬間風速58.1m/sの強風で送電鉄塔が倒壊し、千葉県中心に約93万戸が停電。屋根の損壊も多く、復旧に長期間を要した。

● 台風19号:10月に伊豆半島へ上陸し、関東・東北で記録的な大雨を観測。千曲川や阿武隈川が氾濫し、90人以上の死者・行方不明者、住家被害は計12万戸を超えた。

参考:国立研究開発法人 防災科学技術研究所「令和元年房総半島台風(台風15号)」

参考:内閣府防災情報「2019 年(令和元年) 令和元年度台風第 19 号」

2つの台風から得られた教訓は、以下のような対策につながっています。

● 台風15号:電力インフラの脆弱性が露呈したため、長期停電への備えを強化

● 台風19号:ハザードマップの活用や迅速な避難の指針強化

近年の台風は気候変動の影響により強大化する傾向があり、これまでの想定を超える被害をもたらす可能性があります。過去の教訓を活かしつつ、新たな防災対策が必要です。

関連記事:台風の停電対策に備えるべきグッズ10選!停電事例や季節別の対策も紹介

3.世界一やばい台風は?過去の台風被害が大きかったランキング


世界規模で見ると、さらに甚大な被害の台風(ハリケーン、サイクロンを含む)が発生しています。過去に記録されている死者数が多い台風ランキングは、以下のとおりです。

順位

名称(発生年)

主な被害地域

推定死者数

主な特徴・背景

1

ボーラ・サイクロン(1970年)

バングラデシュ・インド

30万~50万人

史上最悪のサイクロン災害で、高潮が主な要因

2

コリンガ・サイクロン(1839年)

インド

約30万人

高潮と暴風で港町が壊滅状態となり、2万隻の船が破壊された

3

ハイフォン台風(1881年)

ベトナム・フィリピン

約30万人

ベトナム・ハイフォン港町で壊滅的な被害を受けた

4

カルカッタ・サイクロン(1737年)

インド

約30万人

カルカッタ南部が高潮と洪水で、都市が壊滅状態となった

5

ニーナ台風(1975年)

中国・河南省

約22万9千人

ダム決壊による大洪水が起こり、二次災害も広がった

上記の災害は、死者数を大きく押し上げた要因に以下のような共通点があります。

● 高潮
● 洪水
● インフラ未整備
● 人口密度の高さ
● 避難体制の不備

発展途上国では十分な防災インフラが整っておらず、一度の台風で数万人の命が失われているのが現状です。

関連記事:すぐできる窓ガラスの台風対策5選|強風に強い窓ガラスの種類と万が一窓ガラス割れた際の対応も

4.過去の台風から学ぶ|今日からできる4つの備え


過去の台風から学ぶ|今日からできる4つの備え

過去の台風災害から得られた教訓を活かし、私たちができる防災対策を解説します。

①ハザードマップで被害想定エリアを確認する

ハザードマップは台風による洪水や高潮、土砂災害などのリスクを示した地図で、多くの自治体がウェブサイトで公開しています。主なハザードマップの種類は以下のとおりです。

● 洪水ハザードマップ:河川氾濫時の浸水区域と浸水深

● 土砂災害ハザードマップ:急傾斜地崩壊・土石流の危険区域

● 高潮ハザードマップ:台風時の高潮による浸水想定区域

● 内水ハザードマップ:下水道処理能力超過時の浸水区域

洪水ハザードマップでは、河川の氾濫により浸水が想定される区域と浸水深が色分けで示されています。

引用:多摩川水系多摩川、浅川、大栗川洪水浸水想定区域図(想定最大規模)

過去の台風災害では、川沿いの低地や内水氾濫が発生しやすい地域で深刻な被害が発生しています。そのため、自宅や勤務先周辺の浸水リスクを事前に確認しておくことが大切です。

高潮ハザードマップは、室戸台風クラスの既往最大規模の台風が来襲した場合の高潮による浸水想定を示しています。
参考:東京都 港湾局「高潮浸水想定区域図」

引用:北区防災ポータル「高潮ハザードマップ」

高潮ハザードマップには、浸水の深さや浸水の継続時間などが記載されています。

ハザードマップをもとに、家族で「どこに」「どのタイミングで」「どのように」避難するかを事前に決めておくと、災害時の混乱を減らせます。

②防災グッズを準備しておく

台風による停電や断水、避難生活に備えるには、必要な防災グッズの準備が欠かせません。停電や断水が長期間続く場合があるため、最低3日分、できれば1週間分の生活必需品の備蓄が推奨されています。

参考:首相官邸ホームページ「災害の「備え」チェックリスト」

主な防災グッズは以下のとおりです。

● 食料品:缶詰、レトルト食品、インスタント食品(3日分以上)

● 飲料水:1人1日3リットル×家族人数×7日分

● 電気関連:懐中電灯、ラジオ、乾電池、モバイルバッテリー

● 医薬品:常備薬、救急セット、体温計

● 生活用品:タオル、着替え、トイレットペーパー

● 情報収集:手回し充電ラジオ

小さいお子さんや高齢者がいる家庭は、家族構成に合わせて準備しましょう。また、停電に備えてポータブル電源などの蓄電池を準備しておくと安心です。

防災グッズは用意して終わりではなく、定期的に点検をして、いざという時に活用できるように準備しましょう。

関連記事:台風の備えを万全にするための買い物リスト21選|防災グッズも紹介

③住宅の強化・点検をしておく

台風による住宅被害を最小限に抑えるには、日頃からの住宅の点検と補強が必要です。過去の台風災害では、屋根材の飛散や窓ガラスの破損による被害が多く報告されています。

住宅点検のチェックポイントは、以下のとおりです。

● 屋根:瓦のずれ・ひび割れ、雨樋の詰まり・損傷

● 外壁:ひび割れ、コーキングの劣化、外壁材の浮き

● 窓・扉:窓ガラスの状態、雨戸・シャッターの動作確認

● 外構:フェンス・門扉の固定状況、植木の剪定

● 排水:側溝・雨水マスの清掃、排水管の確認

屋根材の飛散は近隣への被害にもつながるため、専門業者による点検と必要に応じて補修が必要です。

過去の台風では飛来物による窓ガラスの破損から室内への雨水侵入や負傷事故が多発しているため、窓ガラスの飛散防止対策も大切です。日頃から点検や準備をしておけば住宅被害を減らしつつ、家屋の損壊による怪我や近隣への二次被害も防げます。

関連記事:台風の強い家に必要な要素とは?特徴や求められる機能性について解説

④台風接近時は安全な室内で待機をする

台風接近時の外出は危険で、過去の台風災害における死者や負傷者の多くは、外出中や屋外作業中の事故によるものです。台風接近時は早めに帰宅し、安全な場所で待機します。

室内でも窓から離れた場所で過ごし、停電に備えて懐中電灯やラジオをすぐに使える場所に準備しましょう。

避難が必要な地域では、自治体の避難指示等に従って早めの避難が大切です。過去の災害では避難の遅れが被害拡大の要因となったケースも多くあります。ただし、外が危ない状況の場合は、無理に避難所に向かうことも危険です。そのような場合は、自宅の2階以上など、より安全な場所への「垂直避難」を検討する必要があります。

関連記事:台風の日の過ごし方9選!絶対引きこもる日を有意義に使おう

5.台風の停電時におすすめの非常用電源「Jackeryポータブル電源」


Jackeryのポータブル電源で台風による停電に備える

台風の時は自宅が停電したり避難所生活となったりする場合もあり、電源の確保は生活の維持に必要な防災対策です。

停電時に電源を確保する際は、大容量で様々な家電にAC電源(コンセント)を供給できるポータブル電源がおすすめです。台風による停電でポータブル電源は以下のような場面で活躍します。

● スマホやテレビに給電して情報収集ができる

● 電気ケトルでお湯を沸かして食事を用意できる

● 電気毛布や扇風機を動かして寒暖対策ができる

●冷蔵庫を稼働して、食材を守ってくれる など。

Jackery Solar Generator シリーズはソーラーパネルがセットになっており、繰り返し充電可能なため、台風による停電が長期化しても安心です。また、Jackeryは累計販売台数500万台を超えるポータブル電源メーカーで、その他にも以下のような特徴があります。

● ソーラーパネルは、業界トップクラスの変換効率で効率よく発電できる

● 静音設計のため周囲への騒音を気にせず使える

●業界トップクラスの軽量とコンパクトでどこへも持ち運びやすい

停電時に電源を確保して安心して過ごせるよう、Jackeryのポータブル電源を準備しましょう。

台風の停電におすすめの非常用ポータブル電源一覧


6.過去の台風に関するよくある質問


過去の巨大台風に関するよくある質問について解説します。これまでに発生した台風による影響を知って、防災対策に役立てましょう。

①日本で一番強かった過去最強の台風は?

日本で観測史上最強とされる台風は、1934年に上陸した室戸台風です。

室戸台風は、高知県室戸岬付近に上陸した際、中心気圧が911.6hPaという当時の日本の観測記録の最低値を記録しています。また、室戸岬測候所では最大瞬間風速60m/s以上(測定器が壊れたため正確な値は不明)という猛烈な風が観測されました。

台風の強さは一つの指標では測れず、被害の大きさと一致しないこともあります。しかし、気象学的な観点からは、室戸台風が日本の観測史上最強の台風と認識されています。

②台風の被害が多い都道府県のランキングは?

1951年~2024年の期間における、台風の上陸数が多い都道府県ランキングは以下のとおりです。

● 1位:鹿児島県(44回)

●  2位:高知県(26回)

●  3位:和歌山県(25回)

●  4位:静岡県(22回)

●  5位:長崎県(18回)

参考:都道府県データランキング「台風上陸回数」

台風の上陸回数が最も多い県は鹿児島県で、勢力の強い台風が直撃しやすい位置にあり、被害を受ける回数が多くなりやすいです。

近年では北海道や東北地方といった、これまであまり台風の影響を受けなかった地域の被害も増加しています。気候変動による台風の進路変化が影響していると指摘されています。

関連記事:日本で一番災害が少ない県ランキング|防災対策が命を救う

③世界一やばい台風の名前は?

世界規模で見た場合、死者数の観点では1970年にバングラデシュを襲ったボーラサイクロンが最も深刻な被害の台風です。推定30万人から50万人の犠牲者を出したとされています。低地が多く人口密度の高いベンガル湾沿岸地域に高潮が襲来し、史上最悪の被害者数を出したサイクロンです。

近年の台風では、2013年にフィリピンを襲った台風30号(ハイエン)が、最大風速87.5m/sという観測史上最強クラスの勢力を記録し、6,000人以上の犠牲者を出しました。この台風は、地球上で観測された中では最も強いとされています。

④日本の三大台風とは?

日本の三大台風とは、昭和時代に発生した被害の大きかった3つの台風「室戸台風(1934年)」「枕崎台風(1945年)」「伊勢湾台風(1959年)」です。

● 室戸台風:上陸時の中心気圧911.6hPaは現在でも日本記録となっている。関西地方を中心に強風による建物被害が多発した。

● 枕崎台風:終戦直後という社会情勢の中で発生し、防災体制の不備により大きな人的被害をもたらした。

● 伊勢湾台風:三大台風の中でも最も被害が大きく、明治以降最悪の台風災害として現在でも防災対策の基準となっている。

三大台風の教訓は、気象観測技術の向上、建築基準法の強化、防災情報提供システムの構築など、さまざまな分野で活かされています。

7.まとめ


日本ではこれまで多くの台風により甚大な被害を受けてきました。近年でも2019年の台風15号・19号など、気候変動の影響もあり従来の想定を超える台風も発生しています。

台風に備えるには、ハザードマップの確認や防災グッズの準備、住宅の強化・点検など日頃の対策が必要です。台風の影響により停電する可能性もあり、ポータブル電源を準備して電源を確保しておけば、被災時も安心して過ごせます。台風のような天災はいつ来るかわからないため、各自でできる対策をして、いざという時に備えましょう。

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