1.長崎のお盆は他県と違う!?お盆行事と過ごし方

長崎のお盆は、他県とは一線を画す独特の行事がなされています。精霊棚の飾り方やお墓での花火など、初めて訪れる人にはどれも驚きと発見の連続に違いありません。 以下では、長崎ならではのお盆行事と過ごし方について紹介します。
●精霊棚の準備
精霊棚は、お盆に故人の霊を迎えるために設ける祭壇です。長崎では、旧暦にあたる8月13日を目安に準備を始めます。野菜や果物、精霊馬と呼ばれるキュウリの馬やナスの牛などを精霊棚に供えます。
もともとは仏壇とは別に床の間などに飾るのが一般的でした。現在では、仏壇を兼用する家庭も増加傾向です。
さらに、地域によっては色とりどりの装飾が施され、手作りの温かみが感じられます。また、長崎特有の供物として、砂糖細工の「口砂香(こうさこ)」や「むかえだご」とよばれるお団子を供える家庭も見られます。
参考:ナガジン「歩くコツ」
※口砂香:精霊棚に供えるお盆用のお供えもの。カラフルで丸い形状のものが多く、餅や団子のような見た目になっている。
●お墓参り
長崎のお盆で欠かせないのが、お墓参りです。夜にお墓参りへ行くのが長崎ならではの特徴。夕方以降に提灯や線香、花火を持って墓地に集まり、親族でにぎやかに過ごします。
また長崎では、お盆の期間中親族や地域の人々が墓前に集まり、にぎやかに先祖を迎える光景が広がるのも特徴的です。墓前でお茶や団子を供え、線香を焚いて手合わせした後、家族で語らう時間も大切にされています。 親族が集まり故人の思い出を語るのも、お盆ならではの光景です。
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●お墓で花火や爆竹
長崎のお墓参りでは、爆竹や花火が欠かせません。とくに爆竹は魔除けの意味合いがあり、精霊船が通る道を清めるための役割があるといわれています。 夕方以降にパチパチと賑やかな音が町に響き渡る光景は、長崎のお盆を象徴する風習です。
ただし注意点として、墓地での火の使用には地域ルールがあります。花火は打ち上げ式でなく手持ちタイプが基本で、後片付けや近隣への配慮が求められます。
●精霊流し
長崎のお盆行事「精霊流し」は、毎年8月15日に行われる長崎の伝統的な行事です。故人の霊を弔うために手作りの精霊船を曳きながら街中を練り歩き、極楽浄土へ送り出します。
精霊船は、竹や板などを材料にして作られ、家紋や家名などが大きく記され、故人の趣味や趣向を盛り込んで装飾されます。
当日は夕暮れ時になると、「チャンコンチャンコン」という鐘の音と「ドーイドーイ」の掛け声とともに、爆竹の音が鳴り響くのがよく聞こえてくるでしょう。行列は、夜遅くまで続きます。
●その他の長崎特有のしきたりや他県との違い
長崎のお盆には、初盆(はつぼん)の家庭が精霊船を出す習慣があります。初盆とは、故人が亡くなって初めて迎えるお盆のことで、より丁寧で豪華な準備がなされる傾向です。
また、全国的には家庭の門口で迎え火・送り火を行う地域が多い中、長崎では爆竹と精霊流しによって町全体が霊を迎えて送り出す空間となるのが特徴です。
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2.長崎のお盆の風習「精霊流し」を徹底解説|おすすめの観覧スポットやマナーなど

長崎のお盆行事の中でもやはり外せないのが、精霊流しです。爆竹の音が響き渡る中、色鮮やかな精霊船が街を練り歩く光景はまさに圧巻の一言です。
以下では、長崎のお盆の風習である精霊流しについて徹底解説します。
●精霊流しとは?歴史と意味
精霊流しとは、盆前に亡くなった人の遺族が故人の霊を弔うために行われる伝統行事です。諸説ありますが起源は江戸時代にさかのぼるとされ、仏教の精霊送りの風習が長崎独自の形に発展したものといわれています。
参考: 長崎市公式観光サイト「第4章 シーボルトの長崎歳時記<8月>
全国的に見ると、灯籠流しのように水に流すスタイルが主流ですが、長崎では爆竹や掛け声を伴う陸上での「流し」が特徴的です。騒がしくにぎやかな送り方には、「寂しくないように」「成仏を願う気持ちを強く表す」といった意味が込められています。
参考:NCC長崎文化放送『思い込めて作った船で「精霊流し」故人の御霊を西方浄土へ』
●【2025年最新】精霊流しはいつから?開催日・見どころ・ルート
長崎2025年の精霊流しは、例年通り旧盆にあたる8月15日(金)に実施予定です。長崎市内では夕方から本格的に始まり、夜21時ごろまでにかけて精霊船が各地を練り歩きます。
出発地点は船ごとに異なりますが、最終的には市内の海岸線や河川沿いで終点を迎えるケースが多くなっています。
見どころは、各家庭や団体が工夫を凝らして装飾した精霊船のデザインと、鳴り響く爆竹の音とともに歩く参加者の掛け声です。「ドーイドーイ」と呼ばれる掛け声は精霊の通り道を清める意味があるとされています。
※詳細なルートは、例年どおりだと長崎市公式サイトや新聞等で告知されます。
●おすすめ観覧スポットと混雑回避法
多くの精霊船と人で賑わい、初めて精霊流しを見に行く方にもおすすめの観覧場所は以下のとおりです。
・春雨通り
・中央橋
・県庁坂
・浜の町アーケード
・大波止
精霊流しには例年多くの観覧者が訪れるため、主要ルート周辺は非常に混雑します。また、当日は市内中心部で交通規制が実施されます。できるだけ公共交通機関を利用するとよいでしょう。とくに、長崎市内を走る路面電車が、観覧スポットへのアクセスに便利です。
●服装と持ち物の基本マナー
精霊流しを観覧する際は、動きやすい服装と歩きやすい靴を選びましょう。道が混み合うため、サンダルやヒールは避けるのが無難です。
また、爆竹の煙や音が激しいエリアでは、マスクや耳栓を持参するとよいでしょう。
浴衣などの和装で訪れる人も多く、夏祭りのような雰囲気が漂いますが、行事そのものは故人を送る宗教的要素もあります。派手な服装や騒ぎすぎる行動は避けてください。
関連記事:お盆に海はだめ?入ってはいけない理由・期間・注意点と川遊びで気をつけたいことも紹介
3.2025年の長崎市周辺お盆イベント情報
お盆の時期近く、長崎市周辺では「精霊流し」以外でも観光客が楽しめるイベントが各地で開催されます。以下では、2025年の長崎市周辺のお盆イベント情報を紹介します。
①長崎のお盆に精霊流し以外の注目イベントまとめ
精霊流し以外にも魅力的なイベントが多数開催されます。長崎では、お盆の時期とは被らないものもありますが、以下のようなイベントが開催されます。
イベント名 |
日にち |
特徴 |
おおむら夏越まつり |
8月2日〜3日 |
大村市民に長年愛される伝統的な祭り |
長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典 |
8月9日 |
核兵器廃絶と恒久平和の実現を訴える平和祈念式典 |
たいまつ行列 |
8月9日 |
カトリック信者などがたいまつを持って歩く行列 |
中島川夏風情~長崎夜市 |
未定 ※2024年は8月3日~4日・8月24日~25日に開催 |
眼鏡橋周辺で開催されるレトロな夜市 |
江迎千(えむかえせん)灯籠まつり |
8月23日〜24日 |
約500年の歴史を持つ伝統行事 |
いずれも長崎ならではの風情が感じられるお盆のイベントです。日程が合えば、ぜひ足を運んでみてください。
②長崎で花火大会・提灯飾りなど夜のおすすめお盆のイベント
お盆の夜の長崎は提灯や花火で彩られ、幻想的な雰囲気に包まれます。お盆の時期とは被らないものもありますが、以下のようなイベントが開催されます。
イベント名 |
日にち |
特徴 |
ハウステンボス サマーナイト花火 |
7月19日~9月14日の土日祝、8月11日~15日 |
ハウステンボス人気イベントで、リゾート気分が味わえる |
ながさきみなとまつり |
未定 ※例年7月下旬開催 |
長崎港を舞台にした夏祭り |
壱岐の島夜空の祭典 |
8月13日 |
勝本港湾海上から打ち上げられ、臨場感が楽しめる |
鹿町ふるさと夏まつり |
8月13日 |
水中花火の美しさが評判の佐世保市の花火大会 |
長与川まつり |
8月18日 |
長与川のふもとで開催されるステージイベント・花火 |
万灯流し |
8月9日 |
原爆死没者を追悼慰霊 |
諫早万灯川まつり |
7月25日 |
諫早大水害の犠牲者の冥福を祈り毎年開催 |
日中とは違う表情を見せる長崎の夜を、イベントを通じて心ゆくまで楽しんでみてください。
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③家族連れ・カップルで楽しめる観光スポット
長崎市周辺には、お盆期間中も家族連れやカップルで楽しめるスポットも多数あります。
観光スポット名 |
特徴 |
グラバー園 |
異国情緒あふれる洋館と美しい庭園があり、写真映えするスポットとして人気 |
稲佐山展望台 |
長崎市街と港を一望できる「世界新三大夜景」の一つ |
長崎原爆資料館 |
被爆から現在までの長崎の復興の様子が展示されている |
平和公園 |
原爆犠牲者の冥福と世界恒久平和への願いを込めてつくられた空間 |
長崎新地中華街 |
グルメを楽しめる日本三大中華街のひとつ |
長崎出島ワーフ |
長崎港沿いに位置し、海風を感じながら食事やカフェを楽しめる |
ポケモン化石博物館 |
6月7日~9月21日の期間に開催される全国巡回展 |
端島(軍艦島) |
世界文化遺産に登録されていて、岩礁の周りを埋め立てて造られた人工島 |
樺島灯台公園 |
野鳥の観察ができる公園で、展望台からは天草灘や五島灘が眺められる |
ベネックス恐竜博物館 |
ティラノサウルスの全身骨格レプリカなどが展示されている恐竜専門の博物館 |
長崎ならではの魅力を楽しみながら、思い出に残るお盆のひとときを過ごしてみてください。
4.【2025年版】長崎お盆の交通・天気・服装ガイド
長崎のお盆旅行をより快適に楽しむには、事前の情報収集が欠かせません。とくに交通状況や天気、適切な服装を知っておくことで、現地でのトラブルや不安を軽減できます。以下では、2025年のお盆時期に長崎を訪れる方へ向けて、知っておきたい基本情報を解説します。
●お盆期間中の長崎交通事情|交通規制はある?
8月15日は精霊流しに伴い、長崎市中心部では広範囲な交通規制が実施される予定です。とくに夕方から夜にかけて、国道や幹線道路への車両進入制限、路面電車やバスの迂回・減便が発生します。
事前に長崎市公式サイトや交通機関の最新情報を確認し、できるだけ公共交通機関を利用するのがおすすめです。
●お盆時期の長崎の天気
例年、長崎のお盆期間(8月13〜15日頃)は最高気温30℃以上の真夏日が多く、湿度も非常に高くなります。局地的なにわか雨や雷雨も発生しやすく、観光中の熱中症や突然の雨に注意が必要です。
天気予報をこまめに確認し、日中の外出は暑さ・紫外線対策を徹底しましょう。
●お盆の長崎での服装選び
湿度も高く最高気温30℃以上の真夏日になることが多い8月の長崎では、観光には涼しく動きやすい服装が基本です。通気性の良いリネンや綿素材のTシャツ、ワンピースなどがおすすめです。
昼間は強い日差しに備えて、以下のような暑さ対策グッズを用意しましょう。
・帽子やサングラス:直射日光を避けるため必須
・日傘やUVカットカーディガン:熱中症と紫外線対策に効果的
・吸水速乾性のあるインナーやタオル:汗をかいても快適さを保てる
また、夜間のイベント観覧やお墓参りでは、虫刺されや気温差に備えた準備も大切です。
・薄手の長袖や羽織もの:夜風で冷える時間帯や屋外イベントで重宝する
・虫よけスプレーや携帯型ファン:人混みや屋外での快適さを保つために便利
日中から夜まで動き回ることを考慮して、快適かつ機能的な服装でお盆の長崎を楽しみましょう。
5.お盆の長崎滞在を「Jackeryポータブル電源」で快適に!

お盆の長崎旅行では、イベント観覧やお墓参りなどで外出が多くなりがちです。そんなときに頼りになるのが、持ち運べるコンセント「Jackeryのポータブル電源」です。
モバイルバッテリーの上位互換ともいえる存在で、スマートフォンはもちろん、扇風機や照明などの小型家電にも対応しています。好きな場所に電源を持ち運べるため、車中泊や観光先でも快適に過ごせます。
また、Jackeryポータブル電源は「防災製品等推奨品マーク」を取得しており、非常時の備えにも最適です。別売のソーラーパネルと組み合わせることで、太陽光での充電も可能になり、節電にも役立ちます。
そして、軽量・コンパクトな設計のモデルが多く、女性や年配の方でも安心して使用できます。お盆の長崎滞在をより快適にするアイテムとして、Jackeryポータブル電源を活用してみるのはいかがでしょうか。
▶アウトドアや災害で活躍するJackeryポータブル電源一覧
6.まとめ
長崎のお盆は、精霊流しを代表として他県では見られない独自の風習にあふれています。旅行者として訪れる際は、行事の意味やマナーを知っておくことでさらに長崎旅行を楽しめるでしょう。
また、夏の観光や快適な滞在には、Jackeryのポータブル電源のような便利なアイテムも心強い味方となります。長崎ならではの伝統行事を味わいながら、快適に過ごせる準備を整えることで、お盆の旅はより充実したものになるはずです。本記事を参考にして、2025年の長崎旅行をぜひ楽しんでください。
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