発電機とモーターの違いは?仕組み・原理から自作方法までわかりやすく解説

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「発電機とモーターって何が違うの?」「モーターを回したら発電できるって本当?」と疑問に思っていませんか。実は発電機とモーターは構造がほとんど同じで、エネルギーの流れる向きが逆になっているだけです。原理を理解すれば、モーターを使って簡単な発電機を自作することもできます。

この記事では、発電機とモーターの仕組みや違いを中学理科レベルからわかりやすく解説。モーターを使った発電機の自作方法まで紹介します。

目次
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発電機とモーターの仕組み|電磁誘導の原理からわかりやすく解説

発電機とモーターの仕組みを理解するには、まず「電磁誘導」という現象を知る必要があります。電磁誘導は中学校の理科で習う内容ですが、発電機やモーターの動作原理そのものです。ここでは電磁誘導の基本から、モーターと発電機それぞれの仕組みを解説します。

●電磁誘導とは|磁石とコイルで電気が生まれる仕組み

電磁誘導とは、磁石の近くでコイル(導線を巻いたもの)を動かすと電気が発生する現象です。1831年にイギリスの科学者マイケル・ファラデーが発見したことから「ファラデーの電磁誘導の法則」とも呼ばれています。

身近な例で説明すると、棒磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると、コイルに電流が流れます。磁石を動かさずにコイルの方を動かしても同じ現象が起きるでしょう。つまり、磁石とコイルの「相対的な動き」があれば電気が生まれるのです。

このとき発生する電流を「誘導電流」、電圧を「誘導起電力」と呼びます。誘導起電力の大きさは、以下の要素に比例します。

  • 磁石の強さ:強いほど電力も大きい

  • コイルの巻き数:多いほど電力も大きい

  • 動かす速さ:早いほど電力も大きい

この電磁誘導の原理こそが、発電機の基本的な仕組みです。

●モーターの仕組み|電気を流すとコイルが回転する

モーター(電動機)は、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する装置です。

モーターの内部には磁石とコイルがあり、コイル側に電流を流すと磁力が発生します。この磁力と周囲の磁石の磁力が反発・吸引し合うと、コイルは回転をスタート。コイルが半回転するごとに電流の向きを切り替える「整流子」という部品があり、これによって連続的な回転が可能になります。

扇風機、洗濯機、電気自動車など、私たちの身の回りにある「動くもの」のほとんどにモーターが使われています。

●発電機の仕組み|コイルを回すと電気が発生する

発電機は、運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。モーターとは逆に、コイルを回転させることで電気を生み出します。

発電機の内部構造はモーターとほぼ同じで、磁石の中にコイルが配置されています。外部から力を加えてコイルを回転させると、電磁誘導によってコイルに電流が流れます。火力発電所や水力発電所では、蒸気や水の力でタービンを回し、その回転力で発電機のコイルを回して電気を作っています。

手回し発電機や自転車のダイナモライトも、この原理を利用した小型の発電機です。

発電機とモーターの違い|構造は同じでもエネルギーの向きが逆

ここまで解説したとおり、発電機とモーターは構造がほとんど同じです。では、実際には何が違うのでしょうか。違いを詳しく見ていきましょう。

●モーターは電気を運動に変換、発電機は運動を電気に変換

発電機とモーターの最大の違いは、エネルギー変換の方向です。

装置

入力

出力

変換の方向

モーター

電気エネルギー

運動エネルギー

電気→運動

発電機

運動エネルギー

電気エネルギー

運動→電気

モーターは電気を流すとコイルが回転し、発電機はコイルを回すと電気が流れます。つまり、同じ装置でも「電気を入れるか」「回転を入れるか」でモーターにも発電機にもなるのです。

この関係は「可逆性」と呼ばれます。理論上はすべてのモーターが発電機として使え、すべての発電機がモーターとして使用可能です。

●発電用モーターと普通のモーターの違い

理論上はどんなモーターでも発電できますが、実際には「発電用に設計されたモーター」と「駆動用の普通のモーター」では性能に差があります。

  • 発電用モーター:低回転でも効率よく発電できるよう、コイルの巻き数や磁石の配置が最適化されている

  • 普通のモーター:回転効率を優先した設計で、発電には高速回転が必要な場合が多い

100均などで売っている安価なモーターでも発電はできますが、発電効率は低めです。消費電力が非常に小さい小型のLEDを光らせる程度なら問題ありませんが、実用的な電力を得たいなら発電用に設計されたモーターを選ぶとよいでしょう。

●手回し発電機とモーターの違い

防災グッズとしてよく見かける「手回し発電機」は、人間の力でコイルを回して発電する装置です。内部の構造はモーターとほぼ同じですが、以下のような違いがあります。

  • 手回し発電機:ギア(歯車)で回転数を増幅し、少ない力で効率よく発電できる設計

  • モーター:ギアなしで直接コイルを回す構造が一般的

手回し発電機は、ハンドルを1回転させると内部のコイルが数十回転するようにギアが設計されています。この設計のおかげで、人間の力でも実用的な電力を生み出せるのです。

なお、手回し発電機の逆入力端子に電気を流せばモーターとして回転しますが、ギアの抵抗が大きいため効率は良くありません。

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モーターを使った発電機の自作方法

モーターと発電機の原理を理解したら、実際に自作してみましょう。100均で手に入る材料だけで、LEDを点灯させる簡単な発電機が作れます。夏休みの自由研究にもおすすめです。

●用意するもの|100均のモーター・LED・導線など

モーター発電機を自作するために必要な材料は以下のとおりです。

  • 小型DCモーター:100均のおもちゃコーナーや電子部品店で入手できる

  • LED:赤色LEDが最も低い電圧で点灯する

  • 導線(リード線):モーターとLEDをつなぐ

  • プロペラまたはプーリー:モーターの軸に取り付けて回しやすくする

すべて100均やホームセンターで揃えられます。合計で300〜500円程度あれば十分です。

●発電用モーターはどこで売ってる?入手方法まとめ

発電用モーターを入手できる場所は意外と多くあります。

  • 100均(ダイソー、セリアなど):おもちゃコーナーにミニ四駆用モーターなどがある

  • ホームセンター:電子工作コーナーに各種モーターが揃っている

  • 電子部品の専門店:発電効率の高い専用モーターも入手できる

  • ネット通販(Amazon、楽天など):「発電用モーター」で検索すると多数ヒットする

手軽に試すなら100均のモーターで十分です。より本格的な発電実験をしたいなら、電子部品の専門店やネット通販で「発電用」と明記されたモーターを選びましょう。

●作り方の手順|モーターを回してLEDを点灯させる

では実際にモーター発電機を作ってみましょう。

まず、モーターの端子2本にそれぞれ導線をつなぎます。はんだ付けするか、ワニ口クリップで挟むと安定します。次に、導線のもう一方の端をLEDの足(リード)につなぎなおしてください。LEDには極性(プラスとマイナス)があるので、点灯しない場合は逆につなぎ直しましょう。

最後に、モーターの軸にプロペラを取り付け、手で勢いよく回します。うまくいけば、LEDがチカチカと点灯するはずです。回転が速いほど明るく光り、遅いと光りません。回転数が上がるほど発生する電圧が高くなるためです。

点灯しない場合は、モーターをより速く回すか、必要な電圧が低い赤色LEDに変えてみてください。

手軽に自宅で発電したいならJackeryソーラー発電機

モーター発電機の自作は楽しい実験ですが、実用的な電力を得るのは難しいです。スマホの充電や家電を動かすには、もっと大きな発電設備が必要になります。

手軽に「発電」を体験しながら実用的な電力も得たいなら、持ち運び式のソーラーパネルと、持ち運べるコンセント付き蓄電池「ポータブル電源」のセット「Jackery Solar Generator」がおすすめです。

  • 太陽光で発電:晴れた日にソーラーパネルを広げるだけで電気が作れる

  • 燃料不要:発電にガソリンや手回しの労力がいらない

  • 実用的な電力を発電可能:スマホ充電から家電まで幅広く対応する

  • 持ち運び可能:キャンプや災害時にも活躍する

モーター発電機では「LEDを光らせる」のが限界ですが、Jackery Solar Generatorなら太陽の力で実際に普段の生活で使える電気を作れます。もちろん、ソーラーパネルで生み出した分の電気代はタダ。「プチ節電」が手軽に実現可能です。

発電の原理を学んだ後は、ソーラー発電で「電気を自給自足する」体験をしてみてはいかがでしょうか。

 


発電機とモーターに関するよくある質問

発電機とモーターに関するよくある質問と、その回答をまとめました。

●モーターと発電機の違いを中学生にもわかるように説明すると?

モーターと発電機は「兄弟」のような関係です。どちらも磁石とコイルでできていて、構造はほとんど同じ。違いは「電気を入れるか」「回転を入れるか」だけです。モーターは電気を食べて回転を出し、発電機は回転を食べて電気を出します。同じ装置でも、使い方を変えればモーターにも発電機にもなります。

●モーターを逆回転させても発電できる?

モーターを時計回りに回しても反時計回りに回しても電気は発生します。ただし、回転方向によって発生する電流の向き(極性)が逆になります。LEDのように極性がある部品をつなぐ場合は、点灯しなければ接続を逆にしてみてください。

なお、発電量は回転方向ではなく回転速度に比例するため、どちらの方向でも同じ速さで回せば同じ量の電力が得られます。

●モーターで発電してモーターを回すことはできる?

理論上は可能ですが、実用的ではありません。エネルギー変換には必ずロス(損失)が発生するため、モーターAで発電した電気でモーターBを回すと、元の回転力より小さな出力しか得られません。繰り返すとどんどんエネルギーが減っていき、最終的には止まってしまいます。

永久機関はエネルギー保存の法則上、実現できません。「無限に回り続ける装置」をうたう動画や商品は、残念ながらすべてフェイクか詐欺と考えましょう。

●モーター機能付発電機(ISG)とはなんですか?

ISG(Integrated Starter Generator)は、自動車に搭載される「モーターと発電機を一体化した装置」です。エンジン始動時はモーターとして働き、走行中は発電機としてバッテリーを充電します。マイルドハイブリッド車では、減速時に「回生ブレーキ」としてエネルギーを回収する役割も担います。

参考:スズキ

●洗濯機のモーターで発電できる?

発電できます。洗濯機に使われているモーターは比較的大型で、手回しや水力などで軸を回せば電気を発生させられます。出力は数十W〜数百W程度が期待でき、LED照明やスマホの充電には十分な電力です。ただし、感電の危険があるため、電気工事の専門知識がない方にはおすすめしません。

●発電機のモータリング現象って何?対処法は?

モータリング現象とは、発電機が発電せずにモーターとして動いてしまう現象です。通常、発電機は外部からの回転力で電気を作りますが、何らかの原因で外部から電気が流れ込むと逆にモーターとして回転してしまいます。

主な原因は、エンジンの出力低下や並列運転時の負荷バランスの崩れです。対処法は逆電力継電器(RPR)の設置が一般的で、電力の逆流を検知すると自動的に回路を遮断します。

参考:デンヨー「エンジン発電機の特徴」

なお、工場や病院などの非常用発電機では、継電器の設置と定期的な点検が義務付けられています。

まとめ

発電機とモーターは構造がほとんど同じで、エネルギーの流れる方向が逆なだけです。モーターは電気を運動に変え、発電機は運動を電気に変えます。この「可逆性」により、モーターを回せば発電機として使うことも可能です。

また、100均のモーターとLEDがあれば、簡単な発電の実験もできます。夏休みの自由研究や、電磁誘導の原理を体験する教材としておすすめです。

一方で、実際の生活で使えるレベルの電気を発電したい方には、ソーラーパネルとポータブル電源のセット「Jackery Solar Generator」をおすすめします。太陽光で手軽に発電でき、スマホ充電から冷暖房、調理家電まで幅広く使用可能。停電対策や、キャンプ・車中泊への持ち出しにピッタリです。

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