起動電力とは?ポータブル電源で家電を動かす前に知っておくべき基礎知識

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ポータブル電源で家電を動かすには、消費電力だけでなく「起動電力」にも注意が必要です。出力が十分にあるポータブル電源を選んだつもりでも、起動電力をカバーできないと電源が落ちてしまうことがあります。

 

本記事では、ポータブル電源で家電を動かす前に知っておくべき起動電力の基礎知識を解説します。ポータブル電源選びの参考にしてみてください。

目次
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1.起動電力とは?調べ方と消費電力の違いをわかりやすく解説

ポータブル電源を選ぶときに大事なのは、起動電力を正しく理解することです。ここでは起動電力の定義と一般的な調べ方や、消費電力の違いをわかりやすく解説します。

起動電力とは、家電が電源を入れて動き始める瞬間に必要となる電力

起動電力とは、家電が電源を入れて動き始める瞬間に必要となる電力です。 

たとえばエアコンや冷蔵庫、電子レンジなどはモーターやコンプレッサーを搭載しており、運転を開始する際に一時的に大きな電力を必要とします。通常運転時の約2〜8倍ほどの電力がかかることもあり、対応できないとポータブル電源を使っても起動しない原因となります。 

ポータブル電源を選ぶ際は、定格出力や瞬間最大出力が起動電力を上回っているかどうかを確認しましょう。

取扱説明書やメーカー公式情報などで確認するのが正確

家電製品の取扱説明書やメーカー公式情報などで、起動電力を確認しましょう。もし記載が見つからない場合は「製品名 起動電力」でインターネット検索すれば、メーカー公式サイトにたどり着けることがあります。 

出力不足によるトラブルを防ぐためにも、実数値をもとにして使用予定の家電の起動電力を正確に把握しましょう。

消費電力とは、家電製品が機能を発揮するために継続的に消費する電力

消費電力とは、家電製品が機能を発揮するために継続的に消費する電力です。以下のような状態で消費される電力のすべてが消費電力に含まれます。 

お湯を沸かしている最中の電気ポット

設定温度に向けて動作中のエアコン

洗濯機の洗濯・脱水中 

製品ラベルや仕様書に記載されている「◯◯W」といった表記は、消費電力を示しているのが一般的です。 

ポータブル電源を選ぶとき消費電力のみに着目すると、起動時の高負荷に対応できず電源が落ちてしまうリスクがあります。ポータブル電源を選ぶ際は、消費電力と起動電力の両方を確認するようにしましょう。

関連人気記事:消費電力の計算方法は?計算式から電気代を節約する方法まで解説

2.起動電力の目安と計算方法|家電ごとの一覧も紹介

起動電力の目安と計算方法|家電ごとの一覧も紹介

家電ごとに必要な起動電力の目安を知っておけば、ポータブル電源選びに失敗するリスクを減らせます。ここでは、家電ごとの起動電力の目安と計算方法を紹介します。

家電ごとの起動電力目安一覧

家電ごとに起動電力は異なり、以下の表のとおり起動時に消費電力の1.1〜5.0倍の起動電力を必要とするものもあるといわれています。

家電製品

消費電力(W)

起動電力(W以上)

扇風機

30

30

ノートパソコン

80

80

マイコン炊飯器3合

360

360

ホットプレート

1,300

1,300

ミキサー

350

650

電子レンジ

950

1,450

ドライヤー

1,100

1,200

小型冷温機

80

250

家庭用冷蔵庫

150

1,100

電動ドリル

300

1,100

参考:トヨタ「消費電力一覧」

起動電力は製品によって異なるため、あくまで参考値としてご覧ください。

起動電力の計算方法

家電製品の起動電力は製品の仕様や特性によって異なるため、一律の計算式はありません。そのため正確な起動電力を知るには、各家電製品の取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認するのがもっとも確実です。

ただし仕様が確認できなかった場合は、消費電力に製品ごとの起動電力の目安倍率をかけて概算は出せます。たとえば500Wの冷蔵庫があって、仮にその冷蔵庫の起動時に2倍の起動電力が必要の場合は起動電力は1,000Wと推定できます。

あくまで上記は概算値なので、正確な数値は公表されている数値を確認した、メーカーに直接問い合わせて確認したりするのがおすすめです。

3.ポータブル電源は「定格出力」と「瞬間最大出力」を確認して選ぼう

ポータブル電源は、以下の3つを確認して選ぶようにしましょう。

使用する機器の起動電力と消費電力を確認する

起動電力をカバーできる余裕のある出力(定格出力・瞬間最大出力)を選ぶ

複数の家電を同時に使う場合は合算して計算する

それぞれ1つずつ詳しく解説します。

使用する機器の起動電力と消費電力を確認する

取扱説明書やメーカー公式情報などで、使用する機器の起動電力と消費電力を確認しておきましょう。起動電力がポータブル電源の瞬間最大出力を上回ると、使用する機器が正常に起動できなかったり、電源が自動停止したりするおそれがあります。

確認時には「W(ワット)」や「A(アンペア)」の記載がある部分を見落とさず、数値をもとに必要な出力を逆算しておくとよいでしょう。

起動電力をカバーできる余裕のある出力(定格出力・瞬間最大出力)を選ぶ

起動電力に対応できるかどうかは、ポータブル電源の定格出力と瞬間最大出力の両方を確認して判断しましょう。

定格出力は、長時間安定して出力できる能力です。機器の通常消費電力に対して一定の余裕を持たせることで、安定した動作が期待できます。一方で瞬間最大出力は、家電起動時に一時的に求められる起動電力に対応するための能力です。たとえば起動電力2,000Wの家電を使用する場合、瞬間最大出力は2,000Wを超える必要があります。

また長期使用によるバッテリー劣化などの要因により、出力性能が低下することが考えられます。そのため定格出力・瞬間最大出力のいずれも、機器の出力に「1.5〜2.0倍程度」の余裕を見ておきましょう。

関連人気記事:【徹底解説】ポータブル電源の購入前に知っておくべき定格出力とは?

複数の家電を同時に使う場合は合算して計算する

複数の家電を同時に使う場合、それぞれの起動電力を合算してポータブル電源の出力が足りているか確認する必要があります。たとえば、以下のような家電を同時に使用するケースで考えてみます。

家電

消費電力

起動電力

マイコン炊飯器3合

360

360

ホットプレート

1,300

1,300

電子レンジ

950

1,450

この場合は計算すると消費電力は2,610W、起動電力は3,110Wです。したがって、ポータブル電源は以下のモデルを選ぶ必要があります。

瞬間最大出力:3,110W以上

定格出力:2,610W以上

起動電力だけでなく、消費電力も考慮してポータブル電源を選びましょう。

4.起動電力・出力以外のポータブル電源選びのポイント

起動電力・出力以外のポータブル電源選びのポイント

起動電力・出力以外のポータブル電源選びのポイントは、以下の4つです。

使用時間に十分なバッテリー容量を選ぶ

使用する時間に十分なバッテリー容量(Wh)を選びましょう。必要な容量を見積もるには、使用する家電の消費電力(W)に稼働時間(h)を掛けて計算します。

たとえば消費電力300Wの家電を2時間使いたい場合、600Whが目安です。複数機器を同時使用する場合は、合算した消費電力を元に計算しましょう。容量が不足すると、途中で電源が切れるリスクがあります。

周波数50Hz/60Hz両方対応できるものを選ぶ

周波数が50Hz/60Hz両方対応できるものを選びましょう。日本国内では東日本が50Hz、西日本が60Hzと地域で周波数が異なります。使用する地域に合わない周波数の電源を使うと、機器が正常に作動しなかったり故障の原因となったりすることがあります。

そのため50Hz・60Hzの両方に切り替え対応しているモデルを選んでおくと、エリアを問わず使えるため安心です。

Jackery(ジャクリ)製品は、全モデルが50Hz/60Hzの切替に対応しています。Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」を選べば、エリアを気にせず安心して使えます。

正弦波インバータかどうかを確認する

ポータブル電源が正弦波インバータを搭載しているか確認しましょう

正弦波は、家庭用コンセントと同じ安定した波形の電力です。そのためパソコンやテレビ、冷蔵庫なども安全に使用できます。一方で正弦波ではない「矩形波」や「修正正弦波」のインバータでは、機器が正常に動作しない可能性があります。

Jackery(ジャクリ)製品は純正弦波仕様なので、家庭用電化製品が安全に使用可能です。

安全機能と信頼性をチェックする

ポータブル電源の安全機能と信頼性などをチェックしましょう。

安全機能が不十分だと、過電流や過熱による発火・故障のリスクがあります。以下のような保護機能が搭載されているかを確認してみてください。

過充電・過放電保護

過電流保護

高温保護

短絡(ショート)保護

また信頼できる製品であるかどうかは、第三者機関の認証があるかどうかが目安になります。さらにメーカー保証やカスタマーサポート体制が整っている製品であれば万が一のトラブルが起きたときでも対応してもらえるため、長期使用を考慮すると重要なチェックポイントです。

Jackery(ジャクリ)製品は合計62個の保護システムと12重のBMS保護システムを搭載していて、安全性が高くなっています。また多くのモデルが「防災製品等推奨品マーク取得」で、第三者機関の認証も取得済みです。

また最大5年の無料保証がついていたり日本語サポートが充実していたりと万が一のトラブル時にも対応するため、安心材料が揃っています。

関連人気記事:ポータブル電源の安全性とは?確認すべきポイントと安全に使うための注意点を解説

5.Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」なら起動電力を気にせず安心して使用できる

起動電力に対応できるポータブル電源を探しているなら、以下のとおり高い瞬間最大出力を備えた「Jackery(ジャクリ)」がおすすめです。

製品

定格出力

瞬間最大出力

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 5000 Plus

6,000W

12,000W

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 3000 New

3,000W

6,000W

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 2000 Plus

3,000W

6,000W

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 2000 New

2,200W

4,400W


Jackery(ジャクリ)のポータブル電源なら、起動電力が大きいエアコンや電子レンジなども安心して使用できます。

また、Jackery(ジャクリ)製品は以下の点でも安心です。

AC・DC・USBポートを標準装備

出力波形は家庭用と同じ「純正弦波」

最大5年の無料保証

防災製品等推奨品マーク取得済み

13年間で累計500万台の販売実績

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源を導入し、起動電力を気にせず安心して家電を使用しましょう。

大容量ポータブル電源のおすすめ一覧はこちら

6.起動電力に関するよくある質問

起動電力に関するよくある質問とその回答をまとめました。

エアコンをポータブル電源で動かすには、どれくらいの起動電力が必要ですか?

エアコンをポータブル電源で動かすには、起動時に2,000W〜3,000W程度の電力が必要です。

この数値は一般的な家庭用エアコン(定格消費電力1,000W〜1,200W)を基準とした目安で、起動時には消費電力の約2〜3倍の電力が一時的に求められます。以下のJackery(ジャクリ)製品は、エアコンの起動電力をカバーできる瞬間最大出力を備えたポータブル電源です。

製品名

瞬間最大出力

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 5000 Plus

12,000W

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 3000 New

6,000W

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 2000 Plus

6,000W

Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 2000 New

4,400W

ポータブル電源選びの参考にしてみてください。

エアコン対応ポータブル電源特集はこちら

水中ポンプをポータブル電源で動かすには、どれくらいの起動電力が必要ですか?

水中ポンプをポータブル電源で動かすには、起動時に定格消費電力の約3倍(1,500W〜2,000W程度)の電力が必要です。

この数値は一般的な家庭用水中ポンプ(定格消費電力500W〜600W)を基準とした目安で、モーターを使用するため起動時に一時的に大きな電力を必要とします。「Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 1000 New(瞬間最大出力3,000W)」は、水中ポンプの起動電力をカバーできる瞬間最大出力を備えているモデルです。


モーターを使う家電はなぜ起動電力が大きいのでしょうか?

モーターを使う家電の起動電力が大きい理由は、静止状態の回転子を回し始めるために大きなエネルギーが必要になるためです。モーターの内部で一時的に定格電流の数倍もの大きな電流が流れ、起動時の電力消費が通常時よりも大きくなります。

なお、モーターを内蔵したおもな家電は、以下です。

エアコン

冷蔵庫

水中ポンプ

洗濯機

これらの家電をポータブル電源で使用する際は、起動電力に対応できる十分な瞬間最大出力を持つモデルを選ぶようにしましょう。

まとめ

起動電力は家電を動かし始める際に必要な一時的な電力です。消費電力よりも非常に大きな起動電力を必要とする家電もあります。ポータブル電源を選ぶ際は定格出力と瞬間最大出力の両方を確認し、使用する家電の消費電力と起動電力の両方に対応するモデルを選びましょう。 

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」は高い瞬間最大出力を備えたモデルを多く取り揃えています。起動電力を気にせず安心して家電を使用したい方は、この機会に導入してみてください。

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