1.夏の車中泊でエアコンをつけっぱなしにするのはアリ?ナシ?
真夏の車中泊で暑すぎて寝られなかった経験がある方なら、エアコンをつけっぱなしにしたら眠れたかもしれないと考えたことが一度はあるでしょう。結論から言うと、夏の車中泊でエアコンを長時間つけっぱなしにするのは、基本的にNGです。以下では車中泊でエアコンをつけっぱなしにするのができないの理由を解説します。
①一酸化中毒のリスクがある
車中泊でエアコンを長時間つけっぱなしにすると、一酸化中毒のリスクがあります。
車の排気ガスは、無風状態や車の周囲の状況によって車内に逆流する可能性が生じます。とくに長時間アイドリング状態で車内にいるのは危険です。一酸化炭素が充満することで命に関わることも考えられます。 一酸化中毒のリスクがある使い方は避けたほうがよいでしょう。
②騒音によるマナー違反になりやすい
エンジン音が思った以上に響くため、マナー違反になりやすいのが問題です。車中泊でエアコンをつけっぱなしにするためにエンジンをつけておくと、隣の車両や周囲の方は騒音に感じてしまうこともあるでしょう。
トラブルの原因になるのを避けるためにも、エアコンのつけっぱなしは避けたいところです。
③バッテリー上がりやガス欠などの車両トラブルのリスクも考えられる
車中泊でエアコンをつけっぱなしにすることは、バッテリー上がりやガス欠などの車両トラブルにもつながりやすくなります。
長時間稼働させるには車のエンジンをかけ続けることが必要です。ただし、同時にバッテリーや燃料の消耗にもつながります。最悪の場合は、出発時にエンジンがかからなかったり、燃料切れで動けなかったりするトラブルも起きてしまうでしょう。
2.夏の車中泊を快適に過ごす冷房の正解は、ポータブルエアコン(クーラー)とポータブル電源!
夏の車中泊を快適に過ごす冷房の正解は、ポータブルエアコン(クーラー)と、持ち運び式蓄電池「ポータブル電源」の併用です。
エアコンをつけっぱなしにするのが現実的でないなら、代わりの冷房手段が必要になります。最近は、車中泊ユーザー向けに設計された小型で高性能なポータブルクーラーが増えています。
車中泊でエンジンを切ってもポータブルエアコンや扇風機などの家電に給電できるポータブル電源と併用することで、車のバッテリー上がりなどの問題も心配なく、快適な睡眠環境を実現できるでしょう。
ポータブルエアコン(クーラー)とポータブル電源を同時使用することが、夏の車中泊を快適に過ごす冷房の正しい使い方です。
関連記事:【メーカーが解説】ポータブル電源でエアコンは動かせる!メリットや選び方、おすすめの機種まで
●ポータブルエアコン(クーラー)の種類とそれぞれの特徴
ポータブルエアコンにもいろんな形のポータブルエアコンがあります。大きく分けると3種類あり、
・室外機搭載型
・室外機なし型
・室外機一体型
に分けられます。それぞれ特徴があるのでくわしく見ていきましょう。
・室外機搭載型は、一般的な家庭用エアコンと同じように室内機と室外機が分かれているモデルです。優れた冷却力が特徴です。しかし、その分お値段は高め。Amazonで調べてみると、136,000円から販売されています。
・室外機なし型は、一般的に「冷風機」と呼ばれているモデルのことです。水を入れて使用するのが特徴で、コンパクトなものまで幅広くあります。比較的安価なものもありますので、お手頃です。
・室外機一体型は、室外機が一体となっていて持ち運びやすさが売りです。室外機搭載型より冷却力は落ちますが、エアコンの役割はしっかり果たしてくれるので、十分車内を涼しくすることができます。価格を調べてみると、20,000円~190,000円と値段は幅広くありました。
3.夏の車中泊に最適なポータブルエアコン(クーラー)の選び方
夏の車中泊では、車内を効率的に冷やせるポータブルクーラー選びがポイントです。車種や環境に合った製品を選ぶことで、暑さ対策の効果が大きく変わります。
下表は、夏の車中泊に最適なポータブルエアコン(クーラー)の選び方を5つの視点で示したものです。
ポータブルエアコン(クーラー)の選び方 |
おもな内容 |
エアコンの種類で選ぶ |
・冷風機(送風のみ) ・スポットクーラー(排熱あり) ・コンプレッサー式(高冷却力) |
車の広さで選ぶ |
・広い車(ハイエースなど):出力1.0kW以上のモデル ・軽自動車:0.3〜0.6kWのモデル ※あくまで一般的な目安 |
冷却力で選ぶ |
最大冷房能力(kW)を確認し、外気温35℃でも車内を28℃以下にできる出力があるかチェック |
音の静かさで選ぶ |
就寝中に使うなら、50dB以下が目安 |
設置の難易度で選ぶ |
DIY未経験者には、窓付け型や一体型がおすすめ (排熱ダクトの通気口加工が必要なモデルもある) |
選び方を間違えると、冷えなかったり電源がもたなかったりするといった問題が発生します。車種や目的に合わせて最適な1台を選びましょう。
●中途半端なポータブル冷風機は全く効かない
ポータブルエアコンで調べてみると、幅広い価格帯で販売されています。特にUSBで動く充電式のポータブル冷風機は真夏の車中泊では全く効果がないので注意が必要です。
「価格帯の安いものはその分冷却力も弱い」
ことを頭に入れておきましょう。車内を十分に冷やすなら、室外機を外につけるタイプのものや、排気ダクトを車外に向けられるものをおすすめします。
4.夏の車中泊で使える最強おすすめポータブルエアコン(クーラー)3選
夏の車中泊で使える最強おすすめポータブルエアコン(クーラー)を3つ厳選しました。予算や使い方に合った1台を選んでみてください。
①アイリスオーヤマ コンパクトクーラー ICA-0301G 100V
「アイリスオーヤマ コンパクトクーラー ICA-0301G 100V」は家庭用100Vコンセントで使用でき、特別な工事が不要です。省スペース設計で軽自動車にも収まりやすく排気ダクト付きなので、DIYでの車中泊カスタムにも適しています。手軽さと扱いやすさを重視するビギナーにおすすめです。
製品 |
アイリスオーヤマ コンパクトクーラー ICA-0301G 100V |
価格目安 |
32,780円〜 |
冷房能力 |
周囲温度-8℃ |
消費電力 |
50Hz:160 W 60Hz:190 W |
良い口コミ |
・100V対応で車中泊でも使いやすい ・キャスター付きで移動が簡単にできる ・排気ダクト&除湿モード搭載で、車内環境を効率的に快適化できる |
悪い口コミ |
・冷却範囲が狭い ・タンク式の排水が必要で、長時間使用には手間がかかる ・冷房能力は高くないため、広い車内や高温時は効果が限られる |
②日動工業 エコやん
「日動工業 エコやん」は、業務用クオリティのコンパクトクーラーとして高評価を得ています。車内でもしっかりと冷風が届く実力派モデルで、バッテリー駆動によるコードレス利用が可能な点も魅力です。
ただし価格は高めで、スペック(冷却能力や騒音レベル)に関する情報を事前にしっかりチェックする必要があります。とくに0.32kWの冷却力は軽~中型車向けなので、ハイエースなど大型車にはやや非力です。
製品 |
日動工業 エコやん |
価格目安 |
41,800円〜 |
冷房能力 |
0.32kW |
消費電力 |
【50Hz】 ・送風:弱/14.7W・強/22.9W ・冷風:弱/114.2W・強/129.6W 【60Hz】 ・送風:弱/14.2W・強/24.0W ・冷風:弱/136.8W、強/142.4 |
良い口コミ |
・AC100 Vに対応し、家庭用電源で使用できる ・ハンドル付きで持ちやすく、ショルダーベルトで肩に掛けられる |
悪い口コミ |
・冷房能力は0.32 kWとやや控えめで、軽自動車向きの製品 ・本体とバッテリーを組み合わせると重量感がある (本体質量のみで6.0kg) |
③ナカトミ ミニクーラーMAC-10
引用:Amazon「ナカトミ(NAKATOMI) MAC-10 取り扱い説明書付」
「ナカトミ ミニクーラーMAC-10」は送風モードとの切替が可能で、就寝時も活用しやすい設計になっているコンパクトクーラーです。冷気を効率よく車内に循環させられる「360度調整ダクト」を搭載しています。
ただし消費電力は最大215Wのため、ポータブルバッテリー運用では対応容量の確保や車外設置の工夫が必要です。そのため、「ナカトミ ミニクーラーMAC-10」は軽自動車やソロキャンプに適しているコンパクトクーラーです。
製品 |
ナカトミ ミニクーラーMAC-10 |
価格目安 |
29,000円〜 |
冷房能力 |
・50Hz:0.41kW ・60Hz:0.43kW |
消費電力 |
・50Hz:188w ・60Hz:215w |
良い口コミ |
・軽自動車や車内の限られたスペースにフィットし、持ち運びしやすい ・排熱ダクト付きで、車内温度上昇を抑えやすい |
悪い口コミ |
・冷房能力は限定的で、ハイエースなど広い車内では力不足 ・タンク容量が小さく、連続使用時は水捨てが頻繁になり手間となる |
5.車中泊のエアコン稼働におすすめのポータブル電源
真夏の車中泊では、エアコンが使えるかどうかが快適性を大きく左右します。そこで、車のエンジンをかけなくてもエアコンや扇風機などの家電に電力を供給できる「Jackeryポータブル電源」の活用がおすすめ。
Jackery(ジャクリ)ポータブル電源はこれまで13年間の販売実績があり、世界で500万台以上の販売実績があります。100Vの家庭用家電や高出力のポータブルクーラーも動作可能で、夏の車中泊に最適です。とくに注目すべきは以下の特徴です。
● 最大定格出力6,000W対応モデル
● 約30dB以下の静音設計(郊外の深夜声レベル)で、就寝中の使用にも最適
● ソーラーパネル対応でどこでも繰り返し充電可
● 最大6000回の充放電サイクル数で長寿命を実現
● 「Newシリーズ」は最新の「セル・トゥ・ボディ技術」で超小型化・軽量化
また車中泊やアウトドアだけでなく、災害時の備えや節電目的にも使えます。暑さが厳しい夏には、冷房機器と併用することで停電時の熱中症対策にもなります。
夏の車中泊を快適にしたい方には、Jackeryのポータブル電源が最適な選択肢です。
6.熱帯夜の車中泊でエアコン代わりになる暑さ対策
ポータブルエアコン(クーラー)を導入しなくても、夏の車中泊で暑さを和らげる方法はあります。工夫次第で、熱帯夜の車中泊を快適に過ごすことも可能です。以下では、夏の車中泊でエアコン代わりになる暑さ対策を解説します。
①冷感素材商品で暑さを和らげる
昔と比べると、夏の暑さはかなり厳しくなってきています。真夏日には40℃を超える日も出てきている中、車内の温度はそれ以上になりますので、熱中症や脱水症状を予防する対策は取る必要があります。
最近では冷感素材の商品もたくさん販売されるようになってきました。
「冷感タオル(冷感ネックカバー)」
「クールバンド」
「冷感ベスト」
「冷感タオルケット」
など、便利グッズも豊富な品揃えになってきています。その中で熱帯夜の中で眠る時に便利なのが、「冷感タオル(冷感ネックカバー)」と「冷感タオルケット」です。冷感ネックカバーの中には「保冷剤付き」のものもあるので、寝るときの暑さを和らげることができます。
②冷凍ペットボトル&小型サーキュレーターを活用
車内の温度をどうにかして下げたいときは、冷凍ペットボトルと小型サーキュレーターを使うことで、車内の温度を2~3℃は下げることができます。1リットルから2リットルの水を入れたペットボトルを数本用意して、冷凍ペットボトルに向けて小型サーキュレーターを回します。冷凍ペットボトルが溶け出す中で発生する冷気で車内の温度を下げることができます。
比較的軽自動車くらいの車内の広さであれば、車内の温度は体感できる程度下げることが可能な方法です。ただ、冷凍ペットボトルの下には受け皿となるものを用意しておかないと、車内が濡れてしまいますので注意しましょう。
冷凍ペットボトルの大きさや本数で、持続時間や下げる温度を調節できます。興味のある方は一度やってみてください。
7.車中泊でエアコンの使用に関するQ&A
①車中泊中のポータブルエアコン(クーラー)の排熱処理はどうすればいいですか?
ポータブルエアコン(クーラー)の排熱処理は、車内に排熱を逃がさないよう排気ダクトで外に熱を逃がすのが基本です。排熱処理がうまくいかず車内に熱がこもると、かえって暑く感じてしまいます。
多くの製品には排気ホースが付属しています。窓を少し開けて通し、隙間を断熱パネルなどでふさぐのが一般的な方法です。また換気扇や排気ファンを併用することで、さらに排熱効率が上がります。
②車にエアコンを後付けできるって本当ですか?
車にエアコンを後付けすることは可能です。 ただし後付けには、専門的な知識や配線処理に加えてダクトの設置なども必要です。DIYで行うには高い難易度があり、簡単ではありません。
業者に依頼する手段もありますが、数十万程度かかるといわれています。費用負担も大きくなるため、コスパや可搬性を考えると車中泊では、「ポータブルエアコン(クーラー)+ポータブル電源」の組み合わせの方が現実的でしょう。
③車中泊で車のエアコンを使用するときの注意点はある?
車中泊で車のエアコンを使用するときの注意点は、以下のとおりです。
● 隣の車両や周囲の方に対する騒音のマナー違反に気をつける
● バッテリー上がりやガス欠などのトラブルを引き起こす可能性がある
● 長時間のアイドリングは一酸化炭素中毒のリスクがあるため、換気が不十分な場所での使用を控える
安全面と周囲への配慮の観点からも、車のエアコンをつけっぱなしにしての車中泊は基本的に避けるべきでしょう。少しでも快適に車中泊したい場合は、ポータブルエアコン(クーラー)とポータブル電源などの代替手段を選ぶことをおすすめします。