1.キャンピングカーにトイレは必要?設置するメリット3選
キャンピングカーにトイレが必要かどうかは、旅のスタイルや想定している利用シーンによって変わります。短期間の旅行ならトイレは不要かもしれませんが、長距離や長期の車中泊を計画している場合、トイレがあるかどうかは旅の快適さに直結します。
特に深夜や悪天候時、周辺に公衆トイレがない場合には、キャンピングカーにトイレが完備されていることが大きな安心感につながるでしょう。
トイレがいつでも使用できることで、移動中や車中泊中に感じるストレスが解消され、より一層快適な旅行が可能になります。キャンピングカーにトイレを設置することで得られる大きなメリットは、以下のとおりです。
①緊急時でも安心できる
渋滞中や夜間、周囲にトイレがない場所でも、車内にトイレがあれば慌てずに済みます。地方や山間部ではトイレが破損していたり、管理が行き届いていなかったりするケースが珍しくありません。
小さい子供がいる方や、もしもの体調不良の際でも、キャンピングカーにトイレが整備されている安心感が快適な車中泊につながります。
②旅の自由度が上がる
道中のトイレ休憩スポットを気にすることなく、目的地まで制限なく向かえるため、旅の自由度が上がります。トイレが併設されていないキャンプ場や山奥の駐車場でも、安心して過ごせるため、旅先の選択肢も広がるでしょう。
③感染症対策が行える
自分たち専用でトイレを使えるため、不特定多数が利用する公衆トイレでの感染症対策につながります。特にインフルエンザやコロナ、胃腸炎が流行する時期に感染源への接触リスクを減らせるのは、大きなメリットです。
2.キャンピングカーにトイレを設置するデメリット3選

キャンピングカーにトイレを常設するのはメリットがある一方で、実際にはデメリットも存在します。使用用途や旅のスタイルを考慮せず、安易にトイレを設置すれば、余計なコストが必要になるため注意が必要です。
トイレ付きのキャンピングカーの購入や、トイレを設置するために内装を変えるか検討している方は、以下のポイントを理解しておくと後悔が減らせます。
①車内スペースを取る
車内にトイレを設置するには専用のスペースの確保が必要です。特にコンパクトな車では、その分ベッドや収納スペースが削られることになり、室内レイアウトの自由度が下がります。車内の限られた空間をどう使うかは慎重に考える必要があります。
②メンテナンスが必要になる
トイレを使う以上、汚水の処理やタンクの洗浄、薬剤の補充といった日常的な手入れが欠かせません。定期的な掃除を怠ると臭いや衛生面で問題が発生する可能性があります。
限られた車内の中で臭いが広がるのは、快適な旅を妨げる重大な問題です。汚水が溜まってきたら、そのたびに汚水を捨てたり、捨てられる場所を探したりと手間が必要になります。
③車両価格が高くなる
トイレを標準装備、またはオプション追加すると、車両価格は数万円〜十数万円以上高くなります。さらにトイレを設置できる車種は中型〜大型が多く、そもそもの車両価格が高くなりがちです。レンタルでも同様で、トイレ付き車両は利用料金が上がる傾向にあります。
3.【種類別】トイレ付きキャンピングカーの汚水処理方法
トイレ付きのキャンピングカーなら場所や時間に縛られず、いつでもトイレを使用できるため、安心して旅行や車中泊を楽しめます。ただし、一般的なトイレとは異なり、使用したあとには必ず汚水処理が必要です。
「汚水処理」と聞くと一見難しそうに感じますが、使うトイレの種類によって方法が少し変わるだけで、手順を覚えれば誰でも簡単にできます。代表的な4種類のトイレについて、特徴と汚水処理の流れを解説します。
●ポータブルトイレ
ポータブルトイレとは、持ち運びできる小型の水洗トイレです。洗浄水タンクと汚水タンク部分が分かれており、使用前に汚水タンクへ水と専用薬剤を入れるだけで簡単に使えます。軽量で設置場所の自由度が高く、軽キャンピングカーにおすすめです。
汚水タンクの容量がいっぱいになったらタンクだけ取り外し、自宅のトイレやダンプステーションで処理をしてください。キャンプ場や道の駅、公衆トイレに捨てるとマナー違反となる可能性があるため注意が必要です。
●カセット式トイレ
カセット式トイレは、車内に常設されている水洗式トイレで、車外の専用取り出し口から汚水タンクを取り出します。家庭用トイレに近い使い心地で、薬剤によって使用後の臭いも抑えられます。容量がいっぱいになったことをランプで知らせるタイプがおすすめです。
処理時はタンクを取り出し、自宅のトイレかダンプステーションで中身を捨て、軽くすすいでから薬剤を補充するだけなので複雑な作業は不要です。
●マリントイレ
マリントイレは、大型キャンピングカーや船に使われるタイプで、床下の大きな汚水タンクに直接汚物を溜めます。処理はキャンプ場やRVパークに設置されているダンプステーションとキャンピングカーをホースでつないで行います。
レバーを操作して汚水を直接排出するため、汚物を目にすることなく処理できるのが魅力です。ただし、現状ではダンプ施設が少なく、国産車でマリントイレを採用しているものはほとんどありません。
●ラップ式トイレ
ラップ式トイレは、水を使わず、排泄物を専用フィルムで密封する最新式の処理方法です。密封された袋はほぼ無臭で、紙おむつと同じように可燃ごみとして処理できます。汚水処理の手間がほとんどなく衛生的ですが、多くが電動式のため電源が必要です。
車内環境を清潔に保ちたい人や、手間を最小限にしたい人に人気があります。ラップ式トイレは災害時の有用性も評価を得ています。
4.キャンピングカー用トイレのメンテナンス・掃除方法
キャンピングカーのトイレを快適に保つには、こまめなメンテナンスと定期的な掃除が必要です。汚れや臭いは放置すると落としにくくなるため、使用後のひと手間が旅の快適さを大きく左右します。
使用後は汚水タンクを取り外し、所定の場所で中身を捨てます。専用クリーナー液や中性洗剤でよくすすぎ、消臭・分解用の薬剤を入れて再セットしましょう。タンクに水が残っているとカビの原因になるため、ペーパータオル等で拭き上げ、乾燥させることが大切です。
5.【最新】おすすめのトイレ付きキャンピングカー5選
最新モデルの中から注目のトイレ付きキャンピングカーを5台紹介します。輸入高級キャブコンから軽量トレーラーまで、用途や旅のスタイルに合わせて選べるラインナップです。
①モービルヴェッタ|K‑Yacht Tekno Line86

出典:モービルヴェッタ|K‑Yacht Tekno Line86
FIAT Ducatoをベースにした4人乗り仕様で、広々としたリビングとベッドルームを完備しています。カセット式トイレと独立シャワールームが標準装備されています。他にも充実したキッチン設備、収納が備わっていて、ホテルのような快適さが魅力です。
②ローラーチーム|LIVINGSTONE K2
FIAT Ducatoをベースにしたコンパクトバンコンで、乗車4名・就寝2名と、二人旅向けのサイズ感です。マルチルームにはカセット式トイレとシャワーを備え、コンパクトながら充実した設備を備えています。キッチンにはコンロ、シンク、冷蔵庫が完備されています。
③フジカーズジャパン|NOVA Type W
カムロードをベースにしたキャブコンで、就寝定員は6名です。ファミリー層向けに最適な1台です。トイレ設置はオプションで、カセット式またはポータブル式から選べます。2025年発売の最新モデルでも購入価格を1,000万円以下に抑えられる点も魅力です。
④エースキャラバンズ|ACE ONE 330DL
牽引の免許が不要で、トレーラー初心者にも扱いやすいモデルです。本体は軽量ながら高品質な内装で、室内長約3,390mmと、ハイエースよりも広く確保されています。就寝定員は4名で大人が並んで就寝できる余裕があります。
2口のガスコンロ、シンク、冷蔵庫など標準装備が充実しているのが特徴です。オプションでラップ式のポータブルトイレ「ラップポン」を搭載できます。
⑤JP STAR Happy1|JP STAR Treasure 1
出典:JP STAR Happy1|JP STAR Treasure 1
タウンエーストラックをベースにしたコンパクトなキャブコンながら、マルチルームと温水シャワーを標準装備しています。オプションでトイレも追加でき、軽量ボディと充実した設備を両立しています。省スペースながら必要な機能を備え、家族での長旅にも安心です。
6.トイレ付きキャンピングカーで役立つポータブル電源とは
長期間のキャンピングカー旅において、車内に搭載している電源だけでは電力が足りなくなる恐れがあります。そんなとき頼りになるのが、ポータブル電源です。特にトイレ付きキャンピングカーでは、換気扇や温水便座、照明などの稼働に役立ちます。
ポータブル電源とは、バッテリーに電気を貯めておき、コンセントのない場所でも電子機器を動かせる持ち運び可能な電源装置のことです。キャンピングカーにポータブル電源を常備するメリットは、以下のとおりです。
・トイレ内の照明や換気扇を安定して稼働できる
・電気ケトルや電子レンジを使い、車内で火を使わずに加熱調理できる
・ポータブル冷蔵庫を常備し、食材や飲み物を保存しておける
・ポータブルエアコンやヒーターで快適な温度を保てる
・スマホやPCをいつでも充電し、連絡や情報収集が行える
キャンピングカー内のバッテリーだけで家電を使い続けると、バッテリー上がりのリスクが高まります。バッテリー上がりになると、エンジンを始動できません。ポータブル電源なら車両バッテリーとは独立して稼働するため、いつでも安心して電気を使えます。
キャンピングカーに備えるポータブル電源は、創業から13年間で世界販売台数500万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。業界最大級の軽量コンパクト設計を誇るため、車外にも気軽に持ち出せます。
急速充電に対応していることで、使いたいときにすぐ利用できる点もJackery(ジャクリ)製品の魅力です。自然放電を最小限に抑える技術により、満充電で保管すれば1年後にも約95%の電力を維持できます。耐久性が高く、アウトドアや長期旅行の相棒として長く活躍するでしょう。
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7.トイレ付きキャンピングカーに関するよくある質問
トイレ付きキャンピングカーの購入時によくある疑問をまとめました。安心してキャンピングカーライフを楽しめるよう、ぜひ参考にしてください。
●トイレ付き新車キャンピングカーの値段は?
車種や装備によって大きく変わりますが、国産車であれば約500〜1000万円が目安です。装備を充実させるほど価格は上がるため、予算と必要機能のバランスが重要になるでしょう。
中古車を選べば大幅に購入価格を抑えられるものの、水回りや電気系統、トイレの状態など車両全体のメンテナンス状況に注意を配る必要があります。
●キャンピングカーにトイレ以外、シャワーは本当に必要?メリットとデメリットを教えてください
シャワーがあればいつでも身体を洗えて、旅先でも汗を流せるなど快適性が上がります。一方で水タンク管理や排水処理の手間、車内スペースを圧迫するデメリットがあります。短期旅行や温泉・キャンプ場を利用できる場合は外部施設を活用する選択がおすすめです。
●キャンピングカーにトイレを設置すると臭い?
適切に消臭剤を使い、こまめに汚水処理を行えば、キャンピングカーにトイレを設置しても臭いはほとんど気になりません。
ラップ式トイレの場合は凝固剤で汚物を固めてから専用フィルムで汚水・汚物を密封するため、消臭性が高く、紙おむつ同様に可燃ごみとして処理できます。
●レンタルキャンピングカーでトイレの処理は誰が行う?
トイレの処理と清掃は、返却前に利用者自身が行うのが一般的です。一部レンタル会社では有料で処理代行サービスを提供している場合があります。キャンピングカーをレンタルする予定があれば、事前に確認すると安心につながるでしょう。
カセット式トイレやマリン式トイレ、ラップ式トイレの場合は、直接汚物を見ずに処理できるため、処理に関わる心理的な負担を減らせます。
●キャンピングカーにトイレは後付けできる?
マルチルームを備えた車種であれば、カセット式トイレの後付けが可能です。ただし、後付けの場合には配管や換気、排泄物の処理といった衛生面の配慮が必要です。トイレを後付けするかどうか検討している場合は専門業者に相談しましょう。
ポータブル式トイレやラップ式トイレの場合は設置工事が不要で、マルチスペースがない場合や、軽キャンピングカーなどスペースに余裕がない車種でも設置できます。
●キャンピングカーのトイレを借りに来る人がいる?
頻度は決して多くありませんが、駐車場やイベント会場などで実際にトイレの使用を依頼されるケースがあります。衛生面やプライバシーの観点から貸さないオーナーが大半です。トラブル防止のため、貸し出し不可である旨をはっきりと意思表示しておくのが大切です。
●ハイエースベースのキャンピングカーにトイレはある?
ハイエースベースのキャンピングカーで、マルチルームを設置してトイレを搭載したモデルが販売されています。ただし、ハイエースベースだからといって全てのモデルにトイレが付いているわけではありません。
実際にトイレ付きのキャンピングカーを購入する際やレンタルする際には取扱い業者のHPを見たり、問い合わせたりして、事前に確認しておきましょう。
まとめ
キャンピングカーにトイレを設置するかどうかは、旅の快適さや安心感を左右する大きなポイントです。トイレの種類や汚水処理方法、メンテナンスの仕方を知っておけば、より安心して使用できます。
最適なトイレ環境を備えたキャンピングカーを選び、場所にとらわれない、快適で自由な旅に出かけましょう。