1.エネファームとは?仕組みと停電時に使える条件を解説
停電時にエネファームが使えるかどうかは、機種の仕様や動作条件が大きく関係します。
ここでは、エネファームの仕組みや停電中に動作する条件をわかりやすく解説していきます。
●エネファームの仕組み
エネファームは、都市ガスやLPガスを燃料に電気とお湯を同時に作る家庭用燃料電池です。都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を反応させること で発電し、この時に発生する熱でお湯を沸かします。

引用元:日本ガス協会
電気ではないエネルギーを有効活用するので、省エネかつ非常時にも役立つと注目されています。
●停電時に使えるのは「停電時発電機能付き」のモデルのみ
エネファームは、すべてのモデルが停電時に使用できるわけではありません。停電時使えるエネファームは、「停電時発電機能付き」のモデルのみです。
停電時発電機能は、2015年以降に発売されたモデルに搭載されています。対応モデルかどうかは取扱説明書やリモコンの表示で確認できるので、すでにエネファームを設置している方はチェックしてみてください。
●停電時にエネファームが作動する条件
エネファームを停電時に使用するためには、以下の作動条件があります。
・エネファームが発電中の状態である
・水道とガスが正常に供給されている
・貯湯タンクに空き容量がある
上記の条件が揃わないと自立運転に切り替えることができず、停電時にエネファームを作動できません。停電が予測される場合には発電状態にしておくなど、発電停止と停電が同時に起きないように対策しましょう。
●「停電発電待機中」と表示されたときの解除方法
停電発生時に「停電発電待機中」と表示されるのは、エネファームが自立運転の準備をしている状態です。停電発電待機中の状態では自立運転に切り替わらず、停電時にエネファームを使用することができません。
解除するには、リモコンや本体の「自立運転開始」ボタンを押す必要があります。操作手順を事前に確認しておきましょう。
●エネファームが停電時に活躍するシーン
エネファームは、停電時に以下のような場面で活躍します。
・LEDライトで夜間の明かりを確保できる
・お風呂に入って身体を清潔に保てる
・冷暖房器具で暑さ・寒さ対策ができる
・テレビで最新の災害情報を確認できる
エネファームは、停電時にも安心して過ごせる環境を整えてくれます。とくに夏場の停電は熱中症のリスクが高まるため、扇風機などの冷房器具が使用できるのはエネファームを停電時に活用するメリットといえるでしょう。
2.停電時のエネファームの使い方と注意点
実際に停電が発生した際に慌てずにエネファームを操作するには、正しい使い方を知っておくのがポイントです。
ここでは、停電時のエネファームの使い方と注意点をわかりやすく解説していきます。
●自立運転モードへの切り替え手順と注意点
最近のエネファームは、停電を検知すると自動で自立運転モードに切り換わるモデルが多いです。たとえば大阪ガスの「type S」では、停電後およそ90秒で自動で切り替わり、専用コンセントから給電できるようになります。
ただし、このときに使用できる電力の上限は500Wまたは700Wまでとなっているモデルがほとんどです。冷蔵庫や照明、スマホの充電など停電時の優先順位を考えて電気を使いましょう。また、電子レンジやドライヤーなど、消費電力が大きい家電の使用は避けてください。
また、モデルによっては手動設定で切り替えタイミングを選べるものもあります。
参考:大阪ガス
●エネファームを停電時に使うには専用のコンセントが必要
停電時にエネファームで発電した電力は、「停電時専用コンセント」から供給されます。専用コンセントは台所や分電盤の近くなどに設置されている場合が多く、表示ラベルが目印です。
ラベルには使用可能な電力も記載されているため、使用時の目安として役立ちます。
●専用コンセントがない?見つからない場合の確認方法
停電時専用コンセントが見つからない場合には、以下の方法で場所を確認しましょう。
・取扱説明書を確認する
・施工業者やガス会社に問い合わせる
停電時専用コンセントは、家具や家電の後ろに隠れて見えないこともあります。停電時に慌てて探さなくてもいいように、あらかじめ設置場所を把握しておきましょう。
関連人気記事:停電中はお風呂に入れない?シャワーが使えるケースや自家発電の方法を解説
3.エネファームは停電時に何時間使える?
停電時のエネファームは、使用できる時間に制限があります。
ここでは、停電時にエネファームは何時間使えるのかを解説していきます。
●停電時の発電可能時間と発電を止めないためのポイント
停電時のエネファームの発電可能時間は、メーカーによって異なりますが最長で約8日間となっています。
発電を止めずに連続で使用するには、貯湯タンクを満水にしないことがポイント。停電時にも食器洗いや手洗いなどで、こまめにお湯を使うことで発電を止めずに使用できます。
●冷蔵庫やスマホの充電はできる?停電中に使える家電の目安
停電時にエネファームから使える電力は、最大500Wまたは700Wが目安となっているモデルがほとんどです。この範囲内であれば、以下のような家電も停電時に使用できます。
・小型冷蔵庫(150W)
・スマートフォンの充電(5〜15W)
・LED照明(10〜20W)
・ノートパソコン(50W)
・テレビ(小型:100W)
設定されている上限よりも使用電力が大きくなってしまうと、電気が使えなくなってしまいます。エアコンやドライヤーなど消費電力が大きい家電の使用は避けましょう。
●停電時でもお湯が出る条件
エネファームは、以下の条件を満たしていれば停電中でもお湯の使用が可能です。
・自立運転で発電中である
・水道とガスが正常に供給されている
・貯湯タンクに十分な残量がある
モデルによって使用できるお湯の量が異なりますが、1日あたり100〜200L程度のお湯が使えるものもあります。
水道やガスが停止するとお湯を作れなくなるため、災害時は供給状況をこまめに確認しておきましょう。
4.停電から復旧したあとのエネファームの確認ポイント
停電が復旧した際には、エネファームの状態をチェックして正常に戻さなくてはいけません。
ここでは、停電から復旧したあとの操作の流れや注意点を解説していきます。
●停電から復旧したあとの操作と再起動の流れ
停電復旧後のエネファームの動作は機種によって異なりますが、通常運転に自動復帰するモデルが多いです。例えば、大阪ガスのエネファーム「type S」は、停電が解消されると約30秒〜90秒で自動的に通常運転に切り替わります。
基本的に操作は不要ですが、自動復帰後は以下の点を必ず確認してください。
・ブレーカーがONになっているか
・リモコンにエラー表示がないか
・「通常運転」表示が出ているか
モデルによっては自動復帰しない場合もあるため、事前に取扱説明書を確認しておきましょう。
参考:大阪ガス
●停電後にエネファームを安全に使うためのポイント
復旧直後は、ガス・水道・電気がすべて安定供給されているかを確認してください。使用していた家電の電源を一度オフにしてから再通電すると、過電流によるトラブルを避けられます。
通電直後は電力が不安定になる場合があるため、違和感を感じたらすぐにガス会社に相談しましょう。
●故障や誤作動を防ぐための注意点
停電後の再起動時に誤った操作をすると、エネファームに不具合が生じる可能性があります。以下の点に注意して、操作を行いましょう。
・リモコン操作は説明書どおりに行う
・異常表示やエラーコードが出たら自己判断で操作しない
・通常運転に切り替えたら動作状況をしばらく確認する
・わからない場合はガス会社やメーカーに問い合わせる
誤った操作を行うと、発電停止やシステムエラーが発生する可能性があります。わからない場合には無理に操作せず、ガス会社やメーカーに問い合わせましょう。
5.エネファームの弱点を補う「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源という選択肢
エネファームは非常時にも電気やお湯を供給できる心強いアイテムですが、長時間の停電やガス・水道が止まるような大規模災害では十分な備えとは言えません。
そんな弱点を補ってくれるのが、大容量で災害時にもたっぷり電力を確保できる「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源です。ポータブル電源とは持ち運び可能な大容量バッテリーのことで、コンセントのない場所など電気が使えない環境でも家電へ給電できる便利アイテムです。
【Jackery(ジャクリ)ポータブル電源がおすすめな理由】
・電子レンジ(1,200W)やドライヤー(1,200W)などの消費電力が大きい家電も動かせる
・電気ケトル(1,300W)やIHクッキングヒーター(1,200W)で災害時にも温かい料理が食べられる
・サーキュレーター(50W)や電気毛布(80W)で暑さ・寒さ対策もバッチリ
・ソーラーパネル対応だから停電が長期化しても繰り返し使用できる
・自然放電が少なく設計されているから、長期間保管したままでいざというときにすぐ使える
とくに「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源は、一般的な家庭で使用されている家電のほぼすべてを稼働できるほどパワフル。大容量モデルでも軽量でコンパクトに設計されているので、避難が必要になった場合にも手軽に持ち出せます。
10年以上長持ちでコスパ抜群の「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源で、災害時にも安心して過ごせる環境を作っていきましょう。
6.よくある質問|停電時のエネファームに関する疑問に答えます
ここでは、停電時のエネファームに関するよくある質問にお答えしていきます。
●大阪ガスのエネファームは停電時に使えますか?
大阪ガスのエネファームも、「停電時発電機能付き」のモデルであれば停電時に使用できます。
2015年以降に販売されたモデルのほとんどが対応していますが、アイシンの「192-AS06」「192-AS08」「192-AS10」は非対応です。
お使いの機種が対応しているかどうかはリモコン表示や取扱説明書で確認できます。すでにエネファームを設置している方は念のため一度チェックしておきましょう。
参考:HEBEL HAUS
●停電時専用コンセントが見つからないのはなぜ?
停電時専用コンセントは、生活導線から離れた壁際や収納の中など目につきにくい場所に設置されていることもあり、見つけにくい場合があります。一般的に台所の壁や分電盤の近くなどに設置されることが多く、「停電時専用」などのラベル表記が目印です。
また、古い機種の場合はそもそも設置されていない場合もあります。停電時専用コンセントが見当たらない場合は、施工時の書類や取扱説明書を確認するか施工会社やガス会社に問い合わせましょう。
まとめ
エネファームは停電時の備えとして便利ですが、モデルや条件によっては使えない場合があります。発電時間や使用できる電力にも制限があるため、災害時の万全の備えとは言えません。
そんなときに便利なのが、一般的に使用されるほぼすべての家電が使用できる「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源です。自然放電が少なく持ち運びやすい「Jackery(ジャクリ)」ポータブル電源で、緊急時にも安心して過ごせる環境を整えておきましょう。