【南海トラフ】静岡に津波はどこまで来る?危険なエリアや避難施設を解説

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南海トラフ地震が発生すれば、静岡県は沿岸部には巨大な津波が押し寄せ、甚大な被害が予想されています。静岡県は津波の予想到達時間が極めて短く、地震発生からわずか数分で津波が到達する地域もあるのです。

 

この記事では、南海トラフ地震による静岡県の津波予測や浸水エリアの確認方法、避難施設の探し方を詳しく解説します。静岡県にお住まいの方、静岡県への旅行や出張を予定している方は確認しておきましょう。

目次
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1.南海トラフ地震による静岡県の津波予測|地域別の高さ・到達時間

南海トラフ地震が発生した場合、静岡県の沿岸部では最大31mにも達する津波が予想されています。静岡県が公表している「静岡県第4次地震被害想定」より、静岡県内津波予測(最大津波高予想が10mを超える地域)は以下のとおりです。 

市町村名

最大津波高

最短津波到達時間

下田市

31m

13分

南伊豆町

24m

4分

御前崎市

19m

5分

松崎町

16m

4分

浜松市南区

15m

5分

西伊豆町

15m

4分

湖西市

15m

10分

浜松市西区

14m

8分

牧之原市

14m

6分

東伊豆町

13m

18分

掛川市

13m

6分

静岡市駿河区

12m

4分

河津町

12m

18分

磐田市

12m

5分

静岡市清水区

11m

2分

参考:静岡県「静岡県第4次地震被害想定」

参考:内閣府防災情報「市町村別津波到達時間」 

この表から分かるように、静岡県では地震発生から2〜10分程度で津波が到達する地域が多いです。揺れを感じたら、すぐに高台や津波避難ビルへ避難する必要があります。津波警報を待っていては間に合わない可能性が高いのです。 

とくに注意が必要なのは、伊豆半島南部の下田市です。最大33mという津波高は、10階建てのビルに相当する高さで、県内でもっとも深刻な被害が予想されます。リアス式海岸の地形により、湾の奥に行くほど津波が高くなる「収斂(しゅうれん)効果」が発生するため、予想以上の高さになる可能性もあるでしょう。

関連人気記事:南海トラフ地震の津波シミュレーションまとめ|危ない県ランキングや対策

2.静岡県の津波はどこまで来るのか|浸水エリアの確認方法

静岡県では、各市町村で津波の浸水深や避難場所が記載されている「津波ハザードマップ」を公開しています。以下は静岡市の例で、想定浸水区域や津波到達時間、避難場所の情報を一目で確認可能です。

静岡市「津波ハザードマップ」

引用:静岡市「津波ハザードマップ」 

静岡市以外の市町村でも、独自の津波ハザードマップを作成・公開しています。自分が住んでいる市町村のホームページで「津波ハザードマップ」を検索し、必ず確認しておきましょう。 

また、国土交通省の「重ねるハザードマップ」を使えば、住所等を入力してダイレクトに災害リスクを調べることも可能です。ただし、最新の情報が未反映の地域も多いため、各市町村のハザードマップと併用することをおすすめします。

3.津波災害警戒区域(イエローゾーン)は危ない?

静岡県では、津波による被害が予想される地域を「津波災害警戒区域(通称:イエローゾーン)」として指定しています。イエローゾーンの意味と、静岡県の指定状況を見ていきましょう。

イエローゾーンは津波発生時に住民へ危害が及ぶ可能性が高いエリア

津波災害警戒区域(イエローゾーン)とは、津波が発生した場合に住民の生命または身体に危害が生じるおそれがある区域です。津波防災地域づくりに関する法律に基づいて、都道府県知事が指定します。 

イエローゾーンに指定された地域では、以下のような対策が実施されます。 

不動産取引時に津波災害警戒区域であることの説明を義務化

避難促進施設(学校、病院、福祉施設など)による避難計画の作成

津波ハザードマップの作成・配布を促進 

イエローゾーンに指定されているからといって、直ちに危険というわけではありません。また、同じくイエローゾーンと呼ばれる「土砂災害警戒区域」とは異なり、建築制限などは設けられていないのが特徴です。 

しかし、津波のリスクが高い地域であることは事実です。イエローゾーン内に住んでいる方は、避難場所や避難経路を事前に確認し、いざという時にすぐ避難できるよう準備しておきましょう。

静岡県内14市町が指定済み|特に警戒が必要

静岡県では、2025年現在、以下の14市町が津波災害警戒区域(イエローゾーン)に指定されています。 

静岡市

沼津市

熱海市

伊東市

富士市

掛川市

下田市

湖西市

伊豆市

御前崎市

東伊豆町

河津町

南伊豆町

松崎町 

これらの市町では、南海トラフ地震による津波で大きな被害が予想されています。とくに伊豆半島南部の市町村は、津波の到達時間が短く津波高も高い予想のため警戒が必要です。 

参考:静岡県「津波災害警戒区域及び津波災害特別警戒区域の指定状況」

伊豆市のみ「津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)」に指定

伊豆市のみ「津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)」に指定

引用:静岡県「津波災害警戒区域及び津波災害特別警戒区域の概要」 

静岡県では2025年現在、県内で唯一「伊豆市」のみがイエローゾーンよりもさらに危険度が高い「津波災害特別警戒区域(通称:オレンジゾーン)」に指定されています。オレンジゾーンでは、イエローゾーンの対策に加えて、病院などの開発行為が制限されています。 

オレンジゾーンは「津波が来たらほぼ確実に危険な区域」です。伊豆市にお住いの場合は、よりいっそう津波を想定してしっかりと備えておきましょう。

4.過去に静岡県を襲った津波の歴史

静岡県は、歴史上何度も大きな津波に襲われてきました。過去の津波災害を知り、今後起こりうる津波の危険性を確認していきましょう。 

参考:静岡県「静岡県に被害をもたらした主な地震と日本で近年おきた主な地震」

1707年 宝永地震|死者20,000人・袋井全滅

1707年10月28日に発生した宝永地震は、マグニチュード8.4程度と推定される巨大地震でした。宝永地震と、その津波による被害は以下のとおりです。 

約20,000人が死亡

約60,000棟の家屋が倒壊

袋井市周辺は津波によりほぼ全滅

御前崎で大規模な地盤隆起が発生

※死亡者・家屋の被害データは静岡県以外も含んでいます。 

この地震では、東海・東南海・南海の3つの震源域が同時に破壊されたと考えられています。まさに南海トラフ地震における最悪のシナリオが現実に起きた事例です。宝永地震から300年以上が経過した現在、再び同規模の地震が発生する可能性が指摘されています。

1854年 安政東海地震|死者2,000〜3,000人・沼津で津波高7.2m

1854年12月23日に発生した安政東海地震は、マグニチュード8.4と推定される地震でした。この地震でも津波が発生し、静岡県沿岸部に大きな被害をもたらしています。 

安政東海地震による被害は以下です。 

約2,000~3,000人が死亡

約30,000棟の家屋が倒壊・焼失

御前崎で大規模な地盤隆起が発生

静岡県内で5m程度の津波を観測

※死亡者・家屋の被害データは静岡県以外も含んでいます。 

この地震の特徴は、32時間後に同規模の「安政南海地震」が発生したことです。2つの巨大地震が連続して発生し、西日本全体に甚大な被害をもたらしました。南海トラフ地震では、このように複数の震源域が時間差で破壊される可能性もあります。最初の地震で被害を免れても警戒を続けましょう。

1944年 東南海地震|静岡県内で死者295人・家屋全壊6,970棟

1944年12月7日に発生した東南海地震は、マグニチュード7.9の大きな地震でした。第二次世界大戦中の出来事で、軍事機密として報道が制限されたため、「隠された地震」とも呼ばれています。 

東南海地震による静岡県の被害は以下のとおりです。 

295人が死亡または行方不明

6,903棟の家屋が倒壊

9,842棟の家屋が半壊

(静岡県以外も含む)3,129棟の家屋が流失

下田で2.5m、御前崎で2~2.5mなどの津波を観測

参考:気象庁「静岡県 東南海地震」 

この地震では、津波の高さは比較的小さかったものの、地震の揺れによる建物倒壊や火災が多発しました。戦時中であったため十分な救援活動が行われず、被害が拡大したとされています。

5.静岡県の津波避難施設を探す方法|避難タワー・避難ビル

津波から命を守るためには、事前に避難場所を確認しておくことが不可欠です。静岡県内の各市町村では、津波避難施設として「津波避難タワー」や「津波避難ビル」を指定しています。 

例として静岡市では「指定緊急避難場所・指定避難所一覧」のページで避難ビル・避難タワーの一覧を確認できます。お住まいの市町村のホームページで、避難ビルや避難タワーの場所を確認しておきましょう。 

また、現在開設中の避難所情報は、静岡県防災ポータルの「避難所開設情報」にて確認できます。

静岡県防災ポータル

引用:静岡県防災ポータル 

このポータルサイトをブックマークしておき、地震が起きたあとインターネットがつながるようなら、避難所情報をすみやかに確認しましょう。

関連人気記事:津波注意報発令!命を守るために取るべき行動と防災対策を徹底解説

6.静岡の津波による停電対策には「Jackery(ジャクリ) ポータブル電源」を

静岡の津波による停電対策には「Jackery(ジャクリ) ポータブル電源」を

南海トラフ地震が発生した場合、静岡県内では約200万軒以上の停電が予想されています。津波による変電所の浸水や送電線の損傷により、とくに沿岸部では1週間以上の停電の可能性も考えられるでしょう。 

そのため、静岡県に住む人や、旅行を考えている人が絶対用意しておきたいのが「ポータブル電源」です。ポータブル電源があれば、以下のような対策ができます。 

スマートフォンを充電して、津波警報の解除情報や避難所の開設状況・交通機関の運行情報をリアルタイムで確認できる

LEDランタンで夜間も明かりを確保し、避難先や車中泊でも安全に過ごせる

電気ケトルで温かい飲み物を作り、寒さや不安で疲弊した体を休められる

ノートパソコンを充電して、会社への連絡ツールの使用や保険会社への被災報告が手続きができる

観光中に被災・停電した場合でも、ホテルや避難所で電源を確保し、帰宅ルートを調べられる

避難所で自分専用の電源を確保でき、充電の順番待ちに何時間も並ぶ必要がなくなる 

コンセントがついた持ち運び式の蓄電池「Jackery(ジャクリ) ポータブル電源」なら、設置型の蓄電池よりも圧倒的に安く、そして手軽に電力を確保。持ち出し可能なため、車内や避難先でも電源が使えます。ソーラーパネルと組み合わせれば、昼間に太陽光から充電し夜間に使用するサイクルで、停電が長期化しても電源確保が可能です。 

Jackery(ジャクリ)ポータブル電源は防災安全協会による認証を受けており、地震・津波などの大災害にも耐えられる品質が保証されています。南海トラフ地震に備えて、今から1台準備して「安心」を買っておきましょう。

停電に備えるポータブル電源はこちら

7.静岡県の津波に関するよくある質問

静岡県の津波に関する、よくある質問とその回答をまとめました。

津波警報・注意報が出たらどうすればいい?

津波警報・注意報が発表されたら、すぐに高台や津波避難ビルに避難してください。静岡県では地震発生から数分で津波が到達する地域もあるため、警報を聞いてから避難していては間に合いません。避難のポイントは以下のとおりです。 

海岸や川の近くにいる場合は、すぐに高台へ

車での避難は渋滞に巻き込まれる危険があるため、徒歩での避難が基本

津波注意報でも油断せず、海岸から離れる

避難後は、津波警報が解除されるまで絶対に戻らない 

「揺れたらすぐ避難」を合言葉に、日頃から避難訓練に参加しておくと、実際の被災時にもスムーズに避難できるでしょう。

静岡駅周辺は津波の影響を受ける?

静岡駅周辺は標高が高めで海岸からも離れているため、津波の影響を受ける可能性は低いです。ハザードマップ上でも浸水区域外となっています。 

ただし、津波の直接的な被害は少ないものの、地震の揺れやライフラインの二次災害には十分な備えが必要です。静岡駅周辺に住んでいる方や勤務している方は、自宅や職場の耐震性を確認し、防災用品を準備しておきましょう。停電に備えてポータブル電源などの非常用電源も用意しておくのがおすすめです。

富士市は防潮堤があるから安全?

富士市には駿河湾に面した海岸線に、高さ17mの大きな防潮堤が整備されているため、津波を防げる可能性が高いです。富士市の最大津波高予測は6mで、防波堤を超える可能性は低いでしょう。 

参考:富士市「地震に伴う津波について」 

ただし、災害対策に「絶対」はありません。東日本大震災では、数m程度の津波警報が出ていた地域に、実際には10mを超える津波が襲った例がいくつもありました。防波堤を過信せず、なるべく高いところに避難しましょう。

まとめ

静岡県は南海トラフ地震の想定震源域にもっとも近く、地震発生から数分で津波が到達する危険性があります。下田市で31m、南伊豆町で24m、御前崎市で19mの最大津波高が予想されているように、沿岸部では壊滅的な被害が想定されるでしょう。 

津波から命を守るためにも、ハザードマップで自宅周辺の危険性を確認し、津波避難施設の場所を把握しておくことをおすすめします。また、地震や津波の影響で停電が発生し長期化したケースに備えて、Jackeryのポータブル電源を準備しておくと安心です。命を守るためにも、しっかりと対策しておきましょう。

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