介護施設は停電対策必須!停電時に起きることや用意すべき非常用電源を解説
「介護施設の停電対策って何をすればいいの?」「介護施設の停電時におすすめの非常用電源は?」
この記事では介護施設の停電時に起きる4つのことから、実際の停電対策に使える非常用電源の種類まで徹底解説します。この記事を読んで準備すれば、施設の停電対策はバッチリです。介護施設運営者の方はぜひチェックしておきましょう。
他人事ではない介護施設の停電!
「停電なんて、自分の介護施設は大丈夫」と思っていないでしょうか。日本において介護施設の停電はどこでも起こるリスクがあります。具体例を交えながら見ていきましょう。
●2019年の台風15号では155の高齢者施設が停電
2019年に発生して猛威をふるった台風15号の際には、なんと千葉県内で155もの高齢者施設が停電に見舞われました。2日経っても50施設の停電が継続。9月とまだ暑い時期だったこともあり熱中症の患者も発生し、残念ながら死者も出ています。
参考:毎日新聞
熱中症の患者を発生させてしまった最大の原因は、停電による冷房のストップでしょう。発症後の水分補給や医療機器の使用など、停電が原因で適切なアクションを起こせなかったのも原因のひとつと考えられます。
このような予期せぬ災害であっても、万が一施設で死者を出してしまったら法的な責任を問われるケースもあり、とても他人事ではありません。しっかりと停電対策をしておく必要があるといえるでしょう。
●台風・地震と日本は停電リスクが高い
日本は台風・地震など「停電リスク」が非常に高い点も知っておかなければいけません。「地震」を例にとると、1981年~2,000年の20年間の「マグニチュード5.5以上の地震が発生する年平均回数」において、日本はなんと世界4位の「1.14回」を記録しています。マグニチュード=震度ではありませんが、およそ年に1回以上の頻度で、日本のどこかで震度5~7相当の地震が起きるリスクがあるとも言い換えられるでしょう。
参考:UNDP「世界報告書 災害リスクの軽減に向けて開発に課せられた課題」
またさまざまな専門家の意見を集約した結果、日本ではマグニチュード7~9クラスの大地震が、直近30年以内に3つ起こる可能性が非常に高いといわれています。その確率はそれぞれ60~70%です。
引用元:内閣府防災情報のページ「地震災害」
台風・地震をはじめとした災害・停電リスクを考慮しなければ、利用者や職員が安心できる介護施設は運営できません。しっかりと対策しておきましょう。
介護施設で停電すると起きる4つのこと
そもそも介護施設で停電が発生すると主に下記4つの問題が起きるでしょう。
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・冷暖房が使えず熱中症・低体温症が多発
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・トイレの水が出なくなる
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・照明がつかなくなり大混乱に
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・情報システムやインターネットが止まる
それぞれ具体的に解説します。
●冷暖房が使えず熱中症・低体温症が多発
先ほど台風15号の例でも紹介したように、停電すれば冷暖房が使えずに熱中症・低体温症が発生するリスクが非常に高いです。高齢者は体温調節にかかわる生理機能が低下しているため、気付かないうちに熱中症や低体温症になってしまうことがあります。
高齢者はエアコンをつけなくても「暑くないから大丈夫」とよく言いますが、実際には身体が悲鳴を上げていることも少なくありません。停電中も施設側で適切な温度を保てるような工夫が必要になります。
●トイレの水が出なくなる
介護施設に限った話ではありませんが、停電すると多くのトイレは水が出なくなってしまいます。これはトイレに水を汲み上げてくる「ポンプ」が停電により止まってしまうためです。高齢者は自分で携帯トイレなどを使うのも困難なため、ひとたびトイレが止まると施設内が排泄物だらけになりかねません。ポンプを止めないような対策が必要といえるでしょう。
●照明がつかなくなり大混乱に
停電が起きれば当然すべての照明が動かなくなってしまいます。日当たりのいい介護施設なら昼間は問題ないかもしれませんが、そうでない場合や夜間はほぼ真っ暗な状態です。当然、多くの高齢者は身動きが取れなくなり大混乱してしまいます。混乱を起こさないためには、根本的な停電対策や明かりの確保が必須です。
●情報システムやインターネットが止まる
何の対策もしない状態で停電してしまうと、情報システムやインターネットなどもすべてストップしてしまいます。スマホ以外で利用者の家族など外部と連絡を取ることは困難です。パソコンでしか動かない情報システムも閲覧・操作できなくなってしまいます。
最近では多くの介護施設が、情報システムに利用者の情報を保管・管理しているはずです。利用者の情報を確認できなくなれば「いつも飲ませている薬を投与していなかった」といったトラブルが起きる可能性も。もはや情報システムやインターネットは「停電しても止めてはいけないインフラ」のひとつといえます。
介護施設の停電対策に使える非常用電源の種類
ここまでお読みになってご理解いただけたかと思いますが、利用者や職員が安心できる介護施設の運営には「非常用電源」による停電対策が必須です。介護施設の停電時の非常用電源としては、下記の3種類が考えられます。
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・ガス・ガソリン式発電機
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・据付型太陽光発電システム
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・ポータブル電源&ソーラーパネル
それぞれメリットやデメリットを見ていきましょう。
①ガス・ガソリン式発電機
ガス・ガソリン式発電機は、その名のとおりガスやガソリンを燃料とする発電機です。メリット・デメリットを見ていきましょう。
●ガス・ガソリン式発電機のメリット
ガス・ガソリン式発電機のメリットは下記のとおりです。
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・燃料さえあればほぼ無限に発電できる
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・出力が高くさまざまな機器を動かせる
ガス・ガソリン式発電機は、燃料さえ確保できればほぼ無限に発電が可能です。出力の上限も高いため、エアコンなど消費電力の大きい機器も動かせます。
●ガス・ガソリン式発電機のデメリット
ガス・ガソリン式発電機のデメリットは下記のとおりです。
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・燃料の管理が必要
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・定期メンテナンスが必須
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・屋内では使えない
ガス・ガソリン式発電機は常に燃料の管理をしなければいけません。発電機に入っている燃料は9カ月ほど、ガソリン携行缶に入っている燃料も3年ほどで劣化してしまいます。劣化した燃料では発電できないどころか、タンクに入れっぱなしだと発電機の故障につながるので注意。使わなかった燃料は廃棄して新しいものに交換するしかないため、予算のロスにも繋がります。
さらにガス・ガソリン式発電機は大量の一酸化炭素を排出するため屋内では使えません。職員・利用者の事故死にもつながるため、絶対に屋外で使ってください。
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②据付型太陽光発電システム
据付型太陽光システムとは、建物の屋根など日の当たる場所にソーラーパネルを設置し、発電した電気を蓄電池に溜める装置のことです。蓄電池に溜めた電気は、施設内のあらゆる機器に供給されます。メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
●据付型太陽光発電システムのメリット
据付型太陽光発電システムのメリットは下記のとおりです。
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・燃料などの管理が不要
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・普段の電気代も節約できる
据付型太陽光発電システムは燃料を必要としません。ガス・ガソリン式発電機のように燃料を管理する必要がないのはメリットです。さらに太陽光発電した電力は、停電時以外にも使って電気代を節約できます。例として事業者向けの10kWの太陽光パネルを設置した場合、年間の発電量を10,000kWとすると、年間の電気代は約31万円(※)も抑えられます。
※全国算家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」より、1kWhあたり31円(税込)として計算
「電気代が施設の経営を圧迫しているな…」と感じている方は、据付型太陽光発電システムの導入を検討してみても良いかもしれません。
●据付型太陽光発電システムのデメリット
据付型太陽光発電システムのデメリットは下記のとおりです。
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・導入費用が高い
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・メンテナンスが必要
据付型太陽光発電システムは導入費用の高さがネック。新築物件の例ですが、2022年度のソーラーパネルの設置費用相場は「1kWあたり26.1万円」です(※)。事業者向けの10kWモデルの場合、250万円以上の費用がかかることになります。
引用元:経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」
さらに太陽光発電システムの構築には「蓄電池」も必要ですが、こちらも50万円~300万円ほどの費用がかかります。地域によっては補助金を使えますが、それでも導入コストは安くありません。さらに定期メンテナンスで、10年間で100万円程度の費用はみておく必要があるでしょう。
③ポータブル電源&ソーラーパネル
ポータブル電源とは、持ち運んで使えるポータブル蓄電池です。コンセントの穴(AC電源)があるので、様々な家電を動作できます。ソーラーパネルから充電できるので、据付型太陽光発電システムに近いイメージで使用可能です。メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
●ポータブル電源&ソーラーパネルのメリット
ポータブル電源&ソーラーパネルのメリットは下記のとおりです。
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・導入コストが安い
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・必要な箇所にピンポイントで設置できる
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・燃料などの管理が不要
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・普段の電気代も節約できる
据付型太陽光発電システムが一式で安くても300万円以上かかるのに対し、ポータブル電源&ソーラーパネルは1セット5万円前後から入手できます。ハイクラスな大容量モデルでも50万円以下です。ポータブル電源・ソーラーパネルのどちらも持ち運んで付きな場所で使えるので、必要な箇所に何台か設置すれば十分な停電対策になります。
やっていることは太陽光発電システムと同じなので、燃料などの管理は不要。使い方次第では普段の電気代も節約できます。介護施設における停電対策には、費用対効果に優れ使い勝手のいいポータブル電源&ソーラーパネルがおすすめです。
●ポータブル電源&ソーラーパネルのデメリット
ポータブル電源&ソーラーパネルに大きなデメリットはありませんが、強いていえば「据付型太陽光発電システムの蓄電池よりはポータブル電源の容量が少ない」ことです。しかし価格が安い分、複数台用意すればこのデメリットは払拭できます。
電気代の節約効果も据付型太陽光発電システムより劣るものの、かかる費用の安さを考慮するとあまりデメリットとはいえません。ぜひポータブル電源&ソーラーパネルを用意して、介護施設の停電対策を始めましょう。
介護施設の停電対策には「Jackery Solar Generator」がおすすめ
介護施設の停電対策におすすめの非常用電源は、ポータブル電源とソーラーパネルのセット製品「Jackery Solar Generator」です。14もの製品ラインナップがあり、必要な箇所に必要な容量と出力のモデルを設置することで最小コストでの停電対策を実現します。
たとえば消費電力の大きい機器がある部屋には容量2,042Whの「Jackery Solar Generator 2000 Plus」を、パソコンなどしか置いていない部屋には容量300Whの「Jackery Solar Generator 300 Plus 100W」を設置するなどして、コストを抑えつつもしっかりとした停電対策を始めましょう。
さらにJackeryのポータブル電源は他社製品と比較して20~30%もコンパクトな設計のため、女性の職員でもラクラク持ち運んで使えます。電力供給も本体にあるコンセントに挿すだけです。圧倒的な使いやすさで停電時の混乱も起こりません。ぜひ介護施設の停電対策には「Jackery Solar Generator」を検討してみてください。
介護施設の停電におすすめの非常用電源一覧
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ご注意:Jackeryポータブル電源を次のような機器では使用しないでください。
Jackeryポータブル電源を次のような機器では、絶対に使用しないでください。万が一使用中に給電ができなくなった場合命にかかわる被害が想定されます。
・医療機器や使用上、生命に関わる機器
・社会的、公共的に重要な機器など
・重要な事業用機器など
なお、心臓にペースメーカーを装着している方は使用しない 。Jackeryポータブル電源は個人の安全に関係する、あるいは消費電力の大きな設備に給電できません。例えば、 医療機器、核施設設備、CPAP(シーパップ) 、スペースシャトルの製造などです。上記の設備の 使用後、火災、機器故障など個人の安全を脅かす事故の責任を取りません。
非常用電源以外にやるべき介護施設の停電対策
非常用電源の用意以外にも介護施設では下記2つの停電対策をしっかり行っておきましょう。
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・指揮系統や役割分担を明確にしておく
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・電池で動く明かりも用意しておく
それぞれ解説します。
●対策①:指揮系統や役割分担を明確にしておく
停電時の指揮系統や役割分担を明確にしておきましょう。北海道小樽市で停電の被害に遭った社会福祉施設にアンケートしたところ、施設がやるべきだった対応として「指揮系統や役割分担を明確にしておくこと」が挙げられました。
参考:小樽市「停電時に備えた社会福祉施設等の対応について」
実際の停電時には利用者も職員もパニックを起こしてしまうので、そうならないための準備が必須です。定期的な訓練なども含め、しっかりと準備しておきましょう。
●対策②:電池で動く明かりも用意しておく
電池で動く明かりもいくつか用意しておくのがおすすめです。非常用電源があれば各種照明が動かせるとはいえ、無駄な電力の消費はリスキーです。電池で動く懐中電灯やランタンなども用意しておけば、ロスなく電気が使えるでしょう。
まとめ
台風・地震が多発する日本では介護施設の停電対策が必須です。熱中症や低体温症などの被害者を出さないようにしっかりと対策しておきましょう。
非常用電源としては、低コストで使い勝手の良い「ポータブル電源&ソーラーパネル」がおすすめです。ぜひ当社の「Jackery Solar Generator」で、リーズナブルに効果のある介護施設の停電対策をはじめてみてください。