今年の台風は遅い?2025年の台風発生予想や今からできる対策とは

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今年(2025年)の台風は例年に比べて発生が遅く、台風1号の発生は6月11日と観測史上5番目に遅いタイミングとなりました。しかし、台風の発生の年ほど後半に急増する傾向があるため、事前対策が遅れないよう注意が必要です。 

この記事では、2025年の台風予想と動向に加えて、今からできる備えや対策をわかりやすく紹介します。台風が突然発生しても慌てないよう、早めの対策を講じるうえでのヒントを見つけましょう。

目次
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1.今年の台風が遅いのは大気の安定によるもの!過去2年の傾向と比較


今年の台風が遅いのは大気の安定によるもの!過去2年の傾向と比較

2025年の台風が遅い理由は、大気の安定にあります。年ごとの台風の傾向について、2023年〜2025年までの状況をそれぞれ比較してみましょう。

●2023年|異例の早さで2月に台風発生

2023年は台風1号が2月に発生し、異例の早期台風シーズンとなった年です。通常は5月以降に発生する北西太平洋で最初の熱帯低気圧が、観測史上非常に早い2月20日に発生しました。 

エルニーニョと負のPDO(太平洋十年規模振動)の影響が重なり、海面水温や大気の不安定化が促進されたと考えられています。結果として熱帯低気圧が早期的に発達し、通常より数ヶ月前倒しで「台風のたまご」が芽吹きました。

●2024年|4月〜5月の大気が安定し比較的遅め

2024年は4月から5月にかけて大気が安定した年で、太平洋域での熱帯擾乱の発生が抑制されました。台風の発生は例年より遅く、春先に日本へ接近するリスクも低かった年です。 

2024年における台風の発生が遅かったのは、高緯度域と熱帯域の間で温度勾配が緩やかになったことが理由とされています。台風対策の観点においても、企業や自治体が長めの「準備期間」を得られた一年です。

●2025年|6月時点で発生2件と異例の遅さ

2025年の台風シーズンは2024年より更に遅く、西太平洋で台風1号が発生したのは6月11日の「ウーティップ(Wutip)」です。 

2025年は、6月までに台風の発生が2件のみという珍しいペースは、海面水温の低さと大気の安定化が原因と考えられています。しかし、後期に数多くの台風が集中して発達する可能性もあるため、依然として徹底的な対策が必要です。

関連記事:8月の台風完全攻略!発生しやすい理由・進路傾向・2025年の予想まとめ

2.2025年の台風発生予想は「23個」で平年よりやや少なめ


2025年の台風発生予想は「23個」で平年よりやや少なめ

2025年の台風発生数は23個と予想されており、平年(約25個)と比べてやや少なめの見通しです。日本への接近数は平年並みの約11個と見込まれています。なお、台風発生数はウェザーニューズが独自のAI解析と過去の気象データに基づいて発表したものです。 

参考:ウェザーニューズ「独自 AI 予測などによる台風発生数は「23 個」、台風発生から短期間で接近も」 

注意したいのは、今年(2025年)の台風発生域が例年よりも北寄りになっていることです。台風の発生域が北寄りになると、台風発生から日本に近づくまでの時間が短くなるリスクがあります。 

特に夏から秋にかけての後半シーズンでは、台風が次々に接近・上陸するリスクがあるため、早めの対策が必要不可欠です。

関連記事:台風から命を守る9つの対策!台風接近が分かったら取るべき5つ行動を徹底解説

3.今年の台風情報・発生予想をリアルタイムでチェックする方法


今年最新の台風情報をリアルタイムでチェックするには、下記4つの方法がおすすめです。 

・気象庁やウェザーニュースの公式サイトを確認する

・災害情報アプリや天気アプリを活用する

・気象アプリ「Windy」をチェックする

・米軍(JTWC)の熱帯低気圧監視サイトを見る 

台風の発生を早い段階で知るための準備を整えましょう。

①気象庁やウェザーニュースの公式サイトを確認する

日本国内で最も信頼性が高い台風関連の情報源は、気象庁の公式サイトです。台風の発生から進路予想だけでなく、警報・注意報まで公式発表として詳細に掲載されています。 

また民間気象会社「ウェザーニュース」の台風Ch.には、AI予測や動画解説など豊富な情報が記載されています。両方を併用することで、最新かつ多角的な情報収集が可能です。

②災害情報アプリや天気アプリを活用する

スマートフォンを使ってリアルタイムで台風情報を得るには、下記の災害情報アプリがおすすめです。 

● Yahoo!天気アプリ

● tenki.jpアプリ

● 「NHKニュース・防災」アプリなど 

アプリのプッシュ通知をオンにしておけば、警戒レベルや避難情報もリアルタイムで受け取れます。各地域の避難所情報やライフライン情報も確認できるため、突然の台風発生に備えてダウンロードしておきましょう。

③気象アプリ「Windy」をチェックする

「Windy」は、世界中の気象情報を閲覧できる高機能アプリです。下記の情報を重ねて表示でき、台風の発達状況や進路予測を把握するのに役立ちます。 

● 

● 気圧

● 降水量

● 波など 

またWindyでは、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)やGFS(米国モデル)など、複数の気象シミュレーションを切り替えて見れます。速・気圧の渦を追うことで「台風のたまご」の段階から観察できる点が魅力的です。

④米軍(JTWC)の熱帯低気圧監視サイトを見る

アメリカ海軍のJTWC(Joint Typhoon Warning Center)は、世界の熱帯低気圧や台風の発生状況を早い段階から衛星解析で監視・発表している機関です。公式サイトでは「台風のたまご」にあたる熱帯擾乱の動向が「Invest」として表示されます。 

日本より数時間〜1日早く「台風のたまご」の存在を把握できるため、早い段階での対策に役立ちます。英語表記のサイトではあるものの、図解が多く視覚的に理解しやすいサイトです。

関連人気記事:台風の強さと大きさの目安を解説!平均風速と過去に発生した被害も紹介

4.過去5年間日本に上陸した台風数をエリア別で紹介


過去5年間日本に上陸した台風数をエリア別で紹介

過去5年間(2020〜2024年)に日本へ上陸した台風数をエリア別にまとめると、下記のとおりとなります。 

台風上陸数

上陸エリア

2020年

0

なし

2021年

3

宮城・鹿児島・福岡

2022年

3

九州・本州各地・新潟

2023年

1

和歌山・兵庫

2024年

2

岩手・鹿児島

参考:気象庁|台風の上陸数(2024年までの確定値と2025年の速報値)

気象庁ホームページでは、北海道・本州・四国・九州の海岸線に台風の中心が達した場合「上陸」と定義されています。 

直近5年では年平均約3個の台風が日本へ上陸しており、地域別の偏りが見られます。直近5年にあった台風では、国内にて下記の災害が発生しました。 

● 2022年の台風14号:静岡・愛知など太平洋側で記録的な大雨に。九州地方では最大約35万戸もの停電が発生

● 2023年の台風13号:線状降水帯の影響により千葉・茨城・福島で猛烈な豪雨が発生。176戸の断水・約22,700戸の停電も

● 2024年の台風10号「サンサン」:900mm超の豪雨による土砂災害・河川氾濫が発生。九州管内では最大約26万3,000戸の停電発生

参考:気象庁 内閣府防災情報のページ 九州電力株式会社 

また過去5年の台風を見てみると、九州・四国の太平洋側と本州中部・関東南部に偏って上陸していることがわかります。該当地域に住んでいる方は、台風に備えて早めに対策してください。

関連記事:台風の強い家に必要な要素とは?特徴や求められる機能性について解説

5.2025年の台風に備えて今からできる対策方法


2025年の台風に備えて今からできる対策方法

2025年の台風に備え、今からできる対策方法は主に下記5つです。 

● 台風情報をチェックできる体制を整える

● ハザードマップで自宅周辺の危険箇所を確認しておく

● 窓やベランダなど住まいの点検・補強を行う

● 停電や断水時の対応をシミュレーションしておく

● 台風の防災グッズを備える 

いつ発生するかわからない台風の襲来に備えて、今からでもできる対策を講じましょう。

①台風情報をチェックできる体制を整える

台風の襲来に備えるには、まず最新情報をいち早くキャッチできる体制を整える必要があります。下記の対策を通して、台風情報を確認できる状態を作っておきましょう。 

● 台風情報を見れるサイトをブックマークしておく

● 災害情報アプリや天気アプリをダウンロードしておく

● タブレットやPCにも台風情報サイトの通知が飛ぶようにする 

日頃から気象情報をチェックする習慣をつけておくと、台風接近時に慌てず行動できます。アプリの通知をオンにしておき、通知を見落とすリスクを減らしましょう。

②ハザードマップで自宅周辺の危険箇所を確認しておく

台風によって発生する下記のリスクを知るには、自治体が公開しているハザードマップの確認が欠かせません。 

● 大雨

● 洪水

● 土砂災害

● 川の氾濫など 

住んでいる地域が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っていないか、避難所までのルートに危険箇所がないかをチェックしておきましょう。事前に内容を家族全員で共有しておき、災害時の避難計画を立てるのが大切です。

③窓やベランダなど住まいの点検・補強を行う

台風発生時は下記の被害に備えて、窓やベランダ周辺を点検・補強する必要があります。 

● 雨漏り

● 壁や家具の倒壊

● 飛来物による被害 

飛来物でガラスが割れないよう、飛散防止フィルムを貼ったり、雨戸を設置したりといった対策を講じましょう。ベランダにある物干し竿や植木鉢などの道具は、強風で飛ばされる前に室内へ移動しておくのもおすすめです。

関連記事:台風からベランダや庭・バルコニーを守れ!ダメージを減らす防風対策を解説

④停電や断水時の対応をシミュレーションしておく

台風が発生すると、一時的な停電や断水が発生するリスクが高まります。停電や断水が「発生したらどうするか」を事前に想定し、対応をシミュレーションしておきましょう。 

まずは具体的なシナリオを想定し、必要なものをリストアップします。足りないものを補充したあとは「誰が何を担当するか」家族で役割分担を決めましょう。

⑤台風の防災グッズを備える

台風対策には、まず必要なものを揃える必要があります。中でも下記のグッズは、台風や地震対策に最低限必要なアイテムといっても過言ではありません。 

● ポータブル電源(500Wh以上)

● スマホ用充電コード

● 飲用水(1人あたり1日3リットル × 3日分)

● 非常食(1人あたり1日3食 × 3日分)

● 救急箱

● 常備薬

● 懐中電灯など 

中でもポータブル電源は、スマホや家電への給電に使えるため、ライフラインを一時的に支える必須アイテムにもなります。飲用水や非常食も、家族の人数×3日分を目安に準備しておきましょう。

関連記事:台風の備えを万全にするための買い物リスト21選|防災グッズも紹介

6.台風時の停電対策にJackeryのポータブル電源を常備しておこう


台風時の停電対策にJackeryのポータブル電源を常備しておこう

台風や地震による停電対策には、Jackeryのポータブル電源がおすすめです。軽量で持ち運び可能なポータブル電源があれば、停電中やコンセントのない避難所でも様々の家電が使えます。 

● スマホを何度も充電して、周りと連絡を取ったり情報を集めたりできる

● 冷蔵庫をキープして飲み物・食べ物を冷やしておける

● エアコンや扇風機を動かして暑さ・熱中症対策できる など

Jackery(ジャクリ)なら最長5年の無料保証で、はじめてのポータブル電源購入でも損をする心配はありません。台風対策を万全に整えたい方は、停電の発生に備えてJackeryのポータブル電源を用意しておきましょう。 

台風や地震の災害停電時におすすめの非常用ポータブル電源一覧


7.今年の台風予想に関するよくある質問(Q&A)


最後に、今年の台風予想に関してよくある下記の質問へ回答します。 

● 台風の発生が遅れると年間発生数も少なくなる?

● 台風の進路は何によって決まる?

● 台風のたまごとは何ですか? 

台風に関する情報を幅広くチェックし、知見を深めておきましょう。

①今年、台風の発生が遅れると年間発生数も少なくなる?

台風の発生が遅れた場合も、年間発生数が少なくなるとは限りません。過去には6月時点で発生が少なくても、その後7〜10月に集中して台風が発生し、年間で平年並みの発生数に達した年もあります。 

2025年の台風発生数は6月末時点で2個とかなり少ないものの、7月以降における海水温度の上昇や大気の変動によって、発生数が増える可能性は十分にあります。

②台風の進路は何によって決まる?

台風の進路は、上空の風の流れ(偏西風や太平洋高気圧の位置と強さ)によって大きく変化します。太平洋高気圧が日本列島に向けて張り出している場合、台風は南から西日本や東日本に向かって進みやすくなります。 

今年の台風進路を予想するのは簡単ではないため、記事で紹介したアプリやサイトを活用してチェックするのがおすすめです。

③台風のたまごとは何ですか?

台風のたまごとは「台風になる可能性のある低気圧の塊」です。気象庁や米軍が発表する熱帯低気圧が該当し、海面水温が高く上昇気流が活発な熱帯海域で発生します。 

中心付近の最大風速が17.2m/s(34ノット)以上になると、気象庁により正式な台風と認定されます。一度認定された台風は、台風のたまごに戻ることはありません。

8.まとめ


2025年の台風発生は例年と比べて遅く、年間発生数は23個(上陸数は約11個)と予想されています。しかし、台風の発生が遅いからといって災害リスクが低くなるわけではありません。 

台風が多い地域にお住まいの方は、被害に備えて情報をいち早くチェックできる体制を整えておく必要があります。台風情報やハザードマップを確認できるアプリをインストールし、通知をオンにしておくのがおすすめです。 

また台風対策では、停電や断水など二次災害も想定しておく必要があります。ポータブル電源や携帯食料を常備し「いつ発生しても対処できる状態」を作っておきましょう。

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