1.水害対策で知っておきたい基本知識
水害から身を守るには、まず水害の発生メカニズムと被害の実態を正しく理解する必要があります。ここでは、水害が起こる原因や実際の被害などを解説します。
①線状降水帯・豪雨・河川氾濫など水害が発生する主な原因
水害が発生する原因は、以下のとおりです。
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水害の種類 |
内容 |
発生しやすい場所 |
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河川氾濫 |
川の水が堤防を越えて住宅地などに流れ込む災害 |
河川の近く 低い土地 |
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内水氾濫 |
排水が追いつかず、マンホールや側溝から水があふれる現象 |
都市部や舗装された地域 |
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高潮 |
台風などで海面が上昇し、海水が陸地に流れ込む災害 |
海沿いの地域 |
これらの水害を引き起こす主な要因の1つが線状降水帯です。線状降水帯とは、積乱雲が次々と発生して帯状に連なり、同じ場所で数時間にわたって強い雨を降らせる現象です。この現象により、短時間で河川の水位が急上昇し、氾濫の危険が高まります。
近年は都市化が進み、地面がアスファルトやコンクリートで覆われるケースが増えています。雨水が地面に浸透せず排水路に集中するため、浸水被害が起こりやすい状況です。
②浸水・停電・断水など水害で起こる被害
水害による被害の内容は、以下のとおりです。
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区分 |
被害内容 |
生活への影響 |
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浸水 |
床材・壁の下部、家具・家電が水に浸かる |
建物の腐食やカビの発生、家財の故障により、生活再建に費用がかかる |
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停電 |
電柱や変電設備が浸水する |
冷暖房・冷蔵庫・照明などが使えなくなる |
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断水 |
浄水場・配水管が損傷する |
トイレ・入浴ができず、飲料水の確保が難しくなる |
また携帯電話の基地局が被災すると通信障害が起き、家族との連絡や情報収集ができません。避難の判断が遅れると、濁流に巻き込まれて命を失う危険があります。
③気象警報や水位データで水害の前兆を早期に察知する方法
気象庁の「キキクル(危険度分布)」や、国土交通省の「川の防災情報」サイトでは、リアルタイムで雨量や河川の水位を確認できます。
事前に自宅近くの観測所を登録しておくと、水位の変化をすぐに把握でき、避難の判断に役立つでしょう。
自治体が配信する防災メール、防災アプリを事前にスマホに登録しておけば、避難指示や避難所の開設情報がプッシュ通知で届きます。これらの方法を活用し、危険が迫る前に早めの避難をしてください。
参考:
2.水害対策として国や自治体が進めている取り組み
日本では気候変動による豪雨の増加に備え、国と自治体が連携してさまざまな水害対策を進めています。ここでは、ハード整備とソフト対策の両面から実施されている取り組みを紹介します。
①堤防・ダム・遊水地を整備して洪水時の水位を下げている
日本全国で洪水を未然に防ぐために進められている対策は、以下のとおりです。
● 堤防の強化
● ダムの建設
● 遊水地の整備
これらの施設は大雨時に河川の水位上昇を抑え、氾濫リスクを低減する役割を担います。
自治体の取り組みは以下のとおりです。
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自治体 |
取り組み |
目的 |
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東京都 |
荒川地下調節池・首都圏外郭放水路の整備 |
洪水時に水を一時的に貯留し、市街地への氾濫を防ぐ |
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東京都江戸川区 |
高規格堤防(スーパー堤防)の建設 |
堤防の決壊を防ぎ、越水時の被害を最小限に抑える |
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岐阜県海津市 |
輪中堤・排水機場の整備 |
低地への浸水を防ぐ地域密着型の水害対策 |
このように、各地域の地形や水害リスクに応じた施設整備が全国で展開されています。
参考
国土交通省水管理・国土保全局|水災害対策の取り組み状況について
国土交通省|【令和6年7月9日】 斉藤大臣が埼玉県の「荒川第二調節池、首都圏外郭放水路」を視察
江戸川区|水害被害を減らすための治水対策
岐阜県|私たちが守り伝える先人の知恵
②ハザードマップや浸水ナビで水害リスクを見える化している
日本の水害対策では、住民の避難行動につながるように「水害リスクの見える化」が進んでいます。危険が想定される場所や避難ルートを把握するための情報ツールは、以下のとおりです。
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項目 |
概要 |
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ハザードマップ |
想定される浸水範囲や浸水の深さを地図で確認できる |
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ハザードマップポータルサイト |
全国の洪水・内水・高潮の浸水リスクをまとめて確認できる |
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浸水ナビ |
堤防決壊時の浸水の広がり方をアニメーションで確認できる |
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自治体の防災マップ |
避難所や避難経路など地域別の防災情報を確認できる |
いざというときに慌てないためにも、平常時からハザードマップや浸水ナビを確認し、家族で避難ルートを決めておきましょう。
参考:国土交通省水管理・国土保全局|水災害対策の取り組み状況について
③気候変動を見据えて治水計画を見直している
日本全国で気候変動による豪雨の激甚化を背景に、従来の治水計画を見直す動きが加速しています。
国は流域治水(森林・農地・街など流域全体で水害を減らす)という新たな考え方を導入しています。以下のように関係者が連携して、水害に備える体制を構築中です。
● 河川管理者:堤防やダムなどの整備・管理
● 自治体:防災計画の策定・避難体制の整備
● 企業:事業継続計画(BCP)の整備・防災対策
● 住民:ハザードマップの確認・避難計画の作成
気温が2℃上昇すると降雨量が約1.1倍、洪水発生頻度が約2倍になると試算されており、治水計画への転換が進められています。
河川整備に加え、土地利用の規制や雨水貯留施設の設置など、流域全体で水を受け止める対策が重視されています。
参考:国土交通省水管理・国土保全局|水災害対策の取り組み状況について
3. 水害対策として今すぐ家庭で取り組めること
水害から命と財産を守るには、日頃からの備えが欠かせません。費用や手間をかけずにすぐに始められる7つの対策を紹介します。
①浸水に備えて家具や家電を高い位置に移動する
冷蔵庫・洗濯機などの家電製品は、わずか数センチの浸水でも故障し、感電や火災の危険があります。床上浸水が予想される地域では、以下のような対策が必要です。
● 家電と家具はあらかじめ高い位置へ移動する
● ブロックや専用台で家電を10〜20cm程度かさ上げする
● 延長コードと電源タップは床から離して壁に固定する
ブロックや専用の台を使って家電を10〜20cm程度かさ上げする方法があります。冷蔵庫や洗濯機の下に耐荷重のある台を設置すれば、床下浸水程度なら機器を守れます。
また、電源タップが水に浸かると感電や漏電火災の危険が高まるため、壁掛けフックで床から離れた位置に固定するのがおすすめです。
②排水口・側溝を掃除して逆流を防ぐ
自宅周辺の排水口がゴミで詰まっていると、雨水が排水されず、道路や敷地内に水が溜まって浸水リスクが高まります。排水能力を維持するため、梅雨や台風シーズン前に清掃をしてください。
戸建て住宅では、以下の部分を点検し、詰まり対策をします。
● 雨どいの出口
● 庭の排水溝
● 側溝のグレーチング(格子状の蓋)
排水口や側溝の掃除は、専門知識がなくてもすぐに取り組める水害対策です。梅雨や台風シーズンを迎える前に、家の周囲を一度点検し、備えておきましょう。
③土のう・水のうを準備して浸水を防ぐ
以下の場所に土のう・水のうを配置すれば、浸水被害を防ぎやすくなります。
● 玄関
● 勝手口
● シャッター下
市販の土のうは耐久性が高く繰り返し使えますが、重量があり保管場所を取ります。一方、水のうはゴミ袋に水を入れて簡易的に作れるので、緊急時にも準備がしやすいです。
設置する際は隙間なく並べ、2段〜3段に重ねると防水効果が高まります。ただし、浸水が始まってからの設置は危険なので、大雨警報が出たら早めに対応してください。
④避難に備えて非常用持ち出し袋を準備する
水害時は夜間や急な避難が多く、慌てて必要なものを探している余裕はありません。命を守るには「すぐ持ち出せる備え」が何より重要です。
持ち出し袋に入れておくべきものは、以下のとおりです。
● 飲料水(500mlペットボトル数本)
● 非常食(レトルト食品・栄養補助食品)
● LEDライト
● モバイルバッテリー
● 軍手
● 常備薬
● 保険証のコピー
● 家族の連絡先メモ
リュックサック型なら両手が空くため避難時に動きやすいです。乳幼児がいる家庭では粉ミルクやおむつを、持病のある方は処方薬とお薬手帳を追加します。
ペットがいる場合はペットフードや予備のリードも忘れずに入れておきましょう。
⑤住宅の被害に備えて保険(火災保険+水災補償)を見直す
火災保険は火災だけでなく、水害による被害も補償対象になる場合があります。ただし、水災補償が付いていないプランでは、浸水しても保険金が支払われません。
まず、現在の契約内容を確認し、以下の内容をチェックしてください。
● 水災補償の有無
● 補償の対象範囲(建物のみ・家財のみ・両方)
● 免責金額(自己負担額)
● 補償金額の上限
ハザードマップで浸水リスクが高いと分かった地域に住んでいる場合、水災補償の追加や補償金額の引き上げを検討する価値があります。
保険料は上がりますが、被災後の生活再建に必要な資金を確保できるため、家族構成や資産状況に合わせて見直しましょう。
⑥家族の避難計画(マイタイムライン)をつくる
避難の判断が遅れると、冠水した道路で身動きが取れなくなり、命の危険にさらされます。事前に家族で避難のタイミングや行動を決めておけば、パニックを避けて冷静に行動できます。
避難計画(マイタイムライン)作成時のポイントは、以下のとおりです。
● 警戒レベル3で準備開始、レベル4で避難など、避難開始の基準を家族で決めておく
● 災害用伝言ダイヤル171の使い方を確認し、連絡方法を共有しておく
● 指定避難所や親戚の家など、集合場所をあらかじめ決めておく
小さな子どもや高齢者がいる家庭は早めの避難が原則です。また、ペットを飼っている方は、一緒に避難できる場所を、あらかじめ調べておきましょう。
⑦浸水リスクを知るために自宅のハザードマップを確認する
ハザードマップでは、以下の内容を把握できます。
● 想定される浸水の深さ
● 最寄りの避難所の位置
● 想定される災害の種類と危険区域
自宅がどの程度の水害リスクにさらされているかを把握すれば、必要な対策の優先順位を決められます。
浸水深50cm以上の場所では床上浸水の危険があり、3m以上では2階まで浸水する可能性があるため、垂直避難では不十分です。
大雨の予報が出てから確認するのではなく、日頃から家族でマップを見ながら避難ルートを歩いてみると、避難時に迷わず行動できます。
4. 水害対策におすすめの防災グッズ5選
水害時の断水・停電・避難に備えるには、日常的に使える防災グッズを揃えておくと安心です。ここでは、水害対策グッズの一覧を以下のようにランキング形式で紹介します。
1. 携帯浄水器と飲料水
2. 緊急脱出用ハンマー
3. 防災ラジオ・ライト
4. 防水バッグ・防水ケース
5. 家庭用ポータブル電源
今からできる準備から始めて、防災への備えを進めましょう。
1.携帯浄水器と飲料水で断水時の生活用水を確保する

引用元:Amazon
断水が発生すると、以下のような場面で水を準備しないといけません。
● 飲料水
● 調理
● 手洗い
● トイレ
備蓄している飲料水だけでは数日で底をつく可能性があるため、水を確保する手段を複数持っておくと安心です。
携帯浄水器があれば、川や雨水をろ過して飲用可能な水に変えられます。バクテリアや不純物を除去するフィルター式の製品が多く、備蓄水が不足した際の補助手段にも役立ちます。市販品は持ち運びやすいコンパクトサイズで、アウトドアにも使えて便利です。
2.緊急脱出用ハンマーで車の水没時に脱出できるようにする

引用元:楽天市場
水害時に車が冠水すると、水圧でドアが開かなくなり車内に閉じ込められるため危険です。浸水が進むほど水圧が増して脱出が困難になり、成人男性でもドアを開けられない可能性があります。
緊急脱出用ハンマーは、窓ガラスを割る尖った金属製の先端と、シートベルトを切断するカッター機能を備えた工具です。車が水没した際に窓ガラスを破壊して車外へ脱出するために使います。コンパクトで扱いやすく、力が弱い方でもガラスを割れる設計になっています。
3.防災ラジオ・ライトで停電時でも情報と灯りを確保する

引用元:楽天市場
停電が発生するとスマホの充電が切れ、気象情報や避難指示といった命を守る情報が得られなくなります。電池式やソーラー充電式の防災ラジオがあれば、電源がない状況でも最新情報を入手することが可能です。
多機能のモデルを購入すれば、以下のような場面でも活躍します。
● 手回し発電機能があり、電池が切れても発電して使い続けられる
● LEDライトが内蔵されており、夜間の避難時や停電時の照明として使える
● USB充電ポートがあり、スマホの給電に対応している
明かりと情報を同時に確保できる防災ラジオは、水害対策の必需品です。
4.防水バッグ・防水ケースでスマホや貴重品を水から守る

引用元:楽天市場
スマホが水没して使えなくなると、家族との連絡・避難情報の確認ができず、孤立状態に陥ります。避難時にスマホを守るには、防水性能の高いケースに入れておくのが確実です。
防水ケースは完全密閉型で、水に浸かってもスマホを操作できるタイプがあります。首から下げられるストラップ付きなら、避難中も両手が空いて動きやすいです。
5.家庭用ポータブル電源で停電時の電力を確保する

長時間の停電ではスマホや通信機器も充電切れで使えなくなり、真夏や真冬は冷暖房が使えず、体調を崩すリスクも高まります。
家庭用ポータブル電源は、大容量バッテリーを内蔵した持ち運び可能な蓄電池です。また、以下のような家電を複数同時に動かせます。
● スマホ
● LED照明
● ノートパソコン
ソーラーパネルと組み合わせれば、太陽光で充電できて長期避難時も安心です。
5. 災害の停電対策には「Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」を活用しよう!
非常電源を選ぶなら「Jackery」のポータブル電源がおすすめです。ポータブル電源とは、コンセントが使える持ち運び式の蓄電池で、停電時でも家電製品を動かせます。
代表的な使用例は以下のとおりです。
● スマホの充電
● 暖房器具の稼働
● 情報収集のためのラジオやWi-Fi機器の使用
● 小型の炊飯器や電気鍋で簡単な調理
ソーラーパネルとセットで使えば、長期停電でも太陽光で充電を続けられ、電力を確保し続けられます。また、キャンプや車中泊といった日常のレジャーにも活用できます。
Jackeryは13年間の販売実績を持つアメリカ発の人気ブランドです。防災製品等推奨品マークを取得しており、専門機関の審査を通過した信頼性の高い製品です。
今後の災害に備え、Jackeryのポータブル電源を導入して対策を始めましょう。
まとめ
水害対策は、まず自宅周辺の浸水リスクをハザードマップで確認し、避難のタイミングや経路を家族で決めておく必要があります。排水口の点検・清掃に加え、土のうや水のうを準備して浸水に備えます。
国や自治体は堤防・ダムの整備、流域治水の推進を進めていますが、想定を超える豪雨はいつ起こるか分かりません。
携帯浄水器・防災ラジオなどの防災グッズを揃え、停電時の電力確保にはJackeryのポータブル電源が役立ちます。自分の身を守るために、できることから備えを始めましょう。