雷が落ちたらどうなるの?人は?落ちた場所は跡が残る?危険性と対策まとめ

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雷は自然の中でもとくに強い電気現象。夏の夕立や台風の時期になると、空が光り、轟音が鳴り響く経験をしたことがある人もいるはずです。でも、実際に雷が落ちたらどうなるのか、具体的に説明できる人は少ないでしょう。 

この記事では、雷が人や車、建物などに落ちた場合に何が起こるのか詳しく解説します。また、雷から身を守る対策も紹介するので、雷雨の日を安全に過ごしたい人は確認してみてください。

目次

1.【人編】雷が落ちたらどうなるのか?


まずは、雷が人に与える影響をさまざまな角度から見ていきます。

①雷が人に落ちたら|「直撃」すると死亡リスクが高い

雷の電圧は200万~1億ボルトにも達し、電流は約2万アンペアにもなることがあります。これは家庭用コンセント(100V/10~15アンペア)の何千倍もの威力です。

雷の電圧

引用:中部電力 

この強烈な電気エネルギーが人体に直撃すると、以下のような影響を与えます。 

● 心臓停止

● 呼吸停止

● 重度のやけど

● 意識喪失

● 神経系のダメージ 

意外なことに、雷の直撃を受けた人の生存率は約9割とされています。しかし、生き残った場合でも重度のやけどや神経障害などの後遺症が残るケースが多いです。また、落雷の衝撃で倒れた際に頭を打つなど、二次的な怪我のリスクもあります。 

参考:MSDマニュアル

②落雷があったモノ・人からの「側撃」を受けても死亡リスクが高い

直接雷が落ちなくても、雷が落ちた物や人の近くにいると「側撃」という現象で被害を受けることがあります。側激とは、雷が落ちた場所から電流が「横に流れる」現象です。たとえば、木に雷が落ちると、その木から数メートル離れた場所でも強い電気を受ける可能性があります。 

JAFによる人工的な雷を車に落とす実験では、落雷後にドアの先端から複数の放電痕が見つかっています。これは車体から放電が側面に強く広がった証拠です。

落雷時、車や車内にいる人への影響

引用:JAF「落雷時、車や車内にいる人への影響は?(JAFユーザーテスト)」

同様に人の場合も、雷が直撃した人から周囲数メートルの範囲にいる人にも電流が流れる危険性があります。

③急激な電位差によって発生する「歩幅電圧」を受けた場合はめまいなどの症状が出る

「歩幅電圧」とは、雷が地面に落ちた時に、地面を伝わる電流によって生じる電位差のことです。

雷が地面に落ちると、落雷地点から同心円状に電流が広がります。このとき地面には電位差(電圧の違い)が発生。人が両足を開いて立っていると、左右の足で異なる電位を受けることになり、その差によって電流が足から足へと流れます。

歩幅電圧によって現れる主な症状は以下のとおりです。

● めまい

● しびれ

● 筋肉のけいれん

● バランス感覚の喪失

● 転倒による二次的な怪我

歩幅電圧の影響は直撃や側撃ほど致命的ではありません。しかし、転倒による二次被害のリスクも含めて無視できない危険があります。

④落雷に伴う「爆風」は衝撃によるケガや内蔵損傷のリスクがある

落雷の瞬間、雷の熱で周囲の空気が急激に膨張することで生じる「爆風」も危険があります。

雷は瞬間的に約27,700度と、太陽の表面よりも高温になることがあります。この猛烈な熱により、周囲の空気が一瞬で数百倍に膨張し、強力な衝撃波(爆風)が発生します。

参考:フランクリンジャパン株式会社

爆風による人体への主な影響は以下のとおりです。

● 鼓膜の損傷

● 内蔵の損傷

● 吹き飛ばされることによる外傷

● 一時的な聴覚障害

爆風は直撃・側撃のように、直接的な死亡リスクにはなりません。ただし、吹き飛ばされて頭を打ったり、心臓への損傷があれば死亡してしまうことも。軽視できない落雷の危険要素のひとつです。

⑤落雷の周辺に発生する「コロナ放電」は一時的な意識喪失・しびれを起こす

「コロナ放電」とは、落雷にともない、落下地点周辺から小さな電流が上向きに流れる現象です。人体に与える主な影響には、以下のようなものがあります。

● 皮膚のチクチク感

● 筋肉のしびれ

● 意図しない筋肉の収縮

● 一時的な意識喪失・混乱

コロナ放電で発生するのは微弱な電流ではあるものの、不快感や一時的な身体機能障害を引き起こす可能性があります。直接命に関わるケースは少ないですが、このような被害もあり得ることを知っておくと良いでしょう。

関連人気記事:雷で停電するのはなぜ?3つの対処法・8つの被害を予防する対策を解説

2.【モノ・建物編】雷が落ちた場所はどうなるのか?


次に気になるのが、モノや建物に雷が落ちた場合です。ここでは、雷がさまざまな物に落ちた場合の影響について解説します。

①コンクリートやアスファルトに雷が落ちたら|衝撃で欠けたり穴が空いたりする

雷の温度は約27,700℃にも達し、この極端な高熱と電流のエネルギーがコンクリートやアスファルトを一瞬で加熱します。その結果、材料内部の水分が急激に蒸発し、膨張して爆発的な力が発生。これによって以下のような影響が現れます。

● 表面の欠け・破損

● 直径数センチから数十センチの穴

● 放射状のひび割れ

● 黒く焦げた跡

道路や歩道に落ちた場合は、通行の安全性を損なうほどの大穴ができてしまうことも。穴を発見したら自治体に連絡しましょう。

②車に雷が落ちたら|中の人に影響はないが、走行できなくなる可能性が高い

雷が車に落ちた場合、車内の人は安全ですが、車そのものにはさまざまな影響が出ることがあります。JAFの落雷実験では、窓の開閉状況にかかわらず、車内にいたマネキンに焦げ跡などは一切見当たりませんでした。

落雷時、車や車内にいる人への影響

引用:JAF「落雷時、車や車内にいる人への影響は?(JAFユーザーテスト)」

一方で、雷が車に落ちたら、車への影響を以下のように報告しています

【ハイブリッド車(HV)】の場合

・エンジンがかからず
・エアコンが送風し稼働せず
・ タイヤには雷の痕跡
ライト類やパワーウィンドウは問題なく作動

【電気自動車(EV)の場合】

・EVシステムや高電圧バッテリー・ブレーキ機能に故障・エラーが発生
エアコンは正常に動作
・タイヤには雷の痕跡
ライト類やパワーウィンドウは問題なく作動

ハイブリッド車ではそもそもエンジンがかからず。電気自動車はエンジンこそかかるものの、EVシステムやその他の主要な部品に故障やエラーが発生し、実質的に走行不能となりました。

参考:JAF「落雷時、車や車内にいる人への影響は?(JAFユーザーテスト)」

もし落雷後に走行可能だったとしても、内部の部品に不具合が起きている可能性は否めません。ディーラーや整備工場で点検を受けましょう。

③建物や近くの電柱に雷が落ちたら|過電流が流れて家電が故障&周辺が停電するリスクがある

雷が建物や電柱に落ちると、瞬間的にとてつもない大きさの電流が流れます。この影響で、付近では以下のような深刻な被害を受けることがあります。

● コンセントにつないでいるテレビやパソコンなどの電子機器の故障

● 配線のショートによる火災

● 電線が切れることによる周辺地域の停電

参考:中部電力

雷が原因の過電流は、数千ボルトから数万ボルトにもなり、一般的な家庭用電気回路(100V)では対応できません。そのため、保護機能がない場合、機器が一瞬でダメージを受けます。

関連記事:猛暑時の停電では熱中症に注意!夏の停電時の対策と防災グッズ8選

3.落雷から身を守るにはどうすればいい?

落雷から身を守るにはどうすればいい?

ここまでの解説で、雷の危険性がわかりました。しかし、雷からどのように身を守れば良いのでしょうか。ここでは具体的な落雷対策を紹介します。

①雷が近づいてきたら、建物や車の中に逃げよう

雷から身を守るもっとも効果的な方法は、以下のように安全な避難場所に素早く移動することです。

● 頑丈な建物内(鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物が理想)

● オープンカーを除く自動車内

● 最後の手段として、背の低い場所でしゃがむ

建物内にいる場合は、窓から離れた場所が安全です。窓ガラスから入った雷が室内に飛び込むケースはまれですが、万が一に備えて窓際は避けましょう。

野外で避難する場所がない場合は、できるだけ姿勢を低くし、両足をそろえてしゃがんでください。頭を低くすることで、直撃や側激のリスクを抑えられます。

②電気機器や壁から1メートル以上離れよう

建物に直接雷が落ちると電線を伝って室内の電子機器に影響を与えることがあります。また、壁の中の配線や金属部分に電流が流れるリスクも。こうした電流から身を守るために、以下の点に注意しましょう。

● テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの大型電化製品から1メートル以上離れる

● 壁からも1メートル以上離れる

● 可能であれば部屋の真ん中にいる

● 有線の電話や固定電話を使用しない

念のため使っていない機器のプラグをコンセントから抜いておくと、機器の保護にもつながります。

③大きな木や柱の近くからは離れよう

雷は高いところに落ちやすい性質があります。そのため、以下のような場所はとくに危険です。

● 高い木の下や近く

● 電柱の近く

● 鉄塔の近く

● 高い建物のすぐそば

● 開けた場所での一本木

高いものから少なくとも10メートル以上離れることで、側撃や歩幅電圧のリスクを減らせます。また、複数の高いものが近くにある場合は、それらの中間地点に立つこともなるべく避けてください。より大きな電流が流れてしまうリスクがあるからです。

④傘や釣り竿など、長いものは持たないようにしよう

雷は周囲より高い位置や先のとがったものに落ちやすい傾向があります。そのため、雷の標的になりやすい、以下のような物を持つのは避けましょう。

● 傘(とくに骨組みが金属製のもの)

● 釣り竿

● ゴルフクラブ

● 金属製のストック

● 長い農具や工具

雷が鳴り始めたらすぐに、こうした長いものは安全な場所に置いて避難しましょう。傘を差している場合はたたんで低く持つか、手放して建物内に避難するのが望ましいです。

⑤家の中の電源タップを「雷サージ対応」のものに切り替えておこう

雷が電線に落ちると、急激な電圧の上昇でコンセントに接続された機器を破壊することがあります。これを防ぐためには「雷サージ防止機能」のついた電源タップを使いましょう。とくにパソコンやテレビ、冷蔵庫など、高価な機器は電源タップを優先して切り替えるのがおすすめです。

⑥停電に備えてモバイルバッテリーやポータブル電源を用意しておこう

ウェザーニュースによれば、リラ雷雨が起きたときの被害の第4位が「落雷による停電」となっています。

ゲリラ雷雨が起きたときの被害

引用:ウェザ―ニュース「2024年のゲリラ雷雨は全国で約7.9万回発生、ピークは8月下旬」

停電は短時間で復旧することもあれば、1日~1週間以上続くことも。そのため、非常用電源としてモバイルバッテリーやポータブル電源を用意しておくと良いでしょう。

とくに大容量でACコンセントも搭載するバッテリー「ポータブル電源」は家庭の防災で頼りになるアイテム。最近の製品は1,000W~3,000Wの出力に対応しているものが多いです。スマートフォンの充電だけでなく、電子レンジ、炊飯器、エアコン、冷蔵庫などの消費電力が大きな家電も使えます。夏の停電で冷蔵庫の中身をすべてダメにしてしまう心配もありません。1台用意しておくだけで、停電時の安心感が段違いに上がるでしょう。

関連ページ:非常用ポータブル電源おすすめ9選!選び方や災害での使い道も解説

4.「Jackery」のポータブル電源で停電対策!突然の落雷も安心


「Jackery」のポータブル電源で停電対策!突然の落雷も安心

防災安全協会の「防災製品等推奨品」認定を受けている「Jackery」のポータブル電源は、多くの家庭で停電対策として使われています。Jackeryのポータブル電源が、落雷による停電対策に最適な理由は以下のとおり。

● 自己放電率が5%/年と非常に低く、災害のときだけ使っても容量がしっかり残ったまま

● 最短1時間で充電できる「緊急充電モード」により、これから雷雨が来るシーンにスピード充電可能

● コンセント⇒ポータブル電源⇒機器の順でつないでおけば、瞬時に機器への給電元をポータブル電源に切り替える「UPS(EPS)機能搭載」※

※ポータブル電源のUPS機能は0.02秒以下で切り替えるものではないため、パソコンやサーバーなどの精密機器の使用には向きません。

長期停電をともなう大地震などにも対応可能な、太陽光で充電できるソーラーパネルセット「Jackery Solar Generator」もご用意。普段使いすれば電気代の節約にもなります。他社の同クラス製品よりも圧倒的に軽くて小さい設計で、車中泊やキャンプに持ち出しても大活躍です。1台用意して、停電が起きても安心の環境を整えておきましょう。



5.「雷が落ちたらどうなる」に関するよくある質問(Q&A)


落雷に関するよくある質問と、その回答をまとめました。

①雷が落ちやすい人っているの?

「雷が落ちやすい人」は存在しません。よくある「貴金属を身に着けている人や、にペースメーカーが入っている人に落雷しやすい」説も迷信です。

一方で傘やゴルフクラブなどを持っていると落雷のリスクが大幅に上がります。こうした先のとがった長いものは持たないようにしましょう。

②雷が自分に落ちる確率ってどのくらい?

雷が自分に直撃する確率は10,000分の1以下といわれています。ただし、先のとがった長いものを持っていたり、ほかに何もない平地にいたりすると直撃のリスクは上がります。雷が鳴り始めたら、車の中や屋外の安全な場所に避難しましょう。

③雷が家に落ちたとき、家の中にいたら死亡するリスクはある?

頑丈な建物の中にいれば、直接的な落雷による死亡リスクは極めて低いです。現代の建物には避雷針や接地(アース)システムが設置されており、雷が落ちても電流を安全に地中に逃がす設計になっています。ただし、以下のような状況では死亡リスクも否定できません。

● 有線電話を使用中に落雷があった場合

● 水道管や電気配線に触れている時

● コンセントにつながった機器との距離が近い時

● 窓の近くにいて、窓ガラスが雷の衝撃で割れた場合

● 煙突や屋根裏を伝って火災が発生した場合

佐賀県教育センターによれば、有線電話の使用中に落雷があり、電話線を通じて感電死した例があります。現代ではこうした事故はまれですが、雷が鳴っている間は有線電話の使用を避けましょう。また、コンセントにつながった1m以上の距離を取るようにしてください。

参考:佐賀県教育センター「屋内での雷回避」

④雷のときにしてはいけないことはある?

身を守るために、雷のときには以下のことは控えるべきです。

● 開けた場所で立ち止まる

● 木の下や電柱の近くに避難する

● 傘のような長いもの・とがったものを持つ

● 川や池、海など水辺にいる

● 金属製の柵や手すりに触れる

● 自転車やバイクで移動を続ける

● 有線電話を使用する

とくに屋外で活動しているときは、雷が鳴り始めたらすぐに中止して安全な場所に避難してください。スポーツや屋外イベントの実施予定がある場合は、事前に気象情報をチェックし、雷雨の予報があれば延期や中止を検討することが望ましいです。

6.まとめ


この記事で解説した、落雷の影響と対策のポイントをおさらいしましょう。

● 雷の直撃・側激を受けると死亡リスクが高い

● 歩幅電圧・爆風など、直接雷が落ちなくても危険がある

● 車に雷が落ちた場合、車内にいる人は安全だが、車は使えなくなる可能性が高い

● 建物内にいると比較的安全だが、コンセントにつながった機器や配線からは離れるべき

● 雷から身を守るためには、屋内や車内に避難し、先のとがった長いものや金属製のものを持たない

雷は自然現象であり、完全に避けることはできません。しかし適切な知識と対策を持っていれば、そのリスクを大幅に減らせます。雷雨の多い季節には気象情報をチェックしたうえで、自分の身の安全を第一に考えて行動しましょう。

また、雷による停電の発生もよくあります。短時間の停電でも、夏に起きれば冷蔵庫の中身がすべてダメになってしまうことも。そこで、ポータブル電源を用意し停電対策するのがおすすめです。信頼性の高いJackeryのポータブル電源で、停電時の安心感を手に入れましょう。

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