瞬間停電とは?「瞬低」や「停電」との違いを解説!被害事例や対策も紹介

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瞬間停電とは、「瞬停」ともいわれる停電の種類の一つです。「瞬停と停電の違いって何?」「瞬間停電の対策を知りたい」と調べていませんか?

 

この記事では、瞬間停電について解説。また「瞬低」や「停電」との違い、発生する原因・対策も紹介します。

 

この記事を読むことで瞬間停電の知識が身に付き、電力トラブルで発生する損失や損害を未然に防げるでしょう。

目次

1.停電は「瞬停・瞬断」「瞬低」「停電」の3種類

 

停電には「瞬停・瞬断」「瞬低」「停電」の3種類があり、それぞれ電気の供給状況や持続時間が異なります。電気トラブルに適切に対応できるよう、それぞれの違いを把握しておきましょう。 

参考:「J-Stage|瞬時電圧低下現象 2.瞬時電圧低下と停電の違い」より

瞬停(瞬間停電)・瞬断|瞬間的に発生する停電

「瞬停」は、ごく短い時間だけ電気の供給が止まる現象を指します。一般的に1分未満の停電が該当し、短時間で復旧するのが特徴です。「瞬断」や「短時間停電」と呼ばれることもあります。短時間であっても電子機器に影響を与えることがあり、対策が必要です。 

なお日本工業規格(JIS)では「短時間停電」を「1分以内の電圧喪失」と定めており、瞬停・瞬断もこの範囲に含まれます。

瞬低(瞬時電圧低下)|ごく短時間に発生する電圧の低下

「瞬低」は、電力の供給自体は続いているものの、一時的に電圧が低下する現象です。「電圧ディップ」とも呼ばれ、照明の明るさが一瞬暗くなったり、電子機器が誤作動を起こしたりする原因になります。 

電圧がゼロになるわけではないため、停電とは異なるものとして扱われます。

停電|長時間にわたる電力の停止

「停電」は、1分以上電気の供給が完全に途絶える状態です。一度発生すると復旧までに時間がかかることが多く、長時間電気が使えないケースもあります。 

電力会社は、変電所に近い地域から順番に電気を流し、問題がないか確認しながら復旧を進めます。停電になると照明や家電がすべて使えなくなるため、対策を考えておかなければいけません。

2.瞬停・瞬低・停電が起きる3つの原因

 

瞬停・瞬低・停電が起きる3つの原因

瞬停・瞬低・停電が起きる原因は多くありますが、数あるなかで以下3つにまとめました。 

落雷・自然災害による電圧の不安定化や電力供給の停止

電力消費が高い設備や機器の稼働

地域の送電線の損傷や破損、電力需要の増加 

原因を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

原因1:落雷・自然災害による電圧の不安定化や電力供給の停止

落雷や以下のような自然災害が原因で、電圧の不安定化や電力供給の停止が発生します。 

地震・土砂崩れによる電柱の損傷や倒壊

台風や暴風時、飛来物による電線の切断

電線に積もった雪の重さによる電線の切断 

落雷・自然災害が原因の停電は天候が回復するまで復旧作業に入るのが困難なため、電力復旧に時間がかかります。

原因2:電力消費が高い設備や機器の稼働

電力消費が高い設備・機器の稼働が原因で、瞬停・瞬低・停電が起きます。例えば、工場や事業所で電気炉や大型モーターのような電力を多く消費する設備を稼働させると、電力供給・電圧において以下の異常が発生します。 

瞬間的な電力供給量が不足

電圧の負荷が増加し電圧低下 

そのため電力会社から安定して電力が供給されていても、工場・事業所内で急激に電力を消費すると瞬停・瞬低・停電が起きるケースがあります。

原因3:地域の送電線の損傷や破損、電力需要の増加

地域の送電線の損傷や、破損も原因として考えられます。以下の原因で送電線の損傷・破損すると、電力供給に異常が発生し瞬停・瞬低・停電が起きやすい状況になります。 

カラスなどの鳥が電柱に巣を作る

電柱に車両が衝突する

クレーンなどの重機が電線に接触する

火災により電線が損傷する 

また電力需要の増加も、原因の一つです。例えば、地域で夏場・冬場の冷暖房の需要が増えることで一時的に電力量が増加します。そのため電力供給のバランスが不安定になり、瞬停・瞬低・停電が発生します。

関連人気記事:停電はなぜ起きるのか?停電の原因と停電時に備えておきたいグッズについて徹底解説!

3.瞬停・瞬低の影響が予想される3つのシーン・事例

 

瞬停・瞬低が発生するとさまざまなシーンで影響を与えますが、特に影響がある以下3のシーンをまとめました。 

工場

会社・オフィス

病院 

ここでは、瞬停・瞬低が及ぼす影響を紹介しています。また過去に発生した事例・調査結果を紹介しているので、それぞれ見ていきましょう。

工場|半導体工場でのクリーンルーム空調ストップ

工場で瞬停・瞬低が発生すると、モーターやインバーター・工作機などの工場設備が停止します。そのため生産ラインがストップし、計画していた生産数の減少で多額の被害が発生することもあり得ます。 

2010年12月8日に、三重県・岐阜県を中心に起きた「瞬時電圧低下事故」を例に見てみましょう。瞬低の影響で、東芝四日市(現・キオクシア)工場内に設置されているクリーンルームの空調設備が停止しました。 

主に「NAND型フラッシュメモリー(※)」を製造している同工場では、空調設備が停止したことにより以下の影響を与えています。 

※スマートフォンなど電子機器で利用されているデータを記憶する半導体 

影響

内容

被害総額

100~200億円

復旧状況

再稼働に半日、生産ラインの全面回復まで数週間から半年

瞬低による被害の対応

● 製造装置の停止

● 生産工程にあった製品の廃棄

同工場は、瞬低対策として「瞬時電圧低下補償装置」を導入していました。しかし同日に発生した瞬低事故では、装置のスペックを超えた電圧低下が発生しています。これにより生産ラインがストップし、多額の損害に繋がったと見られています。 

参考:「電気新聞|前工程の瞬低、大きな損害招く」より

会社・オフィス|PC・ロボットのデータ消失による業務停滞

会社・オフィスでは、PC・ロボットのデータ消失による業務停滞が想定されます。瞬停・瞬低が起こるとネットワーク環境を利用した職場では、突然電源が断たれることで以下の影響を及ぼします。 

PC・外付けHDD・NAS(ネットワークHDD)等のデータの損失

ネットワーク機器の故障で通信が切断

照明・空調など室内設備の一時的な停止 

2010年12月8日に三重県・岐阜県の瞬時電圧低下事故では、三重県のいなべ市にあるトヨタ車体いなべ工場でも生産ラインが影響を受けています。 

ミニバンを受託生産している同工場は、塗装工程などで使うロボットのデータが損失し、生産ラインが停止しました。瞬低の影響で、通常より約1時間遅れて操業開始しています。生産計画が遅れることで、生産数の減少や損失を取り戻すための人件費(残業代など)が発生します。 

瞬低・瞬停が起きるとPC・ロボットのデータに損傷を与え、生産効率を下げる要因になりす。 

参考元:「NKSJリスクマネジメント|瞬時電圧低下が及ぼす事業中断リスク 2.5.トヨタ車体いなべ工場の事例」より

病院|手術装置などのストップ

病院で瞬低・瞬停が発生すると照明器具や冷暖房など病院内の設備以外にも、手術装置や医療機器の停止も想定されます。 

「医療・福祉における電磁環境研究会」では、瞬停が生じた際に医療機器に与える影響を調査しています。瞬停により全ての医療機器に変化があり、なかでも以下2つの大きな影響が報告されています。 

医療機器

影響

人工呼吸器

● 電源異常のアラームの発生

● 後付けの表示画面が消灯

● 患者IDの消失

● 自己診断モードに1呼吸分送気が停止

 内視鏡手術装置(光源装置)

 

● 瞬時停電後、光源が自動的に復帰(瞬時停電後も抗原が復帰しなかった機器もあった)

病院内で瞬低・瞬停が起きると、患者の生命維持に関わる危険性も考えられます。 

参考:「平成21年度第3回 医療・福祉における電磁環境研究会」より

4.瞬低・瞬停・停電に備えた3の対策

 

瞬低・瞬停・停電に備えた3の対策

突然の瞬低・瞬停・停電で、電源トラブルや機器の誤作動など未然に防ぐ以下3つの装置があります。 

瞬低対策装置

無停電電源装置(UPS)

非常用電源 

それぞれ詳しく解説しているので、瞬低・瞬停・停電対策として会社・オフィス、工場などで備えてみてください。

瞬低対策装置|電圧低下による設備の電源トラブルなどを防止する

「瞬低対策装置」とは、瞬低による電源供給のストップ防止に特化した装置です。一時的に電圧の低下が発生した場合、瞬時に電力のバックアップを行い機器の電源トラブル・誤作動を未然に防ぎます。 

瞬低対策として設計されており、短時間(0.3~1秒間)の電圧変動が頻発する環境におすすめです。またメーカーによっては、瞬停にも対応できる装置があります。

無停電電源装置(UPS)|ある程度の時間、電力を供給しデータや機器を保護する

無停電電源装置(UPS)とは、ある程度の時間、電力を供給し続ける装置です。落雷や送電線の異常などによる突発的な停電が発生しても、以下の機能で一定時間電力供給ができます。 

電力が蓄電されているバッテリー

停電発生時に自動で作動する電力変換装置

安定した電力供給ができるため、停電が起きてもデータや機器の損失・誤作動を防ぎます。

非常用電源|停電の際、設備や機器など一時的に電力を供給する

非常用電源とは、停電が発生しても一時的に電力供給が可能な装置です。工場においては設備や機器の稼働を確保できるため、停電による生産ラインの停止で納期の遅れや損害を防ぎます。ただし、瞬停・瞬低に対応していない装置があることも理解しておきましょう。 

なお、非常用電源として使えるポータブル電源もおすすめします。会社・オフィスなどで備えておくと、停電が長時間に及んでもポータブル電源から電力供給が可能です。特に停電が発生した時に、電力供給がAC電源(家庭用コンセント)からポータブル電源に自動で切り替わる(※)「UPS機能」が内蔵されているモデルを推奨します。 

※「AC電源→ポータブル電源→電子機器」の順番で接続しておくことが条件 

停電時でも、ポータブル電源から安定した電力供給ができるので、会社・オフィスに備えておけばPCや電子機器などデータの損失を防止します。ポータブル電源も、非常用電源として検討してみてください。

関連人気記事:地震で停電が起きるのはなぜ?停電時の正しい行動や5つの被害への対策も解説

5.災害時の停電対策には「Jackery ポータブル電源」もおすすめ!

 

地震や台風などの自然災害が原因で、停電が発生することも考えられます。大規模な自然災害になると、長期間の停電もあり得ます。 

例えば2011年に発生した東日本大震災では、地震により466万戸以上の停電が発生しました。電力復旧まで発災から8日間(※)と、被災に遭った地域の94%が長期間の停電に及んでいます。 

※復旧作業に着手不可能な地域を含む 

参考:「経済産業省提供資料|3月11日の地震により東北電力で発生した広域停電の概要」より 

そこで、災害時の停電対策に「Jackery ポータブル電源」を備えてみてください。大容量・高出力でほとんどの家電製品を動かせるモデルやUPS機能が内蔵されているモデルもあります。 

どこでも手軽に持ち運べて場所をとらないサイズなので、好きな場所にカンタンに設置できます。その他のおすすめする理由は以下の通りです。 

ソーラーパネルと併用すれば長期間の停電にも対応できる

震度7の揺れに対応する堅固な耐久性があるから、いざという時でも正常に作動する

「一般社団法人防災安全協会」が推奨する「防災製品等推奨品認証」を取得している

「PSEマーク(※)」を取得した高品質なACアダプターを採用している

独自のBMS(バッテリーマネージメントシステム)で、過充電や過放電を防いでバッテリーの安全化・長寿命化を実現している

※「電気用品安全法」を満たしていることを表示するマーク 

Jackery(ジャクリ)なら、あなたに合ったポータブル電源がきっと見つかるはずです。停電対策の防災機器として「Jackery ポータブル電源」を備えて災害時の安心・安全を確保しましょう。 

停電時におすすめの非常用ポータブル電源一覧|Jackery Japan


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6.瞬間停電に関してよくある質問

 

瞬間停電に関して、以下の質問が多く寄せられています。 

瞬停の情報はリアルタイムでわかりますか?

今日、発生した瞬間停電を「X(旧Twitter)」以外に調べる方法はありますか?

過去に発生した瞬間停電の履歴は、関西電力や中部電力でも確認できますか?

一瞬だけ停電したのにブレーカーが落ちてないのですが、原因は何ですか? 

質問に対してそれぞれ回答しているので、参考にしてください。

瞬停の情報はリアルタイムでわかりますか?

瞬停の情報は、「X(旧Twitter)」などのSNSでわかります。例えば「Yahoo!JAPAN リアルタイム検索」を使って、X(旧Twitter)などSNS上で利用者の投稿を閲覧できます。「今、瞬停かな?」と思った場合は、Yahoo!JAPAN リアルタイム検索やSNSを確認してみるのも良いでしょう。 

参考:「Yahoo!JAPAN リアルタイム検索」より

今日、発生した瞬間停電を「X(旧Twitter)」以外に調べる方法はありますか?

今日、発生した瞬間停電は、各電力会社の「停電情報」から確認してください。発生日時や、復旧状況が掲載されています。

過去に発生した瞬間停電の履歴は、関西電力や中部電力でも確認できますか?

過去に発生した瞬間停電の履歴は、関西電力送配電では「過去の停電一覧」、中部電力パワーグリッドでは「停電情報」で公開されています。 

関西地方・中部地方の瞬間停電の履歴を知りたい場合は、参考にしてみてください。 

参考:「関西電力送配電|過去の停電一覧」より

参考:「中部電力パワーグリッド|停電情報」より

一瞬だけ停電したのにブレーカーが落ちてないのですが、原因は何ですか?

一瞬だけ停電したのにブレーカーが落ちてない場合は、ブレーカーの故障や漏電が考えられます。またブレーカーの故障や漏電以外にも、下記の原因も考えられます。 

雷や地震などの自然災害

電柱や電線、建物内の点検工事

建物内の電力供給に異常 

点検工事の場合は、事前に告知されることがほとんどです。また集合住宅の場合は建物内の電力供給に異常が発生していることが考えられるため、共有部分の電力状況(照明など)を確認してみてください。

まとめ

 

会社・オフィスや工場などで瞬停・瞬低・停電が起こると、PC・ロボットなどが影響を受けます。そのため設備や機器を安定して稼働できるように、「瞬低対策装置」などの装置を導入して対策してみてください。落雷で長時間の停電になった場合でも、電力供給ができる非常用電源として「Jackery ポータブル電源」もおすすめです。 

停電対策に「Jackery ポータブル電源」を導入して、電力トラブルによる損失や損害を未然に防ぎましょう。

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