1.液状化現象とは?原因と仕組み

液状化現象は、地震の揺れによって地盤が一時的に液体のような状態になる現象です。地震が起きた後のニュース映像で、道路が波打ち、家が傾き、砂まじりの泥水が地面から噴き出す様子を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

一見すると地面はしっかりしているように見えても、特定の条件がそろうと、強い揺れに耐えられなくなります。以下で、原因や仕組みを詳しく見ていきましょう。
①液状化現象とは地盤が一時的に液体のようになる現象
液状化は「地盤が壊れる」のではなく、「砂粒を押さえていた力が水圧で失われる現象」です。地盤は、砂や土の粒が積み重なり、その隙間を地下水が埋めた構造になっています。普段は粒同士が摩擦でかみ合い、安定した状態を保っています。
ところが地震の揺れが加わると、砂粒が動いて隙間の水の圧力が急上昇。その圧力が粒同士のかみ合いを上回った瞬間、地盤は砂粒が水の中に浮かぶ「泥水」のような状態に変わります。これが液状化です。

液状化した後は、圧力が高まった地下水が砂を巻き込みながら地表に噴き出します。これが「噴砂(ふんさ)」や「噴水(ふんすい)」と呼ばれる、液状化が起きたことを示すわかりやすいサインのひとつです。そして、砂の粒と水が分離したことにより、地盤の沈下や亀裂が引き起こされます。

地震が収まり水が抜けると、砂粒は再び沈み込み、地盤は元のような固体に戻ります。ただし、その間に建物が傾いたり沈下したりといった被害は取り戻せません。
②液状化はなぜ起こる?原因と仕組み|地下水と緩い砂地盤が関係
液状化が起きるには、主に3つの条件がそろう必要があります。
● 砂の地盤である:粒が細かくて締まりのゆるい砂地盤では、粒同士のかみ合いが弱く、揺れで簡単にばらけてしまう。人工の埋立地などが該当しやすい
● 地下水位が浅い:砂の隙間が水で満たされており、揺れを受けたときに水圧が急上昇しやすい
● 地震の揺れが強い、または長い:一般的に震度5以上の揺れで発生しやすく、揺れる時間が長いほどリスクが上がる
この3つがそろったとき、液状化が発生する可能性が高くなります。逆に言えば、粘土質の地盤やがれき(砂利)の多い地盤では液状化は起こりにくいとされています。粘土地盤は「ねばり」があり水圧が上がりにくく、がれき地盤は粒が大きくて隙間が多いことから圧力が逃げやすいためです。
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③液状化現象による主な被害|その後、住めなくなることも…

液状化の怖さは、揺れが収まった後から被害が広がっていく点です。具体的にどのような被害が起きるのか、以下にまとめました。
● 建物の傾斜・沈下:地盤が支える力を失い、建物が一方に傾いたり、不均一に沈み込んだりする。基礎に亀裂が入ることもある
● マンホールの浮き上がり:マンホールは地盤より軽いため、液状化した泥水の中で浮力を受け、道路から突き出すように浮き上がる
● 道路の損壊:地面が波打ったり、陥没したりして車が通れなくなる。救助・支援活動が遅れる原因になる
● 水道・ガス管の破断:地中に埋設された管が地盤の動きについていけず、破損・断裂する
● 噴砂の堆積:乾いた砂が舞い上がり、道路や庭を覆う。片付けに大量の時間と費用がかかる
被害は直接的なものにとどまらず、ライフラインを通じて液状化が起きていない周辺地域にまでおよぶことがあります。
電気や上下水道、ガスの復旧には1か月程度かかることも珍しくありません。住み続けることが難しくなるケースもあり、直接的な揺れと液状化の被害と並んで、生活への影響は深刻です。
2.液状化現象による被害事例
液状化現象は日本で何度も繰り返し発生しています。過去の地震ではどの規模・場所でこの被害が起きたのかを知っておくことが、リスクを把握するきっかけになるでしょう。以下では、日本で起きた液状化現象による被害事例を3つ紹介します。
①新潟地震(1964年)|日本初の大規模液状化でアパート倒壊

引用:地震本部
1964年6月16日、新潟県下越沖でマグニチュード7.5の地震が発生。最大震度は5と大きくなかったものの、信濃川沿いの埋立地で広範囲の液状化が起きました。
● 新潟市川岸町の3〜4階建て県営アパートが、建物自体は無傷のまま傾斜・横倒しになる
● 竣工1か月の昭和大橋では、川底の液状化で橋脚が移動し橋が落下
● 自動車が噴砂孔に埋没するなど、市街地に広く被害が拡大
この被害をきっかけに液状化研究が本格化し、日本に地震保険制度が生まれる契機にもなりました。
②東日本大震災(2011年)|浦安市やディズニー周辺で広範囲の被害

引用:消防科学と情報
2011年3月11日のモーメントマグニチュード9.0の巨大地震では、震源から遠く離れた関東地方にも深刻な液状化被害が発生しました。
● 住家被害は9都県80市区町村で約26,914棟
● 千葉県浦安市では埋立地のほぼ全域で液状化が発生し、約8,700棟が被害を受けた
● 地下の貯水槽が浮き上がるなどの被害も発生
● 上水道・下水道・ガスの完全復旧まで1か月以上を要した
参考:関東学院大学工学部 教授 若松 加寿江「東北地方太平洋沖地震による液状化被害の特徴」
東京ディズニーリゾート周辺も大規模な液状化の影響を受けましたが、事前の地盤改良が効果を発揮し、施設は早期に再開しています。
③能登半島地震(2024年)|最新の液状化事例

引用:令和6年能登半島地震による液状化発生地域の土地条件と液状化履歴
2024年1月1日、石川県能登地方でマグニチュード7.6の地震が発生しました。震度7を観測した能登半島を中心に甚大な被害が出たほか、離れた地域でも液状化が広がりました。
● 液状化の確認地点は2,000ヶ所超
● 被害は石川・富山・新潟・福井の4県32市町村におよぶ
● 道路の波打ち・住宅の傾斜・噴砂の堆積と複合的な被害が起きた
参考:防災科学技術研究所「令和6年能登半島地震液状化被害の分布と特徴」
液状化は一度起きたら終わりではなく、条件がそろえば同じ場所で繰り返します。リスクのある地域では継続的な対策が欠かせません。
3.液状化現象が起こりやすい場所の特徴
液状化は、砂が多く・地下水位が高い地盤で起きます。そのため、地形や土地の成り立ちを知ることが、自宅のリスクを判断する手がかりになるでしょう。
①埋立地のような新しい土地
海や湾の干潟・浅瀬を埋め立てて造った土地は、液状化が起きやすい地形のひとつです。埋め立て材に海底の砂が使われることが多いうえ、まだ十分に締まっていない新しい地層が多く、地下水位も高い傾向にあります。
浦安市や東京湾岸のエリアがその代表例。1960〜70年代以降に高度経済成長期を背景として急速に造成された土地は、液状化リスクがとくに高いとされています。
②かつて池や沼があった場所
昔の池・沼・湿地を埋め立てた土地も、液状化しやすい場所です。表面は整備されていても、地下には水を含みやすいやわらかい地層が残っていることがあります。
土地の成り立ちは現地を見ただけではわかりません。国土地理院の古地図や自治体のハザードマップを確認すると、かつてどんな地形だったかを調べられます。
③大河川の沿岸部
信濃川・利根川・淀川など大きな川の下流や沿岸部には、かつて川が流れていた「旧河道」や「自然堤防」が広がっています。旧河道や自然堤防周辺は砂質の地盤が多く、地下水位も高いため、液状化が発生しやすい条件が重なりやすいです。
東日本大震災では、利根川やその支流の旧河道で甚大な液状化被害が発生しています。川の近くに住んでいる方は、一度地盤の成り立ちを調べておくと安心です。
④砂丘間低地
海岸沿いの砂丘と砂丘の間にある低地も要注意。砂丘の高い部分では地下水位が深いため液状化は起きにくいですが、砂丘の間や内陸側の低地では地下水位が浅く、砂質の地盤が広がっているため液状化しやすくなります。
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県内灘町は、この砂丘を削った地盤に当たります。日本海側の平野は砂丘列が発達していて、地域全体として液状化リスクが高いケースが多いです。
関連記事:土砂崩れ対策は個人でもできる!国や自治体の取り組み事例も紹介
4.液状化現象への対策|個人でできる事前対策
液状化現象は、地盤の状態と地震の組み合わせによって引き起こされます。地震そのものを止める術はありませんが、事前に備えることでリスクを減らすことは可能です。以下で、個人でできる液状化現象への対策を紹介します。
①ハザードマップや地盤調査で液状化リスクを確認する
まず取り組みやすいのが、自分の住む土地の液状化リスクを調べることです。国土交通省の「重ねるハザードマップ」では、各市区町村が作成した液状化ハザードマップを無料で確認できます。「すべての情報から選択」⇒「災害リスク情報」⇒「都道府県液状化危険度分布図」と選択し、お住まいの地域の液状化リスクをチェックしてみてください。

ただし、ハザードマップはあくまでエリア別の大まかなリスクの目安です。より詳細なリスクを知りたい場合は、専門業者による地盤調査を行いましょう。とくに住宅を新築・購入する際は、地盤調査の実施をおすすめします。
②地盤改良工事や杭工事で液状化に強い家にする
もし土地のリスクが高いとわかったら、地盤改良工事や杭基礎工事によって被害を抑えましょう。
● 地盤改良:地盤を固化剤でかためる工法
● 杭工事:深部の硬い地盤まで杭を打ち込んで建物を支える工法
いずれも液状化による建物の傾斜・沈下を防ぐ効果があります。費用は工法や規模によって異なりますが、新築時に施工しておけば後からの補修コストを大きく抑えることが可能です。既存住宅向けの工法もあるため、専門業者に相談してみましょう。
③地震保険に加入して経済的リスクに備える
地盤改良が難しい場合でも、地震保険への加入で経済的なリスクを軽減できます。液状化による家屋の傾斜・沈下は地震保険の補償対象になる場合があるためです。ただし、液状化はどの程度の傾斜で「半壊」「全壊」に認定されるかが査定によって変わるため、契約内容をよく確認しておきましょう。
一般の火災保険では液状化による建物被害はカバーされません。地震保険は火災保険に付帯する形で加入するものです。現在加入している保険の内容を改めて確認することをおすすめします。
④大規模な停電を想定して非常用電源を用意する
液状化が発生するような大地震では電柱や発電所などの電力インフラも被害を受け、数日から数週間、長ければ1か月以上にわたる停電が起きることがあります。東日本大震災では、震源から遠く離れた茨城県などの地域でも、液状化現象による電柱の傾斜や倒壊が発生しました。

引用:内閣府防災情報のページ「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会第1回会合 被害に関するデータ等」
ライフラインが断たれた状態でも、スマホの充電や照明、冷蔵庫の稼働など生活を続けるための備えが欠かせません。非常用電源を事前に用意しておけば、万が一停電が長引いても安心して過ごせます。
5.災害時の停電対策に!Jackeryポータブル電源×ソーラーパネル

もし液状化現象、もしくは地震そのものが原因で停電が起きた時に役立つのが、Jackeryのポータブル電源×ソーラーパネルのセットです。
ポータブル電源とはコンセント出力も搭載した、モバイルバッテリーの上位互換のような持ち運び式バッテリーのこと。ソーラーパネルで太陽光から電力を繰り返し補充しながら使い続けられるため、停電が長引いても安心して電気を使い続けられます。ガソリンやガスなどの燃料購入・保管が必要なく、排気ガスが出ないため屋内で安心して使えるのもメリットです。
たとえば、停電中のこんなシーンで力を発揮します。
● 食料の腐敗を防ぐために冷蔵庫を稼働させたいとき
● 家族の安否確認・情報収集のためにスマホやパソコンを充電したいとき
● 夜間の安全確保のために照明を使いたいとき
● 電動ポンプや工具を動かして自宅周辺の復旧作業を進めたいとき
● 熱中症・低体温症を防ぐために扇風機や電気毛布を使いたいとき
● 電子レンジや炊飯器を使って温かいご飯や飲み物を作りたいとき
Jackeryのポータブル電源は自然放電率が非常に低く、満充電した状態で保管しても1年後に残量の90%以上が維持されます。「いざ使おうとしたらバッテリーが空だった」という事態を防げるため、長期保管が前提になる防災用途にピッタリです。7年連続で日本国内の売上高・販売台数1位を記録した実績があり、みなさんの「防災の要」としてお役立ていただいています。
また、バッテリーの寿命を表す「サイクル数」は約4,000回~6,000回で、毎日使っても10年以上もつ計算。普段のアウトドアや車中泊でも使いながら、そのまま非常用電源として備えられます。いつ起きるかわからない大地震に備えて、Jackeryのポータブル電源×ソーラーパネルを今のうちに用意しておきましょう。
まとめ
液状化現象は、緩い砂地盤・高い地下水位・強い揺れという3つの条件がそろったときに発生する現象です。揺れが収まった後も建物の傾斜・沈下やライフラインの断絶が長期間続くことがあります。個人でできる対策は次の4つです。
● ハザードマップや地盤調査で液状化リスクを確認する
● 地盤改良工事や杭工事で液状化に強い家にする
● 地震保険に加入して経済的リスクに備える
● 大規模な停電を想定して非常用電源を用意する
液状化現象では電柱などの電力インフラ被害が起きやすく、停電が長期化するリスクが非常に高いです。停電が数週間に及ぶ可能性を考え非常用電源を備えておきましょう。太陽光で電力を補充し続けられる「Jackeryのポータブル電源×ソーラーパネル」は停電対策にピッタリです。
直近30年以内に、高確率で「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」のような最強クラスの地震が起きる可能性も指摘されています。このタイミングで非常用電源をはじめ、地震・液状化現象への対策をしておきましょう。