大潮と釣りの関係は?釣りやすいタイミングや魚種別の釣り方も解説

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大潮は釣りにおいて魚の活性が高まりやすく、釣り人にとって狙い目の潮回りです。満潮時と干潮時の水位差が大きいため、潮流も速く動きます。それにより、水中にいるプランクトンが流れ出てきて、魚たちの捕食活動も活発になるため、釣果に直結しやすいのです。

 

本記事では、大潮が釣りに与える影響を解説します。大潮の説明や釣れるタイミング、釣果を上げるポイント、狙える魚と釣り方、大潮以外での釣りについても掲載しているので、釣果につながるでしょう。釣り初心者や釣れずに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

目次
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1.大潮とは?釣りとの関係

大潮とは、潮位の変化が一年のうちで最も大きくなる潮回りを指します。満潮と干潮の水位差が大きくなるため、海の流れも強く、魚の活性やベイト(小魚)の動きに大きな影響を与えるのです。釣りにおいて、潮の変化を理解できるかが釣果を左右する重要な要素です。 

また、水中の視認性や仕掛けの見え方にも影響するため、大潮の日は釣れるタイミングと釣りにくいタイミングがはっきり現れます。具体的に潮位の変化や魚の行動、水中環境への影響を確認し、大潮の日の釣りを攻略するポイントについて見ていきましょう。

大潮は潮位差が最も大きくなる

潮は、小潮<長潮<若潮<中潮<大潮の順に干満時との水位差が変わります。この周期が「潮回り」です。小潮期は水位差が小さく潮流も穏やかですが、大潮期は干満差が最大となり、海水が大きく移動するため潮流が強まります。 

この現象は、月の引力が影響し、満月や新月に大潮がくるのです。釣りにおいては、大潮期の潮流や水位変化が魚の捕食活動や回遊パターンに影響するため、釣果を左右する重要な要素です。潮回りの理解は、戦略的な釣行に欠かせません。

大潮が魚の活性に与える影響

大潮は、魚の活性が最も高まりやすい潮回りと釣り人から言われています。潮が速く大きく動くためプランクトンや小魚が活発に移動し、それを捕食する肉食魚(フィッシュイーター)の活動も自然と高まるためです。 

特に上げ潮や下げ潮の動き始めは、魚がエサを探して活発に動く「時合(じあい)」のタイミングであり、大潮期にはこの時合がはっきりと現れます。ただし、潮が止まる潮止まりや、流れが極端に速すぎる時間帯には逆に魚の活性が下がる場合もあります。

大潮は水中の視認性を悪くする

大潮期は潮流が強く、水中の水の動きも激しくなるため、魚の視認性が低下します。水中の透明度が落ちるので、魚からは仕掛けやラインが見づらい環境になるため、警戒心の強い魚でも接近してきやすいのです。 

このため、ルアーや餌釣りにおいて釣り人にとって有利な状況が生まれ、普段よりも釣果が期待できるタイミングといえます。ただし、潮流が極端に速い場合は仕掛け操作やキャストが難しくなる点に注意が必要です。

2.大潮で釣果が期待できる状況

大潮は潮位差が大きく潮の流れが活発になるので、つられて魚の捕食活動も活発化するため、釣果が期待できる潮回りです。しかし、潮の動きが強すぎたり、潮止まりの時間帯には逆に魚の活性が下がる場合もあります。 

そのため、大潮の日は「釣りやすいタイミング」と「釣りにくいタイミング」が明確に現れるのが特徴です。釣果を上げるためには、潮の動きや釣りやすい時間帯を把握し、魚の活性が高まる時合を狙うのが重要です。大潮で釣るための具体的なタイミングを解説します。

大潮で釣りやすいタイミング

大潮期の釣果を左右するのが、魚の捕食活動が活発になる「マズメ時」です。朝マズメは日の出の前後、夕マズメは日の入りの前後を指し、この時間帯は魚が積極的にエサを摂りに出てくるため釣果が期待できる時間です。 

他にも、満潮に向けて潮が約3割進んだ「上げ三分」、干潮に向けて潮が約7割引いた「下げ七分」が最も釣れやすいタイミングと言われています。この時間帯は潮流が最も活発になり、ベイト(小魚)の活動も増加するため、フィッシュイーターの活性も高まります。

大潮で釣りにくいタイミング

大潮でも釣りにくいのが「潮止まり」です。潮止まりとは、潮の流れが一時的にほぼ止まる時間帯を指し、この間は魚の活性が低下し、アタリも遠のきやすくなります。 

また、大潮は潮流が大きく魚の活性も高まりやすいため、多くの釣り人が釣れる潮として狙います。しかし、潮止まりや流れが極端に速すぎる状況では逆に釣りにならない場合ももあり、釣果を安定させるには潮の動きに応じた釣り場選びとタイミングの把握が必要です。

3.大潮で狙える魚種5選とおすすめの釣り方

大潮は潮の流れが活発になり、魚の捕食活動が活発化するため、多くの魚種が狙いやすい塩回りです。特にイカやキス、アジ、シーバス、青物などは、大潮の影響を受けて沿岸部や水面近くまで接岸しやすく、釣果に結びつきやすい代表的なターゲットとされます。 

釣り方も、それぞれ魚種に適したアプローチがあります。大潮に特に狙いやすい魚種と釣り方のポイントは、以下のとおりです。

イカ

イカ

大潮は潮目が形成されやすく、ベイト(小魚)の動きも活発になるため、イカにとっては絶好の捕食タイミングです。特に干潮からの上げ潮に変わるタイミングは、潮が動き出し、イカの活性が一気に高まる時間帯です。 

朝マズメや夕マズメと重なると、さらに釣果が期待できるゴールデンタイムになります。具体的には、干潮後30分〜1時間、または満潮の前後2時間が狙い目です。潮の変化に合わせイカの回遊ルートを読めば、エギング初心者でもヒットを得やすい状況を作れます。

キス

キス

キスは昼行性の魚で、太陽の光が差し込む浅場を好みます。特に大潮の「上げ潮」では、潮の流れとともに砂浜近くまで接岸し、活発にエサを追う傾向があります。なかでも朝マズメや夕マズメは、警戒心が薄れ、エサへの反応が格段に良くなる時間帯です。 

潮の動きと太陽の光が重なるこのタイミングは、キス釣りのゴールデンタイムと言えます。仕掛けが安定する穏やかな流れで、ボトムを丁寧に探ると釣果アップが狙えるでしょう。

アジ

アジ

アジは大潮の影響を強く受ける魚で、潮の動きが活発になると群れの活性も上がりやすくなります。そのため、アジ釣りをするなら、大潮は好条件です。ただし、軽量ルアー(約1g前後)を使う場合は、潮流に仕掛けが流されやすく、操作が難しい場合もあります。 

そんな時は、撒き餌で魚を寄せる「サビキ釣り」がおすすめです。潮に乗って回遊してくるアジを効率よく狙えるので、初心者でも手軽に数釣りを楽しめます。大潮の動きを活かして、群れが接岸するタイミングを狙うのが釣果アップのコツです。

シーバス

シーバス

シーバス(スズキ)は、大潮で釣りやすい魚の代表格です。潮の動きが活発になると、小魚やバチ(イソメやゴカイなどの相称)が大量に流され、それを追うシーバスの活性も一気に上がります。特に、潮が大きく動いた翌日の中潮は適度な流れができ、さらに狙いやすいです。 

釣り方としては、アジやエビを使った泳がせ釣りのほか、ミノーやバイブレーションなどのルアーで広範囲を探る方法があります。潮の流れに乗るベイトの動きを意識し、流心やヨレを丁寧に攻めると、良型シーバスに出会える可能性が高まります。

青物

青物

大潮は、青物(ブリ・カンパチ・サバなど)を狙う絶好のタイミングです。活発になったアジやイワシといった小魚が潮に乗って接岸するため、それを追う青物も接近してきます。朝マズメや夕マズメの時間帯に、回遊ルートに仕掛けを通せばヒット率が一気に上昇します。 

釣り方としては、メタルジグを用いたショアジギングのほか、サビキ仕掛けにジグを組み合わせた「サビキジギング」も有効です。潮の動きに合わせてジグの重さを調整し、ベイトの群れの層を的確に狙うのが釣果を伸ばすカギとなるでしょう。

4.大潮の釣りで釣果を上げるポイント3選

大潮は潮の動きが大きく、魚の活性が高まる一方で、潮止まりや強い潮流といった釣りにくい状況も発生します。そんな状況の中で釣果を安定させるには、潮の動きや時間帯、仕掛けの選定を的確に把握するのが重要です。 

ポイントを押さえれば、潮止まり前後のチャンスタイムを効率的に狙えたり、夜釣りでの光の影響を避けたり、潮流に適したタックルや仕掛けで魚の活性を逃さず攻略できます。ここでは、実践的に釣果を上げるための具体的なポイントを詳しく見ていきましょう。

潮止まりの前後を狙う

潮止まりの前後は、潮流が最も活発になる「勝負の時間帯」です。特に満潮・干潮の前後1〜2時間は、水の動きが強まり、魚たちの捕食行動が活発化します。潮が動くことでベイト(小魚)が流され、これを狙うフィッシュイーター(捕食魚)も行動範囲を広げます。 

釣果を上げるには、潮が完全に止まる潮止まりを避け、その直前または直後を狙うのが鉄則です。この短い時間帯を見極めれば、効率的かつ再現性の高い釣りが可能になります。潮の動きを意識したタイミング戦略は、経験者ほど重視する基本テクニックの一つです。

夜は光の影響を受けにくい場所を選ぶ

大潮は満月と重なる場合が多く、夜釣りでは月明かりが強く差し込むため、魚の警戒心が高まり活性が低下する場合があります。この現象は特に捕食魚に顕著で、釣り場から離れてしまうのも少なくありません。 

対策としては、潮止まりの前後に潮の動きが始まるタイミングを狙うことです。また、月夜の釣行では、常夜灯の下や水の濁った場所など、光の影響を受けにくいエリアを選ぶと、魚が安心してエサを捕食しやすくなり、釣果向上につながります。

潮の動きに適したタックル・仕掛けを選ぶ

大潮の日に安定した釣果を得るには、潮流に適したタックルと仕掛け選びが不可欠です。特に、流れの速いポイントでは、ボトムをしっかりと捉えられるように重めのシンカーやジグヘッドを使用するのが有効と言えます。 

また、潮の変化を感じ取れるよう感度の高いロッドや、潮や風の影響を受けにくいラインの使用も効果的です。夜釣りでは明かりで魚の警戒心が高まるため、カラーやアクションを控えましょう。潮が過度に速い場合は、比較的穏やかなポイントを選ぶのも重要です。

5.大潮の釣りに欠かせないポータブル電源とは

潮の釣りに欠かせないポータブル電源とは

大潮の釣りでは、飲み物や釣った魚を冷蔵保存したり、気温対策を万全にしたりと、ポータブル電源が大活躍します。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに蓄えた電気で、電源がない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。 

大潮の釣りでポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。 

扇風機や電気毛布を稼働して、快適な気温で釣りが楽しめる

小型冷蔵庫に釣った魚や活き餌を冷蔵保存しておける

電気ケトルや電気ポットを使い、簡単に軽食が作れる

集魚灯を点灯させて、夜釣りが楽しめる

釣りのポイントを調べるためのスマホを常に満充電にしておける 

ポータブル電源には、自宅と同じAC出力やUSB-A、USB-Cなどの多彩な出力ポートを搭載しているので、あらゆる家電を駆使して快適な釣りが楽しめるでしょう。 

大潮の釣りには、創業から14年間で世界販売台数600万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。業界トップクラスのコンパクト軽量設計により、駐車場から釣り場まで距離があっても負担になりません。 

UL認定の安全性、耐火性、耐衝撃性を備えているので、炎天下の釣りでも安心です。緊急充電モードを使えば、お出かけ前の最短60分でフル充電できます。

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6.【大潮以外】潮回り別の釣りやすさを比較

釣りでは大潮が注目されがちですが、それ以外の潮回りも魚の活性や釣果に大きな影響があります。中潮は潮の動きが安定し、初心者でも扱いやすい潮回りです。小潮は干満差が小さく潮流が緩やかで、魚の活性は上がりにくいですが、仕掛けを安定させるには有利です。 

長潮は潮の動きが極端に弱く、一日中静かな状況が続きますが、風やローライト条件、時合を意識すれば釣果につながります。ここでは、大潮以外の潮回りごとの特徴と釣りやすさを比較し、状況に応じた攻略法を紹介します。

中潮|大潮から小潮に向かうと釣れる

中潮は、潮の動きが適度で時合も安定しやすく、初心者でも扱いやすい「釣りやすい潮回り」です。潮流が強すぎず弱すぎないため、魚の活性も安定しやすく、基本的な仕掛けを使いこなすだけでも釣果につながります。 

また、上げ潮では魚が接岸しやすく、サーフや堤防の根周りではヒラメ・マゴチ・シーバスが好釣果を出しやすいです。一方、下げ潮では潮に乗ってベイトが流れ、回遊魚が入りやすく、ショアジギングなどでは絶好のチャンスとなります。

小潮|魚の活性が上がらない

小潮は干満の差が小さく、潮流も緩やかで魚の活性が上がりにくい潮回りです。満潮から干潮までの変化が数十センチ程度にとどまる場合もあり、朝マズメ・夕マズメの定番時合でも不発に終わる時もあります。 

しかし、仕掛けを安定させたい場合や流れを嫌う魚を狙う場合には好条件です。小潮攻略では、潮以外の風向き、水深、水質、ベイトの有無、濁りや水温の変化などを総合的に判断するのが重要です。潮に頼れない分、自然条件を活かした戦略が釣果を左右します。

長潮|要点を押さえれば釣れる

長潮は潮の動きが極端に弱く、静かな時間帯が一日中続く潮回りです。しかし、いくつかの条件が合えば、釣れる場合もあります。風があり太陽がほとんど出ない日や、水温が安定しベイトがいる時、さらにそこへ朝マズメ・夕マズメの時合いが重なるタイミングです。 

また長潮では、根魚や小型回遊魚など潮流に依存しない魚種を狙うのが有効です。オキアミやアミエビといった集魚力の高い餌を使うと良いでしょう。この仕掛けは活性の低い魚にも口を使わせやすく、釣果につながりやすい傾向があります。

7.大潮の釣りに関するよくある質問

大潮は魚の活性が高まる絶好の潮回りですが、一方で潮の流れが速すぎたり、夜間の月明かりの影響を受ける場合もあります。そのため、釣行前にはよくある疑問を整理しておくと釣果アップにつながるでしょう。 

大潮や満月が魚の産卵行動に与える影響や、船釣りで大潮が釣れにくいケース、さらには釣りやすい大潮の日をカレンダーで確認する方法など、知っておくと役立つ情報は多いのです。釣り人がよく思う疑問点を詳しく見ていきましょう。

大潮や満月が魚の産卵に与える影響は?

大潮や満月の時期は、潮位差が大きく潮の流れが強まるため、水中生物の産卵活動が活発になります。代表的な例が「バチ抜け」です。バチとはイソメやゴカイなどの総称で、普段は砂中に潜んでいますが、産卵のために水中へ浮上します。 

この現象が大潮と重なると、海中は一気に餌が豊富な状態となり、捕食魚の活性が高まります。大潮や満月の夜は、魚にとって「食いのスイッチ」が入るタイミングなのです。産卵期の行動パターンを理解し、この周期に釣行すれば、より高い釣果が期待できるでしょう。

大潮の日に船釣りでは釣れない?

大潮は潮の流れが非常に速く、船釣りでは釣果が上がりにくいです。特に青物は広範囲を回遊するため、船で群れを追い切れないケースが多発します。捕食魚の群れの移動が速く、ジグを落とした時には魚が離れているのも珍しくありません。 

これは大潮の潮流が速すぎて、活性の高い魚は一瞬で通過してしまうためです。偶然群れに当たり釣れても、後が続かない瞬発型の釣りになりやすいのが、大潮の船釣りです。

釣りやすい大潮の日はカレンダーで分かる?

潮回りの把握には、「潮汐カレンダー」や「潮汐表」を活用できます。これらには、その日の潮回りをはじめ、満潮・干潮の時刻、日の出・日没のタイミングまで記載されています。釣行計画を立てる上で、潮の動きと光量を同時に把握できるのは大きなメリットです。 

潮汐表は釣具店や港の掲示板などで入手できるほか、近年ではスマートフォンアプリやインターネットサイトでも簡単に確認可能です。釣りやすい大潮の日を事前にチェックしておくと、狙い通りの釣果につなげられるでしょう。

まとめ

大潮は魚の活性が高まりやすく、釣り人にとって魅力的な潮回りです。潮の流れや時間帯を理解して効率的に狙えば釣果アップにつながります。潮止まり前後やマズメ時を狙い、光や潮流に応じた釣り方や仕掛けを選べば、大潮の利点を最大限に活かせるでしょう。 

また、魚種ごとの行動パターンや潮汐カレンダーの活用も重要です。大潮の特性を正しく把握し、計画的に釣行して、より多くのチャンスをものにしてください。

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