1.ACとDCの違いは電気の流れ方にあり!
ACとDCには電気の流れ方で以下の違いがあります。
・【ACは交流電源】電気の流れる方向が入れ替わる
・【DCは直流電源】電気が同じ方向に流れ続ける
電気の流れ方による差を見ていきましょう。
●【ACは交流電源】電気の流れる方向が入れ替わる
ACとはAlternating Current(交流電流)の略称です。電気の流れる方向・電圧が一定周期でプラスとマイナスに入れ替わる性質を持ちます。ACは電圧が変化し続けているため、電圧を上げやすくなっています。
そのため、同じ量の電力を送る際には、電圧を上げて必要な電流を少なくできるのが特徴です(※)。一度に流れる電流が多いとロスも多くなりますが、ACのしくみを使えば小さなロスで送電できます。このことから、発電所から工場や家庭への長距離送電に多用されています。
※電力=電圧×電流であることから
●【DCは直流電源】電気が同じ方向に流れ続ける
DC電源とはDirect Current(直流電源)の略称であり、電気は常に同じ方向へ流れています。蓄電する機能があり、以下のような製品に多用されます。
・冷蔵庫
・パソコン
・太陽光発電システム
ACは、電流と電圧がプラスマイナスを行き来する間にエネルギーを消耗するのが弱点です。しかし、DCは電流と電圧が安定しているため、ロスなく電力を使えます。
2.AC(交流)とDC(直流)のメリット・デメリットを解説
AC(交流)とDC(直流)のメリットとデメリットを解説します。
・AC電源(交流)のメリット:インフラ設備に向いている
・AC電源(交流)のデメリット:送電線の設置に厳しい設置基準がある
・DC電源(直流)のメリット:蓄電できる
・DC電源(直流)のデメリット:設備にコストがかかる
それぞれの電源がどう使われているかをチェックしましょう。
●AC電源(交流)のメリット:インフラ設備に向いている
AC電源は電圧を変えやすいため、インフラ設備での使用に向いています。工場や家庭では必要な電圧・電力量が変わるため、送電先に合わせて電圧を変えられるAC電源は、発電所からの送電で活躍します。
通電中に電力供給を遮断しやすいため、設備を緊急停止しても影響が少ないのもメリットです。AC電源は、人々の生活や工場の製造ラインを支える手段として欠かせません。
●AC電源(交流)のデメリット:送電線の設置に厳しい設置基準がある
送電線には高圧電流が流れているため、厳しい設置基準があります。例えば、東京では建造物と送電線の距離が以下のように定められています。
・建造物は送電線から水平方向に3m以上離す
・風やたるみを考慮して水平以外の距離も5.76m以上離す
送電線は近づくだけで感電する恐れがあり、50万Vの送電線なら作業員は最低11m離れて作業しなければなりません。電力設備付近では、ドローンや鯉のぼりなどで遊ばないように注意しましょう。
●DC電源(直流)のメリット:蓄電できる
DC電源には蓄電できるメリットがあります。電気自動車やスマートフォンのバッテリー、太陽光発電システムなど幅広く使われており、現代人の生活に欠かせません。
他にも、コンセントが無い状況で家電が使えるポータブル電源にも採用されています。AC電源はインフラなどの大きな範囲で活躍し、DC電源は人の日常生活を支える役目があるといえるでしょう。
●DC電源(直流)のデメリット:設備にコストがかかる
DC電源は設備には以下の点でコストがかかります。
・危険性を下げるための電流遮断器が必要
・電食作用の悪影響を避けるために防食設備が必要
・変圧しにくいため、設備毎に合わせた変圧器が必要
例えば、鉄道のレールから直流の電気が地中に漏れてしまい、、付近の設備が電食(※)してしまった事例があります。鉄道のレールは電流量が多いため、電気が周囲に漏れだす量も増えてしまうのです。
電食を避けるため、周囲の設備は電食防止にコストを払う必要があります。DCはACに比べて、リスクを抑えるために高コストなのが難点です。
※金属が周囲の影響を受けて金属としての質を保てなくなること
3.なぜAC(交流)とDC(直流)があるのか?理由は「電力ロスの軽減」
ACとDCに分かれているのは、電力ロスを軽減するためです。例えば、発電所は家庭や工場に電力を届けるために、数十万Vもの高い電圧を使います。家庭に届けるために電圧を下げる際には電力のロスが起こりますが、ACはDCに比べて電圧を変えやすいため、この電力ロスを軽減可能です。
とはいえ、最近は技術の進歩により、DCの効率は徐々に改善されています。日本では株式会社NTTファシリティーズが、エネルギー効率を30%改善できると掲げる「高電圧直流給電システム(HVDC)」を開発しました。大学やデータセンターなどで採用されています。
また、HDVCを使った砂漠や洋上での大規模な太陽光発電も計画されており、エネルギー不足を解消する手段として目が離せません。
参考:一般社団法人電気設備学会「直流利活用に関する技術マップ及び技術ロードマップ策定に関する調査」p119
4.AC(交流)とDC(直流)を間違えると故障する可能性がある
ACとDCのアダプターは、接続を間違えると家電が故障する可能性があります。ACとDCの見分け方は以下のとおりです。
・アダプター本体のI/P(INPUT)と書かれた箇所にACかDCの表記がある
・アダプター本体のO/P(OUTPUT)にほとんどDCと書かれている
インバータという変換器があればDC電源でもAC家電を動かせますが、インバータなしで繋ぐと家電が故障するかもしれません。また、DC同士でも電圧が違えば故障するケースがあります。
アダプター本体のO/P(OUTPUT)に電圧が書かれているので、DC同士で繋ぐ際は互いの電圧をチェックしましょう。
5.DC電源の家電は使う機会が多いほど節約に繋がる!
DC電源の家電は省電力のため、使う機会が多い人ほど節約できます。三菱電機のACとDCモーターの扇風機で、平均寿命とされている8年間の電気代を比較しました。電気代の計算方法は、「消費電力量(kWh)×電力量料金:31円/kWh(※)」です。
製品名 |
R30J-DMB(DC電源) |
R30J-MB(AC電源) |
オープン価格 |
16,700円 |
9,980円 |
消費電力 |
10W |
34W |
1時間の消費電力 |
0.01kWh |
0.034kWh |
1日8時間の電気代 |
2.56円 |
8.432円 |
120日/年で8年間の電気代 |
約2,500円 |
約8,100円 |
240日/年で8年間の電気代 |
約5,000円 |
約16,200円 |
※電力量料金:31円/kWhは「全国家庭電気製品公正取引協議会」の目安です。
扇風機を夏だけ(120日間)使用すると約5,600円のプラスですが、これでは購入費の差を打ち消せません。しかし、扇風機には夏以外でも以下の使用方法があるため、240日間使ったとすると差額をペイできます。
・暖房で暖めた空気の循環
・扇風機を外に向ける換気
冬に扇風機を使ってエアコンで暖めた空気を循環させると、早めに室温が上がります。窓の外に向けて扇風機を回せば、効率の良い換気も可能です。
また、DCモーターの扇風機は優れた静音性や風量の細かい調節機能もあります。静かな風で涼めるので、赤ちゃんも起きにくくなります。利便性と省エネ性能を求める方は、DC家電がおすすめです。
6.停電やアウトドアでもACとDC電源の両方が使えるポータブル電源とソーラーパネルのセット3選
停電時やキャンプ先でDC電源動作の家電を使いたい人に、ACとDC電源を両方使えるポータブル電源と、ソーラーパネルのセット「Jackery Solar Generator」を紹介します。
Jackery(ジャクリ)は12年間で、世界中に400万台売り上げた実績を誇るポータブル電源メーカーです。利用者の98.9%が周囲にポータブル電源を薦めており、高い満足度を誇ります。また、2024年初めに起きた能登地震被災者への支援として、260台(2400万円相当)のポータブル電源とソーラーパネルを提供するなど、社会貢献も行っている企業です。
バッテリー容量・定格出力も段階的に揃っているため、用途や人数に合わせて選べます。DC電源の家電で電力消費の効率を高めたい人は、チェックしてみてください。
●Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セット
Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セットは、Jackery ポータブル電源 600 PlusとJackery Solar Saga 100 ソーラーパネルのお得な組み合わせです。軽量コンパクトで女性や子供でも持ち運びやすくなっています。
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セットは、Jackery ポータブル電源 1000 NewとJackery Solar Saga 100のパッケージ商品です。曇り空でも両面発電できる発電効率25%のソーラーパネルにより、天気が変わりやすい山でも、効率よく発電できます。。
●Jackery Solar Generator 2000 Plus ポータブル電源 セット
Jackery Solar Generator 2000 Plus ポータブル電源 セットは、Jackery ポータブル 電源 2000 PlusとJackery Solar Saga 200 ソーラーパネルのセット商品です。EPS機能により、家電とコンセントの間にポータブル電源を挟めば、停電と同時に電力供給がポータブル電源へ切り替わります。突然の停電でも家電の継続使用が可能です。
まとめ
ACとDCには以下の違いがあります。
・【ACは交流電源】電気の流れる方向が入れ替わる
・【DCは直流電源】電気が同じ方向に流れ続ける
電流の違いによるメリットとデメリットは以下のとおりです。
・AC電源(交流)のメリット:インフラ設備に向いている
・AC電源(交流)のデメリット:送電線の設置に厳しい設置基準がある
・DC電源(直流)のメリット:蓄電できる
・DC電源(直流)のデメリット:設備にコストがかかる
ACとDCを間違えると電化製品が壊れかねません。Jackeryのポータブル電源なら、ACとDCの両方の電源が使えます。ACとDCの家電を安全に使いたい人は、Jackery Solar Generatorをぜひ手に取ってみてください。
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