瞬時電圧低下の基礎知識と原因・影響を解説!パソコン・家電への対策も紹介

更新日:
シェア

瞬時電圧低下は「瞬低」とも呼ばれ、電圧が0.07〜2秒程度だけ落ちてすぐ戻る現象です。停電のように電力が完全に途絶えるわけではありませんが、この短時間の電圧低下がパソコンの強制再起動や工場設備の誤作動を引き起こします。

 

この記事では、瞬時電圧低下の仕組みと停電との違い・発生する原因、パソコンや家電などへの影響を解説。そのあとで、UPSやポータブル電源を使った「瞬低対策」を見ていきましょう。

目次
もっと見る

1.瞬時電圧低下とは

瞬時電圧低下とは

瞬時電圧低下は「電圧が一瞬下がってすぐ戻る」という点が最大の特徴で、停電とは明確に別のものです。照明がチラつく程度の短時間でも、パソコンや精密機器には誤作動・停止を引き起こすほどの影響があります。

瞬低は電圧が下がりすぐ回復する現象で、持続時間は最短0.07秒から長くて2秒程度で終わることがほとんど

照明がチラつく・一瞬暗くなる程度の時間しか続かないが、パソコンや精密機器にはそれだけで誤作動・停止が起きる

停電は電圧がゼロになって長時間続く現象だが、瞬時電圧低下は電圧が下がるだけで完全には途切れない

「一瞬のことだから大したことはない」と思いがちですが、精密な電子機器は数十ミリ秒の電圧低下にも敏感です。以下で詳しく解説します。

電圧が一瞬だけ下がりすぐ戻る現象

瞬時電圧低下が起きている間、コンセントの電圧は完全にゼロになるわけではなく、通常の100Vから大きく落ちた状態が続きます。落ち方は事故の規模によって異なり、定格の30〜90%に落ちるケースから、ほぼゼロに近い電圧まで低下するケースまでさまざまです。

持続時間は送電線の事故を取り除くのにかかる時間に依存しており、最短で0.07秒程度、長いケースで2秒程度まであります。

参考:関西電力送配電

家庭では「あ、照明がチラついた」「雷が落ちたかな」と感じる程度の時間です。家庭の照明がチラつくのは、電圧が下がって蛍光灯やLED照明の光量が落ちてから戻っているためで、体感でわかる程度のごく短い時間で終わります。

停電は電圧がゼロになるが瞬時電圧低下は電圧が下がるだけで途切れない

停電と瞬時電圧低下の違いをまとめると以下のとおりです。

項目

瞬時電圧低下

停電

電圧

低下するが完全にゼロにはならないこともある

ゼロになる

持続時間

0.07〜2秒程度

1分以上

停電対策を意識している方は多いですが、瞬時電圧低下への備えは考えていない方がほとんどです。パソコンなど精密機器への影響は、停電よりも瞬時電圧低下のほうが起きやすい場合もあります。両方に対策するのがポイントです。

関連人気記事:瞬間停電とは?「瞬低」や「停電」との違いを解説!被害事例や対策も紹介

2.瞬時電圧低下が発生する原因

瞬時電圧低下が起きる原因の多くは自然現象です。落雷・着雪・鳥獣や樹木の接触のほか、工場などで大型機器を起動した際の電圧変動も原因になります。

落雷が送電線に直撃・閃絡すると大電流が流れ、事故箇所を切り離すまでの数十ミリ秒〜2秒間、電圧が落ちる

着雪が送電線から落ちて電線が跳ね上がる・鳥獣や樹木が電線に接触することで短絡事故(ショート)が起きる

工場などで大型のモーターやコンプレッサーを起動した際に生じる突入電流が周辺の電圧を短時間下げる

以下で瞬時電圧低下の原因を詳しく見ていきましょう。

落雷による送電線への影響

落雷が送電線に当たると電線と鉄塔の間でショートが起き、大量の電流が流れます。このまま放置すると電気設備が壊れるため、電力会社は保護リレーで事故箇所を自動検知し、遮断器で切り離す処理をおこないます。

このとき、事故が発生してから遮断器が動作するまでの0.07〜2秒間が、瞬時電圧低下として現れるのです切り離しが完了すると電圧は回復しますが、この間に繋がっていた機器が影響を受けます。鹿児島の落雷が福岡まで影響を及ぼすケースもあるほど、高電圧の送電線では広範囲に影響が出やすいです。

着雪・鳥獣や樹木の接触

着雪した電線から雪が一度に落ちると、電線が激しく振動して上下の電線が接触します。上下の電線が触れることでショートが起き、電圧が落ちてしまうのです。冬季に積雪の多い地域で起きやすく、気温が0℃前後のときに重い雪が付きやすいため、春先の気温上昇前後が要注意です。

鳥が電線に止まった際に羽が複数の線に触れる、強風で倒れた木が電線にかかるといったケースも同様の事故が起きます。

大型機器の起動時に生じる電圧変動

工場やビルで大型のモーターやコンプレッサーを一斉に起動すると、起動直後に通常の数倍の大きな電流が一気に流れます。この「突入電流」が流れる間、同じ回路内の電圧がぐっと落ちてしまうのです。

送電線の事故ではなく設備側の使い方が原因のため、同じ建物内や隣接する工場の機器が影響を受ける可能性があります。頻繁に起きる場合は、機器の起動タイミングをずらすか、起動を緩やかにするソフトスターターの導入で改善可能です。

3.瞬時電圧低下がパソコン・家電に与える影響

瞬時電圧低下がパソコン・家電に与える影響

次は瞬時電圧低下がパソコンをはじめとする家電に与える影響を見ていきましょう。機器ごとに耐えられる電圧低下の幅と時間が異なり、敏感な機器ほど短時間・小幅の電圧低下でも止まってしまいます。

パソコンは動作に必要な電圧を下回ると強制シャットダウンし、作業中のデータが消える。繰り返すとOSが壊れることもある

工場の生産設備は電圧が50%ほど落ちた時点で0.01秒程度で止まり、生産ラインの再起動に時間がかかる

家庭のエアコン・冷蔵庫も一時停止や設定リセットが起き、繰り返すとコンプレッサーや制御基板が傷んで故障につながる

機器が壊れなくても、止まっていた間の損失は見えないところで積み重なります。以下で詳しく見ていきましょう。

パソコンはデータ消失・強制再起動が起きることがある

電圧が動作ラインを下回った瞬間、パソコンは保存されていないデータを維持できないまま電源が落ちてしまいます。これが繰り返されると以下のリスクが出てきます。

保存していなかった作業データが消える

書き込み中のファイルが壊れる

OSのシステムファイルが破損してパソコンが起動しなくなる

作業中に保存をこまめにするだけではこのリスクを防げません。瞬時電圧低下が頻繁に起きる地域・季節は、UPSやポータブル電源のUPS機能で対策しましょう。

工場の生産設備や精密機器は誤作動・停止のリスクがある

工場で使われる電磁開閉器は、電圧が50%程度に落ちると0.01秒程度で動作が止まります。インバーター制御のモーターは15%程度の電圧低下でも影響が出ます。つまり、0.1秒以下のごく短時間の瞬時電圧低下でも生産ラインを止めてしまうのです。

参考:日本電気技術者協会「瞬時電圧低下対策について」

※機器の条件によって変動するので、電圧や停止時間は参考値です。

生産設備が止まると再起動・復旧作業・品質チェックが必要になり、数十分から数時間のロスが生じてしまうでしょう。繰り返し起きる場合は「瞬低補償装置(MPC)」の導入が必要です。

エアコン・冷蔵庫など家電も一時停止や設定リセット・最悪の場合は故障が起きることがある

家庭の家電では、エアコンや冷蔵庫が運転を止めて再起動する、電子レンジのタイマーが消えるといった症状が出ます。多くは再起動で元に戻りますが、繰り返されるとコンプレッサーや制御基板が傷み、故障につながる可能性もゼロではありません。

4.瞬時電圧低下への対策3選

瞬時電圧低下は電力会社側で完全に防ぐことはできません。機器を守るためには使用者側での対策が必要です。用途に応じた3つの対策があります。

無停電電源装置(UPS):パソコンやサーバーに繋いで、電圧低下を検知したら内蔵バッテリーから給電に切り替える装置

瞬低補償装置:工場や業務用設備向けの専用装置。大電力を短時間で補償できるが、設備コストが高い

UPS機能付きポータブル電源:UPSの役割をこなしながら、アウトドアや停電時のバックアップとしても使える

どれを選ぶかは守りたい機器の種類や台数によって変わります。以下で詳しく見ていきましょう。

UPS(無停電電源装置)を設置して電力供給を維持する

UPSは電源(コンセント)は守りたいPCなどの機器の間に設置し、電圧低下や停電を検知した瞬間に内蔵バッテリーからの給電に切り替える装置です。パソコン・サーバー・ネットワーク機器などの保護に広く使われています。

UPSにはオンライン方式と常時商用方式の2種類があります。

オンライン方式:常にUPS内部のバッテリーを経由して給電するため、切り替え時間がゼロになる。瞬時電圧低下にも完全に対応できる

常時商用方式:通常は商用電源をそのまま通し、停電時だけ切り替える。切り替えに数ミリ秒〜20ミリ秒程度かかるため、すべての瞬時電圧低下には対応できないことがある

常時商用方式だと、電源がUPSに切り替わるまでに若干の時間を要します。サーバーや精密機器を守るなら、切り替え時間ゼロのオンライン方式がおすすめです。

関連人気記事:UPS(無停電電源装置)と蓄電池の違いは?仕組み・寿命・選び方を解説

瞬低補償装置を導入して工場・業務用設備を守る

瞬低補償装置は工場や業務施設向けに設計された専用装置で、コンデンサや大型バッテリーに蓄えたエネルギーを放出して電圧を補います。数百kW〜数MWクラスの設備もカバーすることが可能です。

導入コストは高くなりますが、生産ラインの停止損失が大きい工場では必須。ただし、補償できる時間は数秒以内の短時間のケースが多いため、長時間の停電には別の対策が必要です。

UPS・パススルー機能付きのポータブル電源をUPS代わりに活用する

ポータブル電源は大容量のバッテリーを内蔵した持ち運び式の蓄電池で、コンセントの代わりに家電へ電気を供給できます。以下2つの機能を備えたモデルは、専用のUPSに近い使い方が可能です。

UPS機能:UPSのように、停電発生時に電源の供給元をポータブル電源に切り替える機能

パススルー機能:充電しながらの機器への給電を可能にする機能

つまり、専用UPSのようにコンセントと機器の間につなぎっぱなしにしておけば、もしもの停電・瞬低時にポータブル電源が電源供給してくれます。UPSと比べて圧倒的に大容量なので、停電のケースではそのまま電源を維持することも可能です。


5.突然の停電による家電や機器の故障をJackery(ジャクリ)ポータブル電源5000 Plusで防ごう

突然の停電による家電や機器の故障をJackery(ジャクリ)ポータブル電源5000 Plusで防ごう

ポータブル電源とは、ためた電気を家電や機器に給電できる持ち運べる蓄電設備です。コンセントと機器の間につなぎっぱなしにしておくだけで、瞬低・停電の際に自動で給電元をポータブル電源に切り替えて機器を守ります。Jackery(ジャクリ)ポータブル電源 5000 Plus」は、そんなポータブル電源の中でもとくに大容量の5,040Wh・定格出力6,000Wを誇るモデルです。

瞬低・停電対策:停電時にサーバー・パソコンを止めないためには0秒で切り替える「オンラインUPSモード」、一般家電には0.02秒で切り替える「バックアップUPS機能」を使い分けられる

長時間停電への備え:例として冷蔵庫を約75時間・エアコンを約24時間動かせる。拡張バッテリーで容量を最大30,240Whまで増やせる

節電:ソーラーパネルと組み合わせれば、日中に発電した電気を夜間に使えて電気代を抑えられる

瞬低対策から日常の節電まで幅広く使いたい方には、国内年間売上No.1ブランドのJackeryがおすすめです。

製品スペック詳細

Jackery ポータブル電源 5000 Plus

容量

5,040Wh(最大30,240Whまで拡張可能)

定格出力

6,000W (瞬間最大12,000W)

充電速度

ACコンセント充電:4.1時間

ハイブリッド充電:1.4時間

出力ポート数

AC出力×4(最大20A)

USB-A×2(最大18W)

USB-C×2(最大100W)

DC出力×1:12V⎓10A

家電への稼働

時間目安(例)

電子レンジ(960~1160W):約3.4時間

冷蔵庫(55W):75時間

電気毛布(55W):約50時間

電気ケトル(850w):5時間

炊飯器(330W):10時間

充放電サイクル数

4,000回

※4000回充放電後も工場出荷時の70%の容量を維持

サイズ&重量

420×390×635mm(60kg)

まとめ

瞬時電圧低下は0.07〜2秒程度の短時間ですが、パソコンのデータ消失・工場設備の停止・家電の誤作動を引き起こします。原因の多くは落雷や着雪などの自然現象です。電力会社でも完全に防ぐことができません。

対策は守りたい機器の種類によって変わります。パソコンやサーバーにはUPS、大型生産設備には瞬低補償装置がおすすめ。家庭での対策にはUPS機能付きのポータブル電源が選択肢になります。

「Jackery ポータブル電源 5000 Plus」はオンライン方式のUPSモードを備えており、パソコンやサーバーも守れるUPSの役割を果たしつつ、停電時には長時間機器を動かす非常用電源として活躍します。瞬低・停電への対策に1台用意しておきましょう。

お役立ち製品一覧
jackery防災会場
関連人気記事