リチウムイオン電池の電圧をわかりやすく解説!種類別の違いや電圧低下への対処法

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リチウムイオン電池の公称電圧はセル1本あたり3.6〜3.7V(三元系)か3.2V(リン酸鉄)です。仕様書に書かれている電圧には「公称電圧」「満充電電圧」「放電終止電圧」の3種類があり、それぞれ意味が違います。

 

この記事では、リチウムイオン電池の3つの電圧の意味と違い、三元系とリン酸鉄の電圧の比較、電圧低下を防ぐ使い方を解説します。

目次
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1.リチウムイオン電池の電圧の種類と意味

リチウムイオン電池の電圧の種類と意味

リチウムイオン電池の電圧は、測るタイミングや使い方によって3つの値が使い分けられています。 

公称電圧は放電中の平均の電圧で、バッテリーの「代表値」として仕様書に使われる。「3.6V」と「3.7V」の表記の違いはメーカーの測定基準により生じるもので、中身は同じ電池を指すことが多い

満充電電圧は充電が完了した時点の最大電圧で、三元系は4.2V・リン酸鉄は3.65V前後

放電終止電圧はこれ以下に下げてはいけない下限の電圧で、下回ると電池が傷むリスクがある 

以下で「公称電圧」「満充電電圧」「放電終止電圧」の3つを詳しく見ていきましょう。

公称電圧はバッテリーの基準となる代表的な電圧値

「公称電圧」とは、バッテリーが放電している間の平均の電圧を示した値です。バッテリーは充電されているときは電圧が高く、放電が進むにつれて下がっていきます。この変動する電圧の「代表値」として、仕様書や製品ラベルに載せているのが公称電圧です。 

たとえばスマートフォンのバッテリーや電動工具に使われる「三元系リチウムイオン電池」の公称電圧は3.6〜3.7Vです。この数値を見れば、バッテリーの種類をおおよそ判別できます。

3.6Vと3.7Vなど公称電圧の表記が異なるのはメーカーの基準の違いによる

同じ三元系リチウムイオン電池でも、製品によって「3.6V」と書いてあるものと「3.7V」と書いてあるものがあります。これは電池の性能が違うわけではなく、以下の理由でメーカーごとに表記が分かれているのです。 

3.6Vと3.7Vの違いはメーカーや規格による表記の違いであり、同じ種類のセルを指すことが多い

放電曲線のどの時点を「代表値」とするかについて、メーカー間で測定基準が統一されていない 

数値は違いますが3.6Vと3.7Vは同じものを指しており、機器に入れて使う際の性能の違いはほぼありません。

満充電電圧は充電完了時の最大電圧

満充電電圧は、充電器が「充電完了」と判断した時点でのバッテリーの電圧です。これ以上の電圧をかけ続けると「過充電」になり、電池を傷めたり発熱・発火の原因になります。 

三元系リチウムイオン電池の満充電電圧は4.2V(一部の高性能モデルの場合は4.35V)、リン酸鉄リチウムイオン電池は3.6〜3.65Vです。充電器はこの電圧に達したら自動で充電を止める仕組みになっています。この制御が正常に動いていれば、過充電のトラブルは起きません。

放電終止電圧は使い切り直前の最低電圧

放電終止電圧は、バッテリーを放電させてよい下限の電圧です。この電圧を下回ると「過放電」になり、バッテリー内部の化学変化が進んで急激に劣化します。 

三元系リチウムイオン電池の放電終止電圧は2.5〜3.0V前後、リン酸鉄リチウムイオン電池は2.5V前後が目安です。機器ごとのBMS(バッテリーマネジメントシステム)がこの放電終止電圧を監視しており、下回る手前で自動で放電を止めてくれます。

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2.従来の「三元系リチウムイオン電池」と最新型「リン酸鉄リチウムイオン電池」の電圧の違い

リチウムイオン電池には素材の違いで「三元系」と「リン酸鉄」の2種類に分かれ、電圧の数値がそれぞれ異なります。また、電圧の数値だけでなく、放電中の電圧の変化の仕方にも大きな違いがあります。 

三元系(公称3.6〜3.7V)はエネルギー密度が高く、スマホや電動工具など小型・軽量が求められる機器に多く採用されている

リン酸鉄(公称3.2V)は放電中の電圧が長時間ほぼ一定を保ち、熱に強く長持ちする 

公称電圧の数値はリン酸鉄のほうが低いですが、これは性能が劣るわけではなく、素材の特性によるものです。以下で詳しく解説します。

三元系は公称電圧3.6〜3.7Vでエネルギー密度が高い

公称電圧3.6〜3.7Vの「三元系リチウムイオン電池」は、正極にニッケル・マンガン・コバルトといった「レアメタル」を組み合わせた素材を使っています。エネルギー密度が高いため、同じ容量でも小型・軽量に仕上げられるのが特徴。スマートフォン・ノートPC・電動工具など、持ち運びやすさが求められる機器に広く採用されています。 

一方でデメリットとして、充放電を繰り返したときの劣化が早く、高温時の熱分解温度が約220℃とリン酸鉄よりも低いため、過充電・過熱時の熱暴走リスクはリン酸鉄より高めです。充放電サイクル(いわゆる寿命)は500〜1,000回程度のモデルが多く、リン酸鉄よりも早く劣化します。

リン酸鉄は公称電圧3.2Vで放電中の電圧が安定している

リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)は、正極に「リン酸鉄リチウム」を使います。三元系と比べると公称電圧は3.2Vと低めですが、放電中の電圧がほぼ一定を保つのが特徴です。リン酸鉄は熱分解温度が約600℃と高く、過充電や強い衝撃が加わっても熱暴走が起きにくいため、ポータブル電源や電気自動車の分野で近年急速に普及しています。 

改めて、電圧を中心に2つの電池を比べてみました。 

項目

三元系リチウムイオン電池

リン酸鉄リチウムイオン電池

公称電圧

3.6〜3.7V

3.2V

満充電電圧

4.2V(一部4.35V)

3.6〜3.65V

放電終止電圧

2.5〜3.0V

2.5V前後

放電中の電圧変化

徐々に下がる

長時間ほぼ一定

熱分解温度

約220℃

約600℃

充放電サイクルの目安

500〜1,000回

2,000〜6,000回

見かけ上の電圧は低いものの、全体的な性能はリン酸鉄リチウムイオン電池の方が上です。放電中の電圧も長時間一定で、常に安定した電気を送り続けられます。

関連人気記事:ポータブル電源の電池の種類まとめ!リン酸鉄vs三元系も徹底比較

3.リチウムイオン電池の電圧低下と正しい使い方

リチウムイオン電池の電圧低下と正しい使い方

リチウムイオン電池は使い方によって劣化の速さが変わります。電圧に関わる2つのNG行為を知っておけば、バッテリーの寿命を大きく伸ばすことが可能です。 

放電終止電圧を下回る過放電はNG。セル内部を傷め、回復できない劣化を招く

常にフル充電・完全放電を繰り返すより、50〜80%の範囲で使う習慣が電圧低下を抑える 

この2点を意識するだけで、バッテリーの劣化ペースをゆっくりにできます。

放電終止電圧を下回る過放電はバッテリー劣化を急速に進める

バッテリーを使い切って放電終止電圧を下回ると、電池内部の材料が劣化し、容量低下や充電不能の原因になります。スマートフォンが「残量0%」で強制終了するのは、BMSがこの電圧を検知して保護しているためです。 

とくに注意が必要なのは「完全に放電した状態で長期間放置する」ケースです。使い切ったまま数週間〜数か月放置すると、自己放電で放電終止電圧を下回り、回復できないダメージが残ることがあります。使わないときも20〜30%程度の残量を保っておくのがよいでしょう。

50〜80%程度で充電を管理すれば電圧低下と劣化を防げる

リチウムイオン電池はフル充電(100%)と完全放電(0%)の付近でもっともストレスがかかります。常に100%まで充電して0%まで使い切るのを繰り返すより、50〜80%の範囲で充電・使用するほうが電池への負荷が小さく、長持ちしやすいです。 

スマートフォンは毎日100%まで充電せず、80%前後で充電を止める

長期保管するときは残量50%以上にしてから保管する

充電上限を80%程度に設定できる機能があれば活用する 

100%まで充電しないと不便に感じることもあるかもしれませんが、いつものサイクルを80%上限にするだけでも寿命の差が出てきます。なるべくフル充電・完全放電を避けつつ保管して、長くお得に使いましょう。

関連人気記事:リチウムイオン電池を長持ちさせる充電方法は?充電できない原因とその対策も紹介

4.Jackery(ジャクリ)ポータブル電源は「リン酸鉄リチウムイオン電池」採用で安全・長寿命!

Jackery(ジャクリ)ポータブル電源は「リン酸鉄リチウムイオン電池」採用で安全・長寿命!

ここまで解説したとおり、リン酸鉄リチウムイオン電池は放電中の電圧が安定しており、熱分解温度が高く長持ちします。この特性を活かして家庭用の電源として使えるようにしたのが、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源です。モバイルバッテリーの上位互換のような存在で、コンセント出力も備えているので以下のようなシーンで活躍します。 

防災備蓄:電気毛布・扇風機・ホットプレートなどを停電時にそのまま使えて、避難所に頼らず自宅で過ごせる

車中泊:車のエンジンを切ったままエアコンや電気毛布を使えるため、夜間のアイドリングが不要になる

在宅ワーク:停電時もパソコンやルーターを動かし続けられるため、仕事への影響を最小限にできる

キャンプ:サイトにコンセントがなくても電気ケトルや照明・スマホ充電をまとめてまかなえる 

Jackery(ジャクリ)の現行モデルはすべてリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しており、充放電2,000〜6,000回後も容量70%以上をキープ。毎日使っても10年以上もちます。充電を80%で自動停止するアプリ機能を搭載したモデルもあり、電池の劣化を防ぎながら長く使い続けることが可能です。停電対策からアウトドアまでカバーするJackeryポータブル電源を1台備えて、便利に使ってみましょう。



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5.リチウムイオン電池の電圧に関するよくある質問

リチウムイオン電池の電圧に関するよくある質問と、その回答をまとめました。

リチウムイオン電池の残量は電圧で確認できる?

三元系リチウムイオン電池は放電が進むにつれて電圧が徐々に下がるため、電圧を測ることで残量をおおよそ推測できます。 

一方のリン酸鉄リチウムイオン電池は、放電中の電圧がほぼ一定を保つ特性があります。20%残っていても80%残っていても電圧がほとんど変わらないため、電圧だけで残量を正確に判断するのが難しいです。

ニッケル水素電池とリチウムイオン電池の電圧は違う?

ニッケル水素電池とリチウムイオン電池の電圧は違います。電池の種類ごとの公称電圧は以下のとおりです。 

乾電池(アルカリ):1.5V

ニッケル水素電池:1.2V

三元系リチウムイオン電池:3.6〜3.7V

リン酸鉄リチウムイオン電池:3.2V 

リチウムイオン電池はニッケル水素の約3倍の電圧があるため、同じ用途でニッケル水素電池を使う場合は、セルをいくつか直列につないで必要な電圧を作らなければいけません。

スマートフォンのリチウムイオン電池の定格電圧は通常いくつ?

スマートフォンに使われているリチウムイオン電池の電圧は、一般的に3.8〜3.9V程度です。ただし、これは普段使っているときの基準となる電圧で、充電量によって実際の電圧は変化します。たとえば以下のようなイメージです。 

満充電のとき:約4.2〜4.4V

通常使用中:約3.8〜3.9V

電池残量がほぼ0%のとき:約3.0V前後

※あくまでイメージです。実際の電圧変動は機種によります。 

スマートフォンは電池の電圧が下がりすぎると、バッテリーを傷めないよう自動的に電源が切れる仕組みです。そのため、残量0%と表示されても電池が完全に空になっているわけではありません。

まとめ

リチウムイオン電池の電圧は種類によって異なり、「三元系リチウムイオン電池」なら3.6〜3.7V、「リン酸鉄リチウムイオン電池」なら3.2Vが一般的です。近年は安全性と寿命に優れたリン酸鉄リチウムイオン電池の採用が増えています。 

バッテリーを長く使うためには、過放電や満充電状態での長期保管を避けるのがポイントです。100%満充電と0%完全放電を繰り返さず、50〜80%の範囲で使う習慣をつけると、バッテリーの寿命を伸ばせます。 

Jackeryのポータブル電源は長寿命のリン酸鉄リチウムイオン電池採用、さらに最新モデルは充電を80%でセーブするアプリ機能も搭載しています。長く使えるバッテリーをお探しなら、Jackeryポータブル電源がおすすめです。

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