50Hz/60Hzはなぜ統一しない?10兆円のコストの壁と代わりの対策を紹介

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「50Hzは効率が悪いのに、なぜ日本は60Hzに統一しないのか」と疑問に思っている人は多いです。実は、50Hzと60Hzを統一しない理由は、技術の難しさよりも費用の大きさにあります。
この記事では、50Hzと60Hzがなぜ統一されないのか、コストの壁について詳しく解説。そして統一しない代わりに進められている対策、私たちにできる備えを紹介します。

目次
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1.50Hz/60Hzをなぜ統一しないのか|コストの壁と震災の教訓

50Hz/60Hzの周波数の統一は技術としては不可能ではないものの、費用の面で長年見送られてきました。

  • 明治時代の発電機の違いがそのまま固定化してしまった|東京はドイツ製・大阪はアメリカ製の発電機を導入したのが始まり
  • 経済産業省の試算では設備交換だけで約10兆円かかる|需要家側の対応コストも別途発生する
  • 震災当時の電力融通能力は100万kW程度にとどまり、東電管内の電力不足を十分に補えなかった|東西の電力を融通しきれない教訓が残った

順番に詳しく見ていきましょう。

①明治時代の発電機の違いがそのまま固定化してしまった

東西で周波数が分かれた発端は、明治時代に東京が50Hzのドイツ製、大阪が60Hzのアメリカ製の発電機をそれぞれ導入したことにあります。当時はまだ電力網が全国規模でつながっておらず、東西で別々の周波数のまま電力インフラが整備されていきました。

その結果、鉄道や工場、家庭用の家電まで、それぞれの周波数を前提にした設備が日本全国に広がります。そして、あとから統一しようとすると、あらゆる設備を作り直す必要が生じてしまったのです。

②経済産業省の試算では設備交換だけで約10兆円かかる|需要家側の対応コストも別途発生

経済産業省が2012年にまとめた試算によると、東日本の50Hzを60Hzに統一する場合、電力会社の設備交換だけで約10兆円のコストがかかるとされています。発電所やこれらをつなぐ送電網、変電設備など、電力会社が抱える設備の規模の大きさがうかがえる金額です。

さらに、この10兆円には家庭や工場が持つ設備の交換費用は含まれていません。周波数に対応していないモーターや装置を使い続けている工場・企業側の対応コストも別途発生します。経済産業省は費用対効果の観点から、周波数の統一を実現できる選択肢とすることは難しいと結論づけました。

参考:日本経済新聞「東西の電気周波数、統一ならコスト10兆円」

③震災当時の電力融通能力は100万kW程度にとどまり、東電管内の電力不足を十分に補えなかった

周波数の違いが問題として大きく注目されたのが、2011年の東日本大震災です。東京電力管内で深刻な電力不足が起きた際、西日本側から電力を融通しようとしても、当時の周波数変換所の融通能力は合計100万kW程度にとどまっていました。これは、不足していた電力量のわずか5%にも満たず、計画停電を避けられない事態につながったのです。

参考:日本エネルギー経済研究所「東日本大震災による電力供給への影響について」

この経験から、東西をつなぐ変換設備を増強する方向で対策が進められることになります。

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2.50Hz/60Hzを統一しない代わりの対策|周波数変換所の役割

周波数の統一が見送られた代わりに、東西の電力を行き来させるための設備が整備されてきました。

  • 周波数変換所は交流をいったん直流に変えて東西をつなぐ施設|佐久間・新信濃・東清水の3か所が長年稼働してきた
  • 2021年に飛騨変換所が稼働し、融通能力は210万kWに拡大した|震災当時の約1.75倍の規模
  • 2027年度には300万kWまで増強される計画が進んでいる|さらなる災害への備えとして拡張中

3つのポイントを紹介します。

①周波数変換所は交流をいったん直流に変えて東西をつなぐ施設

周波数変換所は、東日本の50Hzの交流と、西日本の60Hzの交流を直接つなぐことができないため、いったん直流に変換してから、目的地の周波数に合わせて再び交流に戻す施設です。周波数が違う電気同士でも、この仕組みを介せば、東西で電力を融通し合えます。

長年、この役割を担ってきたのが、静岡県の佐久間周波数変換所、長野県の新信濃変電所、静岡県の東清水変電所の3か所です。佐久間が30万kW、新信濃が60万kW、東清水が10万kWの変換能力を持ち、震災前の東西融通を支えていました。

参考:一般社団法人電力土木技術協会「周波数変換所」

②2021年に飛騨変換所が稼働し、融通能力は210万kWに拡大した

東日本大震災の教訓を受けて、2021年3月に岐阜県高山市で新たに飛騨変換所が稼働しました。既存の3か所に加えてこの飛騨変換所が加わったことで、東西間の電力融通能力は、それまでの120万kWから210万kWまで拡大しています。

参考:東京電力パワーグリッド「飛騨信濃周波数変換設備の運用開始について」

大規模災害時の電力不足に対応する力が、以前より強化されたのです。

③2027年度には300万kWまで増強される計画が進んでいる

融通能力の拡大は、これで終わりではありません。佐久間周波数変換所や東清水変電所の設備をさらに増強し、2027年度末までに合計300万kWまで引き上げる計画が進められています。

引用:電力広域的運営推進機関(OCCTO)「広域系統整備計画の概要について」

少しずつ拡張を続けることで、大規模な災害や電力需給の逼迫時にも、東西間でより多くの電力を融通し合える体制を目指しています。ただし、それでも東日本全体、あるいは西日本全体の需要をすべてまかなえるわけではなく、あくまで補う役割にとどまるのが実情です。


3.50Hz/60Hzが統一されない今、私たちにできる備え

周波数の統一を個人の力で進めることはできませんが、日常生活でできる備えはあります。

  • 引っ越しや旅行の際は事前に地域の周波数を確認する|住所だけで判断せず電力会社にも確認する
  • 周波数フリー(50Hz/60Hz両対応)の家電を選ぶ|買い替えのタイミングで意識しておくと安心

2つの備えを詳しく見ていきましょう。

①引っ越しや旅行の際は事前に地域の周波数を確認する

引っ越しや長期の出張・旅行で東西をまたぐ場合は、事前に目的地の周波数を確認しておきましょう。一般に東日本は50Hz、西日本は60Hzで運用されています。

しかし、東西の境界付近や、混在地域と呼ばれるごく一部のエリアでは、住所だけでは正確な周波数を判断できないこともあります。判断に迷う場合は、電力会社の公式サイトや問い合わせ窓口で確認すると確実です。

とくにモーターを使う家電は、周波数が違うとトラブルの原因になります。西日本・東日本をまたぐ引っ越しで家電を持ち込む場合は、この確認を省略しないようにしましょう。

②周波数フリー(50Hz/60Hz両対応)の家電を選ぶ

家電を新しく購入するときは、製品ラベルに「50/60Hz」と両方表記されている、周波数フリーの製品を選んでおくと、この先の引っ越しにも備えられます。

近年の家電の多くは周波数のフリー化が進んでいますが、一部のモーター系家電や業務用機器は、今も片方の周波数専用の製品が販売されています。購入前にラベルを確認するとよいでしょう。

関連人気記事:ポータブル電源で周波数を切り替えよう!50Hz・60Hz対応モデル6選


4.50hz/60Hz両方対応して防災や車中泊、キャンプなどで役立つJackery(ジャクリ)ポータブル電源

Jackery(ジャクリ)の持ち運べる蓄電池「ポータブル電源」とは、電気をあらかじめためておき、必要なときにコンセントの代わりとして使える機器です。

周波数を自動で判別する仕組みを備えており、50Hz・60Hzのどちらの地域でも、設定を変えずにそのまま家電を使えます。

ポータブル電源の使い道は、周波数対策だけにとどまりません。

  • 停電時、照明をつけながらスマホの充電もできる
  • 車中泊やキャンプで、電気毛布やコーヒーメーカーを動かせる
  • 庭仕事で、芝刈り機や高圧洗浄機をコンセントのない場所でも使える
  • 在宅ワーク中、モニターやプリンターの電源としても活用できる

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は7年連続年間売上No.1の人気ブランドで、東西を問わずあらゆる災害現場で活躍しています。周波数の違う地域をまたぐ引っ越しが多い方や、もしもの停電に備えておきたい方は、1台備えておいてはいかがでしょうか。

まとめ

50Hzと60Hzが統一されないのは、明治時代から始まった周波数の違う設備の積み重ねと、約10兆円という費用の大きさが壁になっているためです。代わりに、東西をつなぐ周波数変換所の増強が進められており、2027年度には300万kWまで融通能力が拡大する計画となっています。

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源を備えておけば、引っ越しの際に周波数を気にする必要もありません。もしもの大規模停電にも備えられます。1台家に置いておき、いつでも電気が使える安心を手に入れましょう。

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