交流と直流とは?メリット・デメリットや使い分け例をわかりやすく解説

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日常生活において「交流(AC)」や「直流(DC)」といった言葉を目にすることがありますが、実際には何が違うのかよくわからず疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。実は私たちの生活にも関係があり、メリット・デメリットや使い分け例を知っておくと便利になることがあります。

 

本記事では初心者の方でも理解できるように、交流と直流の違いを基礎からわかりやすく解説します。

目次
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1.交流(AC)と直流(DC)の違いとは?定義からわかりやすく解説

ここでは「交流(AC)」と「直流(DC)」の違いを、定義や特徴など具体例を出してわかりやすく解説します。

交流とは、流れる向きや電圧が周期的に変化する電流

交流とは、流れる向きや電圧が周期的に変化する電流です。送電の効率化や電圧の柔軟な調整を目的として広い範囲で使われている交流は、以下のような特徴があります。 

電気の流れる向きが一定周期で変わる

電圧も波のように変動する

変圧器で簡単に電圧を上げ下げできる

大規模な電力供給や送電に利用される 

日本の家庭用コンセントは交流が使われていて、家電製品を効率よく動かすための大規模な電力供給を実現しています。

直流とは、時間が経っても電圧の方向・大きさが変化せず一定な電流

直流とは、時間が経っても電圧の方向・大きさが変化せず一定な電流です。安定した電源供給が求められる場面で利用されており、以下のような特徴があります。 

電流の流れる向きが常に一定で、電圧も変動しない

バッテリーや蓄電池から直接供給できる

精密機器や電子部品の電源として使われている 

乾電池やスマホ・ノートパソコンのバッテリーでは直流が使われていて、機器へ安定した電力を直接届ける役割を担っています。

直流と交流の見分け方は?

直流と交流を見分けるには、電源や機器の表示ラベルや仕様書を確認してみてください。以下のような違いがあります。 

交流

・「AC100V」や「AC」などと表記される

・オシロスコープを使うと、波状で表示される

直流

・「DC12V」や「DC」などと表記される

・オシロスコープを使うと、直線で表示される

※オシロスコープ:時間経過に伴う電気信号の電圧変化を波形として画面に表示する測定器 

このように表示や波形の違いを知っておくことで、直流と交流を簡単に見分けられます。

関連人気記事:ACとDCの違いは電流の流れ方!それぞれの特徴をわかりやすく解説

2.交流と直流のメリット・デメリットとは?わかりやすく解説

交流(AC)と直流(DC)には、以下のようなメリットとデメリットがあります。 

項目

メリット

デメリット

交流

送電効率が高く、電圧を簡単に変えられる

直流機器では使えず、変換が必要になる

直流

安定した電圧で、小型機器やバッテリーに適している

長距離送電には不向きで、電圧変換が難しい

どちらが優れていると言い切るのではなく、用途に応じて使い分けましょう。1つずつ詳しく解説します。

交流のメリット|送電効率が高く、電圧を簡単に変えられる

交流は送電効率が高く、電圧を変換して遠くまで効率的に電力を届けられます。変圧器を使って電圧を自由に上げ下げし、送電ロスを最小限に抑えられるためです。 

たとえば日本の電力インフラでは発電所から高圧で送電し、街中や家庭で必要な電圧に変圧して供給されています。この仕組みによって、安全で効率的な電力供給が実現しています。

交流のデメリット|直流機器では使えず、変換が必要になる

交流は直流で動作する電子機器やバッテリー製品にはそのまま使えず、変換が必要です。 

たとえばスマートフォンやパソコンなどの直流機器を家庭用コンセントから充電する場合、ACアダプターや変換回路が必要となります。この変換過程でエネルギーロスが発生し、効率が下がる場合もあります。 

すなわち、交流だけでは直流機器の普及やバッテリー駆動製品の利用に対応できません。

直流のメリット|安定した電圧で、小型機器やバッテリーに適している

直流は電流の向きや電圧が一定で変化しないため、安定した電力供給が求められる小型機器やバッテリー製品に適しています。たとえばスマートフォンノートパソコンのバッテリーは直流の安定した電圧で動作するため、電源が急に切れたり誤作動を起こしたりするリスクを抑えられます。

直流のデメリット|長距離送電には不向きで電圧変換が難しい

直流では電圧を簡単に上げ下げできる変圧器が使えず、送電時のエネルギーロスが大きくなるため長距離送電には向いていません。 

たとえば発電所から遠くの都市まで電気を届ける場合、直流送電だと電力損失が発生しやすく、効率的な送電が難しくなります。また電圧の調整が難しいことから、従来の電力インフラではほとんどが交流で構成されています。

3.なぜ交流を直流に変換する必要があるのか?使い分けが必要な理由

交流を直流に変換する必要がある理由は、以下の3つです。 

現代の電子機器の多くが低電圧の直流で動作するため

電子機器の回路は、安定した直流電源を必要とするため

交流を直流に変換することで蓄電が可能になるため 

1つずつ詳しく解説します。

現代の電子機器の多くが低電圧の直流で動作するため

現代の電子機器の多くは、安定した動作や安全性を確保するために低電圧の直流電源を利用しています。スマートフォンやノートパソコンのバッテリーなどの多くが直流で動作する仕様になっていて、高い電圧の交流をそのまま使うと故障や発熱の原因になるためです。 

たとえばUSB機器は5V、ノートパソコンは12Vや19Vなど製品ごとに適した直流電圧が決められています。家庭用コンセントから供給される交流(100V)はアダプターや充電器の内部で機器に合わせて電圧が下げられた後、直流に変換されて安全に機器へ供給されます。

電子機器の回路は、安定した直流電源を必要とするため

電子機器の内部回路はデータ処理や信号の伝達を正確に行うため、安定した直流電源を必要とします。直流は電圧や電流が一定で変動がなく、ノイズや外部の影響を受けにくいです。 

たとえばパソコンや家電製品のICやCPUなどの部品は、わずかな電圧の揺らぎでも誤動作や故障につながる恐れがあります。そのため多くの電子機器では交流を直流に変換し、回路へ安定した電力を供給する仕組みが採用されています。

交流を直流に変換することで蓄電が可能になるため

家庭や発電所から供給される交流を直流に変換することで、蓄電が可能になります。モバイルバッテリーや電気自動車のバッテリーなどは、直流電源でしか充電・放電ができない構造になっているためです。 

たとえば太陽光発電の電気は一度直流で蓄電池に蓄え、必要なときに取り出して使用します。このように交流を直流に変換する技術は、現代の蓄電システムに必要とされています。

4.日常生活において交流と直流の変換がされている具体例

日常生活において交流と直流の変換がされている具体例

私たちの身の回りでは、交流と直流がさまざまな場所で使い分けられており、その間を変換する技術が日常生活に深く根付いています。ここでは、日常生活において交流と直流の変換がされている具体例を5つ紹介します。

交流直流電車

交流直流電車は、1台の車両で交流区間と直流区間の両方を走行できる鉄道車両です。路線によって送電方式が異なり、直流区間と交流区間をまたいで走る必要があります。 

たとえば首都圏から地方都市へ向かうJRの特急列車には、両方式に対応する変換装置(コンバータ)が搭載されています。この仕組みにより、車両の乗り換えなしで長距離移動が可能です。

電気自動車

電気自動車は、車載バッテリーに蓄えた直流電力でモーターを動かして走行します。家庭や充電スタンドから供給される電気の多くが交流であるため、車載のコンバータで直流への変換が必要です。 

またモーター自体は交流で動作する場合も多く、バッテリーの直流電力をインバーターで交流に変換し駆動用モーターに供給しています。

家庭のコンセント

家庭のコンセントから供給される電気は交流ですが、多くの家電や電子機器は直流で動作します。このため多くの家電製品の内部には変換回路が搭載されており、コンセントから受け取った交流を直流に変換して利用しています。この仕組みによって、さまざまな家電やモバイル機器が安全に家庭で使うことが可能です。

スマホやノートパソコンなどの電子機器

スマートフォンやノートパソコンなどの電子機器は、すべて直流で動作しています。交流はそのまま利用できませんが、充電時にはACアダプターやUSB充電器によって直流へと変換し、バッテリーへ電力を蓄えます。こうした変換技術のおかげで、モバイル機器は長時間にわたり安全かつ手軽に利用可能です。

ポータブル電源

ポータブル電源は内蔵バッテリーに直流の電気を蓄え、必要に応じて交流や直流の両方の出力に変換できる持ち運び式蓄電池です。キャンプや災害時など家庭のコンセントが使えない場面でも、家電製品やUSB機器などさまざまな機器への給電が可能です。 

ポータブル電源内部にはインバーターやコンバーターを搭載しているため、AC/DC両対応の電源供給を実現しています。アウトドアや停電時にも多様な電化製品を安全で効率的に使えます。


5.Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」が1台あれば、交流と直流の両方に対応できる

200W

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」はインバーターを使って、DC12Vの直流電力をAC100Vの交流電力に変換する仕組みで電力を供給しています。またDC12V対応の機器やUSB機器も変換せずにそのまま接続できるため、アウトドアや災害時など幅広い用途で活躍します。 

また、本体への充電方法は、以下の方法で可能です。 

ACコンセントによる充電

車のシガーソケット(DC)を使った走行充電

Jackery(ジャクリ)のソーラーパネルを利用した太陽光発電 

そのため、長期間の車中泊や停電時にも対応できます。最大5年間の無料保証付きなので、万が一の初期不良があっても泣き寝入りする必要はありません。 

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」が一家に一台あれば、アウトドアや防災対策などさまざまな場面で重宝します。家族の安心と笑顔を手に入れるために、この機会に導入してみるのはいかがでしょうか。

最強のポータブル電源おすすめ特集はこちら

6.交流と直流に関するよくある質問

交流と直流に関するよくある質問とその回答をまとめました。

発電所から送られてくる電気は交流?それとも直流ですか?

発電所から送られてくる電気のほとんどが交流です。交流は変圧器で容易に電圧を調整でき、送電ロスを抑えて長距離送電できるためです。 

日本では発電所で発生した交流を高電圧に変換して送電線で遠くまで届け、各家庭や施設で必要な電圧まで下げてから利用しています。

交流・直流の「AC」と「DC」は、どういう意味ですか?

ACは「Alternating Current」の略で交流を意味し、DCは「Direct Current」の略で直流を意味します。交流(AC)はおもに家庭用コンセントや送電線で使われ、直流(DC)はおもに乾電池やスマートフォンなどのバッテリーで使われています。

交流を直流に変換する装置には何がありますか?

交流を直流に変換するおもな装置は、以下です。 

ACアダプター

AC-DCコンバーター

整流器 

これらの装置は、家庭用コンセントの交流電源を電子機器が使える直流電源に変換する役割を担っています。

発電機は交流と直流どっちですか?

発電機には、交流と直流のどちらもあります。 

家庭用の発電機では、送電や配電の利便性から交流発電機が主流です。一方で直流発電機はかつて広く使われた時期もありますが、現在は限定的な用途でのみ使われていて電力インフラとしての主流ではありません。 

また交流発電機で発生させた電気を整流器で直流に変換して利用するケースもあり、用途に応じて使い分けられています。 

なお、Jackery(ジャクリ)のソーラー発電で作られた電気は直流です。太陽光で発電した直流の電力を本体に蓄電し、必要に応じて交流に変換することで家電や電子機器など幅広い用途に活用できます。

まとめ

交流(AC)と直流(DC)は、電気の流れ方や利用シーンが大きく異なります。交流と直流それぞれの特徴や正しい知識を身につけて、電化製品の選び方や使い方を理解していきましょう。 

もし、家庭用家電からスマートフォンの充電まで「交流」と「直流」の両方に対応できる電源をお探しなら「Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」がおすすめです。1台でACコンセントもUSB機器も使えるので、アウトドアや災害時など幅広いシーンで活躍します。この機会に導入して、安心を手に入れてください。

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