1.直列回路・並列回路の基本
直列回路と並列回路は、素子(抵抗や電球など)のつなぎ方がまったく異なり、電圧・電流の動き方も変わります。どちらの回路かを先に見分けておかないと、計算の方法が変わるため注意が必要です。
・直列回路:素子が一本道でつながった回路。電流の通り道が1本しかなく、どこを計測しても電流値は同じになる
・並列回路:素子が枝分かれしてつながった回路。電流が分岐するため、枝ごとに電流値が変わる
直列・並列のつなぎ方のちがいが電圧・電流・抵抗のすべてに影響します。まず回路の形を確認してから計算に入りましょう。以下で詳しく解説します。
●直列回路は素子が一本道でつながった回路
直列回路では、電流が通れる道が1本だけです。抵抗Aを通り抜けた電流がそのまま抵抗Bに流れ込む、という一筆書きのような構造になっています。電球を直列につなぐと、1つが切れると全体が消えるのはこの構造のためです。
直列回路のポイントをまとめました。
・電流はどこで測っても同じ値(電流が分かれない)
・電圧は各素子で分かれ、合計すると電源と同じ電圧になる
・抵抗を増やすほど全体の抵抗値が大きくなり、流れる電流は小さくなる
抵抗の影響をダイレクトに受けるのが直列回路の特徴です。電圧の変動については、このあと詳しく解説します。
●並列回路は素子が枝分かれしてつながった回路
並列回路では、電流が複数の枝に分かれて流れます。抵抗Aと抵抗Bが枝分かれして並んでいる場合、電流は両方の枝に同時に流れ込みます。
家庭のコンセントはエアコンと冷蔵庫など複数の家電をそれぞれ独立して使えるようにするため、並列回路になっています。1つの家電の電源を切っても、他の家電には影響しません。
並列回路のポイントは以下のとおりです。
・どの枝にかかる電圧も電源電圧と同じ
・電流は枝ごとに分かれ、抵抗が小さい枝ほど多く流れる
・抵抗を並列に増やすほど全体の合成抵抗は小さくなり、回路全体に流れる電流は大きくなる
同じ抵抗の数・値でも横並びになれば、直列回路よりも電流値は大きくなります。電圧はどの枝も一定で、どこで測っても変わりません。
2.直列回路の電圧の規則性と求め方
直列回路では、各抵抗にかかる電圧がそれぞれ異なり、それらを足し合わせると電源電圧と等しくなります。抵抗の大きさに比例して電圧も分かれるため、抵抗の比率がわかれば各抵抗の電圧を求めることが可能です。以下の2点が計算の基本になります。
・各抵抗にかかる電圧の和=電源電圧
・抵抗が大きいほど、その抵抗にかかる電圧も大きくなる
この2点を押さえてから計算例を確認すると、手順がすんなり理解できます。以下で詳しく見ていきましょう。
●各抵抗にかかる電圧の和が電源電圧と等しくなる
直列回路では、電源電圧が各抵抗に分配されます。これが「電圧降下」です。電源電圧をV、各抵抗にかかる電圧をV₁・V₂・V₃…とすると、以下の関係が成り立ちます。
・V = V₁+V₂+V₃+ …
電源の電圧が12Vで、3つの抵抗が直列につながっている場合、3つの抵抗にかかる電圧を足し合わせると必ず12Vになります。各抵抗の電圧が3V・4V・5Vなら、3+4+5=12Vと確認できます。
●抵抗が大きいほど分かれる電圧も大きくなる
直列回路では、抵抗値の比と電圧の比が一致します。たとえば2Ωと4Ωの抵抗が直列の場合、電圧は1:2の比で分かれます。オームの法則(V=IR)から、同じ電流Iが流れるとき電圧Vは抵抗Rに比例するためです。
抵抗が大きいほど多くの電圧を「消費」するイメージで捉えると理解しやすいです。電源が持つ電圧エネルギーを、各抵抗が抵抗値の大きさに応じて分け合っているとも言えます。
●計算例:2つの抵抗が直列につながった回路の電圧を求める
電源電圧12V、抵抗R₁=2Ω、抵抗R₂=4Ωが直列につながった回路を例に計算します。
まず回路全体に流れる電流Iを求めます。
・直列の合成抵抗R=R₁+R₂=2+4=6Ω
・オームの法則より:I=V÷R=12÷6=2A
次に各抵抗の電圧を求めます。
・V₁=I×R₁=2×2=4V V₂=I×R₂=2×4=8V
・確認:V₁+V₂=4+8=12V(電源電圧と一致)
抵抗が2倍(2Ωと4Ω)なら、かかる電圧も2倍(4Vと8V)になっています。この比例関係は直列回路の計算で常に使えます。
3.並列回路の電圧の規則性と求め方
並列回路では、どの枝にかかる電圧も電源電圧と同じになります。直列と異なり電圧は分かれず、電流が分かれます。以下の2点が並列回路の電圧を理解するための大事なポイントです。
・どの枝にかかる電圧も電源電圧と等しくなる(電圧は分かれない)
・各枝に流れる電流は抵抗の大きさに応じて変わる(抵抗が小さい枝ほど電流が多い)
以下で詳しく解説します。
●どの枝にかかる電圧も電源電圧と等しくなる
並列回路では、枝が何本あっても、それぞれの枝の両端にかかる電圧は電源電圧と同じになります。電源電圧が12Vなら、並列につながった抵抗A・B・C、それぞれにかかる電圧はすべて12Vです。
家庭のコンセントがこの構造になっています。エアコンに100Vかかり、冷蔵庫にも100V、テレビにも100Vといった具合に、それぞれの家電が独立して同じ電圧を受け取っています。
●並列回路の電圧が一定になる理由
並列回路で各枝の電圧が等しくなるのは、枝の両端が共通の導線でつながっているためです。同じ2点の間に複数の抵抗を並べると、それぞれの抵抗の両端の電位差(=電圧)は必ず同じになります。
水の流れに例えると、同じ高さから落ちる水は経路に関わらず同じだけ落下します。電圧も同様に、同じ2点間の「高さのちがい(電位差)」は経路によらず一定です。
●計算例:2つの抵抗が並列につながった回路の電圧を求める
電源電圧12V、抵抗R₁=3Ω、抵抗R₂=6Ωが並列につながった回路を例に見ていきましょう。並列回路では各枝の電圧はそのまま電源電圧と等しいため「V₁=12V・V₂=12V」の状態です。
また、各枝の電流はオームの法則で求められます。
・I₁=V₁÷R₁=12÷3=4A I₂=V₂÷R₂=12÷6=2A
・回路全体の電流:I=I₁+I₂=4+2=6A
確認として合成抵抗も求めてみます。並列の合成抵抗Rは以下の式で求めます。
・1÷R=1÷R₁+1÷R₂=1÷3+1÷6=2÷6+1÷6=3÷6
・R=6÷3=2Ω
・全体電流:I=V÷R=12÷2=6A
全体の電流は各枝の電流の和と一致します。電圧は変わらず12Vのままで、電流だけが枝ごとに分かれる仕組みです。
4.直列と並列が混ざった回路の電圧の求め方
直列と並列が組み合わさった混合回路は、並列部分をひとつの合成抵抗に置き換えてから直列回路として計算します。以下の手順で進めると計算がシンプルです。
・まず並列部分の合成抵抗を求める
・求めた合成抵抗を直列回路の抵抗として組み込み、全体の合成抵抗を計算する
・全体の電流と各部分の電圧を順番に求める
以下の計算例で手順を確認します。電源電圧18V、直列の抵抗R₁=3Ω、並列部分にR₂=4ΩとR₃=4Ωがつながった回路を例にします。

・ステップ1:並列部分の合成抵抗を求める
・1÷R並列=1÷R₂+1÷R₃=1÷4+1÷4=2÷4
・R並列=4÷2=2Ω
・ステップ2:全体の合成抵抗を求める
・R全体=R₁+R並列=3+2=5Ω
・ステップ3:全体の電流を求める
・I=V÷R全体=18÷5=3.6A
・ステップ4:各部分の電圧を求める
・直列部分R₁にかかる電圧:V₁=I×R₁=3.6×3=10.8V
・並列部分にかかる電圧:V並列=I×R並列=3.6×2=7.2V
・確認:V₁+V並列=10.8+7.2=18V(電源電圧と一致)
並列部分の各枝にかかる電圧はどちらも7.2Vです。並列回路なので等しくなります。そして、直列部分にかかる電圧との合計が、全体の電圧18Vと一致します。
各枝の電流はI₂=I₃=7.2÷4=1.8Aで、I₂+I₃=3.6Aとなり全体電流と同じです。
5.直列回路・並列回路の電流・電圧・抵抗の関係まとめ
直列と並列のルールを最後にまとめて確認しましょう。どちらの回路かによって「一定になるもの」が入れ替わる点がいちばん大事です。
|
項目 |
直列回路 |
並列回路 |
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電圧 |
各素子で分かれ、合計が電源電圧と等しい |
どの枝も電源電圧と等しい(一定) |
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電流 |
どこで測っても同じ(一定) |
枝ごとに分かれ、抵抗が小さいほど大きい |
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合成抵抗 |
各抵抗の和(R=R₁+R₂+…) |
各抵抗の逆数の和の逆数(1÷R=1÷R₁+1÷R₂+…) |
以下の2点が直列・並列の最大のちがいとして押さえておくべき点です。
・直列回路は電流が一定で、各抵抗にかかる電圧が抵抗の大きさに応じて分かれる
・並列回路は電圧が一定で、各枝に流れる電流が抵抗の大きさに応じて変わる
この対比を頭に入れておくと、どちらの回路でもどこから計算をスタートすればよいかがすぐに分かります。
6.「Jackery(ジャクリ)ポータブル電源」は直並列回路で安定した出力が可能!

Jackery(ジャクリ)の持ち運べる蓄電池「ポータブル電源」は、内部でリン酸鉄リチウムイオン電池セルを直並列に組み合わせ、必要な電圧と容量を同時に確保しています。直列でセルの電圧を積み上げ、並列で容量を増やす。この組み合わせによって、大容量でありながら安定した出力を維持しています。防災からアウトドアまで、幅広い用途で活躍する便利な電源アイテムです。
さらにリン酸鉄リチウムイオン電池の採用により発熱しにくく、毎日のように使っても10年以上使い続けられます。一度購入すれば買い替えなしで長く使えるので、地震などの停電対策やキャンプなどのアウトドア用電源として、これを機に1台揃えてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
直列回路では電流が一定で電圧が分かれ、並列回路では電圧が一定で電流が分かれます。混合回路は並列部分を合成抵抗に置き換えてから直列として解くと、まとめてスムーズに計算することが可能です。
計算で迷ったときは「直列なら電流が同じ、並列なら電圧が同じ」という基本に立ち返りましょう。この記事の計算例を参考に、回路の形を見なから手を動かしてみてください。
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