1.バッテリーは寒いと減りが早い!理由を解説

寒い冬にバッテリーが減りやすいのには、3つの理由が挙げられます。
● 放電効率が低下するため
● 温度の低下により電池保護機能が作動するため
● バッテリー保護機能により出力が制限されるため
それぞれ専門用語やバッテリーが減る仕組みも解説します。
寒い時期だけスマホのバッテリーの減りが早いと感じる方は、考えられる原因を探すうえでの参考にしてください。
①放電効率が低下するため
寒い環境では、バッテリー内部で電気を生み出す化学反応(リチウムイオンの移動)が鈍くなります。その結果放電効率が低下して十分な電力を取り出せなくなり、バッテリーが減るのが早くなってしまうのです。
※放電効率:充電した電気エネルギーのうち、どれだけ効率よく放電できるかを示す割合。充電した電気量(Wh)と、放電できる電気量(Wh)の比率を百分率で表したもので、クーロン効率とも呼ばれる。
リチウムイオンバッテリーは、プラス極とマイナス極の間をイオンが移動することで電力を供給する仕組みです。気温が0℃を下回ると内部の電解液の粘度が上昇し、イオンの動きが遅くなります。
※リチウムイオン電池:リチウムイオンが正極と負極の間を移動することで繰り返し充電できる電池
※電解液:イオン性物質を極性溶媒に溶かして電気を流す液体。リチウムイオン電池や電気分解槽などで使われる
実際には容量が減っているのではなく「放電効率の低下により化学反応が一時的に抑えられている状態」です。
②温度の低下により電池保護機能が作動するため
スマホやタブレットには、内部温度を監視する電池保護機能(バッテリーマネジメントシステム)が搭載されています。気温が0℃前後まで下がると、過放電や内部損傷を防ぐために保護回路が自動的に作動するイメージです。
バッテリーマネジメントシステムが発動すると、バッテリーが出力制限モードに入ります。一時的に電力供給を抑える仕組みが作動している状態のため、気温が上がると再び通常通り使用可能です。
③バッテリー保護機能により出力が制限されるため
気温が低下するとバッテリーの内部抵抗が上がり、瞬間的に大きな電流を流せなくなります。この状態で急速充電を行ったり、高負荷アプリを使用したりすると、端末によるバッテリー保護機能が発動します。
バッテリー保護機能が発動すると、出力電流や端末の充電速度が自動的に制限(低下)されます。結果的に端末の動作速度が一時的に低下したり、充電が途中で遅くなったりするケースが多いです。
関連記事:スマホに必要な寒さ対策5選!誤った対策や冬のスマホ操作で役立つグッズも紹介
2.寒い冬にバッテリーの減りが早いと感じたときの5つの対処法

寒い冬にバッテリーの減りが早いと感じたら、次の5つの対策を実施してみましょう。
● バッテリーの劣化具合を確認する
● 極力外で使用しない
● バッグに入れるときはタオルやハンカチで包み込む
● 端末の省エネモードをオンにする
● バッテリーが上がった時に活用できるアイテムを揃えておく
たとえ寒い冬でも、対策次第でバッテリーの持続時間を長くできる方法は数多く存在します。仕事や日常生活に影響を出さないためにも、冬のバッテリー対策の参考として目を通しましょう。
①バッテリーの劣化具合を確認する
冬にスマホの電池の減りが早いと感じたら、バッテリーそのものが劣化しているケースも多いです。長期間使用している端末の場合、内部のリチウムイオン電池が劣化し、充電容量そのものが減っている可能性があります。
iPhoneでは、次の手順で現状バッテリーの最大容量を確認できます。最大容量が80%を下回っていた場合、バッテリー交換や買い替えを検討してみてください。
● 「設定」を開く
● 「バッテリー」を開く
● 「バッテリーの状態」を開く
Androidの場合も、AccuBatteryなど専用アプリで電池の劣化度を測定できます。「モバイルバッテリーの寿命は使用回数300〜500回前後」という指標も覚えておきましょう。
関連記事:スマホの電池の寿命は2~3年|劣化かな?と思ったときの診断方法を解説
②極力外で使用しない
外気温が低く寒い冬場では、端末を屋外で長時間使用するとバッテリー残量が急激に減るケースがあります。特に気温が0℃を下回る寒い環境では、バッテリー内部の化学反応が鈍くなり、供給できる電力が減りやすいです。
寒冷地に外出するときは、スマホゲームやナビアプリの使用は極力避けましょう。どうしても外で使用する場合は、次の3つの工夫を参考にしてください。
● こまめに電源を切る
● 画面の明るさを落とす
● 短時間で操作を終える
スマホやタブレットを「冷やさない」「使いすぎない」ことは、寒い冬におけるバッテリー管理の基本です。
③バッグに入れるときはタオルやハンカチで包み込む
冬に外出する際は、スマホやタブレットをそのままバッグに入れないのが大切です。特に金属やナイロン素材のバッグは外気温の影響を受けやすく、端末の温度低下や放電効率の悪化を招きます。
スマホやタブレットをタオルやハンカチで包んでおくと断熱効果が生まれ、内部温度の低下を防げます。バッグの内ポケットや衣類の内側など、体温に近い場所で持ち運ぶのもおすすめです。
④端末の省エネモードをオンにする
寒い時期に端末のバッテリーの減りが早いときは、省エネモード(低電力モード)をうまく活用しましょう。省エネモードでは端末の性能やバックグラウンド通信が抑制され、電力消費が自動的に軽減されます。
バックグラウンド通信:ユーザーがスマートフォンを操作していない(画面の裏側)状態のとき、アプリやサービス上で自動的に行われる通信
特に低温環境ではバッテリーの化学反応が鈍るため、無駄な電力消費を抑える工夫が欠かせません。端末の省エネモードをオンにする方法は、それぞれ次のとおりです。
● iPhoneの場合:「設定」→「バッテリー」→「低電力モード」をオンにする
● Androidの場合:「バッテリーセーバー」をオンにする
位置情報サービスやBluetoothもバッテリーの減りに繋がりやすいため、必要のないときはオフにしておきましょう。
⑤バッテリーが上がった時に活用できるアイテムを揃えておく
寒い冬は気温の低下により、スマホや車のバッテリーが突然上がりやすくなります。バッテリーが上がったときに慌てないよう、バッグや車の中にいざというときの非常用電源を用意しておきましょう。
特にポータブル電源は、日常における防災対策としても活用可能です。次の段落では、寒い冬のバッテリー対策に活用しやすいグッズを紹介します。
関連記事:スマホの電池の減りが早い原因と対策|バッテリーを長持ちさせる9の方法
3.寒い冬のバッテリー対策におすすめなグッズ3選

寒い冬のバッテリー対策には、次の3つのグッズがおすすめです。
● モバイルバッテリー
● バッテリー保護ケース
● ポータブル電源
それぞれ使うべき具体的なシーンをチェックし、冬のバッテリーを少しでも長持ちさせられるよう工夫しましょう。
①モバイルバッテリー
寒い冬の屋外や外出先では、気温の低下によってスマホやタブレットのバッテリー消耗が早まります。モバイルバッテリーがあれば、場所を問わず電子機器の充電が可能です。
容量が10,000mAh前後のモデルなら、スマホを2〜3回フル充電できます。ワイヤレスイヤホンなど他のアイテムも使いたい場合、複数のデバイスを同時に充電できるモデルを選びましょう。
ただし、モバイルバッテリー自体の充電忘れやバッテリー切れには注意が必要です。
関連記事:ソーラーモバイルバッテリーおすすめ4選!後悔しない選び方も解説
②バッテリー保護ケース
スマホ専用のバッテリー保護ケースは、冷気から端末を守れるアイテムです。内部が断熱素材やシリコンでできているモデルなら外気温の影響を受けにくくなり、バッテリーの急激な放電を防げます。
ケース一体型のバッテリーを内蔵したタイプを選べば、充電もできるため一石二鳥。登山や冬のアウトドアなど、外で長時間スマホを使う方におすすめです。
③ポータブル電源

ポータブル電源は、冬の車中泊やキャンプで活躍する携帯可能な大容量バッテリーです。コンセントがなくても電力を確保できるため、機種によりスマホに何十回もフル充電できます。また、スマホ以外に下記などの家電も動かせます。
・パソコンやタブレット、カメラ
・照明器具(ランタンやLEDライト)
・電気毛布など
冬キャンプや車中泊、停電対策などの用途で活躍できるので、一家に一台用意したいアイテムです。
4.Jackeryのポータブル電源で寒い冬のバッテリー対策を強化しよう

寒い冬は気温の低下により、スマホや車のバッテリー性能が大幅に落ちやすくなります。特に気温が5 ℃を下回る場合、電池の内部抵抗の増加により実際に使える容量が半減するケースもあります。
Jackery(ジャクリ)ポータブル電源があれば、冬にコンセントのない場所や停電時でもスマホや家電に安定した電力を供給可能です。ポータブル電源は「持ち運び可能な蓄電池」を指します。
動作温度は-20〜40℃のモデルもあり、氷点下で厳しい寒さを伴う冬の屋外でも家電や電子機器に給電できます。スマホやPCはもちろん、車のバッテリー上がりでも活用できます。
Jackeryのポータブル電源は、国内における防災製品等推奨品マークも取得しており、冬の電源トラブルを防ぐ頼もしいパートナーとなることは間違いなしです。寒さでスマホや車のバッテリーが不安定になる季節に備えて、Jackeryのポータブル電源を準備しておきましょう。
※防災製品等推奨品マーク:一般社団法人日本防災協会の審査において、安全性・機能性・品質が一定基準を満たした防災グッズに付与されるマーク
5.寒い冬にバッテリー対策をするときの注意点
寒い冬にバッテリー対策をするときは、次の3つの点に注意してください。
● 急速充電を避ける
● 外気に長時間さらさない
● 保温アイテムの使いすぎに注意する
低温下ではバッテリー内部の化学反応が鈍くなるため、急速充電をすると内部劣化や発熱リスクが高まります。寒い日は通常充電モードを選び、充電前に端末を室内で温めましょう。
またスマホやモバイルバッテリーを寒い場所で長期間使用すると、瞬時に電圧が低下します。この時にカイロやヒーターで直接温めた場合、内部温度が急上昇するため危険です。
バッテリーを含むアイテムを使用しないときは、ポケットやバッグの内側など体温に近い場所で保管しましょう。
6.寒い冬のバッテリーに関してよくある質問(Q&A)
最後に、寒い冬のバッテリーに関してよくある質問へ回答します。
①車のバッテリーも寒いと減りやすい?気温の影響は?
車のバッテリーは気温の影響を受けやすく、寒いと減りが早くなるのは事実です。特に気温が0℃付近になると、夏の半分以下までバッテリーの電力供給力が落ちるケースも珍しくありません。
特に朝晩の冷え込みが厳しい冬は、エンジン始動時に多くの電力を必要とするため、バッテリー上がりが起こりやすくなります。
関連記事:【最新】車のバッテリー上がりの原因・症状・対応策・防止方法を解説
②リチウムイオンバッテリーの寒さ対策方法は何がある?
リチウムイオンバッテリーの寒さ対策方法は、下記などがあります。
● 保温ケースや断熱カバーを使用して外気の冷たさを遮断する
● ポケットやバッグの内側など体温の届く場所で保管する
● 使用前に一度温かい部屋で軽く温めてから充電する
● 低温下では急速充電を避ける
● 屋外で使う場合は防寒仕様や耐寒モデルの製品を選ぶ
リチウムイオン電池は寒さに弱く、0℃を下回る環境では電圧が急激に低下します。周囲の暖かい場所にコンセントがない場合、Jackeryのポータブル電源からスマホやモバイルバッテリーを充電しましょう。
関連記事:氷点下でポータブル電源を使用できる?選ぶポイントと注意点を解説
③寒い冬でアイドリングで車のバッテリーを充電するときの注意点は?
アイドリングで冬の車のバッテリーを充電するときの注意点は次のとおりです。
● 短時間のアイドリングでは十分に充電できない
● 他の機能を同時に使うと充電が遅くなる
● 排気ガスによる一酸化炭素中毒に注意する
特に寒い季節は次の3つの電装品が多く電力を消費するため、アイドリングだけでは足りなくなるケースがあります。
● ライト
● 暖房
● デフロスターなど
冬の車を効率よく充電するには、10〜20分程度の走行で発電機をしっかり回すのが理想です。頻繁に短距離運転を繰り返すとバッテリーが劣化しやすいため、定期的な長距離運転やバッテリー点検を行いましょう。
アイドリングでの充電では足りない場合、バッテリー対策グッズやJackeryのポータブル電源を活用するのがおすすめです。
関連記事:車中泊も安心!サブバッテリーシステムより手軽なポータブル電源で電力不足を解消
まとめ
寒い冬のバッテリーは、温度や放電効率の低下により減りが早くなります。端末によってはバッテリー保護機能が作動するため、実際に使える電気の量が減ることは避けられません。
冬のバッテリー対策には、バッテリーを「減らさない」「減らした後にどうするか」の2つの視点が必要です。バッテリーの減りを防ぐには、外での使用を控えつつ、タオルやハンカチで包み込みましょう。
バッテリーが減ったあとの対策には、モバイルバッテリーやポータブル電源がおすすめです。特にポータブル電源はバッテリーそのものも充電できるため、寒い冬の非常用電源としても活用可能です。
寒い冬に備えて、もしもの時にスマホやPCを安心して使えるよう準備を整えましょう。
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