ポータブル電源だけで生活は可能?オフグリッドの現実と実用的な活用法

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「毎月の電気代の請求にため息電力会社に頼らず、ポータブル電源だけで生活できないだろうか」、「災害で停電が続いても、電気の心配なく暮らせるオフグリッドな生活に憧れる」

近年、電気料金の高騰や頻発する自然災害への備えとして、「ポータブル電源だけで生活する」というオフグリッド生活への関心が高まっています。太陽光とポータブル電源があれば、電気代ゼロで自由に暮らせる…そんな生活を想像される方も多いでしょう。

一方で「本当にそんなことが可能なの?」「実際にはどんな準備が必要で、どんな苦労があるの?」といった疑問や不安もあるはずです。

この記事では、「ポータブル電源だけで生活する」というテーマについて、実現の可能性、必要なもの、メリットとデメリット、そして現実的な課題や活用法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

目次
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1.夢じゃない?「ポータブル電源だけで生活」の実現可能性


夢じゃない?「ポータブル電源だけで生活」の実現可能性

結論から言うと、「ポータブル電源だけで生活する」ことは理論上は可能です。ただし、現代の日本で一般的な生活水準を維持しようとすると、多くの制約があり、工夫と覚悟、そして初期投資が必要になります。

実際には簡単ではありませんが、どのような条件ならポータブル電源だけでの生活が実現できるのか具体的に見ていきましょう。

●理論上は可能だが、多くの課題も

私たちの生活は、照明、スマートフォンの充電、冷蔵庫、エアコンなど、多くの電化製品に支えられています。これらの電力をすべてポータブル電源とソーラーパネルだけで賄うのは、想像以上に難しいのが現実です。

最大の課題は、天候によって発電量が左右される不安定さです。晴れた日は良くても、雨の日が続けば電力は尽きてしまいます。さらに、生活を維持するための十分な機材を揃えるには高額な初期費用がかかるなど、乗り越えるべきハードルは少なくありません。

「ポータブル電源だけで生活」を実現するには、装置を揃えるだけでなく、ライフスタイルそのものを見直し、電力消費に対する意識を根本から変える必要があるのです。

関連記事:ポータブル電源を普段使いする方法を徹底解説

2.どんなライフスタイルならポータブル電源だけでの生活が可能か?


どんなライフスタイルならポータブル電源だけでの生活が可能か?

どのようなライフスタイルなら「ポータブル電源だけで生活」のハードルが下がるのでしょうか。

①消費電力を抑えたミニマルな生活

もっとも現実的なのは、電化製品を必要最小限に絞り、消費電力を抑えた「ミニマルな生活」です。

照明はLEDの小型のものだけ、情報収集はスマートフォン中心でパソコンは短時間、冷蔵庫は持たないか小型のもの、調理はガスや薪を中心にするなどの工夫が必要です。現代の便利さに慣れていると、かなり質素な生活変革が求められます。

②電力使用量が少ないケース

・単身世帯:家族の人数が少なければ、1日の総消費電力量も抑えやすくなります

・週末利用の小屋:生活の拠点ではなく、週末や休暇中だけ利用する小屋などなら、平日不在の間にソーラーパネルでじっくり充電し、滞在中はその電力で過ごせます

・特定の目的に限定:家全体ではなく「書斎のパソコンと照明だけ」「趣味の装置だけ」など、限定的な空間や目的での電力自給なら、実現性は高まります

③消費電力の大きい家電の使用は困難

ポータブル電源だけで、エアコン、電気ヒーター、IHクッキングヒーター、電気ケトルなどの消費電力が大きい家電を日常的に使うのは極めて難しいでしょう。

これらを快適に使おうとすると、大容量のポータブル電源と広いソーラーパネル、そして多額の初期投資が必要になります。つまり「ポータブル電源だけで生活」を実現するには、装置を揃えるだけでなく、ライフスタイルそのものを見直し、電力消費に対する意識を根本から変える必要があります。

関連記事:「メーカーが解説」ポータブル電源で電化製品を使える時間は?計算方法を分かりやすく解説

3.ポータブル電源だけで生活するために必要なもの


ポータブル電源だけで生活するために必要なもの

「それでも挑戦してみたい!」あるいは「限定的な形でもポータブル電源だけでの生活を実現したい!」と考える方のために、具体的に必要なものを解説します。

①大容量・高出力のポータブル電源

生活の基盤となる電力を蓄えるためには、大容量・高出力のポータブル電源が必要です。

最低でも1kWhクラス、ライフスタイルによってはそれ以上

「1日にどれくらいの電気を使うか」を把握することが最初のステップです。

・スマートフォンの充電(1日20Wh程度)

・ノートパソコンでの作業(数時間で50Wh~100Wh)

・LED照明(数時間で数十Wh)

・小型冷蔵庫(24時間で400Wh~1kWh以上)

ご自身が使いたい家電の消費電力をリストアップし、1日の合計使用電力量を計算しましょう。一般的に、ミニマルな生活でも最低1kWh(1000Wh)の容量は必要です。冷蔵庫など常時稼働する家電を使う場合は2kWh、あるいはそれ以上の容量が必要になります。

関連記事:大容量ポータブル電源おすすめ8選!稼働できる時間や選び方も紹介

②拡張バッテリーの重要性

最初から超大容量モデルを選ぶのも一つの方法ですが、実際に使ってみて「もう少し容量が欲しい」と感じることもあります。そんな時に便利なのが、後からポータブル電源の容量を増設できる「拡張バッテリー」です。

JackeryのPlusシリーズ(2000 Plus・5000 Plusなど)は、専用の拡張バッテリーを接続することで、柔軟にバッテリー容量を増やせる設計になっています。初期投資を抑えつつ、将来的なシステム拡大にも対応します。

関連記事:ポータブル電源の並列接続とは?メリットやおすすめの製品を紹介

③定格出力(W)も重要

容量(Wh)だけでなく、一度にどれだけの電力を使えるかを示す「定格出力(W)」も重要です。

電子レンジ(1000W~1500W)やドライヤー(1200W程度)のような高出力家電を使いたい場合は、ポータブル電源の定格出力がそれらを上回っている必要があります。複数の家電を同時に使う場合は、合計出力も考慮しましょう。

④発電能力の確保に重要なソーラーパネル

ポータブル電源に電気を蓄えるためには、発電手段が必要です。もっとも現実的なのがソーラーパネルです。

●悪天候時も考慮した余裕ある発電量が必要

ソーラーパネルの発電量は、パネルの公称出力だけでなく、日射強度、設置角度、季節、天候、周囲の影などに左右されます。カタログスペック通りの発電量が常に得られるわけではありません。

1日の消費電力量を安定して賄うためには、曇りや雨の日が数日続いても生活が困らないよう、日々の消費電力量を上回る発電能力(つまり、十分なソーラーパネル)を確保しておく必要があります。

●複数枚のソーラーパネルが必要になるケース

例えば、1日に1kWhの電力を消費する場合、1日の平均日照時間が3~4時間で、ソーラーパネルの変換効率やロスを考慮すると、少なくとも合計で400Wクラスのソーラーパネルが必要でしょう。

2kWh、3kWhになると、パネルの枚数も増やす必要があり、設置スペースも必要になります。Jackeryでは、高効率な「SolarSaga」シリーズのソーラーパネルを取り揃えており、ポータブル電源との適切な組み合わせをご提案しています。

複数枚を接続することで、発電能力を高めることも可能です。

関連記事:【2025年版】ポータブル電源×ソーラーパネルセットおすすめモデルと選び方徹底ガイド

⑤省エネ家電と徹底した節電意識

どんなに大容量のポータブル電源と高性能なソーラーパネルを用意しても、無制限に電気を使っていては、すぐに電力が尽きてしまいます。ポータブル電源だけで生活するためには、徹底した節電意識と省エネ家電の導入が不可欠です。

省エネ家電への切り替え(例):

・照明:白熱電球や蛍光灯から、消費電力の少ないLED照明へ

・冷蔵庫:省エネ性能の高い小型冷蔵庫を選ぶ(場合によってはDC駆動のポータブル冷蔵庫も検討)

・パソコン:デスクトップよりノート型、さらにタブレットの活用を

生活スタイルそのものの見直し(例):

・早寝早起き:夜間の照明時間を減らし、日中に活動を集中

・家電の同時使用を避ける:一度に使う家電を一つか二つに絞る

・待機電力のカット:使っていない家電のプラグはこまめに抜く

・自然の力を活用:夏は風通しを工夫し、冬は厚着や断熱で暖房への依存を減らす

生活のあらゆる場面で「電気をいかに使わないか」を考える意識が求められます。

4.完全オフグリッドは難しくても…ポータブル電源の現実的な活用アイデア


完全オフグリッドは難しくても…ポータブル電源の現実的な活用アイデア

ここまで読んで「やはりポータブル電源だけで生活するのは難しそう…」と感じた方も多いでしょう。しかし、完全なオフグリッドを目指さなくても、ポータブル電源を上手に活用する方法はたくさんあります。

①部分的なオフグリッド化(ハイブリッド利用)

・日中はソーラー発電でポータブル電源に充電

・照明・パソコン・テレビなどをポータブル電源で動かす

・夜間や悪天候時、高出力家電の使用時のみ系統電力を利用

→電気代削減しつつ、天候による不安定さをカバー

② 週末・特定スペースのオフグリッド

・週末だけブレーカーを落としてオフグリッド体験

・書斎や作業スペースなど限定的な範囲での電力自給

→少ない投資で効果を実感、段階的にシステム拡大可能

3. 防災備蓄としての活用

・日常:部分的なオフグリッド利用やアウトドアでの活用

・非常時:災害時の生命線として機能

→平時の節電効果と非常時の安心を両立

関連記事:ポータブル電源の元は取れる?シミュレーションと節約効果を最大化するコツを徹底解説

5.オフグリッド生活の実現に向けたJackeryの最上位ポータブル電源


「ポータブル電源だけで生活する」ためには、大容量かつ高出力の電源システムが不可欠です。特に、冷蔵庫や炊飯器などの家庭用家電を複数同時に使うには、信頼性の高い製品が求められます。

Jackery(ジャクリ)では、そうした本格的なオフグリッド生活にも対応できる上位クラスのポータブル電源を多数展開しています。ここでは、拡張性・出力・容量のバランスに優れたポータブル電源ソーラーパネルセット製品をご紹介します。

●Jackery ポータブル電源 3000 New セット|定格出力3,000W・容量3,072Wh|3,000Whクラスで業界最軽量・最小

Jackery ポータブル電源 3000 New セット|定格出力3,000W・容量3,072Wh|3,000Whクラスで業界最軽量・最小

Jackery ポータブル電源3000 Newセットは、定格出力3,000W・容量3,072Whを誇るJackery史上大級の単体完結モデル。炊飯器や電子レンジ、冷蔵庫など消費電力の大きい家電も安定稼働でき、停電時や電力網のない場所でも家庭と変わらぬ生活が可能です。

さらに低自然放電技術、UPS、バッテリー節約モード、アプリ遠隔操作など多機能も充実。手間なく本格オフグリッド生活を始めたい方にぴったりのポータブル電源です。

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●Jackery Solar Generator 2000 Plus|容量2042Wh・定格出力3,000W|最大24Kwhまで拡張できる

ackery Solar Generator 2000 Plus ポータブル電源 ソーラーパネルセット

Jackery Solar Generator 2000 Plus ポータブル電源 セットは、容量2042Wh・定格出力3,000Wを兼ね備えつつ、最大5台の拡張バッテリー接続で最大24kWhに拡張可能な柔軟設計が特長小〜中規模のオフグリッド生活に適しており、必要に応じて段階的にシステムを強化できます。

2時間でフル充電できる急速充電、アプリ操作、安全性を高める62種類の保護機構など、日常から非常時まで幅広く対応します。

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●Jackery Solar Generator 5000 Plusポータブル電源セット|5040Whの超大容量と定格出力6000Wの高出力

Jackery Solar Generator 5000 Plusポータブル電源セット|5040Whの超大容量と定格出力6000Wの高出力

「どうせなら、本格的なオフグリッド生活を目指したい」そんな究極のニーズに応えるのが、Jackeryのフラッグシップモデル5000 Plusです。

Jackery Solar Generator 5000 Plus ポータブル電源 セットは、定格出力6000W、拡張すれば最大30,240Whに達する圧倒的なスペックは、もはや「ポータブル」の域を超えた存在。エアコンやIH調理器など、これまでオフグリッドでは諦めがちだった高出力家電も、この一台があれば気兼ねなく使用できます。

特に注目すべきは、本格的なオフグリッドシステムを、専門知識や工事なしで構築できる手軽さです。別売りの「切り替え分電盤」を連携させれば、停電時に家全体へ自動で給電する「家庭用蓄電池」として機能。

さらに、家庭の太陽光パネルから直接充電できる「PV高圧充電」や、AC電源と併用する「ハイブリッド充電」により、最短1.4時間(※)でフル充電する驚異のスピードを実現します。(※AC+ソーラーのハイブリッド充電時)

10年使える長寿命設計と、落雷などから機器を守る「雷サージ保護機能(ライン・ライン/ライン・アース間)」も搭載。まさに本格的なオフグリッド生活を、手軽さと高い信頼性で支えるための究極の選択肢です。

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6.まとめ:理想と現実を見据えたポータブル電源との付き合い方


「ポータブル電源だけで生活する」という夢は魅力的ですが、その実現には覚悟、周到な準備、そしてライフスタイルそのものの変革が求められます。天候という不確定要素に常に左右され、使える家電や時間に制約を受け入れる必要もあります。

しかし、完全なオフグリッドを目指すことだけが、ポータブル電源の価値ではありません。Jackeryのポータブル電源とソーラーパネルは、以下のような様々な形でお客様の生活を豊かにします。

・日常生活での電気代節約(部分的なオフグリッド、ハイブリッド利用)

・車での旅行での快適さ向上

・週末のDIYや趣味の時間の充実

・災害時における確かな安心と備え

「ポータブル電源だけで生活」という大きな目標にいきなり挑戦するのではなく、まずはご自身のライフスタイルに合わせて無理なくポータブル電源を取り入れてみませんか。その便利さや安心感を体験することから始めることをおすすめします。

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