1.休火山とはなにかをわかりやすく解説

火山は、活動状況によって3種類に分類されていました。ここでは、現在使われなくなった「休火山」の定義と、他の火山分類との違いを確認しましょう。
①過去に噴火したが現在は活動していない火山の呼び方
休火山とは、2003年以前に使われていた火山分類の1つで、有史以来の噴火記録はあるものの、しばらく活動していない火山を意味します。
休火山には以下の火山が代表例として挙げられます。
● 富士山
● 雲仙普賢岳
● 御嶽山
しかし、火山学の研究が進むにつれて、噴火記録の有無だけで将来の火山活動を判断するには問題があると判明しました。火山の寿命は非常に長く、人類史の範囲だけで将来の活動を判断するのは困難と考えられています。現在、休火山は気象庁の正式な分類から廃止され、専門家の間でも使われていません。
②休火山と活火山・死火山の違い
2003年以前に使われていた火山分類には、活火山と死火山という区分もありました。それぞれの定義と、現在の扱いについて見ていきましょう。
活火山|今も活動している火山
活火山とは、過去1万年以内に噴火した火山、または現在も活発な噴気活動が認められる火山を指します。気象庁は2003年に定義を見直し、富士山のように数百年間噴火していない火山も活火山に含めました。
火山の活動期間は数十万年以上に及ぶため、数百年の休止は火山にとって短い静穏期にすぎません。日本には111の活火山があり、50火山が「常時観測火山」として気象庁により24時間体制で監視されています。
参考
関連記事:日本の活火山一覧を確認!活火山の仕組みと噴火警戒レベルの最新状況
死火山|将来噴火しないと考えられていた
死火山とは、2003年以前に使われていた分類で、歴史時代の噴火記録がなく今後も噴火する可能性はないと判断されていた火山です。
しかし、以下の事例が発生したことから、噴火記録がないからといって将来も噴火しないと断定するのは危険と判断されました。
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項目 |
御嶽山 |
雌阿寒岳 |
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概要 |
2014年9月27日、噴火警戒レベル1の段階で水蒸気爆発が発生 |
1955年以降、水蒸気噴火を中心に断続的な活動 |
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補足情報 |
・噴火直前に火山性微動を観測、戦後最大の火山災害 |
近年も噴気増大や地震増加が確認され、現在も活動継続中 |
火山学の研究者によれば、世界中に「完全に活動を終えた」と断定できる火山は存在しないとされています。そのため、現在は死火山という用語は使われていません。
参考
内閣府防災情報|2014年(平成26年) 御嶽山噴火による災害
2.休火山はいつから廃止されたのか|気象庁が2003年に見直した理由
気象庁は2003年に火山噴火予知連絡会の審議を経て、休火山・死火山という分類を正式に廃止しました。見直しの理由は、1979年の御嶽山噴火や1955年以降の雌阿寒岳の活動再開など、死火山だった火山が突然噴火する事例が発生したためです。
火山の活動史は非常に長く、限られた歴史記録だけでは噴火リスクを見極められません。世界的に、過去1万年以内の噴火記録をもとに活火山を判断する流れが進み、日本も同じ基準を採用しています。
現在は「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定め、噴火リスクを過小評価しない体制が整えられています。
3.休火山が再噴火した事例から学ぶ教訓
過去に休火山と分類されていた火山が突如噴火し、大きな被害をもたらした例があります。ここでは、長く活動が確認されていなかった火山の噴火事例を3つ取り上げます。
①大量の降灰をもたらした富士山の大噴火(1707年)
富士山の直近の噴火は、1707年の宝永噴火です。噴火の概要は以下のとおりです。
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発生時期 |
1707年12月16日 |
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噴火場所 |
南東斜面の宝永火口 |
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被害状況 |
・山麓の家屋倒壊、焼失 ・広域の降灰被害 |
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特徴 |
約800年間の静穏期後に発生した大規模噴火 |
この噴火では、大量の火山灰が静岡県や神奈川県、房総半島まで降り注ぎ、江戸でも5センチ積もる規模となりました。山麓の須走村では火山灰の重みで多くの家屋が倒壊し、火山灰による河川氾濫や農地の耕作不能化など二次被害も発生しています。
富士山は864年の貞観噴火以降、長期間目立った活動がなかったため、当時の人々にとって予想外の災害となりました。長く静穏を保つ火山でも突然大規模噴火が起こる可能性を示しています。
参考
②約200年ぶりに噴火した雲仙普賢岳(1990年)
雲仙普賢岳の噴火概要は以下のとおりです。
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発生時期 |
1990年11月~1996年6月 |
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噴火場所 |
普賢岳 |
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被害状況 |
・死者、行方不明者43名 ・負傷者12名 ・建物被害2,511件 |
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特徴 |
1792年の島原大変以来198年ぶりの噴火 |
1990年11月に始まった噴火活動は、約200年間の静穏期を経て発生しました。1991年6月3日には溶岩ドームの崩壊により大規模な火砕流が発生し、時速100キロを超える高温の火山ガスや噴石が山麓を襲っています。
避難勧告区域に留まっていた報道関係者や消防団員など43名が犠牲となり、この災害を機に「火砕流」という現象が広く知られました。長期間噴火していない火山でも、ひとたび活動を再開すれば破壊的な被害をもたらす教訓となっています。
③過去に噴火した記録がなかった御嶽山(2014年)
御嶽山噴火の概要は以下のとおりです。
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発生時期 |
2014年9月27日午前11時52分 |
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噴火場所 |
山頂付近 |
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被害状況 |
死者58名、行方不明者5名 |
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特徴 |
突然発生した水蒸気噴火により噴石が登山者を襲った |
御嶽山は1979年に突然噴火するまで、近代的な噴火記録がなく死火山と考えられていました。2014年の噴火は紅葉シーズンの週末、昼食時間帯に発生したため、山頂付近に多数の登山者がおり、噴石の直撃により多くの犠牲者が出ています。
噴火記録のない火山でも突然活動を始める可能性があり、予兆を捉えるのが難しい水蒸気噴火の危険性を示しました。この教訓を踏まえて活火山の監視体制強化や登山者への情報提供が進められています。
参考:内閣府|特集① 火山防災を考える ~2014年御嶽山噴火から10年~
関連記事:火山による災害を事例つきで解説!被害を抑えるための防災対策7選
4.富士山は休火山だった?噴火の可能性はある?

日本を象徴する富士山は、かつて休火山に分類されていました。しかし、現在の火山学的知見では活火山とされており、将来の噴火リスクも想定されています。
ここでは、富士山の現在の分類と噴火の可能性について確認しましょう。
①実は、富士山は日本でも有数の活動的な活火山|最後の噴火は1707年
富士山は過去5,600年間に約180回の噴火が確認されており、国内でも有数の活動的な活火山です。2003年以前は休火山に分類されていた時期もありますが、現在は気象庁が定める111の活火山のひとつに指定されています。
最後の噴火は1707年の宝永噴火で、南東山腹から大量の火山灰を噴出し、江戸まで降灰被害がおよびました。以来300年以上静穏な状態が続いていますが、火山活動は長い周期で起こるため短い休止期にすぎません。
2000年には富士山直下で低周波地震が多発し、改めて活火山であるという認識が広まりました。
参考:富士吉田市|富士山火山編
②2004年には国が富士山のハザードマップも策定|被害予測は?
国は2004年に富士山の火山ハザードマップを策定し、2021年には新たな科学的知見に基づいて改定版を公表しました。ハザードマップでは、噴火時に想定される以下の内容が示されています。
● 降灰によって想定する範囲と被害内容
● 想定される火山現象
● 火山情報の収集方法
● 噴火警戒レベルの内容
改定版では溶岩流の到達可能性範囲が拡大し、7市5町が新たに影響範囲に加わり、市街地方面にも広がる結果となりました。
富士山周辺の自治体では、このハザードマップに基づいた避難計画の策定が進められており、日頃からの防災対策が求められています。
参考
5.休火山の再噴火に備えて今からできる防災対策

長期間噴火していない火山でも突然活動を再開する可能性があります。ここでは、火山噴火に備えて日頃から準備しておくべき4つの対策を確認しましょう。
①自宅周辺の火山ハザードマップを確認して危険範囲を把握する
火山周辺の自治体が公開するハザードマップには、以下のような内容が記載されています。
● 溶岩流や火砕流の到達範囲
● 降灰の予測範囲
● 避難場所の位置
まずは自宅や職場、学校などの生活圏がどの危険区域に該当するかを確認しておきましょう。溶岩流の影響を受ける可能性がある地域なのか、降灰のみが想定される地域なのかによって、取るべき行動は異なります。
ハザードマップは自治体や気象庁のウェブサイトから確認できるため、家庭内で印刷・共有しておくと安心です。避難ルートを1つに絞らず、道路が通れない場合の迂回経路も検討しておけば、非常時でも慌てず避難できます。
関連記事:【個人】火山の噴火対策3選!家庭に備えておくべき防災グッズも紹介
②噴火警戒レベルと避難情報の受け取り方を整理しておく
気象庁は火山活動の状況に応じて、噴火警戒レベルを以下のように5段階で発表しています。
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レベル |
名称 |
住民等の行動 |
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レベル5 |
避難 |
速やかに避難 |
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レベル4 |
高齢者等避難 |
高齢者等は避難、住民は避難準備 |
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レベル3 |
入山規制 |
情報収集と避難準備 |
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レベル2 |
火口周辺規制 |
通常生活を続けつつ警戒 |
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レベル1 |
活火山であることに留意 |
通常生活を続けつつ警戒 |
富士山では噴火前に火口位置を特定するのが難しいため、レベル2は発表されず、レベル3から一気に避難行動が求められる可能性があります。事前に火山防災マップを確認し、避難場所や避難経路を把握することが重要です。
噴火警報・避難情報を見逃さないよう、以下の受信手段を確認しておきましょう。
● 自治体の防災メール
● 公式LINE
● 同報無線
● テレビ
● ラジオ
レベルに応じた行動を理解しておけば、状況に応じた迅速な判断が可能になります。
③降灰や火山ガスに備えて目張りと防護用品を準備する
火山灰は直径2ミリ未満の細かい粒子で、吸い込むと気管支炎や喘息の悪化を引き起こします。降灰時には窓やドアを閉め切り、隙間をガムテープなどで目張りして室内への侵入を防ぎましょう。
外出する際は、以下のものを着用し目や呼吸器を保護する必要があります。
● マスク
● ゴーグル
● 帽子
● 長袖の服
目に入った火山灰をこすると角膜を傷つける可能性があるため、流水でやさしく洗い流してください。また、火山ガスに含まれる有毒成分への対策として、防塵マスクを用意しておくと安心です。
関連記事:火山灰対策グッズまとめ!健康・住まい・車・避難の必須アイテムを紹介
④噴火による停電に備えて非常用電源を準備する
火山噴火に伴う降灰が送電設備に堆積したり、火砕流が設備を損傷したりすると、長期間の停電が発生する可能性があります。
停電時に正確な避難情報を得るためにも、スマートフォンやラジオを使える電源の確保が必要です。ポータブル電源は、停電への備えとして家電を動かせる蓄電装置で、以下のような電気機器に対応できます。
● スマートフォン
● LEDライト
● 電気毛布
● 小型冷蔵庫
冬の停電時は室温の低下が生活に大きく影響するので、非常用電源をあらかじめ準備しておきましょう。
6.休火山の再噴火リスクに備える!災害時に安心なJackeryポータブル電源
火山噴火による停電対策には、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源がおすすめです。休火山の再噴火で停電が発生した場合、以下のような活用が可能になります。
● 防災無線が聞き取れない場合の携帯ラジオへの給電で避難情報を入手
● 在宅避難時の炊飯器や電気ケトルで温かい食事の準備
● 扇風機やサーキュレーターで降灰後の室内換気をサポート
● モバイルWi-Fiルーターへの給電でインターネット接続を継続
Jackeryは創立14年の実績と世界で700万台以上の導入実績を持つ信頼性の高いブランドです。充電しながら給電できるパススルー機能を搭載しているため、停電直前まで電力を確保でき、停電後も電力不足を心配せずに家電を使用できます。
また、自己放電率が低く365日で5%程度しか減らないので、長期保管しても安心です。いつ起こるかわからない火山噴火に備えて、Jackeryのポータブル電源で防災対策を始めましょう。
7.休火山についてよくある質問
休火山に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
①日本にある休火山の一覧はありますか?
休火山の一覧は存在しません。2003年に気象庁が火山分類を見直し、休火山や死火山という用語は学術的に廃止されたためです。
現在、日本には111の活火山が指定されており、過去に休火山とされていた富士山や雲仙岳なども活火山に含まれています。噴火記録の有無や活動の静穏期間に関わらず、過去1万年以内に噴火した火山はすべて活火山として扱われるようになりました。
②休火山は英語で何と言いますか?
休火山は英語で「dormant volcano」と表現されます。dormantは「休眠中の」「活動を休止している」という意味です。
ただし、日本の気象庁が2003年に休火山という分類を廃止したように、国際的な火山学会でもこの用語は使われなくなりつつあります。
現在は「active volcano(活火山)」という分類が一般的で、長期間噴火していない火山も含めて活火山として認識されています。
まとめ
休火山とは、かつて用いられていた火山の分類で、噴火の記録はあるものの、現在は活動が確認されていない火山を指していました。
しかし、死火山とされていた御嶽山や雌阿寒岳が突然噴火する事例が相次ぎ、2003年に気象庁はこの用語を廃止しています。
富士山も活火山に分類されており、国はハザードマップを策定して被害想定範囲を示しています。長期間噴火していない火山でも活動再開の可能性があるため、事前の備えが欠かせません。停電時の電源確保としてJackeryのポータブル電源を用意し、火山噴火に対応しましょう。