1.大雨浸水とは|浸水と冠水の違い
まずは大雨浸水の基本を見ていきましょう。よく「冠水」と混同されますが、浸水と冠水では意味が以下のように異なります。
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用語 |
意味 |
主な発生場所 |
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浸水 |
住宅・建物の内部に水が入り込む状態 |
住宅・田畑 |
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冠水 |
道路・農地などの地面が水に覆われる状態 |
道路・田畑 |
正確に理解しておけば、ニュースや行政の情報を正しく読み取れます。それぞれの定義と違いをおさえておきましょう。
●浸水|建物や土地に水が入り込む状態
気象庁によると、浸水害とは「大雨等による地表水の増加に排水が追いつかず、用水路、下水溝などがあふれて氾濫したり、河川の増水や高潮によって排水が阻まれたりして、住宅や田畑が水につかる災害」のことです。
参考:気象庁「浸水害」
わかりやすくいうと、住宅の内部や田畑に水が入り込んでしまう状態が浸水です。浸水は被害の程度によって床下浸水と床上浸水に分けられます。国土交通省によれば、一般的な家屋では浸水の深さが50cm未満の場合は床下浸水、50cm以上になると床上浸水です。ただし、この「50cm」はあくまで目安で、明確な線引きはありません。床の高さや天井までの距離など、家屋の構造によって変わります。
●冠水|道路や土地が水で覆われる状態
冠水とは、気象庁の定義によると「農地や作物、道路が水をかぶること」です。建物内部ではなく、道路や田畑などの屋外の地面が水に覆われた状態を指します。
鉄道下の道路(アンダーパス)やすり鉢状に低くなった道路は冠水が深くなりやすく、車が走行できなくなるケースが多いです。大雨の際には、水深がわずかでも冠水した道路への進入は控えましょう。
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2.大雨浸水の事前対策|ハザードマップ確認と浸水防止がカギ
「浸水被害の軽減に普段から備えていたかどうか」で、被害の大きさが大きく変わります。できるところから対策を進めておきましょう。
●ハザードマップで自宅の浸水リスクを確認する
まず確認してほしいのが、自宅周辺の洪水ハザードマップです。国土交通省の重ねるハザードマップでは、住所を入力するだけで浸水が想定される区域と予想される浸水深を調べられます。

以下は重ねるハザードマップで確認できる想定浸水深と、予想される被害レベルの目安です。
・浸水深0.5m未満→床下浸水のおそれ
・浸水深0.5〜1m→床上浸水のおそれ
・浸水深1〜3m→1階の軒下まで浸水するおそれ
・浸水深3m以上→2階まで浸水するおそれ
なお、ハザードマップに「浸水想定区域外」と表示されていても、想定を超える大雨では浸水が起こることがあります。安心材料のひとつとして使いつつ、油断はしないようにしましょう。
●土のうを準備する|ホームセンターや自治体で入手可能
浸水を防ぐ基本的な手段のひとつが土のうです。玄関や勝手口の前に積み上げれば、外からの水の流入をある程度防げます。
土のうはホームセンターで購入できるほか、大雨が予報されている場合に自治体が無料で提供していることもあります。お住まいの自治体に事前に確認しておきましょう。
なお「吸水性土のう袋」なら水をかけるだけで膨らむタイプのため、扱いやすく保管場所も取りません。
●止水板・防水シートを設置する|玄関や窓からの浸水を防ぐ
止水板は玄関や勝手口の扉の隙間にはめ込んで、外からの浸水を防ぐための板です。専用品のほかに、ホームセンターで手に入るゴム製パッキンや防水テープで簡易的に代用する方法もあります。
防水シートは建物の外周に敷いて水の流入を遮断する素材で、土のうと組み合わせると効果が上がります。ただし完全に浸水を止めることはできないため、あくまで被害を小さくするための対策として考えておきましょう。
●簡易水のうを作る|緊急時に有効
土のうが手元にない場合、ゴミ袋と段ボールで簡易的な水のうを作れます。作り方は以下のとおりです。
・ ゴミ袋を二重にして段ボールに入れる
・袋の中に水を入れて口を縛る
・玄関や浸水リスクのある開口部の前に並べる
手順は難しくありませんが、水圧に対して完全に防ぐことはできません。あくまで「土のうや止水板がないときの代わり」と考えてください。
●雨水ますの詰まりを確認する|落ち葉やゴミを除去しておく
自宅の敷地内や道路脇にある雨水ます(排水溝)が落ち葉やゴミで詰まっていると、排水能力が落ちて浸水しやすくなります。梅雨や台風シーズン前に確認して、詰まりがあれば取り除いておきましょう。
なお、道路側の排水溝は自治体が管理していますが、常に清掃が行き届いているわけではありません。自宅周辺の排水溝は、台風シーズンの前に掃除する習慣をつけておくとよいでしょう。
人気関連記事:大雨による水害対策グッズ8選!突然の豪雨による浸水・洪水から身を守る方法とは
3.大雨による大規模な浸水発生時の対処法
浸水が始まってから行動しようとすると、あっという間に避難が難しくなります。「まだ大丈夫」と思ったときにはすでに手遅れなことも。浸水深ごとの危険性と、取るべき行動を事前に頭に入れましょう。
●浸水深30cmになる前に避難を開始する
浸水が始まったら、早めに避難することが何より重要です。国土交通省の資料によると、過去の水害では浸水深が膝の高さ(約0.5m)程度になるとほとんどの人が避難困難になったとされています。浸水深10~30cmの時点で多くの車のエンジン停止リスクも高まるため、早めの避難が必要です。
市区町村が発令する「警戒レベル」も避難のタイミングの判断材料になります。警戒レベル3「高齢者等避難」が発令されたら行動を始め、レベル4「避難指示」が出る前に避難を完了させるのが理想です。
参考:内閣府・政府広報オンライン|「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難
●地下室や地下駐車場からは早めに退避する
水は高いところから低いところに一気に流れ込むため、地下室や地下駐車場は短時間で浸水が進みます。出口が水圧で開かなくなることがあり、脱出が難しくなる前の退避が必要です。
大雨の予報が出ている場合は、地下駐車場の車をあらかじめ地上に移動させておきましょう。地下に駐車したままにしていると、車が水没する可能性があります。
●側溝やマンホールに注意!傘や棒で足元を確認しながら移動する
浸水した道路の水は茶色く濁っており、足元がほとんど見えません。普段は問題なく歩ける道でも、側溝の位置やマンホールのふたが外れた穴は水中に隠れています。
やむを得ず浸水した道路を歩くときは、傘や棒で足元を確認しながらゆっくり移動しましょう。長靴よりも、紐付きの運動靴のほうが脱げにくく安全です。荷物はリュックにまとめておけば両手が自由になり、万が一転んでもとっさに体を支えられます。
●浸水深50cm以上なら高層階への垂直避難を検討する
浸水が深くなっていて外への避難が危険な場合は、無理に外へ出るのをやめて建物の上の階へ移動する「垂直避難」を検討してください。
首相官邸によれば、ハザードマップで以下の3つの条件にすべてあてはまる場合は、自宅の上層階にとどまるのも選択肢のひとつとされています。
・家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていないこと
・浸水する深さよりも高い階に部屋があること
・水が引くまで食料・水の備えが十分にあること
ただし、河川の氾濫が起きると水位が急激に上昇することがあります。古い木造住宅など、水の流れに弱い建物では、倒壊のリスクも否定できません。
一方で、すでに50cm近い浸水の状況で外へ移動するのは非常に危険です。外への移動はあくまで水の流れがほとんどなく、移動ルートの安全が確認できる場合に限った例外と考えましょう。自宅よりも明らかに安全性の高い、鉄筋コンクリート造などの建物が近くにある場合は、高層階への避難を検討してください。
●冠水道路は車で走行しない
大雨の際、冠水した道路に車で進入するのは非常に危険です。水深と車への影響をまとめました。
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水深 |
車への影響 |
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0~10cm |
あまり影響はない |
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10cm~30cm |
ブレーキが効きにくくなる |
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30cm~50cm |
エンジンが止まるおそれがある |
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50cm以上 |
車が浮いて流され始め、パワーウィンドウが動かなくなる場合もある 閉じ込めのリスク大 |
たとえ浅く見えても、水の流れがある場所や低くなっている道では水深が急に深くなります。冠水路への進入は避け、迂回ルートを選びましょう。
4.大雨浸水被害に保険は適用される?|火災保険と車両保険をチェック
浸水被害に遭った後、保険が使えるかどうかは非常に重要です。ただし補償には条件があり、状況によって対象外になることもあります。いざというときに慌てないよう、事前に確認しておきましょう。
●火災保険の水災補償|床上浸水は適用対象になる可能性が高い
火災保険に「水災補償」が付帯されている場合、大雨による浸水被害は補償の対象になる可能性があります。主な補償対象となる条件は以下のとおりです。
・ 建物または家財に損害が生じた
・ 居住用の部屋の床を超える、または地盤面から45cmを超える浸水があった
・建物または家財の再調達価額の30%以上の損害が生じた
残念ながら、床下浸水のみの場合は多くのケースで補償対象外となります。床下浸水だけでは「地盤面から45cm超」という条件を満たさないことが多く、損害額も30%以上になることはほぼありません。
また、すべての火災保険に水災補償が含まれているわけではありません。保険証券を確認し、水災補償が付帯されているかどうかを調べておきましょう。
●車両保険|一般型・エコノミー型どちらも水害は補償対象
駐車中の車が浸水した場合、車両保険に加入していれば一般型・エコノミー型どちらでも補償の対象になる場合が多いです。ただし、保険会社や契約内容によって変わる場合があるので、詳細は問い合わせて確認することをおすすめします。また、津波による損害は対象外となるため注意が必要です。
浸水した車は、水が引いた後もエンジンをかけずに整備工場やディーラーへ連絡しましょう。電気系統のショートによる火災が発生するおそれがあります。自己判断でエンジンをかけて新たな損害が出てしまうと、保険の適用範囲に影響することも。保険会社の調査が入る前に損傷状態を変えないよう、被害の写真を撮ってから動いてください。
●保険金請求に必要な証拠写真を撮影しておこう
浸水被害に遭った場合、保険金の請求には被害状況の証拠が必要になります。水が引いても外壁の水位跡は残るため、清掃や修理をする前に必ず以下の写真を撮っておきましょう。
・外壁の浸水跡(水位の高さがわかるように撮影)
・損害を受けた床・壁・家具・家電
・建物全体の外観
火災保険の水災補償では、保険会社の調査員が実際にスケールを持って浸水の高さを測ることがあります。写真が証拠として機能するため、できれば複数の角度から記録しておくのがおすすめです。
5.浸水で停電しても安心!Jackeryポータブル電源で照明・スマホ充電を確保
浸水時の停電は、水が引くまで終わりが見えません。外に出られない閉塞感のなか、スマホの電池まで切れて情報を得られなくなるのは想定できる最悪の状況のひとつです。
Jackeryのポータブル電源があれば、浸水後の長い待機時間も電気を切らさずに過ごせます。家庭用コンセントと同じ差し込み口を備えているため、モバイルバッテリーでは動かせない家電も使用可能です。停電中に役立つ例をまとめました。
・ LEDランタンで部屋を明るくして足元の安全を確保する
・家族全員のスマホをまとめて充電し、連絡手段を維持する
・扇風機で夏場の熱中症を防ぐ
・電気毛布で冬場の低体温症を防ぐ
・電気ケトルでお湯を沸かし温かい食事を確保する
・小型ラジオに給電して停電中も情報収集を続ける
・電動ポンプを動かして床下浸水の排水作業を補助する
・冷蔵庫を動かして薬や食料を保存する
・除湿機を動かして浸水後の壁・床の乾燥を早める
Jackeryのポータブル電源は、日本国内で7年連続売上高・販売台数1位を記録した実績があり、防災からアウトドアまで幅広く使われています。自宅で停電時に使いたい家電をチェックして、ピッタリの容量の1台を選んでみてください。
6.まとめ
浸水被害を防ぐ基本は、事前のハザードマップ確認と土のう・止水板の準備です。発生時は浸水深が深くなる前に動き出すことが最優先。警戒レベル3の段階で避難準備を始めるのが目安になります。ただし、冠水した道路への車での進入は絶対に避けましょう。
万が一被害を受けてしまったときには、修理・清掃の前に写真を残すことが保険申請できるかを分けます。また、そもそも火災保険に水災補償が付帯されているか、今すぐ確認しましょう。
さらに停電への備えとして、コンセント出力のあるJackeryのポータブル電源を一台用意しておくと安心です。
